路線がどんどん増えて台湾観光の強い味方です!渋滞知らずで分かりやすくて便利!上手に使いこなしましょう!
こんにちは、台北ナビです。
台湾の都市で観光をする時に大活躍する乗り物。それはMRT(メトロ/捷運)。2020年2月現在、台北、新北、桃園、高雄で運行されているこの鉄道システムは分かりやすい上、運行本数も多く、渋滞に巻き込まれる心配がないので、土地勘のない旅行者にとっては頼りがいのある存在です。台北ではMRTに乗るだけで主要な観光地のほとんどに行けるほど便利になりました。
路線網は年々拡充され、2020年2月には台北MRT環狀線の第1期区間が開通したほか、年末には台中にも新路線が開通する予定です。台北では萬大線、三鶯線、桃園でも新路線の建設が進んでおり、今後ますます快適な移動ができるようになります。今回はそんな旅行のお供、MRTの魅力を改めてご紹介します!
そもそもMRTって?
本題に入る前に、そもそも「MRT」ってなんでしょうか?日本ではあまり聞きなれない言葉ですよね。実はこれ、「Mass Rapid Transit」の略称で日本語では「大量高速輸送/都市高速鉄道」のこと。ただ、 台鉄(台湾鉄道)や高鉄(台湾新幹線)はこれには含まれず、台北、新北、桃園、高雄の各MRTが運営している路線のみを指します。
MRTに乗ってみよう
【切符を買う】
全国にあるMRTの乗車方法はほぼ同じ。切符販売機でトークンを購入するか、悠遊卡(EasyCard)や一卡通(iPASS)などの交通系ICカードまたは一日乗車券などを窓口で購入、チャージ(入金)して、自動改札機を通ればOKです。
ちなみに、MRTでは「小児運賃」はありません。6歳未満または115cm未満の子供は大人の付添がある場合、無料で乗車ができます。子供だけで乗車する場合は通常運賃の支払いが必要です。
切符販売機(左)と悠遊卡販売機(右)
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カードへのチャージ機能がついた切符販売機
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硬貨または紙幣をゆっくりと挿入して下さい。ただ、一定時間を過ぎると購入キャンセルと見なされて投入したお金が全部出てきてしまいます
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「トークン」と呼ばれる切符。下車するまでなくなさないようにしましょう
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乗車時はリーダーにタッチ
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下車時はタッチせず、トークンを投入口に返却します
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悠遊卡は台北、桃園、高雄各MRTの窓口のほか、セブンイレブン(7-ELEVEN)、ファミリーマート(全家)、ハイライフ(萊爾富)、オーケーマート(OKmart)の各コンビニで購入可能です。販売金額は100元。購入直後、カードには入金されていないの別途必要な金額を入金して下さい。
また、MRT各駅窓口では即時の払い戻しも可能です。その際には20元の手数料がかかる場合があります。
台北MRTは以前、ICカードで乗車すると運賃が8割引になる優待制度がありましたが、2020年1月末で廃止され、現在は毎月11回以上乗車すると、乗車回数に応じて、翌月に支払った運賃の10~30%がカードに自動的に払い戻されるようになりました。
【運行時間】
台北MRTの場合、基本的には始発駅を6:00~24:00に出発します。詳しい時刻は各MRTのウェブサイトでご確認下さい。
【乗車時の注意】
MRTは駅構内、車内で飲食禁煙となっています。キャンディやガムなどのうっかりにご注意を。違反した場合は最高7500元の罰金が科せられる恐れがあります。夏の暑さが厳しい台湾ですが、水を飲むことも原則認められていません。水分補給は駅を出てから。小さな子供がいて、どうしてもという場合は、各駅にある授乳室を利用できます。駅係員にご相談下さい。
みんな守っている飲食禁止。「知らなかった」で済まさないようにしましょう
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駅構内ではこのラインの内側で飲食禁止になります
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そして、休日には自転車をMRT車内に持ち込むことが可能ですが、文湖線と環狀線への持ち込みはできないほか、混雑駅では乗り換えを含めて駅への出入りができませんのでご注意を。
また、同じく休日には165~180cmのサーフボードの持ち込みも可能です。
混雑する駅だと乗降できなかったり、乗換できないことがありますのでご注意を
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逆を言えば平日は持ち込めないということです
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BR:文湖線(動物園~南港展覧館)
1996年に台湾初のMRT路線として動物園~中山國中間で開通した文山線(旧:木柵線)と2009年に開通した内湖線を合わせた路線です。全長は25.7km。駅数は24駅あります。全ての電車が全線を運行します。松山空港へのアクセスに利用できますが、車両がほかの路線に比べて小さく短いので注意が必要です。
東京のゆりかもめ、大阪のニュートラムのようなゴムタイヤで走行する電車ですが、フランスのマトラ社が開発したVALという日本にはないシステムを導入しています。
【路線カラー】
茶色
【乗り換え駅】
南港展覧館(板南線)、南京復興(松山新店線)、忠孝復興(板南線)、大安(淡水信義線)
【最寄りのスポット】
松山空港(松山機場)、台北動物園(動物園)
R:淡水信義線(淡水~象山)
1997年に開通した淡水線と、2013年に開通した信義線を合わせた路線です。全長32.3km。駅数は29駅あります。台北市の東部と北部をL字に結び、北は新北市淡水まで伸びていて、台北観光で一番使い勝手がいい路線と言っても過言ではありません。象山~淡水の全区間を結ぶ電車のほか、北投~大安を結ぶ区間車が運行されています。また、「北投」駅からは新北投支線が運行されていて、北投温泉へのアクセスできます。
【路線カラー】
赤色
【乗り換え駅】
紅樹林(淡海LRT)、民權西路(中和新蘆線)、中山(松山新店線)、台北駅(板南線、桃園空港MRT、台鉄、高鉄)、中正紀念堂(松山新店線)、東門(中和新蘆線)、大安(文湖線)
【最寄りのスポット】
台北101・信義エリア(台北101/世貿)、臨江街/通化街夜市(信義安和)、永康街(東門)、台北駅(台北車站)、中山エリア・寧夏街観光夜市・迪化街(中山・雙連)、花博公園・孔廟・保安宮(圓山)、士林夜市(劍潭)、國立故宮博物院(士林)、淡水エリア(淡水)、北投温泉(新北投)
G:松山新店線(松山~新店)
1998年に開通した新店線と2014年に開通した松山線を合わせた路線です。全長は21.3km。駅数は20駅あります。台北市の東部と南部を結ぶ路線です。松山~新店の全区間を走る電車のほか、松山~台電大樓を結ぶ区間車も運行されています。また、「七張」駅からは「小碧潭」駅までを結ぶ小碧潭支線が運行されています。「新店」駅は温泉地烏来への玄関口です。
【路線カラー】
緑色
【乗り換え駅】
松山(台鉄)、南京復興(文湖線)、松江南京(中和新蘆線)、中山(淡水信義線)、西門(板南線)、中正紀念堂(淡水信義線)、古亭(中和新蘆線)、大坪林(環狀線)
【最寄りのスポット】
饒河街夜市・五分埔(松山)、台北アリーナ(台北小巨蛋)、中山エリア(中山)、西門町(西門)、中正紀念堂(中正紀念堂)、師大夜市(台電大樓)
O:中和新蘆線(南勢角~迴龍/蘆州)
1998年に開通した中和線と2010年に開通した蘆州線、2012年に開通した新荘線を合わせた路線です。全長は31.5km。駅数は26駅あります。新北市中和区から台北市中心部を通り、新北市三重区、新荘区、蘆州区を結びます。蘆州線と新荘線は大橋頭駅で分岐します。南勢角~迴龍、南勢角~蘆州の電車がほぼ交互に運行されているので利用時には行き先に注意が必要です。
【路線カラー】
オレンジ色
【乗り換え駅】
頭前庄(環狀線)、三重(桃園空港MRT)、民權西路(淡水信義線)、松江南京(松山新店線)、忠孝新生(板南線)、東門(淡水信義線)、古亭(松山新店線)、景安(環狀線)
【最寄りのスポット】
迪化街(大橋頭)、行天宮(行天宮)、光華商場・華山1914(忠孝新生)、永康街(東門)、師範大學(古亭)、樂花夜市(頂溪)
BL:板南線(頂埔~南港展覧館)
1999年に開通した新北市台北市中心部を東西に横断する大動脈です。全長は28.2km。駅数は23駅あります。板橋、龍山寺、西門、台北駅、忠孝復興、国父紀念館、市政府などを通るので、観光面での利用価値が高く便利です。頂埔~南港展覧館の全区間を結ぶ電車のほか、亜東医院~南港展覧館を結ぶ区間車もあります。観光に通勤に便利なため、利用客ナンバー1を誇り、いつも混雑しています。
【路線カラー】
青色
【乗り換え駅】
板橋(台鉄、高鉄、環狀線)、新埔(環狀線民生新埔駅)、西門(松山新店線)、台北駅(淡水信義線、台鉄、高鉄、桃園空港MRT)、忠孝新生(中和新蘆線)、忠孝復興(文湖線)、南港(台鉄、高鉄)、南港展覧館(文湖線)
【最寄りのスポット】
桐花公園(土城)、林家花園(府中)、新北市政府(板橋)、龍山寺(龍山寺)、西門町(西門)、台北駅(台北車站)、光華商場・華山1914(忠孝新生)、東区エリア(忠孝復興・忠孝敦化)、國父紀念館(國父紀念館)、松菸・信義エリア(市政府)、五分埔(後山埤)
Y:環狀線(新北産業園区~大坪林)
台北郊外を一周する計画全長49.2kmの環狀線です。2020年現在第一期区間の15.4km、14駅が開通しています。今後段階的に延伸を重ねる予定です。
【路線カラー】
黄色
【乗り換え駅】
新北産業園區(桃園空港MRT)、頭前庄(中和新蘆線)、新埔民生(板南線)、板橋(板南線、台鉄、高鉄)、景安(中和新蘆線)、大坪林(松山新店線)
【最寄りのスポット】
新北市政府(板橋)
A:桃園空港MRT(台北駅~環北)台北駅から桃園国際空港を経由して桃園市中壢までを結ぶ計画全長53kmの路線です。現在は51kmの部分が開通していて、桃園空港から台北や高鉄桃園駅までの空港アクセス路線として機能しています。各駅停車型の「普通車」と停車駅が少ない「直達車」がありますが、運賃に違いはありません。停車駅に注意して乗車しましょう。また、台北駅と新北産業園区駅には、それぞれインタウンチェックインができ、出発の3時間前まで搭乗手続きが可能です。
【路線カラー】紫色
【乗り換え駅】台北駅(淡水信義線、板南線、台鉄、高鉄)、三重(中和新蘆線)、新北産業園区(環狀線)、高鉄桃園駅(高鉄)
【最寄の施設】
三井アウトレットパーク(林口)、桃園空港、桃園国際棒球場(桃園体育園区)
現在は淡水郊外の住宅地を走る淡海ライトレールのみを運行していますが、今後、三峡、鶯歌地区を走る三鶯線、新店の住宅街を結ぶ安坑ライトレールの開業を控えています。
V:淡海LRT(紅樹林~崁頂)
淡水信義線紅樹林駅からは、新北メトロが運営する淡海LRT(ライトレール/軽鉄)が運営されています。MRTとは若干乗り方が異なりますので、詳細は関連記事をご覧ください。
R:紅線(レッドライン)(南岡山~小港)2012年に開通した高雄市中心部を南北に貫く路線です。全長31.1km、駅数は24駅です。高鉄との乗換駅となる左営駅、高雄駅、美麗島駅、高雄空港など、交通の要衝を通過するので利便性の高い路線です。
【乗り換え駅】橋頭火車站(台鉄)、左營(高鉄、台鉄(新左營))、美麗島(オレンジライン)、凱旋(LRT前鎮之星)
【最寄のスポット】橋頭糖廠(橋頭火車站)、蓮池潭(左營)、高雄アリーナ・瑞豊夜市(巨蛋)、高雄駅、六合夜市(美麗島)、新堀江(中央公園)、高雄85大樓(三多商圈)、夢時代・凱旋青年觀光夜市(凱旋)、大魯閣草衙道(草衙)、高雄空港(高雄機場)
O:橘線(オレンジライン)(西子湾~大寮)レッドラインと共に2012年に開通した、高雄市中心部を東西に貫く路線です。全長13.6km、駅数は14駅。高雄市臨海部の観光スポットで、離島である旗津へ渡るフェリー乗り場がある西子湾や、鹽埕埔など高雄の下町を走る路線です。
【乗り換え駅】西子灣(LRT哈瑪星)、美麗島(レッドライン)
【最寄のスポット】打狗英國領事館・中山大學(西子灣)、高雄市立歴史博物館(鹽埕埔)、文化センター(文化中心)、衛武營國家藝術文化センター(衛武營)
C:高雄LRT(ライトレール/輕軌)2015年に高雄市臨港部に開業したライトレールです。駅数は現在のところ14駅。将来的には全長22.1kmの環狀線になる予定です。
【乗り換え駅】哈瑪星(オレンジライン西子灣)、前鎮之星(レッドライン凱旋)
【最寄のスポット】駁二藝文特區(駁二蓬萊・駁二大義)、愛河(真愛碼頭)、高雄展覽館・新光碼頭・高雄市立圖書館總館(高雄展覽館)、夢時代(夢時代)、凱旋青年觀光夜市(前鎮之星)
バスと違って分かりやすく、乗りやすいのが鉄道の強み。今後も新路線が開通するたびに情報も更新して行きますので、MRTに乗って台湾の旅をさらに楽しんで下さい。
以上、台北ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2020-02-25