はにわきみこの「台湾で中国語を学ぶ10日間」体験記
みなさんニーハオ!こんにちは!はにわきみこです!
私は、2007年に2か月間台湾でホームステイを体験して以来、年末年始とGWに台湾を旅しています。2009年に日本人が台湾で車を運転できるようになってからは、主に地方都市をレンタカーでめぐる自由旅行を楽しんでいます。
最近ようやく、「台湾の人と中国語で会話をしたいなあ」という欲が出てきました。もちろんこれまでも、筆談とか、片言の挨拶は積極的にしています。
でもね、どうも発音が悪いようで、通じないんです。
今回、考えたのは「台湾で暮らしながら中国語を学ぶ」という方法。
もちろん、半年とか1年とか、長い期間の留学は無理ですよ。長く仕事は休めないし、滞在費や学費も高そう…。それに、がん治療経験のある父母を日本において、長く留守にするのは不安です。
でも「長期休暇を利用した7日間」とか「10日間」なら何とかなるかも!
そこで「暮らす様に滞在しながら中国語が学べる旅」を台北ナビに企画してもらいました。完全オリジナル、はにわの目的に応じた学習内容を提供してもらう、語学の旅!これがものすごく楽しかったので、報告させていただきます。
高雄の市街地でホームステイ&語学学習
お迎えは高雄駅そばのホテル
語学学校「千代外語補習班」は、高雄の市街地にあります。交流協会のビルから2ブロックほど離れたところですね。この学校で、「マンツーマンでの中国語習得」の特別コースを作ってもらいました。
滞在先は、千代外語補習班が手配してくださった、台湾の一般家庭です。今回は、書道家の方のアトリエに泊めてもらえることになりました。日本を出発する前に、そのお部屋の写真をメールで送ってくださいました。
滞在初日は、レベルチェックテストを受け、ステイ先へチェックインです。
待ち合わせ場所に車でお迎えに来てくださいました。
御宿商旅(高雄駅前)
高雄市三民區建國二路283号
(07)9682715
千代外語補習班
高雄市苓雅區福德三路189巷29号
(07)716-3511
千代外語補習班オフィシャルサイト
日本語:
https://chiyogaigo.wixsite.com/chinese中国語:
https://www.chiyo.tw/
「御宿商旅」は白と黒の市松模様が目印。
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「千代外語補習班」に到着!
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このお部屋でレベルチェックテスト(30分)
まずは、私の中国語について「レベルチェックテスト」です。
持ち時間は30分。どれどれ。
「1.中国語を日本語に訳して、ピンインをつけなさい」
ん?読み方はわけるけど、ピンインではなんて表現するのか、わからない…。
「2.日本語を中国語に訳してください」
え?口では言えるけど、どういう漢字を書くのか、わからない…。
「3.ピンインを、中国語の漢字に直してください」
ひえ~!この段階ですでに無理。
おのれの初心者度に衝撃を受けた30分間でした。
代表の湯山千里さん。日本人です。中国語・台湾語ともに堪能。
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日本語を教える学校なので、日本の資料がたくさんあります。
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自分のダメさ加減に、がっくり肩を落とす私
書道家、徳發さんのアトリエ。
レベルチェックの後は、ステイ先へ移動です。
お部屋は、エレベーターのない3F。そのため、大型スーツケースは学校で預かってもらい、必要なものだけ出して運ぶことにしました。徒歩10分の距離ですが、車で送っていただいたのでラクラク。お部屋を貸してくださる、張徳發さんが、道路に出てお出迎えしてくださいました。マンション全体の入り口、お部屋の入り口それぞれの鍵の使い方を教えてくださいます。
一般家庭に滞在ということで、会話について心配していたのですが、徳發さんは、千代外語補習班で、日本語を勉強している方でした!「自宅は別にありますので、どうぞ一人で部屋を使ってください」と日本語で説明してくださいました。お部屋は3LDK、冷蔵庫、キッチン、洗濯機、ベッド、TVまで生活に必要な道具がそろっていて素晴らしい環境です。「じゃあ私はこれで」徳發さんは、私と千代外語の湯山さんに1組ずつキーを預けて、去っていきました。
時間は16:30。日差しも傾いて涼しくなりかけています。歩いて周辺を散歩してみることにしました。まずは郵便局に行って絵葉書を投函。通りを歩いていると、お茶スタンドに食べ物屋さん、小吃の屋台、果物屋さんがあります。旅行というより、「生活してる」って感じです。楽し~い。
阿里山で買った木の絵葉書をエアメイルで投函。
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暮らしに必須のコンパクト地図。7-11で買えます。
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語学習得に大切なのは「目的」
元気に登校~
今回私が作ってもらったプログラムは、全15時間、滞在期間は10日間です。
1時間1コマの全15回で、1日1コマ~3コマで構成(自由行動が3日間)
独学では、はかどらない。発音の仕方がわからない。発音を間違っても指摘してくれる人がいない。それに、実際に言葉を使う場所がない。
だから、中国語の中で暮らせる環境で集中して勉強しようと考えたのです。
しかし、語学習得の道は長い。
「何のために必要?」という目的が明確であればあるほど、やりやすいのです。
日本の旅行資料も掲示。夢が膨らみます。
ちなみに、千代外語補習班で日本語を学んでいる徳發さんは
「日本へ旅行をしたい。旅行の情報を集めたり、日本を旅したときに、日本語で話したい」という目的を持っています。しかも、「俳句」にも興味を持ち、4月に日本を旅したとき、NHKの俳句のテキストを買ってきて、制作に励んでいます。 文化を知り、体験し、教養を深める。旅をもっと楽しくするための語学学習。教室には日本の文化や年中行事、観光名所の説明がたくさん掲示されています。うん、楽しいし、頑張りがいのある目的ですよね!
私も、台湾を旅するようになって「旅先での取材が中国語でできたら、もっと深いレポートが書けるのに」という気持ちが強くなってきました。「その土地ならではの花、果物、食べ物、廟や景色について。直接、その土地で出会った人に聞いてみたい」のです。歴史やいわれについて知りたい。日本との違いについて説明したい。現在は台湾で買ってきたガイドブックをもとに、行きたいところを調べ、宿の予約は日本語のできる台湾の友人にお願いしている状態です。これが自分で手配までできたら最高。
私は日本でライターの仕事をしています。取材と執筆という「技術」を、中国語でもできるようになったら、何倍もの価値を生み出せます。語学習得は手堅い投資になるはず! というわけで、「いずれ仕事に活かす」という壮大な野望を胸に秘め、「体験学習第一歩」を踏み出した、はにわきみこ45歳の5月なのです。
テキスト(CD付)とカリキュラム
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問題なのは発音(ファーイン)なのですよ…
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発音(ファーイン)の壁に脳みそ沸騰!
一番はじめ、私は中国語の発音を避けて通れないものかと考えていました。
「読み・書きさえできればいいじゃん!」と。
だって発音難しすぎて、頑張ってもできないかも。がっかりしたくない。
だけど、いつまでも筆談でいいの? いや、それは不便。
『せっかくのマンツーマン授業で、自習では不可能な、聞く&話すを避けるのは愚の骨頂!』と結論づけました。
苦手だけど、やります。いえ、苦手だからこそ、やるのです。
我要加油(ウォヤオ ジャーヨー)
我要努力(ウォヤオ ヌーリー)
(カイティンラオスー)。老師 台湾ではファーストネーム+ラオス―。教師は老師。若くても老師。
というわけで、授業(上課=シャンクァ)1日目は発音を3コマ。
11~12時、第一回目の開始です。
申込みの時点で「“中国語で中国語を教える”コースでいいですか?」と言われビビッていた私…。できそうもない、と。実際は、テキストもあるし、ホワイトボードに漢字を書いてもらえば「あー、なるほど」とわかってくるものですね。コミュニケーションって非言語の部分が多いのだなあ、と改めて納得です。
私を担任する先生は、黄楷婷(ファン カイティン)先生。日本語と中国語ができる女性です。
ところで、「よろしくお願いします」という挨拶は、何て言えばいいですか?
答えは…。
「請多多指教(チントウトウズージャオ)」でした。
この言葉、覚えて以来毎日使っています!
先生と一緒に、近所の食堂でお昼ごはん。
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カイティン老師おすすめの酢醤麺(50元)をオーダー
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ピンインで歌い、四声に踊る!
さてここで。中国語の発音でなぜ難しいかをご報告します。
まず、ピンイン表記とその発音。アルファベットと記号(または1~4の数字)を組み合わせて表現しますが、「見た目通りの発音ではない」のです。たとえば「le」 日本の感覚でいえばこれは「レ」ですよね。でも「e(アー)」と「l(ル)」の組み合わせですから「ルァー」となるんです。どうして~!…考えても仕方ない。ルールとして体で覚えるしかありません。
授業風景
また「日本語にはない発音」がいくつかあって、これには大苦戦。先生の発音が聞き分けられない。違いが分からないので、もちろん自分で口にするときも発音を区別することができません。うわーん。しかし、こう考えてみると、前向きに。「これは声楽…【歌】のレッスンなのである」。
さらに、中国語では、イントネーションが4種類に大別されます。一声、二声、三声、四声、総合して「声調」と呼びます。先生が、ピンインの上に記号を書き、音の高低について身振りで教えてくれます。高いところで真っ直ぐ伸びる一声。下から上へあがる二声。低くえぐれる三声。上から下へ一気に下がる四声。この手振りはまるで指揮者。あるいは踊りの振付けにも見えてきます。
発音を録音して、お部屋で復習!
中国語は
「歌うように発音し、踊るようにアクセントをつけるべし」
ミュージカルの特訓を受けていると思えば、上達が早そう!
さて。一日目の発音練習だけで、私はフラッフラになりました。午後の授業は13-14時、14-15時の2コマ。学校は通常14時から開始です。私の特別講座は、先生の手が空いている時間帯に特別に設定されているのでした。
しかしこれが、ちょうどいい。先生とランチを食べながら会話ができるし、午後の一番暑い時間帯に涼しい教室で勉強できるのです。
「1日3時間なんて短いよ~。もっとみっちりやればいいのに」と考えていた浅はかさを思い知りました。新しいことを覚えるのには、気力と体力が必要なんです。
通学のためにと、学校の自転車を借りることができました。歩いても10分ですが、自転車なら5分。それに、ちょっと離れた町までふらりと散歩に行くにも便利です。この日から、授業が終わってから、街を散策することが日課になりました。夜は習った内容を復習。ベッドで寝る前には録音した内容を聞いて「睡眠学習」。
朝の通学前にもおさらい。そして、11時から3コマの授業。勉強ばっかりじゃ、楽しむ暇がない。今回の学習メニューは、バランスのいい時間の使い方を考えて練られているわ!と感心しました。
*放課後の街歩きと暮らしのスナップ
一人で食事をするなら、1日の食費は300元ぐらいです。
セブンイレブンのラテ35元。お茶スタンドのお茶20~50元。水20元。朝食40~50元。昼と夜それぞれ50~130元。
台湾ビール350mlが、コンビニで35元。
例外的に高いのが、おしゃれカフェのセットメニュー300~500元。スターバックスのコーヒー75元~。
使って鍛える中国語
自己紹介、詳細バージョン
発音を体で覚えることも大事ですが、ただそれだけではつまらない。 ちゃんと、街に出て使える言葉を覚えれば、毎日の生活が即、自習復習の場になります。 そこで、早い段階で、食べ物屋さんでの注文方法を覚えました。
あとは、時間の表現ですね。年、月、日、曜日、時間…。そしてお金の数え方。 そういうことだったのか!とわかったことがたくさんありました。列車や宿、旅の予約に必須な単語ですよね。
また、今回私の学習目標に「日本を旅したい台湾の人に向けた資料作り」と「耳ツボセラピーについて中国語で説明したい」というものがありました。
実はワタクシ、スワロフスキーがキラキラ光る耳ツボセラピー「スリムビズ」のセラピスト資格を取り、日本で施術をしているのです。
食べ物の注文方法を覚えます!
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お昼ごはんのお店で…
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友達ができる!「留学」の醍醐味
学生さんの親族のお茶屋さん
今回、10日間の滞在の間自由時間が3日間ありました。
木曜日は、先生の定休日。自転車で街を散策。土日は、屏東の友達に一泊旅行に誘われて新竹・台中へ。そして、日曜日の夜は、日本語課の生徒さんと一緒に夕食をとることに。語学学校は通常、夜10時まで先生と生徒がお勉強をしていますので、ゆっくり夕食をご一緒するのが難しいのです。夜7時から9時半まで、茶芸館でのおしゃべりは楽しく続きました。私は中国語でしゃべり、徳發さんは日本語でしゃべる。それを先生方がサポート。メモとペンが活躍する、筆談交じりの会話です。これがとっても楽しい。
それぞれの文化や、生活に根付いた言葉がポンポン飛び出すのです。教科書よりもずっとおもしろいし、頭にスッと入ってきます。たとえば、写真を撮るとき日本では「ピース」とか「1足す1は、2」なんて声をかけますよね。台湾で今はやっているのは「西瓜(シーグワ)甜不甜(ティエンプーティエン)」なんだとか!
素敵な茶芸館で夕食会
「また会いましょう」というつながりができることが、「留学」という体験の宝物なのだと実感しました。話したい相手がいれば勉強することが楽しくなります。食事の後は、湯山先生がお茶屋さんに連れて行ってくださいました。日本語を習っている生徒さんの親族のお店です。素晴らしい台湾茶を買うことができて感激。
日曜日の夜、プライベートタイムの交流
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中野先生は日本語の先生。
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あだ名はなに?で盛り上がりました。
学習を続けるための工夫
さて、長いようで短かった10日間の語学留学。
これは、中国語の勉強を「始めるきっかけ」として有効だな、と感じています。特に、発音記号の意味を体で理解できたのが収穫でした。読み方が分かれば、教科書を使った自習が可能になるからです。これまでは、ピンイン記号を自分で読み上げることができませんでしたから、これは大きな進歩(チンプー)です!「こういう発音・イントネーションだ」と想像してからCDを聞けば、しっかり頭に入りますしね。
さて、これから、日本で勉強を続けるためにどんな工夫ができるかを考えてみました。
1)Facebookで交流する
まずは、今回の語学学校で知り合いに会った方と、Fecebookでつながることにしました。さっそく、徳發さんが日本語で書いた「部落格(ブログ)」を読んでその作文能力の高さにビックリ!私も、短い文章から、中国語での作文を試みようと思います。
メルマガには「ひと文字アート」が。
2)メールマガジン「開運!ひと文字こころ文字」
実は今年の節分から、学習したことを配信して語彙を増やそう!と、メールマガジンを始めました。アート集団「笑 知朱沙(わら ちあさ)」さんとのコラボレーションです。漢字ひと文字を取り上げ、それは中国語で何と読むか、その文字を使った単語や会話例を、埴輪の旅のエピソードを交えて書いています。配信は月水金、アメブロとfacebookでも公開していますので、興味がある人はぜひのぞいてみてください。もちろん無料。
「聖おにいさん(聖哥傳)」「7年目のセキララ結婚生活(第7年的赤裸裸結婚生活)を買ってみました。
3)好きなマンガの台湾翻訳版
高雄のデパートにある、紀伊国屋書店で、台湾で翻訳されているマンガを買ってきました! 中国語でのセリフは「口語体」なのが馴染みやすいのです。
はにわの本は2冊台湾で翻訳されているのですが、それを読み解くのは文字が多すぎてつらい。でもマンガなら、適度なボリュームで、少しつずつ言葉を覚えることができます! セレクトのポイントは、「すでに自分が持っていて、セリフを暗記するほど気に入って読んでいるもの」。「のだめカンタービレ(台湾タイトル:交響情人夢)」の「のだめ」も、セリフを暗記している「プリごろ太」のアニメを見てフランス語を覚えていましたよね! のだめ方式です。
4)字幕付きドラマを見る
高雄で足つぼマッサージに行ったとき、座席でテレビを見ました。タイトルは「理想母子」。日本名は「理想の息子」、鈴木京香が主演のドラマです。セリフは日本語で字幕が中国語。中国語の発音はわかりませんが、文字を読むと「ははあ、なるほど。この言葉はそういう意味なんだ」と理解しやすいのです。
字幕付きのDVDや、Youtubeで動画を探してみたいですね。これもまた、自分がもともと好きで興味のあるコンテンツを選ぶのがコツだと思います。
湯山先生ありがとう。
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次回、日本の行事にちなんだお土産を。
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