「台湾好行」鹽郷濱海線に乗って台湾の塩産業と王爺信仰に触れました!
台湾経済発展を支えた塩田と砂糖工場を巡り、美食も堪能できるオススメ路線!
★★現在、利用客が少ないためバスの本数が少なくなっています。ご乗車前には台湾好行のホームページにて時刻表を確認してください。★★
こんにちは、台北ナビです。嘉義と大台南を結ぶ「台湾好行」鹽郷濱海線が2012年7月に運行開始!美しい塩田風景に南部の心温かな人々との触れ合える、しかも南部の美食が待っていると聞けばこの路線を試してみない人はいないはず!今まで知らなかった台湾の魅力をギュっとまとめて感じられる魅惑の路線を体験してきました。
「台湾好行」サイコー!
陽気な運転手さんから購入可能!おつりはないので注意が必要です!
自由旅行で台湾を訪れる方にとって一番のネックとなっていたのは交通手段ではないでしょうか?行きたい場所があってもどのバスに乗っていいのかわからない…。そもそもバス停が近くにない…など交通の悩みは付きませんでした。斯く言うナビも台湾人の友達がFACEBOOK上にUPした写真を見ては、交通手段がないから訪れるのを諦めていた観光場所もたくさん!そんな悩みを「台湾好行」は解消してくれました。しかも各県イチオシの観光スポットを網羅し、バス停の起点となるのは高鉄や台鉄の駅だから自由旅行の方にも便利!こりゃぁ、使用してみないと損するってもんです。
購買方法も簡単!すべての路線はバスに乗車する際に運転手さんから直接購入が可能です。(おつりの準備はありませんのでご注意ください)事前に購入したい場合は台湾全土の7-ELEVENのibonでも購入が可能!(一部の券は買えないこともあるので、事前に確認をよろしくお願いします)
鹽郷濱海線はどんな路線?
高鉄嘉義駅を起点として「蒜頭糖場站」「朴子刺繍文化館站」「先天宮站」「東石漁人碼頭站」「布袋遊客中心站」「南鯤鯓天府站」「北門遊客中心站」「井仔脚瓦盤塩田站」「東隆文化中心站」「七股塩山站」「台湾塩博物館站」という11つの停留所を巡るルート。台湾の経済発展を支えた塩田と砂糖工場を訪れ、且台湾の王爺信仰文物館や特色ある廟へ。人気ドラマのロケ地にも行けるなどかなりディープな旅を簡単に体験できる路線となっています。
「鹽郷濱海線」では3種類のチケットを発売中!詳しく見てみると…
① 1日交通券 168元
「鹽郷濱海線」1日乗り放題チケット。純粋に「鹽郷濱海線」のみの乗車を楽しみたい方向け。
② 「鹽郷濱海線」+「台江99線」二日交通聯票 250元
「鹽郷濱海線」&七股塩山~台南市中心地へ走る「台江99線」&台南中心地~安平地区へ走る「88安平線」&高雄客運の台南市内バスが2日間乗り放題チケット。台湾をディープに知ることができる「鹽郷濱海線」と台南の観光を便利にしてくれる路線バスが使用でき、2日間でどっぶり南部に浸りたい方向け。
③ 鹽郷濱海線一日套票
「鹽郷濱海線」1日乗り放題チケットに「台湾塩博物館入場チケット」「東隆文化中心入場チケット」「蒜頭糖場五分小火車乗車券」「馬沙溝濱海遊憩区入場割引券」「レンタサイクル割引券」「アイスキャンディープレゼント」がセットになったかなりお得なセット。「鹽郷濱海線」を朝から晩まで思いっきり楽しみたい方向け。
① ②は7-ELEVENのibonと「鹽郷濱海線」のバス車内で購入可能。「鹽郷濱海線」のバス車内ではお釣りの準備はありませんのでおつりが出ないように、お金を準備してください。また悠遊卡・台湾智慧卡・高雄捷運卡でもチケットが購入可能です。③は地元の旅行社と車内販売。また、易遊網で予約後高鉄嘉義駅のカウンターで平日のみ受け取る方法もありますが、車内販売が一番便利だと思います。
高鉄嘉義駅に到着!
出入口左方向にバスが停留しています。
台北から高鉄(新幹線)に乗り約1時間半で到着する嘉義駅。窓から田園風景が広がってきたら嘉義駅に近付いてきているという合図です。ここが「鹽郷濱海線」の起点となる場所。平日は9時~16時の毎時15分に嘉義駅を出発し、休日はこれに4本便が追加されます。
蒜頭砂糖工場
嘉義駅から一番近い停留所がここ、「蒜頭糖場站」。ここでは蒜頭砂糖工場の見学はもちろんサトウキビ列車に乗車することが可能です。(有料)サトウキビ列車に乗車すると、マイクを使って砂糖工場の歴史などを紹介してくれます。中国語と台湾語を織り混ぜての案内で、台湾語のわからないナビにはわからない説明もあったのですが、ゴトゴトとサトウキビ列車に揺られ、遠くにサトウキビ畑が見られるととても気持ちがいいものです。また近くにはサイクリングロードもあるので時間に余裕のある方は楽しんでみることをオススメします。そして製糖工場に来たら忘れてはいけないのがアイスキャンディー!素朴なお味が病みつきになります♪サトウキビ列車に乗ってゆっくりしていると1時間半~2時間くらいは滞在してしまいます!
「朴子刺繍文化館站」では刺繍と神秘的な廟に触れましょう
朴子刺繡文化館
停留所すぐ隣にある刺繍について知ることができる文化館。日本統治時代の塩館を改装し、「朴子刺繡文化館」として使用しています。朴子市は昔から刺繍がとても盛んな場所で、清朝時代の作品も収められています。小ぢんまりとしていますが、3カ月に一度展示物を変更するなどいつ行っても楽しめます。手刺繍と機械での刺繍の差や刺繍がどのように台湾の生活に根付いているかなども学ぶことができますよ。ナビはお土産コーナーの「神衣吊飾」に釘付け!その名の通り神様の服に見たて、色によってモチーフとなる神様が異なるので、見た目+何の神様なのかを考慮して購入したいところ!ナビは吟味して買いたかったのですが、時間があまりなく購入を断念(涙)。絶対また来るぞ!と心に決めたのでした。
嘉義県朴子市文明路10号
05-366-0985
9:00~12:00/13:30~17:00
月曜、祝日のみ休館
その昔、女性は結婚前に容姿を男性に見せることができませんでした。男性は刺繍を見て女性を判断していたそうで、刺繍に長けている女性は条件のいい男性と結婚できたそうです
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お金持ちの家だけに見られるもの。子供の首にかけます
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入口はちょっと簡素。四季蘭のある鎮殿は改修中で2012年11月中旬に完成予定です
朴子配天宮
台湾で現存する最古の媽祖廟、朴子配天宮には樹齢1000年の樹を彫刻して作られた媽祖様がいます。また「神樹」とも呼ばれる四季蘭があり、これに触ると健康になれると言われ人気を博しています。休日ともなるとこの力を信じて行列になります。また子宝を望む夫婦の聖地的存在でもあり、旧暦の正月~3月には多くの人でにぎわいます。またひときわ大きな金色の筊杯も飾られていて、清朝康熙皇帝が媽祖様にお伺いをたてる時に使用したものだとも言われています。ナビがこれまで訪れた中で1位2位を争うほどの力が宿っていると感じましたよ。是非訪れて欲しい廟です。
学問の神様:文昌帝君の前には…
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たくさんの受験票のコピーが!
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白花(男の子が授かる花)
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紅花(女の子が授かる花)
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康熙皇帝が使ったと言われる金杯茭
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こちらはレプリカ
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昼食タイムは徒歩で行ける創作お鍋屋さんへ
レストラン内は奥さまが趣味で集められた食器やグッズで埋め尽くされ、何だか温かい雰囲気を醸し出す「北歐工坊」。飾られてある絵は画家である呉さんが描いたものです。ここでは食材にこだわったお料理が食べられ、ナビはオススメという「英式玫瑰香草牛奶鍋390元」をいただきました。実は台湾に来てからめっきりミルク鍋が好きになったのですが、それにバラが散りばめられた豪華なお鍋!と~てもおいしくいただきましたよ!夏でも是非食べていただきたいです。メニューはお鍋の他にパスタやビビンバなどもあります。「北歐工坊」の横には息子さんがパイナップルケーキが大好きな家族のために作り始めたパイナップルケーキ屋さん「八野爺土鳳梨酥」があります。ここだけでしか購入することの出来ない熊さんパッケージバージョンをGETすることをお忘れなく♪
北歐工坊
嘉義県朴子市天星新村112号
(05)370-8258
「布袋遊客中心站」で牡蠣養殖とマングローブに出会った~!
布袋漁港
嘉義濱海地区最大の漁港である布袋漁港。ここでは観光遊覧船に乗り、牡蠣の養殖の様子を見学し、引潮時を狙って無人島に上陸しちゃいます。毎日潮の満ち引きを見て出航時間を決定しているので必ず事前の予約は必須です。
早速遊覧船に乗って出発です。出航して間もなく辺り一面に竹をたて横に組んで作られた筏(いかだ)が目に飛び込んできます。これは浮棚式の牡蠣の養殖で、潮の干潮の影響を受けにくいなどの理由で最近はこの方法が使われているそうです。その先には立棚式の養殖も見られます。そうこうしているうちに無人島に到着!靴を脱ぎ、マングローブが広がる無人島に上陸すると数多くのカニが迎えてくれます。でもカニさんはシャイなので人が近づくと穴に隠れてしまいます。驚いたのは泥の上を歩くので足の裏がツルツルになっちゃうこと!天然泥SPAでお肌も喜びました~。
布袋港潮間帯海上巴士
嘉義県布袋鎮中正路1号
(05)347-555/(096)322-8691/(091)238-8380
「北門遊客中心站」でミーハーになる?それとも数奇な運命をたどった画家の作品を鑑賞する?
ビジターセンターの壁には洪通の絵が!バックが赤い作品が多いのに気付きましたか?これはキャンパスを買えなかったため旧暦お正月の際に門に貼る春聯の紙を安く買って使用していたからなんです
北門遊客中心(ビジターセンター)は、北門洗滌鹽工場旧倉庫を改築して作られました。マッコウクジラの標本が飾ってあることで有名なのですが、もうひとつ鑑賞していただきたいのが東のピカソと言われる芸術家「洪通」の絵。1920年北門に生まれた彼は早くに両親を亡くし、若くして郷を離れ仕事を始めました。50歳の誕生日に突然絵に興味が湧き、絵の世界へ没頭していきます。ひょんなきっかけで外国の雑誌に紹介され知名度を上げました。1986年奥さんが亡くなった翌年68歳にその生涯を終えました。生前は絵が全然売れなかったそうですが、没後より高く評価されるようになりました。彼は生前過去に一度だけ結婚する息子のために絵を売って家を建てましたが、その後は息子さんも絵を頑として売ろうとしないそうです。今ビジターセンターの隣に彼の記念館を建築予定だそうです。
また、近くには人気ドラマ「カエルになった王子様」のロケ地になった錢來也が徒歩3分のところにあったり、こちらでいただいたピータンはとっても美味しかったです!台湾烏脚病医療記念館も徒歩圏内です。
ガイドさんは楽しいお話と共に色々教えてくださります
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右は洪通と読めますね!左は緑豆などの豆を使って絵を描くのが好きだったのでついた名前「洪朱豆」と書いています
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有名な夕陽スポットと聞いてやってきた井仔脚瓦盤塩田。昼間は塩作りも体験できますよ!小さく割った瓦を敷き詰め、そこに塩池を作り太陽の力で塩の結晶を作るという伝統的な方法が体験できます。またここにはほっと台北で誕生日塩を販売していると紹介した「夕遊出張所」の支店もあり、誕生日塩を購入できるのはもちろん、塩製品や塩コーヒー・塩紅茶が楽しめます。
陽がどんどん暮れてきました!すると塩田がオレンジに染められます。なんて美しいんだろう…。思わずシャッターを切り続けてしまいました。塩田で夕陽を見たことがないナビもなぜか懐かしさを感じる魅力的な景色でした。
じゃぁ~ん!366日分の誕生日塩がずら~り♪
キレイ~!
お腹がすいたら海鮮料理はいかが?
これが噂のカニちゃん
井仔脚瓦盤塩田の近くに「鹽郷民宿餐廳」があり、宿泊施設もあるのですがレストランとしても人気で、特に海鮮を使ったお料理は絶品!特にナビ一行がうまい~!と絶叫したのがカニ。パキっと皮を割って引っ張ると厚く引き締まった身が。あぁ~書いてきてよだれがでてきそうです。他にも蚵仔麺線(牡蠣のそうめん)、蝦、絲瓜蛤蠣(へちまはまぐり)、菜脯蛋などもあり台湾料理を味わうことができます。
鹽郷民宿餐廳
台南市北門区永華里井仔脚57号
(06)786-8643
蚵仔麺線(牡蠣のそうめん)。嘉義は牡蠣も有名なんですよ!
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ナビ一押しの絲瓜蛤蠣(へちまはまぐり)
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東隆宮
王爺信仰が盛んな中南部において市民からの篤い信仰がある東隆宮。閩式廟の大家王錦木が設計した東隆宮は一生の中で一番満足のいくものだったとも言われているほどのもので一見の価値があります。その傍には王爺信仰文物館があり、王爺信仰について深く知ることができます。見応えがある文物館なので時間をたっぷりと取って見学したいですね。近くには王船の中の様子を近くで見られる場所もありますよ!東隆宮、王爺信仰文物館、王船の3つをセットにして見学し、王爺信仰を是非肌で感じてください。
北門に来たら虱目魚を食べなくちゃ!
台湾では廟の近くにはおいしいお店があると言われるのをご存じですか?ご多望にもれず東隆宮近くにも美食があります。特に北門の虱目魚(サバヒー)は有名なので是非食べてくださいね。地元民オススメは「長盈」。虱目魚香腸(サバヒーソーセージ)や虱目魚焼きで虱目魚の美味しさに下鼓!そして暑い時期に訪れたので紛粿の独特の歯ごたえとのど越しの良さで食が進む進む!
元々特別紛粿が好きなわけではなかったのですが、ここで食べてから台北でも気付けば紛粿を探してしまうくらい気に入ってしまいました。
長盈虱目魚香腸
台南市北門区三寮湾慈安里484号(三慈小学校そば)
(06)785-0577
8:00~20:00
「七股塩山站」「台湾塩博物館站」で塩について学びます♪
徒歩で行き来できる「七股塩山站」と「台湾塩博物館站」。両停留所から「台江99線」に乗り台南中心地へアクセスすることも可能ですよ。
七股塩場
七股塩場は台湾で最も規模の大きな製塩場でした。元の七股塩場にあるのが塩山で、元々天日干しされた塩置き場でしたが廃業に伴い長年放置され、自然に固まり今では山のようにそびえています。もちろん登ることも可能ですよ!またもうひとつ有名なのが「塩のアイス」。特に美食にうるさい台湾人記者オススメの核桃蛋黄(卵クルミ味)はクルミの優しい味が口にほんのり広がりイケる~。
台南市七股区鹽埕里66号
月~金:(06)7800511#49、26
土日祝日:(06)7800511#49
台湾塩博物館
台湾塩博物館では台湾はもちろん世界各国の製塩方法や塩商品について知ることができます。中国語がわからない方でも展示を眺めているだけで何となく理解することができるほど秀逸。塩とひと言に言っても場所が変われば作り方も環境も全く違う!海外の製塩場の再現や台湾の伝統的な製塩方法の展示はとても興味深く見ることができます。見学後はショッピング!塩に関するものが所狭しと売っています。ナビはローズバスソルトをお買い上げ!バラの花びらが散りばめられたバスソルトをバスタブに入れるとまるでセレブになったかの様な気分になれます。その横には烏龍茶バスソルトまで売っていましたよ。ガイドさんのオススメは塩のボディウォッシュ(沐浴乳)。興味のある方は是非!
台南市七股区塩埕村69号
(06)780-0990
月~金9:00~17:00 土&日9:00~17:30
毎月最終月曜日閉館
入園料130元
ナビ一行は2日間をかけてじっくりとこのコースを巡りましたが、まだ訪れられていない停留所も!古跡のひとつにもなっており台湾で最も古い王爺総廟である「南鯤鯓天府」や東石漁業信仰の中心である「先天宮」、牡蠣がおいしいと言われる「東石漁人碼頭」などにも行けることができます。
この鹽郷濱海線は台湾人の生活が垣間見られる観光スポットが多く、台湾リピーターさんにオススメしたいルートです。
以上、もう一度鹽郷濱海線に乗って旅してみたいナビがお届けしました。