台湾にこんな所あったんだ…と思わされるほどの青い海、青い空、緑の山、そして人々の笑顔がありました
こんにちは、台北ナビです。ナビが台湾へ来て早くも3年が経とうとしています。お仕事でもプライベートでもいろんな所へ行きましたが、なかなか縁がなく行ったことがなかった場所、それが台東。今回、観光局主催によるメディア向けツアーに参加することができ、ナビの初!台東となりました。
花東國際光點
今回のツアーの目的は台東に新たにいくつか設けられた観光スポット“光點”を視察するというもの。これは2009年に設立された「台灣好基金會」という団体により計画されました。ナビもなかなか機会がなかったように、台東に訪れるのは実は結構大変なんです…主な交通手段は2種類。まずは国内線。乗ってしまえば台北から50分ほどなのですが、やはり飛行機に乗ると思うと外国観光客にとってはひと手間。もっと身近な電車だと、なんと約6時間もかかってしまうのです。そんな台東を観光地として活性化させるため今回の計画が始まりました。ツアー参加者はすべてメディアで40名弱。日本のメディアは台北ナビだけでした。
7月31日土曜日、晴れ。11時20分に松山空港集合。カウンターで「台灣好基金會」のスタッフさんからチケットをもらい、時間までショップなどをうろうろ…時間になり、いざ搭乗。国内線は2度目のナビ。機内は満席。通路側の席だったので外はなかなか見えませんでしたが、寝る暇もなくあっという間に到着しました。降り立ってみると台北とはさほど変わらず相変わらずの暑さ…小型バスに分乗して、まず向かったのは昼食のレストランです。
場所は、ひとつ目の台東光點「鐡花村」のすぐ隣にあるレストラン「萵苣厨房」。海の街にある隠れ家カフェみたいな雰囲気で、白く小さい建物が可愛らしいお店です。ここで洋食のビュッフェを味わいました。無農薬にこだわった野菜が自慢だそう。
住所:台東市新生路137号
電話:089-342-679
営業時間:11:30~22:00
「鐡花村」にやってきました。台東は原住民が多く住むエリアなのですが、ここはその原住民音楽やアクセサリーをはじめとした芸術品を販売するなど、総合的な文化交流の場にしようとできた場所です。この日、そのオープンに際し記者会見が開かれました。
まずは観光局副局長のご挨拶から。「今までは台東は交通も不便だった。これからは観光局による無料シャトルバスの実施やお得なパックチケットの販売などを通してもっと便利に、身近に。7/30からできた台東夜市には初日1日で2万人が訪れた。今後は毎週水・金・土曜日に夜市を楽しめるようになる。」
台東県長「すばらしい原住民音楽がまだまだ広がっていない。機会に恵まれないのがひとつの原因。“好山・好水・好無聊”(いい山・水はあるが、つまらない)と言われていた台東をなんとか変えていきたい。」
台灣好基金會社長「ここはもともと台鉄会社の土地だったが、大きな木が何本も並ぶ風景を一目で気に入り、この場所に鐡花村を作ることを決めた。」
とそれぞれ熱い思いを語ってくださいました。
その後、夜披露される歌手によるデモンストレーションが。聴き慣れない原住民音楽ですが、パワフルでもっと聴いていたい!と思わされました。今夜が楽しみ!
目の前の緑地には小さなテーブルがコの字型に並び、それぞれ自分たちの“芸術品”を販売しています。このショップエリアが「慢市集」。ここにあるのはもちろんここだけの1点もの。旅の思い出はここで調達するのに決まりです。
手づくりアクセサリーのお店。原住民っぽくてカワイイなぁ、と見ていると日本人の気配をキャッチ!まさかと思って声を掛けてみると販売しているのは日本人女性のアキさん。こんな所で日本人と出会えるとはホントに驚きでした!アキさんはパイワン族の彼と交際中。てっきり商品は彼が作っているのかと思ったら、これらはアキさんが。もともと日本にいる時からアクセサリー作りをしていたということなんですが…現地に溶け込んだアクセの雰囲気は、まさか日本人が作っているとは思いませんよね!?いやー、これにはビックリしました…
全体的にはアクセ系が豊富。ナビも手作りブレスレットを150元で購入しました!ほかには名産のお米やお茶、ハチミツやジャムなどの販売もありましたよ。
自然紀行
さて、一行は「鐡花村」を離れ、次の目的地「龍田村」へと向かいます。途中車窓からパラグライダーを発見!少し見学することになりました。山が連なるこんな大自然の中を飛んだら楽しそう!!ナビは高所恐怖症ですが、これならできる!やってみたい!と思いました。20分で1500元、高くないですよね。
龍田村に到着しました。ここは私たち日本人に所縁のある所です。というのは…昔ここは、日本統治時代日本人が住んでいた場所。そのため日本式建築物などが残っているのです。そういった景色を楽しむためサイクリングに出掛けます。「阿度の店」でレンタサイクル。阿度おじさんがガイドも務めてくれるのですが…そのしゃべりがかなりおもしろいんです!たぶん日本語で言うなら“おねえ言葉”ってやつでしょうか。「~なのよぉーー」みたいな感じ。以前は旅行会社で添乗員などをしていたという阿度さんはしゃべりもウマイ!笑顔でレッツサイクリング~!
まず訪れたのは「龍田國小」。ここは統治時代日本人専用小学校でした。校内には老木がたくさん残っていることで有名。ハト小屋も見かけました。日本の小学校っぽいですよね…
道を進むと広がるのは一面のパイナップル畑!本当に甘い香りが漂ってくるんです。こんなサイクリング初めて!
そして、次に到着したのが先ほどのパラグライダーの着地地点ともなっている芝生の広場。ここから見える小さな山。当時日本人はその山が富士山と似た形をしているので、山を眺めながら故郷を想ったんだといいます。
自転車を降りるように指示する阿度さんが発した言葉は…「みんなで道路に横になるわよ~」えっ!うそー。と思っていると、阿度さんは本気顔。広場の脇には「小葉欖仁」と呼ばれる緑のトンネルがあるのです。全長1キロになるそのトンネルは横になって見ると格別キレイなのだとか。ナビもきちんと横になりましたよ。顔を横に向ければトンネルが。上を向けば木の葉の間から青い空が覗きます。このまま眠りにつきたいな…と思うほどリラックスできました。
今度はバナナ畑を眺めながら帰路へ。緑をいっぱい吸い込んだ楽しいサイクリングでした。
「阿度的店」
住所:鹿野郷龍田村光栄路232号
電話:089-550-706
原住民料理のディナー♪
ふたたび台東市内に戻り夕食。訪れたのは原住民の山料理が楽しめる「米巴奈」。見たこともない料理がテーブルを覆い尽くしました。どれも野菜がたくさん使われていて健康的。クセがなくおいしいのでモリモリ食べちゃいました!店員さんの原住民の制服もカワイイ。いつか自分で着て記念撮影をしたいナビです…
住所:台東市傳廣路470号
電話:089-220-336
営業時間:11:30~14:00、17:00~22:00
夕食後「鐡花村」に戻り待ちに待ったライブへ!たくさんの人が訪れており席が足りないほど。立ち見や直接地べたに腰を下ろす人の姿もありました。ひとり目は巴奈さん。恰幅のいい温かみのある女性です。歌声があまりにも心地よくて眠たくなってきました。ふたり目は新進気鋭の歌手、陳永龍。彫の深い顔立ちがいかにも原住民。若者にも受け入れられる音楽で今注目されているとか…アップテンポなのでステージ前で陽気に踊り出す人が。それがドンドン増えいつの間にかみんなで手を取り合ったフォークダンス状態になっていました!最後は南王三姉妹。夜風を感じ、お酒を飲みながら聴くのにピッタリな素敵な歌声でした。今後は毎週さまざまな歌手の方を招いたライブが観賞できます。
住所:台東市新生路135巷26号
電話:089-347-830
「鐡花村」営業時間:火曜~日曜14:00~22:00
ライブ時間:20:00~22:00(開催は不定期、下記ホームページでご確認ください)
「慢市集」土・日曜のみ
ホテルへ
いい気分のままホテルに到着。今夜は「フォルモサナルワンホテル」に宿泊。すごく大きなホテルでびっくりしました。部屋に入ると…原住民柄がふんだんに使われ、広くてキレイで…かなりテンション上がりました↑窓からは遠くにうっすらと平野の夜景が。今夜はいい眠りにつけそうですZzz…
翌朝カーテンを開けるとこの景色、気持ちいい~!台北では絶対味わえない気分でしょう。朝食はビュッフェ。こちらも広々としたレストランで宿泊客がいっぱいでした。
「娜路彎大酒店」
住所:台東市連航路66号
電話:089-239-666
2日目も快晴!意気揚々と出発します。途中離島・緑島が望める海岸線「伽路蘭遊覧区」に停車。ここの景色ベストワン!青い海・青い空・緑の山、すべてが揃ってます。ここでしばし撮影タイムとなりました。
その後ずいぶん車を走らせました。海の方?山の方?かはわかりませんが、とにかく奥地へやってきたようです。ぽつぽつと家が建つ部落へやってきました。ここは「比西里岸」と呼ばれています。太陽のある場所、という意味です。子供たちが太鼓のようなものを抱え整列して迎えてくれました。この太鼓は「寶抱鼓」といい、海の廃材を使用したもの。それぞれ自分で作ったものを使っているそうです。
彼らは不遇な境遇で育った子供たち。ほとんどは両親がいない子たちで祖父母に育てられた子なのです。が、この寶抱鼓と出会い、そんな境遇を微塵も感じさせないような笑顔を取り戻しました。2曲を披露してくれた彼ら。いかにも踊りだしたくなるような太鼓の音色なのに、ナビはじわっと涙がこみ上げてきました。太陽のある場所、それは太陽のような笑顔を持つ彼らがいる場所のことだと思いました。
港口光點
ふたつ目の光點は昼食会場「巴歌浪船屋」。となりには実際の船を使った民宿もあります。殻付きのウニや焼き魚をはじめとした、海鮮をふんだんに使った原住民創作料理が振る舞われました。オーナーにとって「海は冷蔵庫、山は市場だ!」ということ。また、すばらしいのは店の近くまで迫る風景!まるで南の島のリゾート地みたい。2色の青色を持つ海に心が掴まれてしまいました。この日たまたま誕生日だったお客さんがいたこともあり即席ライブ開催!海風と音楽、そしておいしい料理…申し分ないです。
住所:台東県長濱郷樟原村大峰峰15号
電話:089-881-400
最後に訪れたのは米どころとして有名な池上。米がおいしいところは水も空気もキレイ。そしてここにもずっと眺めていたくなるような風景が広がっていました。湖に光が反射してキラキラと眩しく揺らめいています。その奥には緑地のグリーン。そして、奥にはさらに深い緑をした山…ナビたちは用意されたデザートをいただきながら、しばし腰を下ろしおしゃべりに花を咲かせました。