現代アートは社会のカガミなんです!
こんにちは、台北ナビです。
2年に一度、台中の国立美術館で開催されるアジアの現代アートの祭典、ビエンナーレの季節がやってきました。今年で第5回目。今回も裏方ボランティアの一人として参加したナビ、見どころを一足早く鑑賞させていただきました。アジアの最先端モダンアートはとっても魅力的!一部ですがご紹介しちゃいます!
今回のテーマは「造動」!
芸術家がムーブメントを作る!
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キュレーターのアイリスさん
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前回に引き続き、今回の企画も国立美術館のアイリス黄さんの担当。ボランティアのために、事前に3時間かけて全作品の解説がありました。そのとき話してくれたのが、「現代社会においては一つの地域で起こったことでも、その影響は国境を越える。たとえばヨーロッパでの難民問題。台湾でも外国人移民・労働者はすでに40万人を超え、こんな激動の世界に対して、現代の芸術家として何ができるのか、何かを示すことができるのか?昔の芸術家のように部屋にこもって美しい理想の世界を作っている場合じゃない!(←※ナビが受けた印象です)」というコンセプトで作品を集めたのだそうです。
どうしてこんなに個性的なの?
毎回、現代アートの創造力の多様さに驚かされるナビですが、今回も例外なく、作者の発想の面白さに魅了されてしまいました。
高所作業車にのって壁に直接描いちゃいました!
101展示室の圧巻は中国の孫遜さんの作品。長さ30mの巨大水墨画のそのまた上の、美術館のかべにも直接描いてあるんです。大はくりょく~!今回の作品のタイトルは「鯨邦共和国」。東アジアの実際の地域の上に架空の連邦を出現させています。
こちらはタイのスーテーさんの「歴史科2時限目」という作品。小学校の机が並べられ、観客は実際に座って渡された紙を机に乗せ、クレヨンでこすってみると・・・。タイの歴史的事件やできごとが拓本で浮かび上がります。記念にお持ち帰りもできちゃうという、楽しくもあり、お勉強にもなるというもの。
日本の作品も負けてない!
台湾でインスタレーションを現地製作したのは金氏徹平さん。台湾の伝統市場や街角の雑貨屋で買ってきたありとあらゆる色彩の物。それを一見無配慮に積み上げ、最後に白い粉を降り積もらせまると・・・不思議!もとの物の形が混ざり合って別の形に変化しています。深い意味を問われるような作品です。
インパクトの強さで見る人を圧倒するのは風間幸子さんの大型版画「ああ、怒涛の閉塞艦」。東京現代美術館に収蔵されている作品です。福島の原発事故の衝撃を、過去、現在、未来のモチーフをからめてみごとに表現しています。
仕事の合間、茶芸館でくつろぐ金氏さん(左)と東京都現代美術館の牟田さん
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風間さんと大迫力の版画作品
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注目の台湾芸術家はこちら
周育正さんの作品は・・・入場料をとります!
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作品の解説をする蘇旺伸さん
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張徐展さんの動画作品は360度パノラマ室で。
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LSDとはロスト・ソサエティ・ドキュメントのこと。
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台湾からは4人の現代芸術家が参加。そのうちナビが一番面白いと思ったのは姚瑞中さん&LSDの作品。部屋中に張られた写真、台湾中の廃墟の写真なのですが、実はこれ、建設されてもほとんど実際に活用されていない、いわゆる税金の無駄づかいという建物。美術大学の先生である姚さんが、学生たちに自分のふるさとでこんな建物がないか探してリポートしてきなさい、と出した課題なんだそうです。
展示室を埋め尽く「新しい」廃墟の写真
こういうのをみると、アートもずいぶん社会批評できるんだなーと関心しちゃいます。今回紹介したほかにも、たくさん面白い作品がありますから、台中にお越しのさいはぜひ、国立美術館をのぞいてみてくださいね。
マレーシアのアヌレンドラさんの作品
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フィリピンのステファニーさんはお金を製造してゴキゲンでした。
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