台南を歩く~その3~

緑生緑園、湯德章記念公園のロータリー付近をご紹介します


こんにちは、台北ナビです。
今回は台南市内の観光の中心である民生緑園、湯德章記念公園のロータリー、中正路一段付近からご紹介します。
日本とも関係が深い歴史的建造物が盛りだくさんのこのエリア。そんな中にユニークなショップやカフェが点在、3つ目のコースは、12件をご紹介♪ 

名称:国家台湾文学館
住所:台南市中西区中正路1号 開放時間:9:00~21:00 月曜休み

国家台湾文学館は旧台南州庁で、日本統治時代は台南州(現在の雲林、嘉義、台南を含む)の行政の中心でした。入口は違いますが、台南市役所も共同でこの建物を使用していました。第二次大戦時、米軍の爆撃に遇い、マンサード屋根(寄棟屋根の外側4方向に向けて二段階に勾配がきつくなっている屋根)は壊滅状態に。戦後の修復でようやく二段傾斜型になりました。空軍の供給司令部が置かれたこともありましたが、その後は台南市政府の所在地に。1997年に台南市政府は安平区に移り、ここは文化資産センターの準備事務所として、台湾文学館および文化資産保存センターの準備作業を担当、2003年に正式開館しました。現在国家文学館は台湾文学の収集、保存、研究を主とし、館内での展覧活動を通して文学教育の振興を行っています。1階では台湾文学の内的世界、本土母語文学などの常設展があり、また児童文学書房、文学図書閲覧区など、年代を問わず人々が文学に親しめるようになっています。 

名称:旧台南合同庁舎
住所:台南市中西区中正路12号 開放時間:現台南消防局中正分隊事務所

旧台南合同庁舎は、民生緑園の近く、国家台湾文学館の向かいにあります。一棟の白い近代的な建物で高くそびえる塔と壁には赤で大きく119の文字。ここは台南市消防局中正分隊の事務所なのです。ツバメがひっきりなしにやってきて巣を作っていました。昭和5年(西暦1930年)、ここに高い塔が建てられました。「御大典記念塔」といい、昭和天皇の即位を記念して建てられたと言われています。
塔は当時の台南で最も高い建築物であり、その後消防の監視台に使われるようになりました。昭和12年(西暦1937年)になって傍に合同庁舎が建設され、庁舎の左側には消防詰め所、右側は警察会館と上部には錦町派出所などの幾つかの部署が置かれました。近年になり、台南市消防大隊第二分隊(左側)、保安警察第五総隊第一大隊(右側)、国道公路警察第二分隊民生派出所(先端部)が置かれましたが、民生派出所はその後移転しました。  

店名:度小月老舗
住所:台南市中西区中正路16号 電話:(06)223-1744 営業時間:11:00~00:30

清朝光緒年間、魚を獲って生計を立てていた洪芋頭という人がいましたが、夏や秋は台風が多く海に出られない日が続きました。そこでまだ二十歳そこらの若者であった彼は、天秤棒を担いで水仙宮に行き麺を売り始めました。そのため「擔仔麵(天秤棒担ぎの麺)」と呼ばれ、また麺売りは魚獲りの合間の「度小月(その月その場しのぎ)」であったため、自分から度小月という名前をつけたのが始まり。現在では四代目になります。
店に入ると、幾つかの低い椅子が並んでいます。職人さんは慣れた手つきで一掴みの麺を煮て、お湯を切ったかと思うとタレを加え、最後にエビを一匹入れれば擔仔麺の完成。もしこの麺をじっくりと堪能したければ、グルメお薦めの方法を試してみては如何でしょう。まずお碗を持って香りを楽しみ、続いてスープを一口。人口調味料などは一切使わない長時間煮込んだ絶品の味です。最後にハシで麺とスープを混ぜ、麺とスープが十分に絡まったところでご賞味ください。 

名称:武德殿
住所:台南市中西区忠義路二段2号 開放時間:土日祭日のみ 9:00~17:00

台南市の忠義国小は、一級古蹟の孔子廟やきれいな小川の成功渓に囲まれ、さらに日本伝統建築の武德殿を講堂として使っている幸せな学校。校内のいたるところに特色のある建築があり、悠久の歴史文化が感じられると羨ましがられています。
日本統治時代、大日本部武德会は武道と尚武精神を広めるため、台湾の各地に武德殿を建てて武道館としました。台南武德殿は最初、台南大正公園(現在の民生緑園、湯德章記念公園)の東側にありましたが、その後昭和11年(西暦1936年)に台南神社外苑の東北角、孔子廟の隣接するこの場所に建設され、神社外苑と同時に落成式が行われました。武德殿の2階西側は柔道などの武道場、東側が剣道場になっていて、北側には祭壇が作られています。日本統治時代には武德殿の外に弓道場もありました。台南の武德殿は台湾に現存する武德殿の中でも、規模の大きさ、設計や建築材料(鉄筋コンクリート、セメント洗い出し技法)など優良な状態で残っているものの一つです。 

名称:林百貨
住所:台南市中西区忠義路二段63号 開放時間:未定

林百貨(日本名:林百貨店、林デパート、ハヤシ百貨店)は、創業、設計とも日本人であり、創業者は山口県出身の林方一、設計者は梅沢捨次郎。1932年12月5日、台南市末広町二丁目(現在の忠義路と中正路の交差点)に建設、当時の台南市では唯一近代的なエレベーター設備と鉄筋コンクリート構造のビルでした。年配の台南人のいう「五層樓仔」(閩南語:Gō͘-chàn-lâu-á),(五階建て)」は当時、台北栄町の菊元百貨と並んで日本統治時代の南北2大デパートでした。
林百貨の建築スタイルは独特で、曲がり角に位置する正面が一番高く、上部は女兒牆と呼ばれる飾り壁が段々と低くなっているデザインです。正面の両側は2階から5階まで小さな丸い窓があり、6階は角窓、1階の騎楼とよばれる通路の柱さえ装飾が施され、店内は芸術的な雰囲気に溢れていました。
この建物はアメリカ軍の空襲を受け、現在でもその弾の跡が残っています。第二次大戦後は台湾製塩の本工場となり、その後台湾省食料局、空軍ラジオ局として使用されました。現在は高青開発公司に引き継がれ、カルチャーやクリエイティブを中心としたデパートとして開発されようとしています。

名称:孔子廟
住所:台南市中西区南門路2号 開放時間:8:30~17:30

赤く美しい外壁に覆われた孔子廟は園内に多くの木々が植えられ、微かな風にも揺れる緑の葉は歩道の上に美しい光と影の模様を描き出します。よく見れば枝の上にはリスの姿もあり、生命感にあふれています。
朝8時、孔子廟の中からは運動をする人たちの音楽が聞こえます。早朝からお年寄りのグループが手をたたいたり、声を上げたりしてその活力は朝の空気の中に満ちています。石製の椅子に腰掛け、中国将棋をしたりお喋りをしたり。台南孔子廟、別名台湾文廟。名前は厳粛に聞こえますが、附近の住民の生活と一体に溶け込んでいます。
台南孔子廟は明朝永暦19年(西暦1665年)に創建された台湾最古の文人廟であり、将軍陳永華の進言により鄭成功によって大成殿が建てられました。もともと孔子を祀っていたため当時は先師聖廟とも呼ばれ、後に明倫堂が建てられ講義が行われるようになり、清朝時代には全台湾の学問を目指す新入生が集まる最高学府と称されました。孔子廟の建築は雄大で威厳があり、構造も整っているため、国家一級古蹟に指定されています。 

店名:双美写真館
住所:台南市中西区南門路15号 電話:(06)222-3730 営業時間:13:00~21:30

民生緑園傍の双美写真館は一見どこにでもある、現像や機材の販売をする普通の写真屋さん。でも実は日本統治時代を経て、米軍の空爆も経験し、現在に至っています。壁に飾られた2枚の古い写真がその歴史を語ってくれます。
写真館の創始者は陳淵源さん。15歳で初めて自分のカメラを持ってから写真に興味を持ち、最後には写真館を開くまでに。60年以上の歴史を持つこの写真館は日本人が台南に残した建設とその足跡を見続けてきました。写真のうちの一枚に写っている雙美写真館は米軍の空爆で屋上のセメントレンガも壊されています。写真館の裏手にあった両廣会館も建物ごと吹き飛ばされ、後に民生市場になりました。もう一枚の写真は写真館の前を撮ったもの。空軍専用のバス亭の看板と2人のチャイナドレスの女性が写っています。写真の中の古い2階建ての建物は日本統治時代の台南市歴史館で、現在は中西区区役所となっています。 

名称:旧台南警察署
住所:台南市中西区南門路37号 参観予約電話:(06)223-1101 開放時間:内部参観は予約制

民生緑園附近は早期において台南の重要な行政中心であり、国家台湾文学館は旧台南州庁、台南市警察局は日本統治時代の台南警察署の庁舎でした。この建物は左右対称の作りで、1階は入口として3つの門がありました。門の上はバルコニーになっており、壁にはアーチ型の窓が連続しています。2010年、台南県と台南市が合併した際に警察局が北の新営区に移されることになり、現在この建物は空き家となっていますが、将来は台南市美術館となる予定。
清朝時代、ここには台湾府城七寺八廟の一つである龍王廟がありました。重道崇文坊の石門もこの近くにあります。日本人は台湾を統治する際、治安管理のため警察署を設立。警察事務は民生部内務局警保課の主管が管理することとなり、1年目に警部70名、巡査600名が各地の行政区に配置され、治安と民衆の私的公的活動を管理するようになりました。これは警察官による配給制度の始まりであり、著名な文学者楊逵、葉石濤などがこの地で投獄されました。

 店名:草祭二手書店/草祭古書店)
住所:台南市中西区南門路71号 電話:(06)221-6872 営業時間:11:00~22:00 水曜休み

「草祭二手書店」は、入口から中央まではごく普通の書店なのですが、奥の空間にはあっと驚かされました。地下1Fからロフトになった壁一面の本棚には、竹の梯子がかけられ、台南が商人の街であったことが表現されています。書籍はカテゴリーごとに置かれていますが、色や装丁の仕方、高さや厚みなどがバラバラなのに、全体的に不規則な統一性を醸し出しています。会員制書店なので、会員のみ中に入ることができます。

店名:芳苑氷棒
住所:台南市中西区開山路6号 電話:(06)227-2047 営業時間:9:00~21:30

創業の初め、初代は天然の材料を使用することにこだわり、アイスキャンデーに必要なものには全て厳格な要求をしたそうです。科学材料は一切使わず、そのため始めの頃はなかなか思うようなものができなかったとか。そんな時は製品を捨てて売らなかったそうです。現在店は二代目に引き継がれていますが、父親譲りの技術と理念で「自分の子どもに食べさせられないようなアイスはお客さんに売らない」と堅持しています。そのため製造にはちゃんと沸かしたお湯、混ぜ物のない砂糖を使い、添加物は一切加えず、懐かしい伝統の味を保持。毎回の生産量も多くなく、売り切れたらまた作るという具合で、お客さんにいつもできたてを提供しています。 

店名:Layoo 來喲
住所:台南市中西区開山路122巷36弄15号 電話:(06)221-5937 営業時間:12:00~18:00 火曜休み

府中街の中ほど、右側の路地の入り口に「Layoo」という看板が立っています。興味にかられた人が看板の示す方向に進むと、突然一軒の手作りバッグの店が現れます。こちらのバッグは、いろんな用途に合わせて設計されているのも特徴。例えば迷子防止の子ども用バッグ、ママ用バッグ等など、大きなものから小銭入れまで。キーホルダーやハサミの部品などもあり、どれを見ても欲しくなってしまいます。
Layooは「一針一糸、よい社会を作るために」という理念で、本皮とキャンバス地を主な材料とし、地域の婦人たちと協力してバッグを製作。手作りの温もりを残しながら、家族を思って作られたこれらのバッグをより多くの人に届け、幸せを感じてもらいたいと願っています。 

店名:話不多
住所:台南市中西区府中街102号 電話:0916-835635 営業時間:11:00~22:00 火曜休み

このお店を紹介する時、オーナーの白さんは特に「小さい小さい小さいカフェ」と3回連発。実際びっくりするくらいの小ささです。雑貨などがたくさん置いてあるため、外観は雑貨屋さん風。間違えて入ってしまったお客さんがカフェと知って驚くほどです。中学生の時からコーヒーを飲むようになった白さん。コーヒーに出会った最初の印象を大事にしたいと考え、メニューのコーヒーや飲み物はシンプルなものが多いのですが、時には突然のアイデアから面白い飲み物を考案したり。それでもお客さんにはコーヒー本来の純粋な味を提供したいと考えています。 
関連タグ:文化伝統日本警察歴史名物度小月林百貨カフェ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-12-03

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