音楽の祭典・金曲奨授賞式に豪華アーティストが勢揃い。栄光は誰の手に??
こんにちは、台北ナビです。
6月28日(土)に台北アリーナで、台湾の音楽の祭典・第25回金曲賞授賞式が開催されました。そのレッドカーペットと授賞式の模様をレポートします!
レッドカーペットに彩りを添えたゲストの数々
Dennisと楊千霈
レッドカーペットの司会を務めたのは
DJ・Dennisと映画『志気』やドラマ『幸福選擇題』などにも出演している女優の
楊千霈。DJ・Dennisのハイテンションさと、楊千霈の安定した司会っぷりで、レッドカーペットを盛り上げてくれました。
Selina
台湾音楽界を代表する人物が姿を見せたレッドカーペットで、ひときわ大きな声援を集めたのは、
Selina!
背中が大きく開いたドレスで、美しさがひときわ際立っていました。カメラマンからのいろいろなリクエストに笑顔で答えていて、とてもフレンドリーな様子でしたよ。
セクシー度ナンバーワンだったのが、謝金燕。最優秀年度楽曲賞でのノミネートです。さすがの貫禄で、いろいろなポージングをしてくれました。このユニークなドレスを着こなせるのは彼女だけ!
林俊傑
今回、最優秀国語男性歌手にノミネートされている
林俊傑も根強い人気です。
今年こそ受賞なるかに注目が集まりました。
レッドカーペットのトリを飾ったのは蕭敬騰(ジャム・シャオ)。
昨年は最優秀国語男性歌手賞を受賞。今年はパフォーマンスアーティストとして登場しました。蕭敬騰のひとつ前に登場した謝金燕のインタビューがなかなか終わらず、写真撮影が終了したものの、どうすればいいかわからず気まずそうにしていました。
蕭敬騰
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謝金燕のインタビュー終わりをまっています。
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ジェイソン・ムラーズ(左)と、 Raining Janeのメンバー
レッドカーペットには海外からのゲストも。林俊傑と共にパフォーマンスを披露する米国のジェイソン・ムラーズのほか、日本からは福原美穂、韓国からはEVERY SINGLE DAYがレッドカーペットを歩きました~。
その他にも有名アーティストが続々と登場しました。
金曲奨ノミニーたち。栄冠を手にするのは誰だ?
今回の金曲奨のノミニーたちはこちらです。
最優秀男性国語歌手
最優秀国語女性歌手
激戦区の最優秀バンド賞
最優秀コーラスユニット賞
最優秀楽曲プロデューサー賞
最優秀台湾語男性・女性歌手
最優秀原住民アルバム賞、最優秀原住民歌手賞
最優秀客家アルバム賞、最優秀客家歌手賞
最優秀新人賞
レッドカーペットで面白いのは、ゲストの個性豊かなスタイル!ここで一気にご紹介します。
授賞式がスタート!
庾澄慶/台視提供
授賞式の司会は哈林こと、ハーレム・ユー(庾澄慶)。
テレビ番組の司会もこなしているから、司会はお手の物。ハーレム・ユーのパフォーマンスで金曲奨授賞式は幕を開けました。
今回の授賞式では、豪華アーティストによる10のパフォーマンスが行われました。その中で目玉とされたのは、ジョリン(蔡依林)、ジャム・シャオ(蕭敬騰)、JJ(林俊傑)のパフォーマンス!
林俊傑/台視提供
林俊傑は米国のシンガーソングライター・ジェイソン・ムラーズと共演。
そのパフォーマンスは「愛」をテーマとし、まず林俊傑がピアノ弾き語りで『因你而在』と『修練愛情』をしっとりと歌い上げたあと、ふたりで『Love someone』と『Im Yours』を歌いました。
その暖かなふたりの歌声に、観客も大いに癒されたよう。
蕭敬騰/台視提供
ジャム・シャオは50人のオーケストラを引き連れて、張學友の「真愛」をしっとりと歌い上げました。
このパフォーマンスは今年亡くなった台湾音楽界の貢献者にささげるもので、このためにジャム・シャオはレコーディング室にこもって必死に練習したのだそう。
蔡依林/台視提供
パフォーマンスのトリを飾ったのは台湾の歌姫・ジョリン!
『Don’t Stop』や『看我72變』といった初期の頃の曲から、『美人計』や『大藝術家』など最近の代表曲計11曲を流れるようなメドレーで披露。これはデビューから現在までのジョリンの歴史をたどるメドレーと言っても過言ではないでしょう。
蔡依林/台視提供
ゴージャスで力強いパフォーマンスにナビも圧巻されてしまいました。これぞ歌姫の実力!曲ごとに変わる衣装にも注目。
ほかにも、クラウド・ルー(盧廣仲)、韋禮安、范逸臣、品冠、李榮浩といった実力派歌手による歴代の金曲奨受賞曲のメドレーや、Hebe(田馥甄)、A-Linによるパフォーマンスが行われました。
クラウド・ルー(盧廣仲)、韋禮安、范逸臣、品冠、李榮浩による「王者之聲」。張學友の「吻別」、周杰倫「安靜」、曹格「背叛」、庾澄慶「靠近」などを歌い上げました。
台視提供
A-Linは江蕙の『我愛過』をバラードロックのアレンジで披露。
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Hebeはさまざまなスタイルで、名曲「哭砂」や「親密愛人」、「臉」などを歌いました。
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Selinaはステージ上で「音楽はいつも人の心を支えます。社会が不安定な時にはミュージシャンが一致団結して、チャリティ活動や音楽によって、社会が暗闇から抜け出し、明るい未来を迎えるのを助けましょう。」とメッセージを伝えました。
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写真:台視提供 |
金曲奨のトロフィーを手にしたのは?!
やはり大注目は最優秀国語男性歌手。この賞を見事獲得したのは、林俊傑!林俊傑は過去何度もこの賞にノミネートされ、毎回本命視されてきたものの、残念ながら涙をのんできました。そして、今回ついに初受賞を果たしました。
林俊傑は受賞の喜びを語ると同時に、「亡くなった祖母にこの賞を捧げたい」と述べていました。なんでも、家は一生かけて守るものと教えてくれたのが祖母だったからなのだとか。
また、授賞式の前にウィルバー・パンが「賞を受賞したらパーティーを開いてあげるよ」と言っていたそうで、「どんな風に祝ってくれるか楽しみ」と嬉しそうに話していました。
喜びのジャンプ!
記者から、「発表前すごく緊張していたみたいですが」とたずねられると、「そうでもないですよ」と答えつつも、「(プレゼンターを務めた)蕭敬騰が発表を引き伸ばしたせいで緊張してきたんだ。舞台裏では、『僕の名前を呼べばいいから』とずっと言っていたんだよ」と笑いながら打ち明けてくれました。
授賞式でひざまずいてトロフィーを林俊傑に渡す蕭敬騰。「ちゃんと林俊傑と書いてあるよ~」とカメラにアピール!
ちなみに、11月か12月に新アルバムを発売予定といううれしい情報も明かしてくれた林俊傑。現在まさに準備中で、編曲などの作業中なのだそう。また、今回は新しい音づくりにも挑戦しているとのことで、新アルバムを聴けるようになるのが待ち遠しいですね。
一方、最優秀国語女性歌手賞を受賞したのは、
戴佩妮(ペニー・ダイ)。
戴佩妮も過去3回ノミネートされ、4回目となる今年が初受賞。そして、最優秀アルバムプロデューサー賞とダブルでの受賞となりました。
発表の順番は、最優秀アルバムプロデューサー賞が先だったのですが、「ノミネートだけで十分で、受賞するなんて全く思っていなかったから、スピーチの原稿は全く準備してなかったんです」と驚いた様子で語り、自身のアルバムではなく、劉思涵に作ったアルバムでの受賞となった感想を聞かれると、「自分のアルバムでなくてもうれしいです。他の人の生活を記録してそこで得たインスピレーションをアルバムに活かしました」と答えました。しかし、今後も他の人の作品を手がけるかは未定だそう。
今回共に最優秀国語男性・女性歌手賞初受賞となった林俊傑と戴佩妮。
実はふたりに受賞をもたらしたラッキーパーソンがいたのだとか。それは、ジェイソン・ムラーズ!今回林俊傑が彼とコラボしましたが、過去には戴佩妮もコンサートにゲストとして出演した経験があるのです!ふたりとも「彼に感謝しないとね」と笑いながら語っていました。
最優秀国語アルバム賞を受賞したのは、
張震嶽。
なんと今回が金曲奨初受賞だというから驚き!授賞式にはアミ族の衣装で登場しました。受賞アルバム『我是海雅谷慕』は原住民の議題をテーマとしており、過去に2回台湾一周をした際に、地元の友人に連れられて行った美麗湾で、近くに住む原住民部落の子どもの横で都市開発が進められている場面を目にし、それが印象深く、この時のことを元にしてアルバムの中の一曲を作ったのだそう。
最優秀国語アルバム賞のプレゼンターはメイデイ(五月天)とジョリンが務めました。台視提供
他の受賞者のように喜びを強く表情に示しはしなかったものの、そのひと言ひと言から、音楽と原住民文化への思いが伝わってきました。次のアルバムの予定は、今のところ5、6年先になる予定なのだそう。コンサートも疲れるからしばらく予定はないとのこと。
李宗盛の代わりに白安がトロフィーを受け取りました。台視提供
最優秀年度楽曲賞は
李宗盛が受賞。
このプレゼンターは謝金燕が担当。自身の楽曲『姐姐』もこの賞にノミネートされていただけに、緊張の面持ちだった謝金燕。「もし受賞したら年越しライブでは、『姐姐』を『奶奶』に変えます!」と宣言すると、会場は大盛り上がりでした!ナビも「『奶奶』バージョン聞きた~い」と密かに思っていましたが、残念ながら謝金燕の受賞はならず。
今回の金曲賞で注目度が高かった最優秀バンド賞。7組ものバンドがノミネートし、台湾のバンドの豊富さと実力を感じさせてくれます。ノミネートされていたのは、蘇打綠、閃靈、滅火器、董事長樂團、Tizzy Bac、放客兄弟、麋先生Mixerといったそうそうたる顔ぶれ。どのバンドがとってもおかしくなさそうな模様です。
そして、ソーダグリーンや反サービス貿易運動で注目を浴びた滅火器などのライバルを押さえて、最優秀バンド賞を授賞したのは、麋先生Mixer!
麋先生Mixer
麋先生は、2013年6月にファーストアルバム『馬戲團運動』を発売。ファーストアルバムで、最優秀バンド賞授賞なんてすごいですよね。記者から、ソーダグリーンを負かした感想を聞かれると、「負かしたとは言えない。審査員に感謝したい」と謙虚に答えていました。授賞したのは、予想外だったようで、ボーカルの聖皓は、「不思議な気持ち」と明かし、「金曲賞は小さい頃からテレビで見てたから、とても励みになります。これを機にもっと多くの人に知ってほしい」と語りました。彼らが崇拝するバンドはMAYDAY(五月天)。自分たちもMAYDAYと同じく中高の時から一緒にバンドをしているからだそう。
最優秀新人賞を受賞したのは、中国の
李榮浩!
最優秀新人賞に加え、最優秀国語アルバム、最優秀国語男性歌手、最優秀アルバムプロデューサー、最優秀作詞家の計5部門にノミネートされ、今年最大のダークホースと目されていた李榮浩ですが、結果は新人賞のみの受賞となりました。そのことについて聞かれると、「賞をとれるとはあまり期待していませんでした。新人賞をもらえただけでうれしいです。」と語りました。あまり笑顔を見せず、淡々とした表情で受け答えをしていた李榮浩ですが、おそらく緊張もあったよう。誰のパフォーマンスが一番良かったかたずねられると、「ジョリンのパフォーマンスが良かった!」と少し微笑みながら答えてくれました。
ちなみに、李榮浩はご存知でない方も多いと思いますが(ナビも今回はじめて知りました)、実は過去には楊丞琳(レイニー・ヤン)や王心凌(シンディー・ワン)、林依晨(アリエル・リン)をはじめ、多くの歌手に楽曲を提供しているのです。C-POPファンなら1度は彼の曲を耳にしたことがあるといっても過言ではなさそう!
その他の受賞者のみなさん。おめでとうございます!
2冠に大喜び!
最優秀台湾語アルバム賞・最優秀台湾語男性歌手賞:陳建瑋新人の陳建瑋は、2部門での受賞について、「非常に光栄です。滅火器や董事長樂團など先輩の中でアルバム賞を受賞できるなんて思ってもいませんでした。と控えめに喜びを語っていました。ナビが初めて彼を目にした時、「この人が台湾語歌手なんだ」と意外に思ってしまったほど、台湾語歌手に似つかわないさわやかな外見の陳建瑋ですが、今後も台湾語で歌っていきたいという考えを明かし、台湾語音楽を国際化させていきたいという意気込みも語ってくれました。
一方で実は、今回受賞したアルバム『30初頭』はインディーズで出版されたもので、制作費は100万元ほど。今回受賞賞金をあわせてもコスト回収はできていないという赤裸々な苦しい制作事情も明かしてくれました。今回の受賞によって今後もっと自由に制作活動ができますようにと願わずにはいられません。
プレゼンターを務めた江蕙。台視提供
授賞式で最優秀台湾語アルバム賞のプレゼンターを務めたのは二姐という愛称を持つ江蕙。江蕙のアルバムもノミネートされており、司会のハーレム・ユーに「(受賞者が)私じゃなかったら倒れるから支えて」と頼むと、ハーレム・ユーは「人工呼吸いる?」と冗談をかまし、それに対して江蕙はすかさず「ちょうどあなた今シングルだからちょうど良かったわね」と鋭いツッコミをいれ、会場は爆笑の渦に包まれました。そして、なんと江蕙が最優秀台湾語アルバム賞を発表する瞬間が瞬間最高視聴率8.27%を記録!恐るべし江蕙パワー!
最優秀台湾語女性歌手賞:黄乙玲
黄乙玲の名前が発表された時、ナビのいたメディアセンターでは歓声が起こり、彼女の人気をうかがい知ることができました。
7歳の頃から歌をうたっていた黄乙玲。一度は歌をやめようと思ったこともあるけれど、師匠やオーナーからの励ましを受け、ここまでやってきたのだそう。だからこそ喜びはひとしおといった様子でした。
最優秀客家語アルバム賞・最優秀客家語歌手賞:Yachun Asta Tzeng 曾雅君2つの賞に輝いた曾雅君。2度目のノミネートでの受賞となりました。「台湾の音楽がどんどん良くなりますように」と願いを語りました。
最優秀楽曲プロデューサー賞:孔令奇 、Derek Nakamoto喜びを爆発させて登壇した孔令奇。喜び方は今回の受賞者の中でナンバーワンと言えるでしょう。孔令奇は2001年に最優秀新人賞を受賞、金曲賞受賞は13年ぶりとなります。そのことについて、「前回は受賞するのが早すぎて、あまりありがたみを感じていませんでした。でも今回10年ぶりに受賞できて非常にうれしいです。最高の栄誉だと思っています」と話しました。
前回と同じように今回も赤いパンツを履いていたようで、記者からの問いかけに対して、興奮した様子で赤パンツも見せてくれましたよ~。
最優秀コーラスグループ賞:光引擎(周岳澄、賴彥均)最優秀コーラスグループ賞を獲得したのは、「光引擎」。男女デュオというとカップルなの?と疑問に思う人もいると思いますが、カップルでなくお友達なのだそう。デュオを結成して3年、今回の授賞に「審査員から評価されたのはうれしい。流行音楽ではないにも関わらず、しっかりと聞いてくれた審査員に感謝したい」と喜びを語りました。
ステージ上で涙ぐむ小燕姐。台視提供
特別貢献賞:彭國華
2001年に亡くなった彭國華に代わって、妻である有名司会者の張小燕がトロフィーを受け取りました。そして舞台上では、「亡くなって13年も経ってこの賞を受賞するなんて遅すぎないかという人もいますが、でも私は13年も経ったからこそ、音楽業界の人々が彭さんを、そして彼がどのような貢献をしたのかを覚えていてくれていたということこそがありがたいことだと思います」と涙混じりに話していました。この場面には多くの観客も感動したはず。
こうして幕を閉じた今年の金曲奨。受賞者の喜びのスピーチを聞いていると、表舞台に立つアーティストたちの、努力や辛さなどをいろいろ感じ取ることができました。今後の台湾音楽界のますますの発展に期待せずにはいられないナビでした。
以上、台北ナビがお送りしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2014-07-18