やっぱりウワサ通りだった…怖くて逃げまどいながらも、終わってみればなんだか…楽しかった!
こんにちは、台北ナビです。「鹽水爆竹祭り」を語るには、話を「元宵節」までさかのぼらせないといけませんね…元宵節は、正月の最初の満月の日、宵(夜)にあたる旧暦の1月15日。この日、中華圏ではその祝いのため、各地でさまざまなイベントが催されます。今年2010年は、去る2月28日(日)がその日にあたりました…
台南「鹽水蜂炮」
数あるイベントの中でもナビが今回訪れたのは、あの台南「鹽水蜂炮」。「鹽水爆竹祭り」と訳していましたが、実際には蜂炮=ロケット花火のこと。爆竹祭りはここ鹽水以外でも行われるのですが、ここのは爆竹に留まらず、ロケット花火もプラス…ということで、グーンと過激度が増すのです。ナビもまだ台湾に興味がなかった時、日本で祭りの様子をテレビで見たことがあり、「こんな恐ろしい祭りに誰が好き好んで参加するのか」と思っていたのですが…まさか数年後に自分がこの地に立とうとは…。とは言いつつも、好奇心で一度は行ってみたいと、最近では思い始めていたのですが。どんなものか、行ってみないとわからないですからね!
由来は?
さて、「鹽水蜂炮」にはすでに180年以上もの歴史があります。由来には全部で4つの説がありますが、いちばん有力視されているのが「疫病払い説」です。その説はというと…昔ある時、鹽水は港町だったことから大量の移住者が訪れ、伝染病が流行りだしてしまいました。当時の衛生環境も良くなかったため、疫病の蔓延が止まりません。蔓延が始まって25年というもの、毎日平均2人がこの疫病のために命を落としていました。合計死亡者数は1000名に達するほどに…そんな中、民衆は、神様である“関聖帝君”にお言葉を仰ぎました。すると関聖帝君は、元宵節3日前から連続3日間、“周倉爺”という神様を先頭に、いちばん後ろに自身関聖帝君を引き連れて、その中間で爆竹を鳴らし、街を練り歩けば疫病は治まる、と。そのようにすると、時を同じくして本当に疫病の流行が治まったため、その後も慣例行事として今に残っているのです。
もっともこれは説に留まらず、爆竹を大量に鳴らすことにより排出される高温の空気、また、この空気中に含まれる火薬の硫黄成分が、病原菌を消滅させる働きがあると日本のある学者は言っており、きちんと裏付けされているというわけです。
また、身内に不幸があったもの、産後一ヵ月未満の者など観賞者にも不適とされる条件がいくつかあります。観賞中は、ケンカやむやみに人を怒鳴ったりしてもいけないそう。さすが伝統行事だけあります…
嘉義からアクセス
新営駅
台南県の鹽水なので、台南からのアクセスだと思っていたら大間違い。台北からの場合は、高鉄「嘉義」駅での下車になります。その後、台鉄に乗り換え「新営」駅で下車(約15分、34元~)。新営駅からはタクシーで。ちなみに「台南」駅からは、いちばん早い自強号で新営駅まで約25分かかります。新営駅は、決して大きな駅ではありません。この日が一年の中で、ダントツににぎわう日であることが予想できます。コインロッカーもなかったので、大きな荷物を持っての移動も適していません。タクシーですが、この日は言値。出口を出ると客引きが話しかけてきます。「鹽水(イエン・シュイ)?」と。ナビは「300元!」と言われました。相場がわからなかったのと、やっぱり少し高いと思ったので、あと2人の運転手さんに聞き、いちばん安かった250元のに乗りました。その運転手さんによると、「250元でも十分もうけてる…」というのが正直なところだそう。タクシーでの移動は約15分くらいでしょうか。道路が封鎖されているので、出店が並ぶ入口で降ろされました。
ビンロウで口を真っ赤にしたおじさんが持っているのは…爆竹!
ナビたちがタクシーを降りたのは16時くらいでしたが、なんと降りたとたんに爆竹に遭遇!もう始まってたんですね~!飾られた車と爆竹と神輿がセットで練り歩いていました。
夜市みたいな出店街
人混みの方へ流れていくと出店街になっていました。一本道の両側に出店がビッシリ。道の長さも結構あります。夜市ならぬ昼市ですね。お腹を空かせて来ても大丈夫。なんでもありますよ。鹽水の小吃では、意麺・豆簽羹・豬頭飯・煎包など…があるらしいのですが、ナビは暑さのせいで食べられませんでした…。みなさんはぜひ試してみてくださいね。そうそう、ここでは祭り用に服やヘルメットなども売っています。とっても安いので、ダメになってもいいように、ロケット花火に当たりにいく予定の方は現地購入をオススメします!
武廟
出店街が一段落するところに「武廟」があります。ここがあの関聖帝君が祭られているところ。今回のお祭りでとても重要な地点です。武廟へ神輿がドラを鳴らしながら入っていたり、今度は大きな龍が出てきたり…と思ったら、トラ柄のハッピ?を着た、身体も顔をススだらけの集団がいきなり出現!「なんでこんなに真っ黒?」という謎はすぐに解けました。ボンボンと無造作に投げられている赤い箱にはすべてに爆竹が入っているのです。神輿はここから出発、一定距離を練り歩き、その間の何ヵ所かの地点で爆竹を鳴らし、その上!爆竹が鳴っている上を神輿がグルグルと回る、そして武廟に帰ってくる、ということなのです。
武廟の隣には「鹽水鎮文物陳列館」があり、出入りが自由で3階まで高さがあるので、写真撮影にはピッタリの場所のようでした。中ではお祭りの歴史や、爆竹・ロケット花火などの展示が行われていました。
鹽水國中
もうひとつの重要地点は「鹽水國中」の広場です。ここはロケット花火の集中発射区!になっています。ここでもお祭りのために即席に用意されたと見られる廟が建っていました。お祭りの無事を祈って、紙のお金が大量に燃やされています。龍の踊りなど一連のイベントも行われていました。広場の中にロケット花火発射台を発見!すごい数です~…。
出たぁ~蜂炮!
歩いてみる
時間はまだまだあるので、もう少し周りを歩いてみることに。道はどこも爆竹の残骸で赤い紙だらけになっています…あるところで、以前祭りの時に着用したヘルメットや服が展示してありました。どれも真っ黒~!背中から当たりに行くので、ヘルメットの後頭部から下に布を貼り付けるのがポイント。上着は穴だらけになっているものも…おそろしや~。その奥の部屋では、なんと蜂炮を準備中でした!室内で準備なんて危なくないのかな?と思ったら、ナビも入らせてもらった後「すぐにドアを閉めるように」との注意。外の方が爆竹の塵などのせいで危ないんですって。室内には火薬のニオイが一面に立ち込めていました…。
そろそろ…
さぁ、そろそろ18時近く、いい時間になってきましたよ。おさらいですが、近くに当たりに行く予定の人は完全防備必須!まず、フルフェイスのヘルメット。中にはマスクをして、ヘルメットと肩の間に隙間ができないように、少し濡らしたタオルを巻いておくのがいいそう。厚手の上着(お尻が隠れるくらいの長めのもの)、デニム(2枚重ねでさらに安全)、長め靴下、運動靴、手袋、耳栓!これでカンペキ。ちなみに、カッパを着ている人もいたのですが、これは火が燃え移りやすいのでキケンです。ナビは当たりに行く予定は毛頭ないのですが…ヘルメットの代わりに帽子にして、あとはだいたい網羅して臨みました!
ハハ!この中にはチビッ子が!これイイですね
|
|
みなさん準備しています。あっ、左のおじさんはカッパ。これは危ないです…
|
このおじさん裸足!?どうしてそんなに余裕なの?
あまりの人で見えないのですが、どこかに司会がいるらしく、マイクで中継はしてくれています。今年のテーマ曲(?)は「Super Junior」の「Sorry,Sorry」!これ、台湾ですごい流行ったんです!だからでしょうか…曲が流れると、司会がロケット花火の前にいる人に、音楽に合わせて身体を動かすように促します。伝統行事ですが流行りにも敏感!?結構なんでもアリみたいです。そして…
始まりましたー!ピューンピューンと聞こえ始めてから最初はみんなその場に留まっているのですが、少しすると人の波が後ろに押し寄せます。みんな逃げ始めるのです!それにツラレ?ナビも中腰ですばやく後ろの方へ…でも耳元でピューンがバンッに変わる音が数回…。これだけ離れていても飛んでくるのです。キャーキャー!と悲鳴が上がります。というか、ナビも先頭きって悲鳴を上げていました。どうやら最初はロケット花火、あとから花火も一緒に上がっているようで…なにがなんだか。そうこうしているうちにあっと言う間に終わってしまいました。
せっかく取材に来たのだから、みなさんに迫力満点の写真をお届けできるよう、ナビは2回目にはもう少し前に出てみることに(汗)…。でも写真で見ると全然怖くなさそう…ですよね?これは行かないとわからないですが、ほんとに飛んで来て怖いのです。。。身体をみると白やら赤やらの燃えクズが付いていました。ナビ友はクシャミとまらず、目もショボショボ…辺り一面白い煙と火薬のニオイがすごいです。マスクのありがたみを感じました。
発射台発見!焦げてます…
近くでは天燈を上げる人も
|
|
爆竹が付いた天燈初めて見ました
|