大自然や農村風景、台湾コーヒー、温泉が楽しめる、疲れたあなたにピッタリな癒しスポットがたくさんです
こんにちは、台北ナビです。
リピーターが益々増える台湾。「もっとディープな場所に行ってみたい」と言う方も多いはず。そんなあなたにオススメなのは台南市の北部一帯!
大自然や農村風景があふれる環境で、ご当地グルメ、台湾コーヒーなどの美食にも恵まれているほか、美肌の湯とされる温泉も楽しめるこの地域は、日本からの観光客が少なく、癒しを求める疲れたあなたにピッタリのスポットです。早速楽しい旅に出発しましょう!
土溝農村美術館で童心に帰って遊んじゃおう!
旅の始まりは高鉄(台湾新幹線)「嘉義」駅から。高鉄「台南」駅は台南市の南側に位置しているので、台南市北部へのアクセスは嘉義からが便利です。台北から嘉義までは最速1時間30分。シャトル観光バスの台湾好行「關子嶺故宮南院線」に乗り継ぎができます。
元廃工場とは思えないお洒落な空間です
まずナビがやってきたのは、集落全体が美術館という「土溝農村美術館」の拠点的役割を果たしている「優雅農夫芸文農場」。こちらは以前にもナビでお伝えしたことのある場所です。
「前にも来たことあるわ」とおっしゃる方、侮るなかれ。実は、集落の作品は日々変化を遂げているんです。新しい作品が追加されていたり、これまであった壁画が全く別の絵に変わっていたりと、時間を置いて再訪すれば、また違った作品にめぐり合えます。
こちらに来たら要予約で食べられる「季節の田園食」も外せません。地元食材をふんだんに使ったボリュームたっぷりのプレート料理がいただけます。メニューはなく、何が出てくるかはその日の食材の調達状況によって変わります。もし食べられない食材があれば、予約時にその旨を伝えてくださいね。
この日はチキンとパイナップルの炒め物、シイタケとニンジン、ゴボウの炊き込みご飯、柚子ジャムが入ったタレでいただく季節の野菜の天ぷら、レンコンとスペアリブのスープのセット。一般的な台湾料理とは違いますが、食材の美味しさを引きたてたさっぱりした味わいで、とっても美味でした。
こちらのお食事は入場料込みで380元。とってもコストパフォーマンスに優れているので、オススメです。
台湾最大の湖でクルージング!野生のイノシシへの餌付けや魚釣りもできます!
お次やってきたのは、台湾最大の湖として知られる曾文水庫(ダム)。日本統治時代に八田与一技師が手がけた烏山頭水庫の上流にある湖で農業・生活用水の確保のため1973年に完成しました。
風光明媚な場所として知られ、展望台からすがすがしい風景を眺められるレジャースポットなのですが、今回楽しんだのは、湖上クルージング!しかも、普段の生活では味わえない特別体験ができるクルージングなんです。
乗船場所は、南北に長い曾文水庫の南端にある展望台付近。基本的には1時間のコースが1日2便、3時間半のコースが1日1便となっています。料金は1人当たり300元と600元(休日700元)。日本で船に乗るとチケットはかなり高額になりますが、良心的な価格なのが嬉しいです、
今回は毎日13:30に出航する3時間半のコースに乗り込みました!
ダムの本体。高さ128メートル、長さ400メートルあります。
当然のことですが、湖なので波が大きくありません。なので船酔いが心配な人もご安心を。ここに来る山道のほうが酔いやすいかもしれません。
船の座席は自由席。ナビのオススメは船頭です!船長さんの視線を遮ってしまわないか心配したのですが、特に問題ないといわれたので、お言葉に甘えて特等席を陣取りました。また、日差しを遮るものがないので、日焼け止めは必ず持ってくださいね。湖面が太陽光を反射してかなり明るいのでサングラスもあると便利です。そして、風も強いのでウインドブレーカーがあるといいですよ。
湖面に横一線に並ぶブイが見えますか?流木などがダムの放流に支障をきたさないよう、網が張られています
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クルーザーはその網と網の間をすり抜けていきます。横幅はギリギリで、ちょっとスリリング
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2009年に台湾の中南部・東部を中心に大規模災害を引き起こした颱風莫拉克(モーラコット台風)で起きた土砂崩れ。ほぼ10年が経過していますが、岩肌がむき出しのままです
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満水時は植物があるところまで水が上がってきます。秋から冬にかけて南部は渇水期なので湖岸に肌色が露出する機会が多くなります
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さて、出航から約20分くらいすると、船がオペラ音楽を大音量で流し出し始めました。 何かと思って湖岸に目をやると、見えてきたのは……
なんと野生のイノシシ!!!
実は、このクルーズ船の目玉の一つは、野生のイノシシに餌付けできるということなんです! なんでも、オペラの音楽を流すと、イノシシが「船が来た!」ということを察知して、餌がもらえることを期待して集まってくるんだとか。ちなみに、流行音楽だと寄ってこないんだそうで、必ずオペラを流すんだそう。理由は良く分かっていませんが、パブロフの犬のような条件反射的なものなのかもしれませんね。
クルーザーが到着する簡易埠頭はきちんと柵があって、イノシシが突っ込んでこないようになっていますのでご安心を。ただ、手を伸ばすと危険なのでお子様はくれぐれもご注意を。ギリギリまで近づいて記念撮影ができます。
再びクルーザーに乗り込み、続いては「飛鷹峡谷」と呼ばれるV字谷に接近します。
曾文水庫周辺はイノシシのように豊富な生態系が育まれているのですが、鷹をはじめとする大型の鳥類も多いのです。
馬のように見える岩場。右側を向いているのがわかりますか?
鷹などの大型鳥類は、強い上昇気流があって初めて空を悠々自適に飛び回ることができます。そのため、一言で曾文水庫といっても、飛行できる範囲は限られているんだそう。その中でも比較的終日に渡って鷹が見られるのがこの「飛鷹峡谷」なんです。空を見上げると、ちょうど何羽か飛んでいるのが見えました。
最後にやってきたのは、地元の役場が運営する公営の釣り場。
実は台湾のダムは水質を守るためそのほとんどが水源保護区に指定されていて、遊泳や釣りなどのレジャーが禁止されているんです。曾文水庫も例に漏れず、基本的に釣りは禁止なのですが、この公営の釣り場に限り、魚釣りが合法的に楽しめます!
たくさんの魚が釣れ始めると、にわかに騒がしくなるのが釣り場の上空。野鳥が「鳥」視眈々と食料を狙っています。
なので、一定量の魚が釣れたら、湖に投げ入れて、野鳥の餌にしちゃいます!
そして、約3時間半の全コースが終了。非常に充実したツアー内容で、大満足でした!これは家族連れにピッタリなレクリエーションだと言えると思います。
夕食ももちろん地元食材を使った料理を
日も暮れてきたので、そろそろ夕食と行きましょう。車を山間部の関子嶺温泉へと走らせて、地元食材をふんだんに使った創作料理が食べられる「岩頂咖啡自然休閒坊」にお邪魔します。
鳥やヤモリ、カエルなどの鳴き声が聞こえる大自然の中にあるアットホームなバンガローのような雰囲気のレストラン。小川も流れていて、せせらぎに耳を傾ければ、そこはもうリラックス天国のよう。
コチラの目玉は、チキンの丸焼きに加えて、台南の山間部で特産品とされるコーヒーを使った料理が食べられること!
一匹まるごと、ダイナミックに頂きます!
見てください!このこんがり黄金色に輝くチキン。外はパリパリ、中はジューシー。コショウやタレをつけなくても、ご飯によく合うお味です。
そしてこちらは鶏肉をコーヒー豆で煮込んだスープ!コーヒーをスープとして飲む新感覚に度肝を抜かれる創作メニューですが、あっさりしていてとっても飲みやすかったです。油濃い料理が多い台湾では、口直しとしてもピッタリでした。
そしてこちらのソーセージも特別なもの。コーヒーに漬け込んだ後に焼き上げた、コーヒー風味ソーセージなんです。ジューシーなのですが、後味としてコーヒーのすっきり感が口いっぱいに広がる、こちらも固定概念を覆す味。ビールのつまみにしたらとってもグッド!
台南市白河區觀子嶺65-28號
(06)682-3339
10:00~22:00
お腹がいっぱいになったらホテルに直行してゆっくり休みたいところですが、そこはじっと我慢。 実は関子嶺温泉では今、色々な場所でライトアップが行われているんです。
源泉がある宝泉橋公園や、日本統治時代に神社があった嶺頂公園など、カラフルなライトで照らされた幻想的な世界が広がっています。
さて、関子嶺温泉の最大の特徴と言えば、湧出する温泉に泥が混じっている泥温泉なこと。お湯自体は美肌の湯として知られる炭酸水素塩泉。お肌がツルツルになること間違いなしです。
この日宿泊したホテルは日本統治時代に中華様式のキリスト教会が建設された沐春温泉館。 館内には日本語の演歌が流れ、畳の部屋がある、「台湾人の中の日本イメージ」が体験できるちょっとユニークな温泉ホテルです。
朝食は体に優しいサツマイモ粥。つけあわせが豊富で見た目以上に分量がありました
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朝もやのかかる景色もまた格別
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台南市白河區關嶺里27號
(06)682-3232
不思議な光景が見られる「水火同源」
関子嶺温泉の観光スポットで、ぜひ訪れてもらいたい場所が有ります。それは温泉がこんこんと湧き出るその場所から、自然発火したとされる火が燃え盛る「水火同源」という場所。
温泉旅館が立ち並ぶ集落からは距離があるのですが、ここは公園として整備されていて、お土産物を売る商業施設もあります。
その「水火同源」というのがこちら。地中から温泉と火が清の時代に発見され、現在まで約300年火が消えたことがないとされています。 日によって噴出する火の勢いが変わることはあるそうですが、基本的には強風の日も、大雨の日も、台風の日も消えたことがないんだとか。 火が噴きあがる場所の周りは池になっているので、至近距離には近づけないのですが、池に近づくだけでも熱さを感じるほど。かなり強い火力であることが分かります。
自然が持つ力の大きさをまざまざと見せ付けられる不思議スポットです。
ミニ盆栽にお菓子 仙湖農場で思い出作り!
続いてやってきたのは、ナビでも過去に紹介したことのあるレジャー施設の仙湖農場。
こちらではさまざまな体験学習プログラムが用意されていて、家族みんなで思い出作りができます。 今回紹介してもらったのは、コーヒーの苗木を使ったミニ盆栽作りとお菓子作り体験。
また、農場内には屋外プールのほか、季節の花々が咲き誇り、ニワトリや野うさぎ、蝶々などたくさんの動物と触れ合える生態園区があり、自由に走り回って大自然を堪能できます。
農場内にはレストランがあり、やはり地元の食材をふんだんに使った料理が楽しめます。
日本と台湾のつながりを再認識できる八田与一紀念園区
最後に訪れたのは、烏山頭水庫のほとりにある八田与一紀念園区。建設に携わった作業員が暮らした宿舎の一部が復元されている公園ですが、現在はその建物を利用して、お茶屋さんやアートスペースに変貌しています。
今回は復元された建物群のうち「赤堀宅」を訪問しました。ここでは、裏千家の先生による、和菓子と抹茶が味わえるんです。
台湾に作られた古い日本家屋で楽しむ日本伝統の味。異文化の地で日本文化に触れられるというのはとても不思議な感覚ですが、日本文化が台湾で大切にされていることを実感できるとてもいい機会です。
また、お隣の「安部宅」では中国古琴の先生が教室を開いていて、見学が可能なほか、古琴の入門レッスンが受けられます。
日本家屋の中で中国古琴というと、なんとなくミスマッチじゃないのかなと思ったのですが、意外や意外、なかなかの和中折衷ぶりで、内装を含めてモダンな「粋」を感じました。
付近の学生らを招いたコンサートなども計画しているそうです。
今回訪問した台南市の北部は西拉雅国家風景区に属する地域なのですが、本当に心が洗われるような素敵スポットがたくさんあります。台湾の歴史や文化にも触れられる価値のある場所です。皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。
以上、台北ナビでした。
映像でも台南北部の魅力を確かめてみてください~
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-03-11