老舗の茶芸館「紫藤盧」で、ひとりきままにお茶の時間を楽しみました。
こんにちは、台北ナビです。台湾リピーターになってくると、旅も自分の思うままに過ごせる「おひとりさま」になることが多くなります。好きな時間に起きて、行動して、好きなようにきままに時を過ごす…それって毎日が忙しいほど贅沢なこと。ナビが台北に行ったら欠かせないことの1つは「茶芸館へ行くこと」。素敵な老舗の茶芸館「
紫藤盧」でのんびりゆるゆると、ひとりで時を過ごしてきました。
ひとりで茶芸館を訪れる時、ナビは開店直後や午前中に行くことにしています。掃除が終わったばかりの空間はすがすがしく、他に誰もいないから好きな席に座れる上、周囲も気にならずにひとりでも遠慮なくのんびりできるからです。公館の駅から台湾大学を右に歩くこと20分。改装後はじめての紫藤盧は、以前と変わらない姿で迎えてくれました。店名になった藤の樹木も池の鯉も、長年使われてきて味わいのある板の間も、懐かしさに胸がキュンとなるような畳の部屋もすべてそのまま。改装してどう変わったのか心配だったのですが、ほっとひと安心です。お店のスタッフに「奥の畳の部屋がいいのですが」と告げ、板の間を抜けた先、左奥のお気に入りの部屋に案内してもらいました。
古きよき時代そのままの畳の部屋は、車の音もほとんど聞こえない静かな空間。すりガラス越しの日差しが柔らかく、電球の灯りも優しくあたたかく、たっぷりと花が活けられていています。時折聞こえてくる鳥の声に、外の世界を忘れてしまいそう。台湾にいる実感を高めてくれるのは、窓越しに見えるガジュマルの木。この空間にひとりって贅沢。畳の部屋ってやっぱりいいですねぇ。すごく落ち着きます。
この日、ナビは「紫藤」(280元)という凍頂烏龍茶を選びました。店名がついているお茶って素敵です。それに凍頂烏龍茶って、台湾茶に親しむと意外に飲む機会が少なくなってしまいませんか?お茶うけには、来るたびに頼まずにいられない「ハート形のパイナップルケーキ」(80元)を。型が愛らしいので、いろいろ迷うけれどいつも選んでしまいます。他のお茶うけは、ナツメとクルミのお菓子、干したマンゴーやスターフルーツ、ミックスナッツ、茶梅のほか、わらび餅やかりんとう、季節限定で桜餅も登場するそうです。日本のお菓子と台湾茶の組み合わせも意外や意外、新鮮な感じ!日本に帰ったら早速おうちカフェで試してみたくなりました。
紫藤盧独自の「五感で楽しむお茶の世界」を堪能しましょう
一杯めのお茶はお店のスタッフが入れてくれます。自分でもできるけれど、せっかくだから慣れている店員さんにやってもらっています。これもささやかな幸せ。手渡された聞香杯から立ち上ってくる「紫藤」の香りは、ほのかに甘くさわやか。お茶を口にするとスーッと気持ちと旅の疲れも落ち着きます。この部屋にはナビひとり。店内もまだ静か。二胡や古箏の音楽がゆったりと流れる中、鳥のさえずりを聞きながら飲むお茶。こんなにのんびりと午前のひとときを過ごしたのは、えっと…いつだったでしょう?お茶を飲み終えた後に「ふうーっ」と細く息を吐くと、ここ数日歩き疲れていた体が緩んできます。「あちらにも、ここにも行きたいし」と旅のスケジュールは忙しくても、欠かすことができない茶芸館でのひととき。誰もいないからと足をのばし、二胡の音楽に耳を傾け、時間を忘れて過ごします。
6杯めまでお茶の香りと味の変化を楽しんだ頃、二胡の音楽がクラシックに変わりました。充分にくつろいだので、そろそろ帰ることにしましょう。それでも店内はナビのほか1人しかお客さんがいません。写真で見たような静かな空間でくつろぎたいのなら、やっぱり午前中がおすすめです。会計を済ませた後は、この日行なわれていた絵画展をじっくりと鑑賞しました。紫藤盧はお茶だけでなく、こうして絵や書、また各方面の講師を招いて行うレクチャーなど、台北における文化サロンとしての役割を果たしています。お茶がつなぐ文化ってとても素敵ですね。飾られている茶器の数々やお茶、お茶に関する資料、またティータイムにふさわしい音楽などの種類も豊富で、必要なものは全部ここで揃ってしまいそうです。
2階
2階にもこんなに素敵な和室があったとは!初めて知りました。車の音が少し気になるかな?でも、この空間なら許してしまいましょう。
外の庭には紫藤盧のシンボルツリー「藤」のほかに、ガジュマルやバナナの木があります。池の小さな滝は静かな水の音が心地よく、訪れる人すべてを癒してくれることでしょう。いつか昔に来たことがあるような懐かしい庭は、やはり藤の花が満開に咲く頃が一番美しいのでしょうね。その季節を選んで訪れてみたくなりました。
ナビは公館の駅から台湾大学を右手に新生南路を歩きましたが、20分位かかりました。雨や暑い日に歩くのはちょっと厳しいです。台電大楼の駅からは辛亥路を歩いて約15分と、こちらも駅からは遠いです。紫藤盧は大きな看板もないので、タクシーで行く時には向かいの「龍安国民小学」を目印にして下さい。学校名のバス停もすぐ近くにあります。
いかがでしたか?「紫藤盧」は、有名になった今でも独自の世界を守り、お茶と素敵な空間で訪れる人をもてなしてくれる癒しの茶芸館でした。せっかく台湾に来たのなら、ひとりでも気持ちのいい空間で、おいしいお茶をいただきたいもの。のんびりゆるゆると紫藤盧で台湾茶を楽しみながら、時間を忘れてお茶の時間を堪能して下さいね。
台北ナビでした。
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記事登録日:2009-11-05