第3回「なぜ屏東に?オシャレ民宿&カフェ」
-名前:はにわきみこ/年齢:42才/コメント:代表作「たまらない女(便秘解消体験談)」「へこまない女(離婚や落ち込みからの脱出法)」など。「へこまない女」は「不服輸的女人」として台湾で翻訳。ほか「日本一やさしいフリーのための確定申告ガイド(情報センター出版局」がロングセラー。2004年6月初めて台北を訪れ中国茶の魅力にハマり、以後6回にわたって台北へ。2007年3月1日~4月30日屏東県主催の「日籍当代作家駐屏東県作計画」のメンバーに選ばれ、ホームステイと屏東観光地めぐりを体験。(現在フリーライター) -
駅の近くのビジネスホテル
屏東(ぴんとん)県政府文化処が「日本人のみなさんに、私たちの土地がロングステイに最適だと感じてほしい!」とアピールし、私も行ってきた「日籍当代作家駐屏東県創作計画」。滞在の基本はホームステイですが、3~4日間の観光ツアーでは、色々な宿に泊まりました。
実は、屏東駅周辺には、ビジネスホテルが数件。町一番のホテル「富光大飯店」は、宴会ができるホールはあるそうですが、決してゴージャスではない…。質実剛健でムードは二の次、という感じなんです。大都会の台北だったら、五つ星ホテルがひしめいていますが、ここは台湾最南端、屏東県。都会と同じ土俵で戦ったら、勝ち目はありません。だけど、屏東には、自然がある! 広い土地がある!それを活かした宿がある!のでした。
60日間の行程の初日の宿は、「台鳳(タイフェン)高爾夫球場 」。屏東にはゴルフ場がたくさんあるんです!定年を迎える団塊世代にむけて「台湾南部はゴルフが楽しめますよ」とアピールってことかしら。残念ながら、私自身はゴルフに縁がないけれど…。それはさておき、部屋はなかなか立派です。大きな窓からグリーンが眺められるし、敷地内には南国の花々が咲き乱れ、まるで庭園のよう。さらに、ガラス張りのレストランは、パーティもできる洒落たスペース。
「屏東で一番高い宿ですよ~」通訳をしてくれた李小姐(りしゃおじぇ)も、「私も初めて泊まります!素敵なところですね~」と大喜び。ちなみに場所は、原住民文化地区のある、三地門のそば。山の上にある高原で、朝晩はひんやり涼しい土地です。
【台鳳高爾夫球場】 屏東縣高樹鄉廣興村中正路69號
美しいベジタリアン宿房
白いコテージ。樹齢の高い木がたくさん。
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スパイシーな本格ベジカレー。
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ベジなグラタン。全体的に西洋風なメニューです
続いて、「客家(ハッカ)文化を巡るツアー」で、内浦、萬巒、竹田、[王馬]家エリアを巡った時の宿「安巒山莊(ān luán shān zhuāng )」も、素敵でした。
ツル性の植物をアーチに絡ませた緑のトンネルをくぐり抜けると、中庭を囲むようにレストランと、コテージが並んでいます。 併設された「安巒山莊集團-民間粗糧館」というレストランは、軽井沢を彷彿とさせる高原のオシャレカフェという感じ。食事だけの利用もできます。宿泊時のメニューは、植物性の素材だけを使ったベジタリアンメニュー。ご馳走づくしで胃が疲れていたところに、見た目も美しいベジ料理は嬉しいものでした。
ちなみに、コテージ内部は板張りで、自分で布団を敷くタイプ。一部屋に8人が泊まるフレキシブルデザインでした。聞くと、宗教的な宿房の意味があるとのこと。日本で言えば、お遍路さんが泊まっていくような場所ってことかしら?
【安巒山莊】
屏東縣萬巒鄉鹿寮村永康路134號之1 TEL: 08-738-8015
イカす!山間部の「民宿&カフェ」
インテリアも趣きあり
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ボリュームたっぷり、養生薬膳火鍋のセット
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窓からは山が見渡せます
さらに、山間部の高樹地方で泊まった民宿はレベルが高かった!ベジタリアンカフェ兼民宿の「嵐筑園」は、周囲を山に囲まれ、庭には花が咲き乱れる、隠れ家的存在。週末にドライブがてら泊まりに来るのにピッタリ、というロケーション。屏東には、ドライブ旅行が楽しくなる、穴場的ペンションがいろいろありそうです。
カフェで出す食事は、素食(スースー)、つまりベジタリアンメニューです。この手のオシャレカフェでは、本格的なドリップコーヒーや、ティーポットでサーブされるハーブティーなどが楽しめるのが特徴。また、固形燃料で温める一人用の鍋セット(養生薬膳火鍋)といったメニューがあります。台湾で初めて見ましたよ、こういうお鍋。
【嵐筑園】
屏東縣高樹鄉新豐村和興路6號(沿山公路3k大津瀑布旁) TEL:08-7916633
広い土地を生かした「休閒農場」いろいろ
サトイモ畑の中に、オブジェが
さて、豊富な土地と自然を活かしたカフェもたくさん。屏東の市街地から車を走らせると、さまざまな「休閒(門構えの中に、月)農場」が存在します。どうやら、郊外にあって敷地が広く、庭やテラスがしつらえてある、小型のアミューズメントパーク、が休閒農場の定義みたい。場内には動物がいたり、手作り体験ができたり、キャンプ場が併設されていたりと、それぞれ趣向を凝らしています。
牛が引く車に乗れるんです
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指導をうけて、版画を体験
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筒型オーブンで料理中
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鶏の丸焼き、桶仔鶏(トンツーチー)。忘れられない美味!
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あずまやでティータイム
中でも印象深かったのは、牛車に乗れる「癮石男女 生態芸術園区」。建物は伝統的な家屋を模してあり、料理も土地の名物、田舎料理が味わえます。台湾の食べ物はなんでもおいしいけれど、台北では見たことがなかった「桶仔鶏(トンツーチー)」には大感激でした。皮がカリッと、肉はジューシー、落ちた油をソースにして食べる地鶏の丸焼きは、最高の美味。焼き上がるまで2~3時間かかるので、予約しないと食べられないご馳走らしいですが。ああ、もう一度、食べた~い!
【癮石男女 生態芸術園区】
屏東縣長治鄉繁昌村天主巷13號 tel:08-7626672
ホストファミリーの、香先生にドライブで連れて行ってもらったのは、高雄国際空港にほど近い「淨園機場珈琲休閒農場」。ここでは、最初に入園料(100元)を払います。100元が金券となって、飲み物や食べ物の支払いに使えるしくみ。
目の前で、飛行機が飛び立ったり、着陸したり、というダイナミックな光景が見られます。もう、迫力満点。夜遅くまで営業しているので、夜景を楽しむのにもよさそう。観光客として空港に降り立った時には、すぐそばにこんな素敵なカフェがあるなんて、想像もしていませんでした。
【淨園機場珈琲休閒農場】
高雄市小港區眀聖街135巷10弄12號 tel:07-793-2223
美しいハーブガーデン
年末年始に個人旅行で屏東を再訪したときは、屏東文化処の女性に誘われてガーデンカフェへランチに出かけました。「薫之園」は、市街から車で約20分、里港(リーカン)エリアの川沿いにあります。この店の肩書きは「香草休閒農場」、香草は、ハーブのこと。ハーブを栽培している庭がある、広々としたカフェです。驚いたのは、ビニールハウスの役割。日本だったら寒さ対策の「温室」ですが、屏東では暑さ対策の「涼室」なのでした。露地栽培だと暑すぎて育たないハーブを、温度と湿度を管理しながら育てているそうです。なるほど~。庭の散策も楽しく、夕暮れや夜の星空も楽しいスポットとのこと。
食事はやはり、西洋風。セットにつくフレッシュハーブティーは、ポットでサービスされるので、いつまでもおしゃべりに花が咲いてしまいます。
温度と湿度を管理するビニールハウス
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やはりメニューに「一人鍋」
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【薫之園】
屏東縣里港郷過江村126號 tel:08-772-2077
屏東にも、茶芸館あり
市街からちょっと離れた場所です
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ランチメニューに「オシャレ鍋」
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台北で「ゆったりお茶の時間を楽しむお店」の代表格といえば、竹里館、紫藤廬、回留といったところでしょう。でも、屏東にだってあるんです、台湾茶をゆったり楽しめる店が! 伝統的なムードで台湾茶を楽しめる「耕讀園書香茶房」がそれ。台北、高雄ほか数カ所支店をもつチェーン店です。屏東店も中庭に池があり、その周りをぐるりと個室が囲む、ムード満点のしつらえ。暑さから逃れてゆったりランチを楽しむにも最適です。
【耕讀園・屏東店】
屏東市華夏路12號 tel:08-7373565
そのほか、市街には、アーティスティックなカフェや、手頃な価格でコーヒーを出すチェーン店「85℃」が、点在しています。 実は、気の利いたカフェや民宿が集中しているエリアは、原住民文化区のある「三地門」。
ナビのレポートにもありますが、三地門は、ドライブに最適な土地。
ぜひともゆっくり訪れてみたい場所です。地元の人も「休みの日には、よく三地門に行くわ。山の上にある静かなカフェでのんびりすると、日頃の疲れが取れるもの」と話しています。
都会の喧噪に疲れたら、自然に癒してもらうのがいいですよね。
■ 第4回は、「台湾が誇るビーチリゾート、墾丁」をお送りします!
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-10-20