高雄市内観光循環バスを利用して、より便利に、そしてよりお得に高雄観光を楽しむ方法を教えちゃいます!
市内観光循環バス「文化公車哈瑪星線」
こんにちは、台北ナビです。
台湾新幹線が開通し、台北から高雄までの観光がグンと便利になりましたね。近年急速に発展している高雄市にはまだまだ見所がたくさんあるんです。今回は高雄市内観光循環バスを利用して、より便利に、そしてよりお得に高雄観光を楽しむ方法をご紹介いたしましょう!
高雄市内観光循環バス「文化公車」
まずこの高雄市内の観光スポットをまわる市内観光循環バスの概要からご説明しましょう。この市内観光循環バスは「文化公車」と呼ばれ、各路線内で約8ヶ所の観光スポットを一方向で循環します。「文化公車」は2011年から高雄市により運行が始められ、現在では高雄市内のエリア別に哈瑪星線、舊城線、鳳山線の3路線に分かれて運行されています。
さてこのバスの特徴は、50元の乗車券で路線内一日中乗り降り自由なこと。つまり8ヶ所の観光スポットを50元ぽっきりで回れちゃうのです。
バス車内にはボランティアガイドが同乗し、観光スポットや食べ物情報、高雄の文化や歴史の解説をしてくれます。このバスは地元の観光客にも人気があり、休日は海外からの観光客を含め多くの人が利用しているんです。
ナビは高雄に住んで3年くらいなのですが、この「文化公車」のおかげで高雄観光がとても便利になったなあ、とつくづく実感しています。ということで、今回はこの「文化公車」を利用したお得で便利な高雄市内観光をご紹介することにいたしましょう!
まずナビは「文化公車」の3路線のうち、「哈瑪星線」に乗って高雄哈瑪星エリアを半日散策をすることにしました。
哈瑪星線エリアの歴史
文化公車哈瑪星線が走る高雄港付近は日本統治時期に高雄の中心として栄え、古い建物が多く残されています。
打狗英國領事館官邸
当時ここには高雄港からの貨物を輸送するための「浜線鉄道」が敷かれ打狗驛(高雄港駅)が建設されました。哈瑪星線とはこの「浜線(hamasen)」の音を中国語の音に当てたもの。日本統治時代におてい高雄港を中心とする哈瑪星地区は貿易と内陸輸送の要所として成長し、政治・経済・文化などあらゆる分野において高雄で最も発展したエリアとなりました。
その後日本統治時代が終わると、高雄港は台湾南部の漁業の中心として栄えましたが、その後1970年代以降は新しい漁業専用埠頭が開港したため、高雄港はその役目を終えることになります。漁業の衰退、そして高雄の中心が東へと移動したことにより、これまでの賑やかさは徐々に失われていきました。
しかし近年、哈瑪星エリアは歴史や自然、文化の発信地として新たに見直され、再び注目を浴びるようになり、今では高雄の主要な観光スポットとして海外や台湾各地からの多くの観光客で賑わうようになりました。
哈瑪星線バスに乗ろう!
さてこの見所いっぱいの哈瑪星エリアを走る文化公車哈瑪星線は、高雄港付近の観光スポット8ヶ所を約35分で循環します。火曜日から金曜日までの平日は1時間間隔、土日休日は30分間隔で運行されています。ナビが訪れたのは日曜日だったので、バスは30分間隔で運行していました。しかもうれしいのは定刻どおりにバスが到着すること!これまで台湾のバスといえば時刻表などなくてあたりまえだったたので、時刻表があり、なおかつ定刻通りに来るこのバスに、ナビは大変感動したのであります…。と前置きが長くなりましたが、高雄文化公車「哈瑪星線」エリア散策のご紹介、さっそく始めましょう!
MRT橘線西子湾駅出口2
まずバスの起点は「打狗鐵道故事館」。ここはMRT橘線の西子湾駅二番出口を出てすぐのところにあります。台湾新幹線高鉄新左営駅からはMRT紅線で美麗島駅へ、そこで橘線に乗り換えて西子湾駅に行きましょう。さあ、ここから今日の旅が始まります!
打狗鐵道故事館
MRT西子湾駅出口2を出てすぐ目の前に打狗鐵道故事館を発見。入り口の前には「哈瑪星線」バスの乗車の看板が。発車時間までまだ時間があるので、ナビは打狗鐵道故事館の館内を見学することにしました。
西子湾出口2を出ると、すぐ打狗鐵道故事館が見えます。
機関車や貨物車が展示されています。鉄道ファンは必見。
「打狗」という呼び名の由来については、これまでの高雄紹介の中でも何度かご説明しましたが、もう一度おさらいをしてみましょう。「打狗」とは高雄の昔の名称で、台湾語でターガウと発音します。その由来は、昔この地には竹がたくさん生えていてため、当時の原住民平埔族がこの地を「竹の地」=「Takau」と呼んでいたことから、後の漢人が「打狗」と名づけた、といわれています。その後の日本統治時代になると「犬を殴るなどとは、都市名としてふさわしくない」ということで、よく似た読み方をする「高雄(タカヲ)」という表記に変え、これが現在の呼称になっているというわけです。なるほど~「高雄」という名前からこんな歴史が見えてくるとは!興味深いですね~。
さてここ打狗鐵道故事館の建物はもともと台湾の縦貫鉄道の南の終点地「高雄港駅」で、貨物の運輸拠点として重要な場所だったそうです。
広々とした敷地に咲く花が美しい。
打狗鐵道故事館
住所:高雄市鼓山区鼓山一路32号
電話番号:(07)531-6209
営業時間:10:00~18:00
休業日:月曜日休館(月曜日が祭日の場合は開館し、翌日火曜日が休館日となります。また旧正月等連休の場合には開館することもあります。詳しくは当館ホームページにて随時告知)
館内には文化公車「哈瑪星線」バスの現在位置が分かるモニターがあります。
|
|
バス乗り場はこの看板が目印。
|
沿線観光パンフレットには沿線図とその周辺のグルメ・観光情報が盛りだくさん。
さあ、そろそろバスが来る時間です。バスに乗車する時に乗車チケットを購入します。乗車するたびに切符をガイドさんに見せるので、くれぐれもなくさないように注意!車内にはボランティアのガイドさんが同乗。観光スポットについて詳しい説明をしてくれます。中国語の解説なのですが、ガイドさんとお客さん達が楽しそうに話しているのを見てると、台湾の人達ってほんとにフレンドリーだなあ、私も一緒におしゃべりしたい!と思っちゃいます。
武徳殿
さて最初の停留所で、さっそく降りてみることに。ここは武徳殿といって、日本統治時代、柔道・剣道などの武道の練習や大会を行うための武道場だったそうです。ここは敷地がそれほど大きくないので見学に30分もあれば十分です。
きちんと整備されていてきれい。
|
|
壁には弓矢のマークが。
|
絵馬の奉納所がありました。
|
|
殿内には賽銭箱、その後ろには剣道の練習をしている子供が。
|
高雄武徳殿
住所:高雄市鼓山区登山街36号
電話番号:(07)531-8845
ファックス:(07)531-7498
営業時間:10:00~18:00
休業日:月曜日休館(月曜日が祭日の場合は開館し、翌日火曜日が休館日となります):
入場料:無料
武徳殿の見学が終わり次のバスに乗り込み、次は高雄の観光名所として有名な打狗英國領事館官邸へと向かいます。
バスからの車窓を楽しみます。
|
|
ここは中山大学内のトンネル。日本統治時代に掘られたそうです。
|
打狗英國領事館官邸
急な階段~
打狗英國領事館官邸は1879年に当時のイギリス政府により高雄の領事業務拠点として立てられた美しいレンガ造りの建物。しかもここは西子湾を望む絶景の夕日スポットとして有名なんです。ナビがここに到着したのは午後1時ごろ。夕日までにはまだ早いので、英國領事館官邸を見学することに。
バス停右側にある階段をのぼります。すると今度は折り重なる急な階段が出現!これをのぼりきったところに打狗英國領事館官邸の入り口があります。
階段を登りながら、海の景色を楽しみましょう。
階段を登りきったところに入り口があります。そこで入場券を購入し中へ進むと美しい赤レンガの建物が。
赤レンガと高雄の青い空・深い緑とのコントラストが美しい。
打狗英國領事館官邸
住所:高雄市鼓山区蓮海路20号(國立中山大學大門口右側山頂上)
電話番号:(07)525-0100
ファックス:(07)525-0237
営業時間:9:00~21:00(入場券販売は20:30まで)
休業日:毎月第三週の月曜日休館
入場料:一般:30元;身長80~115センチまでの児童および65歳以上:20元;団体:25元;80センチ以下の方は無料
高雄代天宮
「哈瑪星線」バスに乗り込み続いて向かったのは、隣の停留所「代天宮」。とても台湾チックな荘厳な建物です。ここはもともと市政府(市役所)があった場所で、地元の住民たちの信仰の場所となっています。また夕方になると屋台が集まり、地元人々の憩いの場にもなっているそうです。
代天宮
住所:高雄市鼓山区鼓波街27号
電話番号:(07)551-8801
ファックス:(07)551-8815
営業時間:07:00~22:00
入場料:無料
鼓山魚渡輪站。対岸の旗津行きの船はここから乗船。
フェリー乗り場右手にある大力果汁は高雄で人気のフレッシュジュース屋さん。是非試してみてください!
ナビはお腹が少しすいてきたので、なにかおいしいものはないかなあ~と、おいしいものを探しに街を歩いてみることにしました。代天宮の交差点を鼓波街に沿って直進すること約5分、大きな通りに出ると右前方に鼓山渡輪站が見えてきました。ここは対岸の旗津行きの乗船場で、たくさんの観光客で賑わっています。またこの通りはカキ氷が有名で、哈瑪星エリア観光で誰もが必ず訪れるスポットとなっています。さて鼓山渡輪站の左側に、緑色の看板の薬局「屈臣氏」があります。そこに文化公車の次のバス停「鼓山魚市場 (渡輪站) 」がありました。次の停留所まで徒歩5分で着くとは!実は意外に近かったんですね~。
鼓山魚市場 (渡輪站)
鼓山魚市場 (渡輪站)のバス停の隣に超巨大なお椀に入ったカキ氷の看板が見えます。ここは「大碗公」というお店、とても人気だそうです。
しかし今日は日曜日、どのお店も人・人・人!すごい賑わいです!ナビは気合で空いた席をすかさずゲット!席に座り店内を見ると、超特大カキ氷をシェアして食べている人がたくさんいました。というのもここのカキ氷の特徴は、カキ氷の種類も豊富なのに加え、大きさも標準サイズから、2、4、6、10倍サイズ、そして何と30倍という超特大サイズがあるんです。団体旅行など、大人数でわいわい分け合って食べているお客さん、本当に楽しいそうです。もちろんナビのようにいろんな種類を食べてみたい人は、迷わず標準サイズを頼みましょう。夏場なら一人で2皿、きっといけるはず!ナビはこの日、マンゴーアイスミルクカキ氷とチョコバナナミルクカキ氷を頼みました。
芒果牛奶冰+冰淇淋(夏季限定) 60元
|
|
巧克力香蕉牛奶冰 50元
|
それにしても高雄の熱さは半端ない…。今回取材したのは5月の終わりだったのですが、すでに真夏並みの暑さ。カキ氷が、来たそばから溶けてゆきます。写真も手早く、食べるのも手早く、のんびりしてるとどんどん溶けちゃう!
大碗公
住所:高雄市鼓山區濱海一路107号
電話番号:(07)533-3228
営業時間:10:00~24:00
休業日:年中無休
いつも人が引っ切り無しに訪れます。
カキ氷を食べながら道の向かい側に目をやると、なにやら行列の屋台があります。ナビは次に人気のお店、「蘇阿嬤雞蛋酥」にやって来ました。「阿嬤」とは台湾語のおばあちゃんの意味、つまり蘇おばあちゃんのたまごケーキ、とでも訳しましょうか。ここはガイドブックに必ず載っている有名な屋台だそうで、長い行列ができていました。食べてみると、穴の開いていない、平たいドーナツに似ています。揚げたてはサクサクしておいしかったですよ。
阿嬤雞蛋酥
住所:高雄市鼓山區濱海一路96號
電話番号:0955-972-771
営業時間:14:00~21:00
休業日:木曜日
香蕉棚(漁人碼頭)
おいしい物を食べて元気が出たところで、さあ次のスポットへと移動開始!再び哈瑪星線バスに乗り込み、次の停留所「香蕉棚(漁人碼頭)」へと向かいます。台湾南部はバナナの産地として有名ですが、1950年代には台湾のバナナ産業が最盛期を迎え、台湾は別名「バナナ大国」と呼ばれていたそうです。その頃の主要輸出国は日本で、多いときには毎年の輸出額は6千万米ドルに達したそう。日本人がどれほど台湾バナナが好きだったのかが、ここからうかがうことができますね。そしてここ香蕉棚は台湾南部の最大のバナナ輸出港で、台湾南部の殆ど全てのバナナがここに集められ世界各地へと輸出されていったそうです。現在ではここはオーシャンビューを楽しむ観光地として人気のスポットとなっており、宴会場やお土産を販売するショッピングモールが付設されています。
香蕉棚(漁人碼頭)
住所:高雄市鼓山區七賢三路底三號碼頭
電話番号:(07)561-2258
ファックス:(07)561-2293
営業時間:10:00~22:00
休業日:年中無休
哈瑪星線エリアの旅はまだまだ続きます!続きは後編で!