ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って?

台湾の伝統文化に足を踏み入れてきました、台北ではあまり見られない中南部ならではの文化、美味かった~!

こんにちは、台北ナビです。今回ナビは、「辦桌」イベントに参加するため、台南まで行ってきました!台湾の美食伝統を引き継ぐ「辦桌」、中国語ではバンゾウですが、多くの人が台湾語でバントッと呼びます。その台湾語の響きが面白くて、それって何か楽しいもの?って想像してしまうのは、ナビだけではないようです。
台湾では、お祝い時には戸外で10人がけくらいの大きなテーブルをいくつも並べ、大皿に盛られた料理を皆で一緒に食べるという習慣があります。とはいえ、時代とともに場所の確保やシェフの減少で、台北ではもうほとんど出会えない風習となってしまいました。が、中南部では、「辦桌」精神は今も元気に息づいています。
今回は、台湾の美食の宝庫である古都「台南」で、台湾政府観光局の主催によりこのイベントが開催され、日本、香港、シンガポール、マレーシア、アメリカなど各国から観光客も大勢招待されたのです!

会場は活気を帯びてきました!今日の台湾ビールは飲み放題!やったー! 会場は活気を帯びてきました!今日の台湾ビールは飲み放題!やったー!

会場は活気を帯びてきました!今日の台湾ビールは飲み放題!やったー!

王藝明布袋戲

ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って? 台南 台湾料理 カラスミ アワビフカヒレ ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って? 台南 台湾料理 カラスミ アワビフカヒレ
会場の入口に設けられた布袋戲の舞台。こちらの劇団は、2006年布袋戲コンテストで「台湾意象」という賞をとりました。団長の王藝明先生は布袋戲界37年、伝統文化、台湾語文化には、各界から称賛の声が聞かれるほどの有名な方です。

辦桌豆知識


1. 辦桌の由來
さて、ここで「辦桌」について、少しお勉強しましょうか?まずは、その由来なのですが、台湾人の「もてなし好き」からきていると言われています。台湾初期の農村社会では、冠婚葬祭がある時だけ、村人は一緒になってその場を設けました。レストランもないので、家の入口や空き地を会場としました。主人は辦桌の宴席に出席してくれた人たちに感謝の意を表すため、食事をふるまいました。皆がこの機会に集まって食事をしながら、いろいろな話しをしたのが、後の台湾特有の辦桌文化となったのです。

2. 辦桌のメインシェフ
辦桌を行うには、一つのグループが形成されます。宴会で必要なすべての器具を準備する人、料理を担当する人…中でも一番の主役はメインシェフです。今回のイベントでは、「辦桌南霸天」の「阿勇師」と呼ばれる汪義勇先生がメインシェフを担当。阿勇師は8才から父親について、辦桌の技術を習得。「辦桌の伝統」を引き継ぎ、今に至っています。

3. 辦桌の種類
台湾人は「もてなし好き」なため、各場面で様々なテーマの辦桌を演出します。たとえば、新居落成記念。主人は新居で客をもてなします。出生一か月の赤ちゃんのお祝いには、親しい友人たちを招待し、ともに喜びを分かち合います。皆が一堂に会する辦桌ですが、円満を祝うというテーマはどの場面でもあるのです。

4. 料理の数は偶数が縁起よし
一般的には10あるいは12品。2つはぴったり合うという富貴・吉祥の意味からきています。

5.辦桌料理のメイン
冷盤:辦桌の一番最初にでてくる料理で、通常は4~5品が一つのお皿に盛り合わされています。お客さんが全員一つのテーブルにそろったという意味があります。
手路菜:シェフが趣向をこらし、手をかけた料理
招牌菜:メインシェフの得意料理
後段菜:宴会後半の何種類かの料理で、通常はお持ち帰り用。
點心:ほとんどが甘いデザート、スイーツ、フルーツ
收尾菜:辦桌は最後が肝心なので、円満に終了する食材を料理に使います。

6. お持ち帰りの習慣
台湾の辦桌では、お持ち帰りの習慣があります。食べきれなかった料理を持って帰るという習慣は、シェフに対する感謝と称賛であって、台湾人の節約をも表しています。

台湾の駄菓子


この日は、会場の外で台湾の昔から伝わる駄菓子を作る実演もありました。日本の昔と共通するものがありますね。

龍鬚糖 Dragon whisker candy
捏麵人 Dough sculpting
碰糖Comfit
畫糖 Sugar painting
樹脂土 Resin clay
棉花糖 Cotton candy
草編蚱蜢 Straw braided grasshoppers
糖蔥 Sugar onions
糖葫蘆 Sugarcoated haws on a stick
琉璃之美 Beauty of CrystalGlass

19時、そろそろ始まります


本日のメニュー紹介がテーブル上にありました

本日のメニュー紹介がテーブル上にありました

お決まりのカボチャの種とビスタチオのおつまみもどうぞ

お決まりのカボチャの種とビスタチオのおつまみもどうぞ

お持ち帰り用のビニール袋もかわいい箱に入っていました

お持ち帰り用のビニール袋もかわいい箱に入っていました

テーブルにはおめでたいことを表す赤い花と赤いチャイナ柄のリボン

テーブルにはおめでたいことを表す赤い花と赤いチャイナ柄のリボン

ステージでは、包丁さばきのパフォーマンスも行われます ステージでは、包丁さばきのパフォーマンスも行われます ステージでは、包丁さばきのパフォーマンスも行われます

ステージでは、包丁さばきのパフォーマンスも行われます

今晚のメニュー


★ 五湖四海皆兄弟 オードブル
台湾の辦桌では、冷盤と言われる4、5品がお皿にのった料理が最初にでてきます。今日は一品ずつ運んでこられました。

☆ 烏魚子 カラスミ
台南の伝統的な、かつ台湾を代表する美食、たんぱく質を豊富に含んでいます。

☆ 蒜味虱目魚肚 ニンニク風サバヒーの腹身
虱目魚はミルクフィッシュといい、台南の名産です。料理法は何種類もあり、家庭料理だけではなく、国賓をもてなす料理にも登場します。ナビはこんなにおいしいミルクフィッシュは初めていただきました。小骨が多い魚ですが、お粥にしてもおいしいんですよね。台南では、朝食から夜食まで、1日中フル活躍の食材です。

ステージでは、中国語、英語、日本語の歌が歌われ始めました


これも辦桌では、よくある光景。場所によっては、ストリップという過激なショーもあったりするんですよね。 これも辦桌では、よくある光景。場所によっては、ストリップという過激なショーもあったりするんですよね。 これも辦桌では、よくある光景。場所によっては、ストリップという過激なショーもあったりするんですよね。

これも辦桌では、よくある光景。場所によっては、ストリップという過激なショーもあったりするんですよね。

会場では、料理が運ばれてくるごとに、スライドで内容紹介が行われました

☆ 日月蛤小目斗 小タコのニンニク和え
タコにニンニクの効いたソースがかかっていた台湾独自の家庭料理の一つ。

☆ 筍干小封肉 タケノコと豚肉の煮物
タケノコも辦桌にはよく使われる食材です。豚肉と一緒に煮込まれ、十分味がしみ込んでいました。白いご飯がほしいなあ。

☆ 台式蝦仁卷 台湾風エビ巻き上げ
エビ巻きも台南の地方料理です。ブタのひき肉と魚のすり身も練りこまれていました。一口噛むと、エビの香りがプーンとしてきました。外はサクッ、中はジューシーでしたね。お弁当屋さんのエビ巻きより格段上をいってました。

メインコースに入ります!

★ 烏骨干貝布袋雞 烏骨鶏と干し貝柱のスープ
骨を完全に除去した「烏骨鶏」と貝柱のゴージャスこの上ないスープ。見かけはよくないですが、ウコッケイは、チキンの中でも脂肪分とカロリーが低く、豊富なたんぱく質と鉄分を含んでいるのです。そのため市場でもフツーのチキンより高いお値段が付けられていて、体をいたわりたい時、台湾人は好んで食べる高級食材のひとつなんですね。これは目をつぶってでも食べなきゃ!

会場は、乾杯モードに包まれてきました!


観光局長がテーブルを順番に回ります!最近は披露宴でも、コップの中身はウーロン茶が増えてきましたが、なかにはホンモノも。そんなとき新郎は全テーブル回ってから倒れるそうです。
ステージには、お客さんがダンス、カラオケに飛び入りました。ちょっとハイな「ホテルカリフォルニア」が歌われました。
★ 溜油龍膽石斑 タマカイの蒸し物
タマカイは蒸し、煮る、焼く、炒めるなどの料理方法がありますが、今回は酒蒸したもの。高級魚で、コラーゲンをたっぷり含みます。白身魚のおいしさを堪能してしまいました。

★ 蔬果沙拉海龍蝦 ロブスターと野菜フルーツのサラダ
台湾は昔からロブスターがテーブルに出てくるかどうかで、その宴会の価値をお客さんが見極めたと言われています。招待側の主人のメンツにもかかわったこの料理!今日のロブスターは、かなりおおぶりで、メンツ十分立ちました!というものでしたよ。

★ 大帶子煲高麗捲 台湾風ロールキャベツ
キャベツ巻きも辦桌では、よく見られる料理です。日本のものとは違って中身は肉ではなく海鮮、しかもエビ。ブロッコリーや貝柱なども加えられ、あっさりしていて、美味でした。貝柱、厚み2センチ以上!

車鼓陣 車鼓陣

車鼓陣

「車鼓陣」も台湾民間伝統のひとつで、台湾で最も古い樂隊の形式といえます。ドラと太鼓がメインで、踊りながら会場を駆け抜けていきました。

★ 粉絲蝴蝶蝦 エビとハルサメの煮込み
ハルサメも台湾の食卓にはよく出てくる料理で、エビの旨味を十分吸い取ったおいしい味に仕上がっていました。

★ 櫻花蝦米糕拼紅蟳 モチ米とワタリガニの蓮の葉蒸し
モチ米と桜エビ、赤ニンニクで炒めた上に、カニを絡めました。蓮の葉で蒸しあげたので、香りもよく、辦桌には不可欠なメイン料理の一つです。

★ 台式金品佛跳牆 ぶっとびスープ
伝統的な「佛跳牆」の食材は、山海珍味が含まれていること。この日の「佛跳牆」、ナビも壁を越えてまで食べに行きたいと思ったほどの具材の種類と量でした。また、同じような味、いつか食べられたらうれしいです。

★ 時令當季多瓜果 季節のフルーツ
台湾はフルーツ王国、南国のフルーツがこれでもかというくらい盛りつけられていました。TOPはいうまでもなく台南産マンゴーです。

★ 蜜紅豆蓮子圓滿 アズキと蓮の実のスイーツ
白キクラゲ、蓮の実、アズキの甘いスープ、スイーツがテーブルに出てくるのは、やはり円満を象徴しています。

十二婆姐

ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って? 台南 台湾料理 カラスミ アワビフカヒレ ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って? 台南 台湾料理 カラスミ アワビフカヒレ ワイワイガヤガヤ、辦桌(バンゾウ)って? 台南 台湾料理 カラスミ アワビフカヒレ
「十二婆姐陣」は、台南と高雄に見られる伝統芸能です。
子供がすくすくと成長するようにと願った踊りで、お面をかぶった12人はすべて男性。「婆孫」と「婆祖」が加わり、14人で構成されます。右手に魔除けの楯、左手には傘を持ちます。ドラに合わせて、体を揺らして踊ります。頭をなでられた子供は、健康に育つと言われているため、お母さんが子供をだっこして、近寄って行くそうです。

あっという間の2時間強でした。台北ナビから参加された方々からも、今後半年に1回くらい、こういう催しがあったらいいなあという声が聞かれました。ナビも同感です!観光局長さんへリクエストしようかなあ。

安平古堡


この日は、一級古蹟である安平古堡の観光もしました。台南には欠かせない観光名所なので、皆さんも台南へ行かれるなら、ぜひ訪れてみてください。
安平古堡は、1623年,オランダ人が作り上げた城です。オランダ人が台湾を統一したときの貿易の拠点となりました。1662年になって、鄭成功がオランダ人を追放しました。その後清朝も終り、日本統治時代を経て、降伏後、「安平古堡」という名前になりました。現在は、安平古堡古蹟紀念館と瞭望台に分かれています。
台北ナビがおとどけしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-09-02

ページTOPへ▲

その他の記事を見る