温泉の季節到来!今年は南投県の東埔温泉で開幕式典が行われました!
こんにちは、台北ナビです。
2007年から始まった観光局が主催する「温泉美食嘉年華」(温泉フェスティバル)。2012年の今年は、南投県の東埔温泉でフェスオープンの大きな式典がありました。ナビは、2年前もこの東埔の温泉フェスティバルに訪れ、地方色の濃い特色あるこのイベントを見て、機会があればまたぜひ来たいとずっと思っていました。特にナビが引かれたのは、フェス内で紹介されるブヌン族の「八部合音」と子供たちの軽快でリズミカルかつ情熱的な太鼓のパレード。今回、ぜひもう一度!という願いが叶ったというわけです。
温泉フェスの内容
今年の温泉フェスティバルの期間は、10月20日~2013年1月31日。
台湾には、約140ヶ所に温泉がありますが、毎年10月半ばになると、温泉設備が整っている温泉地の観光を盛り上げるために、地方ごとに「温泉フェスティバル」が開催されます。
北は金山萬里から南は四重渓まで!緑島の朝日温泉も含まれます。今回は、金山萬里、陽明山、紗帽山、新北投、烏來、礁渓、尖石清泉、泰安、谷關、北港渓、東埔、關子嶺、寶來不老、四重渓、瑞穂、安通、知本の17ヶ所の温泉地から、121軒の温泉ホテルがこのイベントに参加協力しています。
この期間、観光局は「温泉美食嘉年華優惠護照」(温泉フェスティバル優待パスポート)を発行。パスポートを持って各地で湯に浸かったり、食事をしたり、買い物や宿泊などをする場合、割引などの特典を受けることができます。
「温泉フェスティバル」の主催者である台湾交通部観光局のスタッフに、この中で何ヶ所行ったことがある?と聞かれ、尖石清泉、北港渓、寶來不老以外は行ったよ、と答えたナビでしたが、後で考えたら泰安と安通は近くまで行ったけど、湯に入ったことがありませんでした。ということは3分の1はまだ制覇してないんですね、頑張ろう!
東埔が選ばれた理由
実は今年は10月19日に新北投から始まりましたが、20日開始の東埔が温泉フェスの最大のイベントとなり、多くのメディアが押しかけました。
一つの理由としては、2009年に起こった「八八水災」(8月8日の水害)によって、東埔へ行くのに欠かせない「哈比蘭明隧道」(ハビランミントンネル)が破壊され、修復不可能となったことで、東埔へ行く道が遠回りとなっていました。その後2011年秋に「東埔日月雙橋」が完成。東埔への距離が以前より近くなったため、多くの観光客に東埔温泉へ訪れてほしいという願いから、今回は東埔を中心に盛大なイベントを行ったのです。
東埔は山地民族のブヌン族が多く、農業以外は、観光が中心となります。若者の多くは都心部に流れ、人口も減っていくばかり。さらに水害の打撃は大きかったので、今回は復興の意味も込めて、観光局が先導し、ナビたちメディアも大応援する形となったのです。
東埔温泉の泉質は、関節炎、水虫、胃腸病、皮膚病、神経痛に効く弱アルカリ性の炭酸泉。血圧を下げたり、心臓の負担を軽くするのにも効果があるため、「心臓之湯」とも呼ばれています。湯泉は豊富で、とってもいい湯。温泉ホテルがどんどん増えていく他の温泉地に比べ、ここはホテル数も少なく、山奥に入って行くこともあって、秘境の地のムードもたっぷり。台湾の昔ながらの温泉街の雰囲気が残るいいところです。
また、東埔は、日月潭から阿里山までバスで行く際に(或いはその逆も可)、立ち寄ることもできます。落石によって通行止めになっていたこの区間も、2012年10月25日に復旧し、再通過できるようになりました。
東埔日月雙橋にて
まずは、橋の手前でアミ族の歓迎の歌や踊りがありました。
小米酒やイノシシ肉が振舞われ、とってもにぎやか。
手前が日橋、奥が月橋、左には壊れた哈比蘭明隧道が見えます
以前の東埔へのトンネル
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もう通ることはできません
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トンネルに入ると、ブヌン族の村に通じるということ
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トンネル内には民族文化が描かれています
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法拉那部落にて
ブヌン族しか住んでいない法拉那部落に着きました。
ここでも歓迎の式典がありました。
村長が部落の入り口まで案内してくれます。
現在東埔に住んでいるブヌン族は1300人ほどです。
八部合音
まずは、狩猟用の銃でフェス開始への士気を高めます。
その後32人による「八部合音」。一番年上は80歳以上、若い人で50代。複雑な音階で構成される「八部合音」。コーラスは各自が決められた音階に入っていかなければいけません。その音を出すには熟練した歌声が求められるため、若い人の実力では歌えないのです。
次に東埔國小の子供たちがタップダンスを披露してくれました。かわいい。
会場到着
すでに多くの人たちが集まり始めた会場。
周辺では、ご当地名物が販売されていました。
南投県といえば、標高差がかなりある県です。そのため日夜の温度差も大きく、日光や雨の量も適度。これはお茶や農産物の栽培に適しているそうで、果物は、柿やトマト、梅、ブドウ、蓮霧、ドラゴンフルーツなどが有名で、甘い高山キャベツも売られていました。
上等の蓮霧は、8個で2000元ほどするのもあるそう。選ぶときは、濃い色をどうぞ、甘味があっておいしいのです。
ドラゴンフルーツは、実の表面に蜜が出てきたら食べごろ。市場では表面を洗っているので蜜は見えませんが、髭の様な部分が赤いほど甘いそう。花は夜しか咲かなくて、とってもきれいだそうです!
温泉フェスティバルの開始
司会の人たちの盛り上げる内容に合わせて、観客はどんどん増えていきます。最初に始まったのは、やっぱり「八部合音」。
何度聞いてもまた聞きたいと思う感動の歌声です。
こういう式典がないと、ふだんは聴くことができない「八部合音」です
3曲目は「飲酒」の歌。酒を飲んで大きなことを言う歌で、歌上手の男たちが順番に自慢ののどを披露してくれました。
迫力満点!表情にもご注目!
最後は徐々に高めていき
クライマックスに突入!
その後は南投県各所のご当地キャラ君たちの登場。最近台湾も各地でいろんなキャラが登場していますが、これは、たぶん日本に倣ったものかと思われます…。
次には、交通部長や南投県の県長さんなどの方々のお話しがあって、そして、温泉地各地の代表者たちの紹介です。
その後、ナビたちは隣の空き地で、夕食を食べました。会場では、蕭煌奇や王宏恩ら歌手たちのコンサートが行われています。
温泉パレードの開始
歩き始めた~急げ~~
追いつきました~
前回はとても長く感じられましたが、会場となった駐車場から東埔國小までは、歩いて30分強の距離。先頭を切るのは子供たちで、太鼓を打ちながら歩いていきます。次に続くのは、フラダンスのお姉さんたち。フラダンスのお姉さんたちは、場を賑やかにするため呼ばれたんでしょうが、この場では浮いてるような…とは、ナビの感想ですが。
以前も何で浴衣を着るのかと、台湾人の人に聞いたことがあるナビですが、帰ってきた答えは、温泉では浴衣を着るからでしょと。やはり日本統治時代の流れでしょうか、台湾の温泉ホテルには必ず浴衣があります。
また、台湾の温泉地のほとんどは、当時の日本人によって開拓されました。現在の温泉街の元を造ったのは日本人なので、その文化がずっと引き継がれているということなんですね。
子供たちは元気いっぱいですが、太鼓の方が大きく見える子もいます。
皆小学生ですが、卒業した子たちが周りから彼らを励ましたり、ブヌン族の掛け声で元気付けたりしていました。
今年は、小学校まで歩いて、会場で輪になって踊りました。
花火も打ち上げられ、2年前と比べてかなり盛況。
温泉フェスティバルは、2013年1月31日まで続きます。
この間台湾へ来る方で、温泉に浸かってみたいと思っている方、東埔まで足をのばしてみませんか?
美味しい空気と山の料理、素朴な温泉街、最高の湯が貴方を待っています!
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-10-26