「迎城隍」という金門で最大の廟祭りに行ってきました!
こんにちは、台北ナビです。廟と祖先の祭りには、金門の民間信仰が強く打ち出されます。今回ナビは
「迎城隍」という金門で最大の廟祭りに行ってきました!廟は、金門では「宮」「宮廟」と呼ばれ、すべての廟に定期的に神を迎えたり、感謝したりするお祭りがあります。
中でも旧暦の4月12日(今年は5月14日)の「迎城隍」は、最も大きいとされ、毎年この日は、金門中の老若男女が総動員で、神輿を担いだり、太鼓や笛などの楽器を鳴らしたり、獅子舞やら民族踊り、爆竹鳴らしなど、その賑やかさと華やかさは、台湾本土の「迎城隍」祭りをはるかに越えています。
金門の人たちはこの祭りをとても重視し、大切に受け継いできています、そのため、毎年この時期になると台湾中、いや世界中の金門人が金門に帰って来ると言っても過言でもないほど。街中の人たちが、数日前から祭り行列を見物するためいい場所をチェックしたり、皆ワクワクしだすので、街中が浮き足立ってる風に感じられます。当日早朝から子供たちは顔やお腹に彩色を施したりもし、おばあちゃん達は晴着を装います。
「迎城隍」の流れ
明朝から金門の中心は、東西南北の門に囲まれた「金門城」にありました。清の康熙帝の時代になり、1680年、総兵署が後埔に引っ越ししたことから、政経の中心も後埔となり、「城隍廟」が2つ出現しました。現在まで300年以上続いている4月12日の「迎城隍」祭りは、後埔での「城隍爺」の誕生日なのです。
ナビはこの機会にと、祭りの前日にかつての南門と北門を見た後、金門城の「城隍廟」へも足を運びました。普段ここを祭る人はほとんどが周辺の住民で、後埔と比べたら、静かそのもの。が、廟内には「七爺八爺」の神様がおられ、明日の出番を待っているようでした。
「城隍廟」の神様は?
こんな感じで前方から神様がひょっこり歩いてきます
台北では「城隍廟」と聞くと、迪化街が有名ですね。「月下老人」がいらっしゃるので、縁結びの神様として、特に若い女性が参拝する廟として知られています。しかし、「城隍廟」の神様である「城隍爺」は、実は冥界の裁判官。冥界と言っても、現在を生きる人たちを裁く神として崇められています。台湾の人は、心にやましい物を持っている人が「城隍廟」にお参りに行くと、痛い目に遭うと言います。また、喧嘩した者同士が、どちらが正なのか、じゃあ「城隍廟」へ行って裁いてもらおうじゃないかということもあるそうです。「城隍爺」の左右には、罪の善悪を審判する文判官と懲罰を執行する武判官がいます。他にもあの世に着いた時に審判を行う謝将軍といわれる七爺と范将軍の八爺、競刑罰を執行する董排爺と李排爺など、たくさんの神様がこの日は一同に会し、登場するのです。
祭りの主旨
特殊な地理関係にあるためか、歴史的にも数奇な運命に弄ばれてきた金門。ともすれば、土地も人も荒れ果てた島にもなったかも知れぬこの小さな島では、昔から多くの文官や武将のみならず、海を越えて優秀な華僑たちを輩出してきました。たとえて言うなら、不幸な境遇の中、不良になったかも知れない子供が、傑出した若者になったというところでしょうか。それには、「城隍廟」の存在と役割が、非常に大きな位置を占めているのです。また、島民総動員で祭る「迎城隍」は、健康平安、無病息災の1年を祈る意味もあります。そして、子供たちをどんどん参加させることには、無事にすくすく育っていくようにとの大人たちからの願いが込められているのです。
こんなにたくさんの人!
午後2時、祭りの最高潮を迎えました
旧暦の3月末から、少しずつ「迎城隍」祭りの準備は始められていました。そして、4月12日に最高潮を迎えるというわけです。この日は、金城鎮の「城隍廟」を出発して、關帝廟や北帝廟、昭徳宮、南門福徳宮、水門、天后宮などがある路線を午後2時から6時半まで、34グループが練り歩き、終点は、「城隍廟」に戻ってきます。
路線街道の両側には、多くの人たちが詰め掛けました。ナビたちは、中興路と莒光路の交差点にある「陳氏宗祠」前にカメラを構えました。「宗祠」は、金門では「祖厝」または「祠堂」と呼ばれ、祖先を祭った建物で、金門の伝統的な集落には、必ず一つ以上の「宗祠」があります。「陳」は金門人に一番多い苗字。少し手前の關帝廟では、派手に爆竹を鳴らします。「陳氏宗祠」はほぼ行列が曲がるところなので、行列に一瞬の滞りが出来るため、多くのグループがここでパフォーマンスを披露してくれました。
董将軍のおでましです
「城隍爺」が、先頭を切って歩き始めると、後方には老若男女、多くの人たちが大きな線香を持って列に続きます。
ムカデ陣
古代人の服装をまとったギネス挑戦のムカデ陣の登場です。大人たちは汗をかきかき大変そうですが、子供たちは皆得意げな様子。神輿に乗る子供たちは体重30kg以下と決められているそうですが、この神輿に乗るということは、子供の無事な成長を祈ること以外に、一族にとっても光栄なこと。なので、もし30kgを越える子供を乗せたいなら、その子を担げる大人を配置すればいいよということになっているそうです。それにしても総勢200人を支える大人は誰1人休むことができません。2時から6時半の行進の間はもちろんのこと、出発1時間前には皆乗っていたということですから、 大変なものです。
祭りの見方・楽しみ方
12日の行進では、すべてのグループを見ることが出来ます。それ以外にも金城鎮内では、東西南北の方向各所に神様がおられるので、神様を中心にその周辺でも様々なパフォーマンスを目にすることが出来ます。お祭りは毎年旧暦4月12日が、「迎城隍」という「城隍爺」を迎え入れる一番盛大な日で、その前後1ヵ月間は、たとえば、東門境陣頭は先述のムカデ陣、西門境陣頭では、子供たちが化粧を施している様子が見られ、南では、中国の故事にちなんだパフォーマンスが行われたり、北門では三輪車に乗った子供たちが登場します。
西門からの子供たち
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楽しそうですね
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得意満面の様子
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北門からの子供は三輪車に乗って待機
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金門と人々とお祭り
手作りの提灯を持ったりもします
一般に島民族はそうかもしれませんが、特に金門人は格別迷信深いとも言えます。ナビと一緒に参加した某雑誌記者は、「迎城隍」祭りのため、故郷に帰るおばあちゃんと飛行機で隣同士になったそうですが、自分の荷物の横に何も置かないでくれと言われたそうです。それは、おばあちゃんのかばんにはお祭りで使用するお香が入っているから、貴方のバッグを横に置くと、中に入ってる服に香りが付くのでよろしくないとのこと。要は神様には新しいお香の香りを捧げたいので、その香りを持っていかれるのは困るというような意味合いだったそうです。このお祭りが終ると、金門の人たちは、今年も平安無事で過ごせるとほっとするそうです。
関帝廟の広場は爆竹の跡ですごいことに!これはまだ祭りの序盤!!
以上、台北ナビでした。いかがでしたか?また、台湾の各地のお祭りをレポートしていきま~す!
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記事登録日:2011-06-09