豊かな自然が育む宜蘭には、体験型レジャー農場がたくさん!どれもオーガニックや地産地消など、レベル高いです
こんにちは、台北ナビです。
台北から車で約1時間の場所にある東海岸の街・宜蘭。雄大な山々やキレイな水に恵まれ、伝統と歴史が息づき、冬は礁渓温泉、夏は蘇澳で冷泉、亀山島ではホエールウォッチングと、多くのエンターテインメントを提供してくれる場所。そんな宜蘭を訪れた今回の目的は……「金棗」でした!
金棗の名産地・宜蘭
金棗(ジンザオ)とは、聞きなじみがない方もたくさんいると思いますが、これは金柑の1種。宜蘭は、台湾の金柑の実に90%を生産しているという金柑大国なのです!
今回訪れたのは、とりわけ意識の高い農家のみなさん。有機栽培・地産地消・持続可能な農業スタイルを掲げているところばかりで、安心して食べられるのでオススメです。
もともと盛んだったフルーツ栽培、牧場、漁業などの産業に、最近では自然の多様性を学んだり、体験したりできる施設が増え、それに伴ってホテルやB&Bなどの宿泊施設もできて、台湾での存在感も増してきている宜蘭。まだまだ日本のガイドブックなどで紹介されることが少なく、とにかく日本人が珍しい穴場的スポットですが、台湾人のホスピタリティはしっかりと息づいています。豊かな自然が育んだ文化をサクッと楽しめるとあって、台北人にも人気の週末の過ごし方なんだとか。
交通網の便利さではさすがに大都市の観光地には負けますが、車をチャーターすれば問題なし! 台北から日帰りでいくつもハシゴできるし、台北ではできない体験は友達にも自慢できちゃうかもしれませんよ~。それでは金棗ツアー1日目、始まります!
お茶農家で絶品スイーツ@芳岳茶園
芳岳茶園では、烏龍茶や緑茶を栽培しています。20年以上前は、もともとお米を栽培していましたが、気候と土壌がよりお茶に適しているのではということで、お茶農家に転向。今では質のいいお茶の新芽が年に4回摘めるそうです。
早速、裏の茶畑を見せていただきました。いいお茶の印、一心兩葉(1本の茎に、2つの新芽)がたくさんあります。ここでは土に酵素を混ぜることで、農薬を使わずに栽培することを可能にしているんだそう。質のいい茶葉を届けようと努力されているのですね~。
そして、もちろん金棗も栽培しています。宜蘭の名産金棗と、日本でもなじみのある金柑の2種類があり、その形で見分けることができます。金棗は楕円形なのに対して、金柑は丸っこい。味にも違いがあって、金棗はほのかにスパイシーでケーキなどに、金柑のほうは甘いのでドリンクにぴったりとのこと。
宜蘭では30社余りが金柑作りをしていますが、素晴らしいのは、政府・学校・企業が三位一体となって、地産地消や持続可能な食文化を広めているそうなんです! これで郷土愛が育たないわけがありませんね。
さてさて、宜蘭の金棗巡りでは、DIY体験も楽しみのひとつ。芳岳茶園のDIYは、緑茶餅(一人180元)でした。これは、金棗入りのあんを、緑茶の生地で包んで焼いたもの。スイーツ好きのナビ、これは期待しちゃいます。
と、ここで次の農家さんに行く時間が! あとで焼いたものを持ち帰りすることになったナビ一行。家に帰ってからいただきましたが、あんの甘さのなかにお茶の香りと金棗のほのかな苦みが感じられ、大満足な味でした!
店名:芳岳茶園
住所:宜蘭県冬山郷富農路一段312巷120号
電話:(03)959-0565
営業時間:7:30~21:00
ゆず農家でゆずどら焼き作り@銀山果園
さて、次にやってきたのは銀山果園。ここではオーガニックの柚子を育てており、柚子入りのどら焼きやクレープのDIY体験ができるほか、柚子茶や虫よけ、ジュースに使える柚子酵素、蝶豆花という藍の染料になる花のお茶などが買えます。
正面入口の左手に柚子の樹がありましたが、収穫期は3~5月ということで、果実は見られませんでした、残念。ナビ一行は右手にある庭を歩いて、DIY体験場へ。
なぜ「どら焼き」なのかというと、オーナーである劉綉綸さんが大のドラえもん好きであるから、なんだとか(笑)。エプロンもドラえもん、壁にもそこらじゅうにドラえもんの絵が!
銀山果園では鶏も平飼いしており、産みたての卵も一緒に焼いてくれました。銀山果園の名前の由来を聞いてみると、「夫の名前なのよ~」とのこと。いつもニコニコしていて楽しい劉さんでした。
店名:銀山果園
住所:宜蘭県冬山郷中山村中城一路27号
電話:(03)958-5509
営業時間:9:00~18:00
水草料理をいただく@勝洋休閒農場
勝洋休閒農場は、世界でも珍しい水草料理をいただけるレストランと、循環型エコシステムをDIY体験で楽しめる施設が併設されたレジャー農場です。
ナビたちが着いたときはちょうどランチタイム。ということで、まずはレストラン、勝洋餐廳へ。水草料理って何だろう、と思っていたナビ。聞いてみると、レンコンの茎や、蓮のお茶などを料理に盛り込んだ創作料理なんだそうです。どんな味がするのか、ワクワク。
最後まで水草にしっかり舌鼓。味はもちろんのこと、器や色使いにもこだわっていて、目にも楽しい豪快な料理でした。この日いただいた水草のコース料理は、1人660元。大人数用ですが、もちろん1人~対応可能。また食事メニューは350元~ありますので、少人数でもぜひ行ってみてくださいね。
水草料理をお腹いっぱいいただいたら、農場のほうも忘れずにチェックしましょう。
こちらはエコシステムの小瓶を自分でDIYができたり、裸足で入れる噴水や釣り堀があり、親子連れや雨の日にも人気のスポットなんだそう。お土産ショップには、驚きのアイデア満載のオリジナル特許製品がズラリ。自動的に水やりをしてくれる盆栽や、水替え不要の自動バイオロジカルシステムなど。持ち帰るのは大変かもしれませんが、見ているだけでも面白いですよ。
店名:勝洋休閒農場
住所:宜蘭県員山鄉八甲路15-6号
電話:(03)922-2487
営業時間:9:00~17:00
オーガニックの金柑農家@蘭陽金柑合作社
こちらの金柑農場では、金柑サラダのDIY体験ができるのですが、今回は時間がなく、お話を聞くだけになってしまいました。お話してくださったのは李念宜さん。なんと日本語で(!)、いろいろと伺うことができました!
「台湾に金柑が移植されたのは実は200年も前のこと。宜蘭で金柑の生産がピークになったのは、ここ30年の間です。以前金柑は、蜜餞など加工品にするものがほとんどで、砂糖がたくさん入っていてとても甘かったのですが、今では健康志向の時代に合わせて、低糖にこだわっています。またうちでは有機栽培ですので、生食でも安心して食べられますよ」とのことでした。
ところでずいぶん日本語がお上手ですね?
「昔、貿易の仕事で2年ほど日本に住んでいました。そういえば今、日本から移植した金柑を試作しているんですが、これが成功すれば、日本の半値ぐらいで販売できるんじゃないかと楽しみにしています」
御年74歳ということですが、まだまだ新しいことにチャレンジし続ける元気な李さんでした。
こちらでは、有機栽培の金柑を使ったドライフルーツや金柑酢、ジャムなどおみやげにぴったりのものがたくさん売っています!
店名:蘭陽金柑合作社
住所:宜蘭県礁渓郷林美村林尾路134-6号
電話:(03)988-1298、0933-985-586
泊まれる体験型農場@頭城農場
さて、かなり時間が押して夜の八時。やっと今晩の宿、頭城農場に到着しました。宜蘭でも有名な、泊まれる体験型農場です。農場ツアーは明日の朝ということで、ナビ一行は荷物を置いてさっそく食堂へ。
晩ご飯はバイキング(時間が遅く、量は少なかったですが……)とバーベキュー、そしてオーナーの卓媽媽も加わって白酒飲みまくりの晩餐会となりました。台湾人はあまりお酒を飲まない印象がありましたが、卓媽媽もみなさんも、お酒が強くてビックリでした。ナビもこの日は5~6杯はいただき、泥のように眠りについたのでした。
店名:頭城農場
住所:宜蘭県頭城鎮更新路125号
電話:(03)977-2222
金棗ツアー、2日目に続きます!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2016-12-13