台北駅、西門駅付近はすごい熱気に包まれました☆
こんにちは、台北ナビです。今回ナビ友に誘われ、「台湾LGBTプライド」に行ってきました。みなさんは「LGBT」という言葉を知っていますか?男性同性愛者(ゲイ、Gay)、女性同性愛者(レスビアン、Lesbian)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexuality)、そしてトランスジェンダー(Transgender)の人々をまとめて呼称する頭字語であり、性的マイノリティを意味する言葉なんです。10月30日、性的マイノリティが集まり、総統府前から西門駅、台北駅と、約3時間かけてパレードを行いました。
台湾LGBTプライド」は今年で8回目を迎えるアジア最大の同性愛の祭典です。第1回目の参加者はわずか500人でしたが、今年はなんと60倍の30,000人を超える方々が参加しました。台湾の人だけではなく、世界各国からも多くの人が参加し、もちろん日本から参加されている人もいらっしゃいましたよ!でも実はナビ、「台湾LGBTプライド」に参加するまで「LGBTプライド」という言葉自体聞いたことがありませんでした。この「LGBTプライド」とは多くの性的マイノリティが一緒にパレードを行うことで、社会にこれだけの数の性的マイノリティがいること、性的マイノリティに優しい社会を訴えました。また、選挙の年である、今年の「台湾LGBTプライド」のスローガンは『性的マイノリティとしてのカミングアウトをして、政治への参画(投票)をしよう!(Out and Vote)』ということであり、パレード中も政治の争いを越えて、性的マイノリティは隠れなければならない人ではなく、性的マイノリティの人権擁護を訴えていました。こう書くとお固いパレードなのかと思いますが、写真を見ていただければわかるように、そこはおちゃめな人たち!小雨が降る台北の街をそれぞれ思い思いの格好で歩いてらっしゃいました。
みんなの集合はMRT台大醫院駅!
ナビがこの日ナビ友と待ち合わせしたのはMRT台大醫院駅。着いた途端いつもと雰囲気が…。パレードに参加される方々は総統府の最寄り駅ということもあり、みんなこの駅を待ち合わせ場所にしていたみたいです。と、そこで浜崎あゆみさん似のドラァグクイーンが登場!このパレードのために高雄からわざわざ夜行バスに乗ってきたそうです。駅に到着するなり、みんなの人気者!すっかり駅が撮影場へと早変わりしてしましました。カメラを向けるとお付きの方と一緒にポーズを変えながらカメラ撮影に臨みます。これぞドラァグクイーン!意気込みが違いますねえ。
東呉大学のみなさん
またその後にいたのは大学生集団。実は大学生の同性愛サークルなんです。ナビは早速ここで突撃インタビューをしました。このサークルは1996年に創立された今や15年近くにもなるサークルだそうで、部員は35名にもなるそうです。この日はみんなでパレードに参加するため自分たちでレインボーモチーフの旗を作り参加しました。話を聞いていると、サークル内カップルがいるということで、お話を聞いてみました。大助くんは『家族の方にまだカミングアウトしていないため、サングラスをかけないと写真はとれないんだ・・・』と申し訳なさそうに言ってくれました。またそんな大助の君のお相手はひでとしくん。彼の家族はもう知っているそうで、お母さんの誕生日には大助くんも一緒にお祝いをしたとか。その時お母さん好みのプレゼントを贈ったのは大助くんなんだよ~とひでとしくんは嬉しそうに話していました。お話をうかがっているだけで仲の良さが伝わってくるそんなお2人。とっても微笑ましくなりました。また、家族だけがゲイであることを知らないという薫くんは今年で4回目の参加になるそうです。薫くんも丹丹という彼氏がおり、1年ほどのお付き合いだそうです。その2人にサークルの活動内容を聞いてみると、みんなで同性愛に関する映画を見て、LGBTにおける現状を考えたり、感想を言い合ったり、もっと多くの人にLGBTについて知ってもらうための活動を開催したりしているそうです。また、LGBTじゃない人も、仲のいい友達や彼らを支持してくれる人なら入部を大歓迎してくれる!!と言っていました。インタビュー中ずっと思っていたのですが、彼らはまずは相手を受け入れようとしてくれます。そして、すぐに心を開いてくれる!生活の中で様々なつらいこともあると思うのに、それを感じさせない寛容さ!
熊大好き牧熊くんは心理学科の学生さん
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フラッグの棒はモップの棒を利用☆
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また、その横で【高中生】というカードを持っている集団を発見!【高中生】とは中国語で高校生の意味なんです!!えっ!高校生もそういう集まりがあるの?っていう驚きとともにインタビューしました。この「高中生制服聯盟」というのはインターネットで知り合ったLGBTの高校生の集まりで、なんと千人単位の高校生で成り立っているとか。この日のためにインターネット上の掲示板で連絡を取り合い、制服と熱い心を持って参加しているとのことです。
大学生、高校生の時からこういう風にオープンにできる風土は台湾ならではだとナビは思います。そういえば街を歩いていてもよくLGBTの方々のカップルも見かけますよね。それでも、家族にまだカミングアウトできていない子や一部の人にしか言えていない子たちもいるそうで、そういう子たちにとって高校や大学で共に境遇を分かち合える友や恋人ができるのはとっても貴重だなぁと思いました。
さぁ~て!出発です☆
すごい人の波に乗ってスタート地点へ!いつもなら歩いて3分ぐらいの道が15分以上かかってしまいました。思い思いの衣装や旗、プラカードを持って参加する人がほとんど!パレード委員会の方もLGBTの方で、みんなで力を合わせてこのパレードの運営を行っていました。また、同性愛者の象徴レインボーカラーのブレスレットを売って、募金活動をしている方もいらっしゃいました。ナビもスタート地点近くの沿道からノリノリで声援を送りました!
声援を送っていると、後ろから日本語が…。さっそくお話伺いました。関東からいらっしゃったSさんは今回4回目の参加。30人の大人数でツアーを組んできたのだけれど、友達の友達が・・・というように、みなさんの輪が広がり、この日何人で参加しているのか、自分でもわからなくなってしまっているとか。実は日本でもゲイパレードがあるのだけれど、台湾の方の規模が大きく、アジア最大級というのを最近意識し始めていて、どんどん盛り上がってきているそうです。何より台湾の人たちは自分がゲイだとわかってもとってもフレンドリーに接してくれて、感動するそうです。また、過去3回のパレード参加で台湾のお友達もたくさんできたそうで、お話を伺っている時もパレード中に声をかけに沿道まで来てらっしゃいました。
いよいよスタートです!
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香港からも参加されてました
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すごい人気!ウォーターボーイズ♪
人一倍目立っていたのが「ウォーターボーイズ」!!正直ボーイズではなさそうな方々もいましたが、心はボーイズということなのでしょう、目をつぶりましょうねっ!さて、なぜゆえに「ウォーターボーイズ」がそれほどまでに人気なのか?それは・・・海パン一丁なのです!!この日の台北の最高気温が24度。ナビは彼らの横でストールに革ジャンで厳重装備!!海パン一丁なのに、彼らはとってもHigh!!音楽を爆音で鳴らし、(と言っても流す音楽はPOPなものから台湾語の演歌まで。沿道の方々も歌えるものでした!)その一帯がクラブに早変わりしたかと思うと、みんな大きな声で同性結婚権の主張や同性愛者であることに誇りを持とう!と訴えかけていました。さて、この「ウォーターボーイズ」という集団。名前と見た目からわかる通り、水泳と水上スポーツを愛するゲイの方々の集まりです。今では100人を超える団体で、台湾で一番大きなゲイの人たちによるスポーツ同好会になりました。さて、一緒に歩いていると、みなさん体のどこかにハートを2つ重ねたマークをつけていました。これはAIDSのマークで、AIDSへの正しい知識と予防について呼び掛けていました。
また、彼らイケメン度がとっても高い!!嬉しくなるも、ナビは対象外…。でも見てるだけでもいいよねっ!ということで、写真をたくさん撮っちゃいました!
すごいインパクトです☆
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踊り狂う彼!ずっと踊ってました
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彼が人気NO1!国内外、男女問わず歩いているだけで沿道から一緒に写真を!という声が♪
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沿道の女のお客さんから人気が高かったです(写真の中の方はきっと男性)
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イケメン!美女率高し☆
ワイルド系な彼
台湾歴ももうすぐ2年のナビは日頃から思っていました。台湾のゲイの方々はかっこいい!思い違いかと思っていましたが、やっぱりということが今回で判明!服の着こなしもかっこよく、スタイルもいい!女性の方も美女が多かったです!なので、ナビはいっぱい写真を撮ってしまいました。百閒は一見にしかず!!みなさんどう思われますか~?
旗を自分でデザインして販売してました
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会場の人気ナンバー1だと思われる彼
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みんな凝ってますねぇ
今年の開催日はハロウィンの前日!ということも関係あるのかないのか、衣装にも創意工夫がされていました。思わずかわいい~と叫んでしまったものから、ぷっ!と笑ってしまうものまで!!見てて飽きることがありません。
ド迫力の3人組!
蝶です。裸足で頑張っています
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牧熊くんはズボンを脱ぎ棄てました!
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癒し系パジャマグループ☆
パレード後は国民的歌手によるショーも!
パレードがスタート地点に戻ってきたところで、人の波に流されてやってきたのは、特別に設置されたステージ!ステージ上では外国人ダンサーや芸人さんによるショー。まだ今年は選挙の年ということもありLGBTの立候補者の方もステージ上で熱い講演をしていました。でも、多くの観客が待っていたのは今年のレインボー大使である「阿妹(アーメイ)」。アーメイは国民的歌手で、昨年2009年に発売したCDは台湾のエミー賞といわれる「金曲奨」で6部門も受賞し、人気、実力を兼ね備えているのです。ナビも台湾人の友達とカラオケに行くと必ず耳にするアーメイの曲。でも、また一度も生で本物の歌を聞いたことがなかったので、とっても期待してました。アーメイが登場するや否や会場は一気にヒートアップ!アーメイはきちんと自分の思いを伝えたいため、紙に言いたいことを下書きして登場!レインボー大使としてLGBTの人々に伝えたいこと、LGBTの人たちは幸せになるには多くの勇気が必要!家族や周りの方の支えがあってこそ勇敢になれるはず!とLGBTの方たちを勇気づけた後、「彩虹」「姉妹」といったLGBTの方の象徴の歌を歌いみんなで大熱唱!とナビふと横を見るとナビ友の目から涙が!「歌詞はわからないけど、なんだか泣けてくる~」と聴きいっていました。こんな人気歌手がLGBTの方を支持し、応援しているというのも台湾ならではの感じがしました。
楽しい中にも考えさせられる
今回初めてLGBTパレードに参加したナビ。初めは正直パレードって響きが楽しそう!と軽い気持ちで参加しました。でも、1年に1度LGBTの人たちが胸を張って道路の真ん中を歩けるこのパレードはLGBTの方にとっても沿道で見ている人にとっても、1年に1度きちんとLGBTについて考えるいい機会になっているように思いました。そして何よりもこんなに多くの人がLGBTであり、その方々を応援しているんだ!ということが楽しく認識できるこのパレード、来年も必ず参加したいなぁと思います。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-11-12