日本と深い関わりのある壮大な公園は日本人が訪れるべきスポットです
みなさんこんにちは!
高雄にある国立中山大学に留学している日本人の優介です。旗山シリーズ第三弾は、台湾人のグループメンバーたちと一緒に、自然と歴史あふれる「鼓山公園」を紹介します。
旗山市内を一望できる絶好のロケーション「鼓山公園」
「鼓山公園」は、旗山の西側にある海抜600mの小高い山全体が公園で、市民が憩う緑豊かな街のシンボルです。1904 年(明治37年)に公園として整備され、公園の中には日本統治時代に建てられた旗山神社の跡地、太平寺、三十三士碑、そして終戦後に建てられた旗山孔子廟などがあり、移り行く歴史の面影を感じることができます。
鼓山公園入口にある石碑にて。今回案内してくれた旗山の地元ガイドの呂さんと一緒に撮りました
公園の入り口はちょうど「
旗山武徳殿」の後方にあります。旗山市内を一望できる高台にあり、階段を登るのでいい運動にもなります。美しい自然を楽しみながらちょっとしたハイキングコースにもなりますよ。
まず鼓山公園にある小さなお寺「太平寺」を紹介します。昔この辺りは福建省から渡ってきた閩南系、客家系の漢民族、原住民など複数の民族集団が暮らしており、部族間での紛争が絶えず起こっていました。
当時この地域は蕃薯寮と呼ばれ、日本統治時代に入り土地開拓が始められました。その時に部族闘争による犠牲者の慰霊と日本仏教の布教のために寺院を建てることとなり、平和を願うことから「太平寺」という名がつけられました。
太平寺は京都の西本願寺を起源とする淨土真宗本願寺派のお寺で、幾度かの改築を経て、今に至ります。台湾内で日本統治時代から続いている数少ない寺院のひとつとされているんです。
旗山公園入口から階段を上ると広場に出ます。ここを左に入っていくと太平寺があります
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太平寺の前に架かる「太平橋」。よく見ると太平の文字が……この橋は統治時代からのもので、丸いところが太平という字になっています
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お寺では慧芸法師がお寺の歴史を説明してくれました。このお寺は日本統治時代の1909年(明治42年)に建立されたことから、日本人とも関わりがあります。
前住職は日本人で、今でもご子息の方々が毎年台湾を訪れています。今後この太平寺を日本統治時代に建てられた当初の姿に再現する予定があるそうですよ!
この子は來福(ライフ)。法師と一緒に太平寺で暮らしています。ライフも同じくベジタリアンの食生活をしています
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中山大学のメンバーと、ガイドの呂さん
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ちなみに普段は門が閉まっていて、一見入れないように見えますが、一般開放しています。参拝を希望される方は湯さんまで連絡してみてください。日本語で案内してくれますよ。
太平寺:(07)662-7263
湯さん:(0933)649-029
雰囲気抜群な「旗山神社」跡地
神社の灯篭が階段の脇に残っています。風情がありますね
「太平寺」を出て最初の道に戻り、ふたたび頂上を目指します。頂上に向かう階段の両脇には狛犬が残されており、ここが昔神社へ向かう参道だったということが分かります。
「旗山神社」は1936年(昭和11年)に建てられましたが、終戦後撤去され、今では鳥居と建物が壁に描かれているだけです。神社へと続く階段の両側にある石灯籠は、以前は約50 対ありましたが、今は18 対しか残っていません。
壁の上には昔の神社のイメージ画が描かれてあります。日本人は自然と背筋が伸びる?
この階段や灯籠は新しく作られたものと当時から残っているものもあり、それらを再利用して参道が再現されています。
東南アジア最大の孔子廟「旗山孔子廟」
入口にそびえ立つ門。とても大きい!
「
旗山神社」を抜け、階段をのぼり続けて、公園の中央に出ると見えてくるのが「
旗山孔子廟」です。「
旗山孔子廟」は1985年(昭和60年)に建てられました。鼓山公園の中で一番荘厳な建物なので、観光の目玉となっています。
孔子廟の中から正門に向いている景色です。とても広く開放感があり、門の奥から旗山市内を一望できます
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孔子廟正面の大成殿には孔子の名前を書いた位牌が置かれています。上には孔子の教えである道徳は古今を貫くということを意味する「道貫古今」という字が書かれてありました
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至聖先師と呼ばれる教師の始祖、孔子をまつる廟はアジアの国々でたくさん建てられており、中でも「旗山孔子廟」は東南アジア最大規模の孔子廟なんです。
毎年9 月28 日には孔子生誕祭で多くの人が集まります。また毎年受験シーズンになると多くの学生が合格祈願に参拝します。
この牛の立像は「智慧牛(知恵の牛)」と呼ばれています。牛の体のいろんな所を触って運気を授かろう!頭は地位、角は金、頭から尻尾まで触ればいい運をもらうことができますよ!
大成殿の主門である大成門は孔子が通る門で、孔子生誕祭にのみ開かれます。一般の観光客は両側の扉から出入りします
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階段の横に九匹の龍が彫られてあります
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やっぱりバナナを食べないとね!
「
孔子廟」を出て、長い階段を降りると、公園のふもとにバナナ売りの屋台がありました。やはりバナナを食べないと旗山に来たとは言えませんね。
旗山のバナナは種類がたくさんあります。左は香蕉、右が芭蕉と呼ばれる品種です。香蕉のほうは普段市場やスーパーで売られている、普通のバナナです。芭蕉は普通のバナナよりも短くてちょっと太め。もっちりとした食感と甘酸っぱい濃厚な味が口いっぱいに広がります!これはおいしい!これは日本では食べられない品種ですので、見つけたら絶対試してみてくださいね!