桃園空港MRT開通までいよいよ秒読み!台北環状線や阿里山鉄道のSL、サトウキビ運搬列車の話題など。
こんにちは、台北ナビです。
先月もお伝えしましたが、台北市内と桃園国際空港を結ぶ桃園空港MRTはいよいよ開通まで秒読み。早ければ春節前に?なんていう声も聞こえてきますが、いまだMRTから発表はなし。でも台北駅では案内板が設置され,MRTでも乗り換え路線としてすでに案内され、MRTからの地図にも載るなど、近々開通するのは間違いなさそう。また環状線の話も気になるし、登山鉄道のSLやサトウキビ運搬列車の話も鉄道ファンや少しでも鉄道に興味のある方なら気になるはず。
それでは今月の台湾鉄道情報をお届けしましょう。
台湾 桃園空港捷運(MRT)運賃を発表
2016年12月10日、鄭文燦桃園市長は桃園空港MRTの長庚医院駅で公開記者会を行い、正式に桃園空港MRT(機場捷運)の運賃を発表しました。空港MRT(の営業開始後、列車は直行と普通の2タイプからなり、運賃はどちらも同じ。桃園空港から台北駅までは180元、桃園亀山、新北市林口地域の3つの駅から台北駅まで80元、泰山、副都心、新北産業園区の3つの駅から台北駅までは35元となります。
2016年12月末には最終検査が行われ、今後は2017年の旧正月前後の開通が期待されています。桃園空港MRTは桃園空港から台北駅まで最短36分で結び、また桃園空港から高鉄(新幹線)桃園駅まで結び、開通すれば台湾中南部からの鉄道で桃園空港に向かう乗客の乗り換えも便利になります。
※その後の情報で、3月2日に正式開通することがわかりました。また2月16日からは一般人の試乗も行われます。
台北メトロ(MRT)環状線が車両を公開
台北メトロ(MRT)環状線で使用される車両の第1陣が11月下旬、イタリアから台北港に到着し、新店にある車両基地で組み立て整備及び検査が行われました。そして12月12日、朱立倫新北市長が先頭に立って車両お披露目式典が行われ、環状線開通に向けた重要な節目となりました。
環状線で使われる車両は、日立レールイタリア(アンサルドブレーダから日立製作所が買収後に改称)にて製造された、無線列車制御システム(CBTC)を搭載した車両。環状線の第一段階開業に合わせ、17編成がイタリアで製造、組み立てられ、残りの15編成はイタリアが材料及び部品を提供し、台湾の「台湾車両」で組み立てが行われる予定。車両は総長約68m、スチールトラック、スチールホイールで、車両間は「連通式」を採用。また新北展業園区駅から空港に向かう桃園空港MRTのへの乗り換えを考慮し、荷物置き場も設置される予定。車両の先頭は斜め20度の流線型のデザインで、車体は軽量化されたアルミニウム合金。また車內シートはロングシートで統一されています。
台北MRT環状線は、いままでの台北MRTの台北市を中心とした計画とは異なり、新北市を中心としたMRT。北環状線、西環状線、南環状線の3つの環状線からなります。工事は2段階に分けて行われ、第一階段の西環状線は新北産業園区駅を起点に新荘、板橋、双和を経て大坪林駅までを結び、2018年末に全線開通の予定。第2段階は北環状線の新北産業園区駅から剣南路駅、南環状線の大坪林駅から動物園駅まで延伸し、すでに計画は進行中。車両システムを含め、この環状線は黃色がスタンダードカラーとして採用され、環狀線の列車は台北MRTでは初のブルー系ではない列車となります。
阿里山森林鉄道にてシェイ式蒸気機関車が特別運行
阿里山森林鉄道管理処は開業104周年を祝い、2016年12月24日にSL25号が牽引する列車が北門-嘉義間を三往復運行しました。阿里山本線は1912年12月25日に嘉義-二万坪間が開通、1914年には阿里山駅(現在の沼平駅)まで延伸。このため12月25日は阿里山森林鉄道開業記念日となっています。
北門修理工場の余宗憲氏によれば現在、嘉義の機関車車庫にはSL25号及び26号のシェイ式蒸気機関車があるけれど大気汚染の問題もあり、石炭を動力源とする設計の26号はあまり使われていないとのこと。
2016年12月25日現在、阿里山本線は現在奮起湖までの運行となっています。嘉義-十字路間と二万坪-阿里山間の線路は既に修復が終わり、2017年初めには運行再開の予定。今後、阿里山号は奮起湖から十字路まで延伸運転され、阿里山駅から二万坪を往復する観光列車が今後増発される予定です。
虎尾製糖工場にてサトウキビ列車が運行
かつて台湾各地には多くの製糖工場があり、サトウキビ運搬のための鉄道が発達していました。現在は虎尾及び善化のわずか2箇所で製糖を行っており、虎尾製糖工場の馬公厝線が台湾で唯一残るサトウキビ運搬列車の走る路線となっています。このため、毎年12月から翌年3月の製糖のシーズンになると台湾内だけでなく、海外からも多くの鉄道ファンが貴重なサトウキビ列車をカメラに収めるために訪れています。
製糖のシーズン、サトウキビ運搬列車は毎朝8時から午後5時まで、通常5往復運行されています。虎尾製糖工場から終点までは約13キロあり、列車調整などの時間を含め往復約2時間。虎尾製糖工場出発後15分ほどで北溪厝
駅に到着、ここは台湾高速鉄道(台湾新幹線)とサトウキビ列車が行き違う、有名な撮影スポットです。北溪厝駅を過ぎたあと、終点の13号積み込み場まで途中に二つの積み込み場があり、列車はここに止まり、空車を外したり、積載車を連結したりします。
虎尾まで列車撮影に向かう場合は台湾高速鉄道(新幹線)雲林駅で下車し、タクシーで向かうのが一番便利。タクシーの料金は1時間500元前後。言葉のコミュニケーションがとれない場合は台湾高速鉄道の係員にお願いすることができます。
上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。
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記事登録日:2017-01-25