第2回「のんびりと風に吹かれて 小琉球」
-名前:はにわきみこ/年齢:42才/コメント:代表作「たまらない女(便秘解消体験談)」「へこまない女(離婚や落ち込みからの脱出法)」など。「へこまない女」は「不服輸的女人」として台湾で翻訳。ほか「日本一やさしいフリーのための確定申告ガイド(情報センター出版局」がロングセラー。2004年6月初めて台北を訪れ中国茶の魅力にハマり、以後6回にわたって台北へ。2007年3月1日~4月30日屏東県主催の「日籍当代作家駐屏東県作計画」のメンバーに選ばれ、ホームステイと屏東観光地めぐりを体験。(現在フリーライター)-
東港から船で30分の島「小琉球」
約30分で、白砂尾観光港に到着
屏東(ぴんとん)県が行った「日籍当代作家駐屏東県作計画」では、屏東の観光地を巡るツアーがギッシリ用意されていました。「泊まって出かける観光地」のトップバッターは、東港(dōng gǎng )から高速船で30分のところにある小さな島、「小琉球(xiǎo liú qiú )」です。
この島は、珊瑚礁が隆起してできた島で、周囲は約13km。美しい自然が観光資源となっており、魚の養殖も盛んです。
実は、あまりに気に入ったので、年末年始の休みに2泊3日で小琉球を訪ねました。
以下、2007年3月のツアー、2008年1月の個人旅行の写真をまじえながらお伝えします!
まずは、市内から東港に移動し、船に乗ります!
快速船「東琉線 www.jinggiang.com 」は、1日8往復、チケットは往復で410元です。
船の乗り場は、こんなカンジ
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「琉球線快艇」という船で移動
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港にはレンタルバイクの店が
地元の人は、高速船にバイクごと乗り込んで島に渡ります。観光客の我々は、港でレンタルバイクを借りることに(2007年9月より、日本人観光客も、台湾で運転できるようになりました)。
宿に予約の電話をしたところ、「高速船の割引チケット(410元→380元)」と「2泊3日分のレンタルバイク手配(1日300元を、2泊3日で600元に)」を同時にしてくれました! どっちも少し割引になります。船の受付で名前を告げるとチケットを渡してくれて、支払いは宿で行いました。
ちなみに、予約の名前は、漢字を北京語読みして伝えるとよく伝わりました。埴輪君子なら「zhí lún jūn zǐ(ズィールンジェンツー)」。自分の名前は、北京語ではどう発音するか、覚えておいてソンはありません。
港からバイクで5分の宿
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坂の上から見下ろすキャンプ場
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コテージ内部は1/4円のドーム風
港に着くと、宿の人がバイクで迎えに来てくれていました。ここで、レンタルバイクやさんからバイクとキーを受取ります。125ccのスクーターは、ラクに2人が乗れるサイズ。荷物を背中にしょって、案内の人の後について道を走らせます。島の空気はカラっとしていて、暑さが苦になりません。波しぶきがべたつくような湿気がないんです。島が珊瑚でできていて、波の勢いが殺されるために、しぶきが舞い上がらないから、という話でした。確かに、港町の東港や高雄より、ずーっと涼しい気がします!
宿は、沙[王馬]基島露営渡暇区 www.samaji.com.tw にしました。コテージとキャンプ場があって、敷地が広~いのが特徴です。まずは、部屋選び。日本のお正月の時期といっても平日だったので、好きなところが選べます。シャワーとトイレがついた、1泊1400元のコテージに2泊することに決定。ちなみに道具持ち込みのキャンプの場合は、1人350元。テラスで食べる朝ご飯がついてきます。
敷地が広くて景色がいいのが特徴
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デッキでビールを飲むのもヨシ
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名所めぐりはスクーターが便利
日差しを遮る場所がない炎天下に、ギブアップ
9人の日本人作家たちがこの地を訪れた時(2007年3月上旬)は、まだ、運転免許の問題がありました。そこで、ミニバンを2台借りて名所を巡ることに。それでも、元気のある人は「レンタサイクル」に挑戦しました。だって周囲13kmで道に迷いようがない島ですもん。
しかぁし! 想像とは裏腹に、3月の暑さ(日本で言えばすでに7~8月の気候)の中、坂道を登るのはひとしごと。私の場合、往復1時間でギブアップ、ほうほうのていでキャンプ場に戻った記憶があります。以後、屏東県の文化局スタッフが運転してくれるスクーターの後ろに乗せてもらった私でした。
小さな島でも、見どころいっぱい
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自転車向けに、道路にもマークが
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港近くの高台には管理所&図書館が
運転免許が使えるようになって、スクーターを運転してみると「自然とひとつになる、風になる快感が味わえる」ことがわかりました。島ではヘルメットをかぶっている人もおらず(警察に見つかると罰金だそうですが)、平日の場合は対向車もほとんどナシ。日本と違って、右側通行ですが事故の心配なく走らせることができます。そもそもスピードを出せるほどの長い直線道路もありませんしね。
実は、この島、台湾では「日帰りで楽しむ観光スポット」として人気なんです。
船にスクーターを積んで移動できるので、午前中のうちに上陸したら、島をツーリングで楽しみ、夕焼け前に去っていく、というのが黄金パターン。ツアーの場合は「東港の魚市場と、小琉球の自然景観めぐり」というのが定番。狭い地域に見どころが集まっているので、「駆け足観光」も可能なんです。
広場には金色に光る仏像。池には睡蓮
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港付近で会った犬。鎖がなくて自由
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景勝地の観光はセット券が便利
さて、小琉球の目玉は、自然景観。珊瑚礁が隆起してできた島だけに、不思議な景色が沢山あります。そのうち3ヵ所は、入場するのにお金が必要な場所。港から左周りに、「美人洞」「山猪溝」「烏鬼洞」と並んでいます。3ヵ所が観光できるセット券は、宿で買ったら80元でした。この代金は、環境美化・清潔維持費となっています。
それぞれ、散策していると30~60分はかかります。長く滞在する場合でも、1日の間で巡ってしまうのがよさそう。けっこう歩くので、歩きやすい靴か、スポーツサンダルでどうぞ。
日差しが強くて暑さが厳しい時間帯は、木陰が涼しい「山猪溝」を見るのがおススメ。ペットボトルに入った水を持って歩くといいです。観光スポットの入り口には、飲み物の売店があります。
ゴツゴツした珊瑚でできた洞窟が多い「美人洞」
海岸を見下ろす絶壁
港とキャンプ場をつなぐ道路沿いにあって、チケットを見せて入場します。
夕方以降は道路が開放され、スクーターでの通り抜けが可能に。
美人洞。道路を挟んで上と下に遊歩道あり
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お魚の看板がユニーク
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隆起した珊瑚礁に、植物がからみつくジャングル「山猪溝」
緑が多く、暑さの中でホッと一息つける場所。体力に応じて、ルートを選べます。最長コースは約60分の長さ。
戦いの時 人が隠れ住んだという「鳥鬼洞」
洞窟の入り口では、10元で懐中電灯を貸し出しています。ぜひ借りて中に入ってみましょう。周辺には、海を見下ろす遊歩道が整備されていて、海風がさわやか。
海辺の遊歩道で会ったなつっこい子犬
チケットいらずの名所で、静けさを楽しむ
小琉球のシンボル「花瓶石」
日帰りでバイクでぐるっと回ってしまうのがスタンダードだという小琉球。でも、じっくり滞在してみると、「ぼんやり夕陽が沈むのを見ていたい場所(観落日亭)」や「朝日が昇るところをしっかり見届けたい場所(白沙[口馬]頭)」があります。漁がさかんな島ということもあって、神様をまつる「廟」も見事なものがたくさん!
さらに特徴的なのは「空気がきれいで、騒音がない」こと。特にオフシーズンの平日は静かです。台北や高雄のような大都会ではありえない「人工音のしない、静けさ」がここにはあります。島が好き、のんびり過ごすのが好き、という人は、絶対、気に入ると思います。私はこの島を巡ったとき、久米島を思い出しました。(いえ、久米島の方が大きいですけど)
そして、島の人たちは、今でも、流木を使って庭にあるかまどで料理をしています。エコノミーでエコロジー、ロハスな暮らしがここにはあるのです。
では、港を起点に左回りで見どころをご紹介しましょう。
霊山寺(周辺には猫のたまり場あり)
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市街の古い建物
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小琉球の「おいしいもの」
小琉球は小さな島ですから、お店の数も限られています。大規模な夜市はなく、夜は早めに眠りにつく、健全な土地なんです。それでも、コンビニは港近くの目抜き通りに2件あり、ビールや酒類は買えるので、お酒好きな人にも安心。
朝、市場のそばにたつ屋台には手頃な小吃がいろいろ。 日中は、ミネラルウォーターより安い、1杯(700ml)20元の冷たい緑茶を買うために、飲み物スタンド「六角六」もよく利用しました。 昼は、観光地そばの小さな食堂や、港周辺の水餃子と酸辣湯(サンラータン)の店、麺の屋台などで軽くすませました。
年始の平日の場合、夕食を食べられる店はごくわずか。有名なレストランはのきなみ休業でした。オンシーズンに、大人数で料理を頼めるならば、イチオシのレストランは「百海餐廳 http://www.paihai.com.tw/ 」です。大勢で行ったツアー中に、この店は2回も!通ってしまいました。絶対、試すべきなのは、よそではなかなか食べられない「琉球Pizza」。卵を使ってトリの巣のようにパリパリに揚げてあります。直径およそ30センチという巨大な丸形で、具は、エビまたはカキの2種類。ボリュームとカロリーが多いので、チャンスがあったら逃さずに挑戦してみてください。
素朴な自然が好きな人に、おすすめ!
この島は、小さい分、夕陽や朝陽を眺めるスポットに移動するのが簡単です。写真を撮る人や、アウトドア派の人には、きっと気に入る場所です。
団体ツアーでは3泊4日(2007年3月)、個人旅行では2泊3日(2008年1月)で訪ねた私ですが、次は「オンシーズンの平日も試してみたい」と思っています。
夏場には、シュノーケリングやシーカヤックといった海遊びができるらしいんです。ぜひともこれは試してみたい! 小琉球は、何度行っても飽きのこない、素朴な田舎の風が楽しめる島だと思います。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-09-25