青い空、澄み渡る海…自然豊かな北海岸社區の魅力をご紹介します♪
両手を広げて大きく深呼吸したくなっちゃいます
こんにちは、台北ナビです。
今回は台湾旅行に来たらぜひとも行ってほしい!豊かな自然の魅力が詰まった北海岸社區に足をのばしてみました。
台北からこんなに近いところに、こんな素敵な場所があったなんて…台湾の北端にあたる北海岸には、私たちが忙しい毎日で忘れてしまっている、大事な何かを取り戻せるような素晴らしい風景、温かい人であふれていました。
周辺を散歩したくなるような気持ちいい海風が吹いていました
淡水駅から車で約40分の場所にある風藝術営區。お天気の日には、海岸沿いを走る車内からどこまでも続く水平線をずっと眺めていたくなるようなドライブにもぴったりの道を走って向かいます。
「風藝術営區」には元は軍事施設だったという建物を改装してつくられたDIY用の工房があります。そこで凧上げ名人の李青田さん直伝で凧作りをさせていただき、作り終わったら実際に外に出て凧上げ体験をできるという親子連れに大人気の楽しいプランを、ナビたちも実際に体験してみました。
凧上げ名人の李さん
まずは李さんが伝統的な凧の作り方や初めて見る形の凧について分かりやすく説明してくださいます。
「この地区は季節風が吹く季節になると、農家や漁民は何もできなくなってしまうから、風を利用して遊べる凧上げがされるようになったんですよ。」と李さんが教えてくださいました。なるほど、日本ではお正月の伝統的な遊びのひとつとして認識されている凧上げですが、気候や土地柄から日常的な遊び道具として親しまれていたのですね~。
毎年9月には國際風箏節(凧揚げフェスティバル)が石門の白沙灣で開催され、北海岸の風物詩となっています。
それでは早速凧作り開始です!
本格的な凧作りには環境に優しい素材の紙や竹を利用するとのことでしたが、今回は時間の関係上、自分で凧に絵柄を描き、簡単な組み立て作業のみで凧上げを楽しめるものに挑戦しました。
自分で作った凧ですぐに遊べるのはうれしいですね♪
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最初はすこし出遅れたナビでしたが…
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海風に助けられてあっという間に高く上がっていきました
風藝術営區に到着した時には曇り空でしたが、完成した凧を持って外に出てみると、まぶしいくらいの青空♪見事な凧上げ日和となったところで凧上げスタートです!
はじめは「ん?凧ってどうやってあげるんだったかな?」と戸惑い気味のナビでしたが、スタッフの方にお手伝いしてもらい、少し舞い上がるとあとは自然の風任せ!ぐんぐんとあがって行ってくれました。
時間やお仕事を忘れ、青空の下で夢中になって凧上げをする大人たちを見ていると、風藝術営區の素晴らしい魅力のひとつを発見したように感じました。
名人のパフォーマンスは圧巻!
ナビたちがひととおり凧上げを楽しみ終えると、李さんが4本のリールがついた凧を見事に操るパフォーマンスを披露してくださいました。
両手をうまく動かして巧みに操る様子はとても難しそう…長方形の凧は風の影響を受けてくるくると急上昇急降下を繰り返し、見ていてとてもおもしろかったです。また風を切る音が少し離れたところで見ていた私たちのもとへも届き、臨場感たっぷりでした!
「石花凍」ドリンクは夏にぴったりのさわやかなのどごしでした
ここでしばし飲み物休憩~いただいたのは北海岸特産の「石花凍」入りの冷たいドリンク。
「石花凍」はところてんのような食感でのどごしは爽やかですが、ドリンク自体は思ったよりも甘みが強め!疲れた体に沁みてとってもおいしいかったです☆
風藝術営區
新北市石門區老梅里老梅路30號
(02)2638-1331
MRT「淡水」駅から「862」「863」「865」「867」「892」などの基隆行きバスに乗車し「富角貴燈塔」で下車。歩いてすぐ。約1時間。
※道路状況により所要時間は異なる場合があります
凧DIY教室250元
台湾極北認定書80元
水が澄んでいる真っ青な海を眺めながら台湾最北端の灯台を目指します!
一緒に歩いていたおじいちゃまは小さいときに「牽牛花」というこのお花の中で蜜を吸っている蜜蜂を花ごと取って捕まえていたんだとか。
凧上げ体験を終え、次は富貴角燈塔に向かうべく富貴角歩道を歩きました。この富貴重遊憩區は、大屯火山群の竹子火山の溶岩が海中に流れ込んだことによってできた、台湾の最北端に位置している岬です。
遊歩道の左右にはたくさんの植物が生えていて、聞こえてくるのは波の音だけ。歩いているとこの空間だけ時間がゆっくりと流れているような心地よい感覚になります。
写真は「風稜石」というもので、季節風の風向きの変化によって徐々に削られて今の尖った形になったのだそうです。
この遊歩道は浜辺よりも少し高い場所に位置しています。
街中よりも少し涼しい海風を感じながら、眼下に広がる海や浜辺を見ているととてもリラックスできて、何時間でもそこにいたくなってしまいました。
そして、ここから見る海が青く澄んでとってもきれい!淡水からそれほど離れていないのに、こんなに水が澄んでいるとは、驚きました!!
この景色に会いにまた来たいな…
冬になるとこのように自然の力で丸く削られた「石槽」に緑色の苔がついて不思議な光景になります
遊歩道の途中には、「白砂湾」と合わせて結婚写真の撮影場所としても有名な「石槽」を見られる場所があります。
ここは冬になると、長い年月をかけて丸く削られていった岩一面に緑色の苔がつき、不思議な光景になる「緑石槽」として有名な場所です。今はまだ季節でないので出会えませんでしたが、以前緑石槽を見たことがある方は、あれは見ておくべき!かなり幻想的な風景だよ!と大プッシュしていました。今度はこの時期にまた訪れたいなぁ…。
晴れ渡る青空を背景に思わずジャンプ☆
透き通った海水を横目に素敵な風景をのんびりと写真に収めながら20分ほど歩くと、富角貴燈塔に到着!ヤッター♪
日本人が初めて台湾に建てたというこの灯台は、悪天候でもよく見えるように白と黒の縞々に色が塗られています。た、19海里(約35キロ)先まで照らすことができるというこの灯台は長きにわたって航海の目印となってきました。この日はお天気に恵まれたこともあり、視界いっぱいに広がる水平線を一望できる富角貴燈塔の近くは最高のフォトスポットでもありました♪青空と富角貴燈塔を背景に思わずジャンプ!訪れた際には記念撮影もお忘れなく!
富貴角燈塔
新北市石門區富基里
MRT「淡水」駅から「862」「863」「865」「867」「892」などの基隆行きバスに乗車し「富角貴燈塔」で下車。ここから遊歩道を約20分歩きます。
白と黒が何ともかわいい♪
臺灣極北(台湾最北端)!!
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足に見たこともない大きさの鮮やかな緑のバッタが飛んできました~!恐る恐るパチリ
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台湾産コシヒカリを堪能!
山いっぱいに広がる棚田
富角貴燈塔を堪能した後には、北海岸社區から車で15分ほど移動して「嵩山社區水梯田農特産服務中心」という場所を訪れました。
淡水駅から直接こちらを訪れる際には、バスは本数がとても少ないためタクシー利用をオススメします! 車を降りると少し標高が高いところに来たこともあってか、移動する前よりも少し涼しく感じました。
農家の野菜をたっぷりと使った昼食はどれもとてもおいしかったです
こちらの農家では野菜はもちろんのこと、棚田での越光米(コシヒカリ)づくりもおこなっています。
案内してくださった陳さんは、嵩山社區の標高が新潟県とほぼ同じ高さであることから米づくりに適した環境であることや、棚田での米づくりには機械は入れられないのですべて手作業でおこなっていることを説明してくださいました。また陳さんいわく、こちらの品種はお粥やお寿司など冷たいお米として食べてもおいしいんだよ!とのことでした。
今回は特別に昼食をいただきました!台湾の農家さんへ行くとビックリするのですが、皆さん茶碗に白ご飯をよそい、その上におかずをどんどん載せていき、そのまま立ちながらご飯をたべるんです。日本だとお行儀が悪いですが、ナビもそれに習い食べてみましたよ!立ちながら食べたからか、いつもよりたくさん食べることができちゃいました~♪
おかずに使われた野菜は、豆干以外はすべてこちらで育てられたもの。どれも野菜が甘くてお箸が止まりません。お肉も新北市で育てられた黒豚肉を使用していましたよ。
特にこの時旬だった「金針花」とピーマン、お肉の炒めものは味がよく染みこみ、人気ナンバー1!おかわりしようと大皿を見たら、もう食べつくされていました~。
こんな風にい~っぱい乗せちゃいました
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これが一番人気!
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販売は現地もしくはインターネットのみです
実際に昼食で出していただいた越光米(コシヒカリ)は、お米本来の香りや甘みが強く感じられて本当においしい!白米が恋しかったナビは箸が止まりませんでした…。
こちらのお米の購入方法は直接農業体験をするか、インターネットのみでの販売とのことでした!また今回用意していただいたお食事は15~20人の予約から受け付けるそうです。
畑までは短い道のり!でも、陳さんのお庭紹介が止まりませ~ん♪
お食事を終えて午後は農業体験をさせていただけるということで、歩いて畑に向かいました。その道すがら陳さんが教えてくれる豆知識やお話がとにかく楽しい!!せっかくなので写真をまじえてご紹介します♪
どんな事を聞いても答えてくださる陳さんの説明を受けながらのお散歩は、本当に楽しい♪
山や畑など豊かな自然に囲まれた嵩山社區は土地が良く、日の当たりもよく、水源も確保されていることから植物が育ちやすい環境です。なんでも「水草がとっくに死んでしまったと思われるほど何年も放置しておいた乾いた土地でも、水を入れると途端に息を吹き返して水草が生い茂ることもある」のだとか。
今では、この豊かな生態を守るため、補助金も出ているそうですよ。
虫がかじった跡は農薬不使用の証拠!ハート型を発見しました♪
これだけ自然豊かな土地だと最近台湾で人気のキャンプもできるのでは?!と思いますが、お米づくりや野菜作りに農薬を一切使用していないこともあってか、この辺の土地は蛇が多いからやめたほうがいいとのこと。
あちこちで出逢ったバッタがやたらと大きいのも農薬無しの豊かな土地でのびのび生きているからかもしれませんね。
畑仕事は大変だけれど、気づけば笑顔になっちゃう!これぞ大地の力?
畑に到着すると、陳さんが豆薯(ヒカマ)をその場でカットして食べさせてくださいました。ナビはこの時豆薯初体験!
かじってみると水分補給になるほどみずみずしく、食感は梨を食べている感じ。味は糖度が強いというよりも野菜の甘みというかんじで、香りはあまり強くないためとても食べやすいお野菜でした。炒めてもよし、スープにしてもよし、そのまま生でも!どんなお料理にも合うそうです。
その場でカットして試食させてくださいました
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見た目も梨のように白くてみずみずしいです
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いも掘りの方法はもちろん、植え方についてもお手本を見せてくださいました!
さてさていよいよメインの農業体験!今回はさつまいも掘りを体験させていただきました。
先に陳さんがお手本を見せてくれます。簡単そうに見えても意外と力が必要なんだろうなぁなどと思い、小学生ぶりのさつまいも掘りにナビもドキドキ。写真を見るとじゃがいも?と思う方もいるかもしれませんが、台湾には紫、赤、黄3種類のさつまいもがあります。これは黄色い品種のさつまいも。
フライドポテトと聞くと、ジャガイモをイメージしてしまいますが、台湾ではさつまいものフライドポテトも一般的!台湾に遊びに来たらぜひ食べてみてくださいね♪
大きなさつまいもがたくさん収穫できました~
いよいよイモ掘りのスタート!どうぞ!と言われて掘り始めると、あれ?こんなに簡単なの?というほど力がいらず、びっくり☆砂をなでるとさつまいもがすぐに顔を出すので、埋まっているというよりは砂がかぶっているというくらい簡単でした。
農業体験をさせていただく際には、畑に入るのでサンダルやヒールだと不便に感じるかもしれません。また大仕事!という感じではないのでさほど心配はいらないかと思いますが、洋服も動きやすく汚れても抵抗のないもので来れば心配いらないと思います。
農業体験でおなかペコペコ!ゆでたて「米苔目」がおいしい♪
ゆでる前は粘り気のあるものなので、レバーを押すのは意外と力が必要!
農作業体験を終えたあとには、「米苔目」の制作体験をさせていただきました!
「米苔目」は台湾ではよく見られる麺類の一種で、夏場には午前中にいただいた石花凍と仙草と一緒に冷たいスイーツとして食べるのが人気!冬の寒い時期には、温かいスープと合わせたものが好まれます。またお祝い事や米の収穫の時などお客さんをもてなす時に準備されることもあるようです。
製作体験が終了し、ナビたちも実際にいただいてみました!
一見うどんとなんら変わらないのですが、うどんよりももっとコシが強く、麺の表面はうどんほどツルツルしていません。麺そのものにあまり味はないのでどんな味付けでも楽しめそうです。
嵩山社區水梯田農特産服務中心
新北市石門區山溪里13鄰九芎林49號
(02)2638-3013
Kl26383013@gmail.com
てこの力を使ってレバーを押すとにゅるにゅると麺になって沸騰したお湯の中へ落ちていく仕組みです
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自分の体重をゆっくりかけるというコツを掴めばあまり力はいらないよ~!とはカメラマンの弁
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その場でフライドさつまいもを作ってくださりましたよ~!甘くてホクホクでうまうま~♪
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お土産で収穫したさつまいもをいただきました!
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北海岸では9月から10月の間、「北海岸藝術祭」が開催されています。全部で20もの藝術作品が北海岸のあらゆる場所に展示されていて、嵩山社區には李蕢至さんの「嵩山竹曲」という作品が展示されていました。山、水、風という3つの自然要素を盛り込み、山中の棚田文化を表現しています。龍のような形はまさに山から流れこむ水脈のよう。そして風が吹くと竹が揺れて音が奏でるという壮大な作品でした。
目的も時間も忘れて、ただただ思うままに歩きたいと思えるような自然が北海岸社區にはあふれていました。自然だけでなく出逢った方々はみなさん穏やかで、そこにはゆったりとした時間が流れていました。
言葉で表現するのすら憚られるような美しく豊かな自然や人々を、一度はぜひ訪れ、感じてほしいと思います。
以上、北海岸社區で心の洗濯ができたような気がするナビがお届けしました。