台湾を代表する焼き菓子・鳳梨酥を、食いしんぼ取材班が大胆比較。今回はどんなお店がエントリーされたか…そして評価が高かったお店はいかに?
こんにちは、台北ナビです。好評だった鳳梨酥(パイナップルケーキ)選手権から早くも2年以上の月日がたち、台北市主催でも鳳梨酥選手権が開催されるなど、変化も激しい鳳梨酥=パイナップルケーキ業界。今回、改めてあちこちの鳳梨酥を味比べ&できればランキングしてみよう!ということで3月末日、東京で8名の皆様にお集まりいただき、第2回鳳梨酥選手権を開催しました!
実力店がそろいました!
今回は全部でなんと19種類もの鳳梨酥がエントリーしました!まずは、前回の選手権でベスト3に入った 奇華餅家・順成蛋糕・金龍藝品の3店舗には今回も登場してもらうほか、新たに台北市主催の鳳梨酥選手権で人気賞を受賞した維格食品と原味金賞獎を受賞した佳徳糕餅、台北ナビでも紹介のある双福食品、「ミクシィ」の鳳梨酥のコミュニティーで評判のよかったエバーリッチ免税店で販売されているROSAの鳳梨酥など、コミュ二ティーサイトや口コミなどで評判のよい実力のあるお店が集まりました!
いざ購入!
さてエントリーされたお店の鳳梨酥を購入のため、ナビスタッフと台北に旅行中の選手権参加者が手分けして台北市内を駆け回りました!実際にお店にいってみると、鳳梨酥セールスに力を入れているお店や、地元の方で混雑しているお店などもあり、期待が高まりました。
また、購入の段階で「特殊口味鳳梨酥」という不思議な名前にひかれ購入した新瑞麥食品など、追加店舗を加え合計19種類でいざ審査となりました。
今回、鳳梨酥選手権の審査員は8名(女性6名、男性2名)。また、選手権に参加いただけなかった方々や審査員の会社やご家庭などで個々にミニ鳳梨酥選手権を開催していただき、審査の基準にしました。
審査方法
参加していただいた皆さんにはエントリーの鳳梨酥をランダムで食べていただき、審査シートに感想などを記載してもらいました。
順番にこだわらなかったことにより、最後までどんな味の鳳梨酥なのか判らないというサプライズも大きく、楽しく食べられました。
審査の対象は、餡の甘さ、生地の焼き具合、そして全体のバランスなどを審査しました。あわせて、今回はケースや一個ずつの包装なども審査の対象としました。
ミニ選手権では、残念ながら数の関係上、全部の種類を食べてもらうことができなかったため、食べた感想や気づいた点を意見として取り入れました。
それでは、エントリー店、ひとつずつコメントしていきます!
1.福利麺包―――――――――――――――
中山北路三段23号-5、仁愛路四段26号(大安路口、仁愛医院隣)
餡が固く、風味もやや物足りないかな、という意見もありましたが、餡が弾力あり食べやすくてよい、という感想もあり評価が分かれた鳳梨酥でした。
2.奇華餅家―――――――――――――――
台北市中山北路二段127号
前回も好評だったことは今回も変わらず、全体的にバランスがよいという印象でした。サクサクして触感がよく、生地がとっても美味しく、評価が高い鳳梨酥でした。箱や包装も高級感があり、安心して購入できる鳳梨酥のひとつかと思います。
3.Pucci葡吉麺包店―――――――――――――――
台北市南京西路1号
(6個入り180元から)
サクサク感があり食感のよい鳳梨酥でした。しかしながら、生地がパサパサしていている、餡の量をもう少し増やしたら美味しいのに、というご意見や、生地と餡のバランスはよいと思う、など意見が分かれる結果でした。ひとつひとつの包装はとても美しいと思いました。
4.犁記餅店―――――――――――――――
台北市長安東路二段73号
この鳳梨酥も意見が分かれました。餡の甘さがやや強いといった感想がある一方、全体のバランスがよいといった感想など、食べた方によってさまざま。が、お土産として考えると箱の裏に賞味期限がしっかりと明記されていて、見た目も手作りの中華菓子風でいい感じ。お土産として贈る側、そしてもらう側も安心して食べることができると思いました。
5.双福西點麵包―――――――――――――――
台北市民生西路150号
1つの袋に2個入っていて1個の大きさが小さいので食べやすくコストパフォーマンス度は高いと感じました。が、餡がやや固く、風味がない感じがしてしまい、期待に反し、少々残念な鳳梨酥でした。
6.順成蛋糕―――――――――――――――
忠孝一店:敦化南路2段212号ほか
(1個14元)
餡の甘さが足りないという人から、これでちょうどよいという人、また甘すぎるという方まで、食べた人の味覚によってまったく違う評価になった鳳梨酥でした。生地の食感はよいとの意見が多かったのですが、餡の食感とのバランスが悪く、評価を下げてしまいました。
7.佳徳糕餅―――――――――――――――
台北市南京東路5段88号
餡が滑らかでとても食感のよい鳳梨酥でした。餡の味、生地の味ともにたいへん評価が高く、バランスがとれていたように感じました。お土産としても箱、包装とも高級感があり、見た目もよかったです。
8.維格食品有限公司―――――――――――――――
台北市酒泉街76号
他のお店にはない果物のような風味があり、餡の評価が高かったです。生地も非常に美味しくバランスが取れているのに加え、ボリューム感満点で食べ応えがある鳳梨酥でした。
9.MILK HOUSE(米哥烘焙坊)―――――――――――――――
士林区中正路339号 (衣蝶IDEE百貨:南京西路14号B1など)
(1個30元)
丸い形が面白い鳳梨酥なのですが、パイナップル餡が多すぎるという感想がとても多かったです
。生地もサクサクしていて美味しいのですが、残念ながら餡の量の多さに圧倒されてしまい
、評価がやや下がってしまったのは残念です。大人数で分けて食べるにはいいかと思いますが、残念ながら1個単位で販売をしていないので土産としては重すぎる感があるかもしれません。
10.一之郷(E-G-Sain)―――――――――――――――
中山北路一段114号など
(1個20元)
形はなんと!ハート形という面白い形。ケースもとてもポップでお土産にもおススメです。が、餡が少ないという意見が大多数。生地はサクサクでおいしいのですが、風味が強すぎて、バランスという点では、少々残念な鳳梨酥でした。
11.耶里食品―――――――――――――――
八徳分店:八徳路三段132号、仁愛店:仁愛路四段300号
餡がすっぱい味がして見た目もやや悪くかなり残念な鳳梨酥でした。生地はなぜか駄菓子のような味がして少しパサパサ感が目立つ感じでした。パッケージなど外見は可愛らしく美味しそうなのですが非常に残念でした。
12.李亭香―――――――――――――――
台北市迪化街一段309号
餡に香料の味がすると、餡にやや厳しい評価がおりました。生地の味はよいのですが、餡とのバランスの悪さが目立ってしまいました。
13.エバーリッチ免税店 (ROSA製)―――――――――――――――
台北市民権東路三段72号B1
餡がキャラメルのような感じで、かなり重たく、やや残念な鳳梨酥でした。生地もボロボロと崩れてしまい粉っぽい感じが残ってしまいました。
金龍藝品(長春路90号) からのエントリー
徐記老大房食品―――――――――――――――
この鳳梨酥も意見が分かれる鳳梨酥でした。餡の甘さに関しては、くどいという方やまろやかでバランスが良いという方もおり味覚によってまったく違う評価になった鳳梨酥でした。生地に関してもかなり評価がばらばらに分かれました。食べる方の味覚によって大きく評価が分かれる鳳梨酥。
太子食品有限公司―――――――――――――――
比較的甘さが控え目で、ごく普通の鳳梨酥です。生地が今ひとつぱっとしない感じでした。全体的には、よ!お土産物といった感じのオーソドックスさが特徴といえば特徴。
御品一食品―――――――――――――――
やはり注目はこの形。台湾の島の形をしているところは高評価でした。しかし問題は味。餡に酸味があり、全体的なバランスが今ひとつの感じでした。しかしながら、形の面白さは評価できるかと思います。ちょっとしたばらまき用のお土産としては、一口サイズでピッタリ。
新瑞麥食品―――――――――――――――
延吉街123号
特殊口味鳳梨酥ということで、今回の選手権の中では変わった鳳梨酥のひとつでした。味は餡に卵が入っているような感じで確かにかなり特殊でした。生地の食感はしっとりした感じで評価が高かったです。好き嫌いがはっきり分かれた面白い鳳梨酥でした。
糖村―――――――――――――――
台北市敦化南路一段158号
見た目が他店のものとは少し違い、黒っぽかったのがやや変わりダネでした。で、生地は美味しいのですが、餡がややキャラメルっぽく、バランスが今ひとつの感じでした。ケーキ専門店だけあって、包装やケースなど、外見は美しく、女性に受けそうなパッケージです。
金礦咖啡―――――――――――――――
忠孝東路五段159号
(1個28元)
高雄で評判のよいお店ということで、今回追加エントリーしたお店でした。残念ながら餡が固く、甘すぎて重い感じがしました。生地の食感もパサパサで粉っぽい感じでした。包装は洋菓子風で、見た目は素敵な鳳梨酥でした。
「味について」
見た目ではおいしそうな鳳梨酥が多く、甲乙つけ難かったというのが当初の印象。が、実際に食べてみると、生地の焼き具合や餡の量の違いなどで、ずいぶんお店の個性が出ているな、と感じました。 食べた瞬間に「オォ!」という鳳梨酥は、餡や生地の味のバランスがしっかりしており、結果を見てみるとやはり上位にランキングされていました。また、包装はキュートで見た目においしそうに見えても、残念ながら食べてみると味がいまひとつという傾向があったり、箱、包装などはごく一般的なのに、味はバッチリだったり、必ずしもケースや包装がよい=味もよいというわけではないことも新たな発見でした。おみやげにする場合は、試食などをして味のチェックをするのがよいようです。
「甘さについて」
全体として極端に甘すぎたり、餡が多すぎたり、という鳳梨酥は敬遠されがちでした。上位の鳳梨酥にもいえることですが、バランス(甘さと生地の焼き具合がマッチしていること)がしっかりしたものは好まれる傾向でした。
「生地の焼き方について」
お店によってまったく違いました。サクサクした感じやパイのような感じ、またぼろぼろと崩れてしまうものなど、お店によって大きく異なっていました。
「餡(ジャム)」
お店によって餡(ジャム)の入り方がまったく違う事に驚きました。餡がきちんとまんべんなく入っているものや、片方に少ししかはいっていないもの、また餡が思いのほか多く入っているものなど、違いを感じました。
「箱・包装・形など」
箱やひとつずつの包装など、参加したお店の中にはとても綺麗で立派な物が数多くありました。お店の中には賞味期限が箱や包装にしっかりと明記されているものや、ひとつあたりのカロリー表記がしっかりされているものなどが、旅行者が購入する際、安心して買えると思いました。また形もさまざま一般的な四角の形や丸型そしてなんと!台湾の形をしているものやハート型!など見た目にも美しい鳳梨酥がありました。
それでは、第2回鳳梨酥選手権結果発表!
☆☆☆第1位☆☆☆ 佳徳糕餅
☆☆☆第2位☆☆☆ 維格食品
☆☆☆第3位☆☆☆ 奇華餅家
という結果でした!台北市主催のパイナップルケーキ選手権受賞店が上位を独占する、意外な結果に。さらに、老舗店はやっぱり強かった、ということがここに立証されました。
今回は、前回以上に食べたお店それぞれの個性そして味の違いがはっきりと分かれ、審査が難しいものでした。上位店に共通なことは餡の味・生地に癖がなくバランスがよいこと、またケースやひとつひとつの包装など、見た目にも綺麗なことが高評価になりました。
面白かったご意見として、食べた当日はごく普通の鳳梨酥の味だと思っていたのに、後日改めて食べなおしてみるととても美味しかったとの感想や、いつも食べている銘柄だったのに、銘柄を判らないまま食べると、まったく違った感想になってしまったりと、食べ方ひとつで感じ方も大きく変化してしまうことがわかりました。
今後の鳳梨酥に期待して
とても楽しい食べ比べのひと時でした。こんなに多くの鳳梨酥を食べたのにもかかわらず、味がひとつひとつ違ったこと、そしてお店ひとつひとつが鳳梨酥に対しての思いが違うことがわかり、有意義な食べ比べの時間だったと思います。
そして食べる人それぞれによっての味覚により評価がちがったことも特筆する点かと思います。
台北市内に限らず、台湾には数え切れないほどの鳳梨酥が存在しています。これから旅をする皆様、ぜひこの記事を参考に、旅の途中で自分なりの美味しい鳳梨酥を見つけてみてください!そしてもし、新たに美味しい鳳梨酥を見つけた時はこっそり?教えてください!あなたが発見した鳳梨酥が次の鳳梨酥選手権では一番になるかも! 以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2007-06-15