地元の人に愛される小吃を10個ピックアップし、台北ナビ編集部で座談会を開催しました~
今日は台北ナビです。小吃といえば、おつまみ感覚で食べる、屋台料理の多い台湾ならではのメニュー。だいたい夜市に並んでいる料理を想像してもらえれば分かると思いますが、その中でも定番の台湾小吃をご紹介します。お値段も50元以内と、気軽に食べられるものばかり!進行役、Navizoがつとめます。ナビスタッフのごく、ごく個人的なコメントも含めて、お楽しみください。
注1:シーフードなどを扱う屋台や店は、調理場周辺の衛生状態を確認してからの入店をおすすめします。
注2:料理の発音表記は、台湾で使用頻度の高い呼び方を優先しました。
Z: 1番バッターは、夜市に来たら臭豆腐と双璧をなす台湾マストアイテム「蚵仔煎」から。ドラム缶みたいな鉄板の上でダイナミックに焼かれていたり、たいへんパフォーマンス性が高く、視覚でそそられる一品ですよね。お好み焼き風にいうと「つなぎ」に当たるものに、さつま芋の粉を溶いたものが使われているのが特徴です。
A: 台湾のカキは小ぶりで食べやすいですよね。で、人気店はフンワリとボリュームがあったりして。ソースは甘くてトロリとしたものが多いですが、これもお店によって違う。
H: カキはそりゃ多ければ多いほどいいけど、ソースもドチャッとかかっててほしいです。台北より中部で食べたものの方がおいしかったなあ。
K: カキは南部が主な産地だから、中南部のほうがカキを使った料理に種類が豊富ですよね。台湾全土的に愛される小吃といえるでしょうね。
M: 蚵仔煎のあの人工的なピンクの甘いソースは、ちょっと抵抗感がある。あのソースを見るたびに、「色の概念が全く違う!」と妙に外国を意識します。
臭豆腐 (発酵豆腐の煮込みor 揚げ物 /ツォウドウフ=北京語)
Z: チーズのように発酵させた豆腐、というのが分かりやすいでしょうか。それを揚げたり、醤油煮込みして出されます。揚げた「炸臭豆腐」は泡菜(キャベツの漬物)とピリ辛ソースで。煮込んだ「紅焼臭豆腐」はゲキ辛スープなので、たいへん強烈な印象を残す一品ですね。
A: 台湾生活も慣れると、この臭いに「確かに台湾にいる」と実感できます(笑)。特に煮込んだ麻辣(マーラー) 臭豆腐の屋台から発せられる臭さ…未体験者はのけぞることでしょう。揚げたのは匂いが緩和されているので、初心者でも意外と食べれるかも。
H: 超愛吃!ですが、店によって大違い。個人的には自宅近くのコンビニ前のものが好き。カラッと揚げられて、泡菜もたくさん入れてくれます。ソースはちょっと甘みがあるのがいいかな。蒸した臭豆腐は上海料理店のがおすすめ。「隆記菜館」(延平南路101巷1號)のは最高でした!
M: 臭ければ臭いほどウマイ。だから私が好きなのは臭豆腐の鍋。揚げているのは、匂いが足りない!!一度この匂いをとことん嗅いでしまうと、いつの間にか臭さが「麗しい香り」に早変わりするのです。その魔法にあなたもかかってみよう!
Z: 胡椒をたっぷり練りこんだ豚肉餡を肉まん風に包んで、それを窯焼きにして、皮をパリッパリに仕上げる独特のつくり方に熱狂的なファンも多い小吃ですね。
A: 作っているのを見ると、暑い窯の内壁にペタペタお饅頭を貼りつけて、できあがったら鉄の棒でかきあげる。外の皮は温度が高くて黒く焦げてたりして。
H: 皮の中が熱くてヤケドをしたことがあります。でもそのときは、肉汁もドバッとあって、美味でございました。肉に甘みを感じたことがあって、肉+ねぎ+汁+皮のハーモニーがなんともいえません。「元祖」と掲げた店が多いけど、台北駅裏のとある店のがおいしいと思いますね。
M: 龍山寺の細い路地裏にある人気店に足を運んだ時のこと。あまりにも熱すぎて、あとでゆっくり食べようと、家に帰って食べたのが間違いだった!冷たいのはマジまずい!寒い日に、アツアツとやけどしながら食べるにかぎります。
教訓:胡椒餅はその場で食べよう。
魯肉飯 (ローバープン=台湾語、ルーローファン=北京語)
Z: 醤油煮した細切れ豚肉をホカホカご飯にかけただけのシンプルな料理ですが、まさに台湾の家庭の味。特にお店のものは肉汁のコクと肉のとろみが違います。店によっては常に材料を補充してコトコト煮込み続けているので、自家製味噌のように熟成度があるのです。
A: 肉の切り身の大きさ、脂身と赤身のバランス、タレのコクなど、一軒として同じ味がない。ある意味、あちこち食べ比べしたくなるアイテムですよね。
H: かわいいタクワンはのっていてほしい。でも、特にハズレのにはあたったことはありません。個人的には八角の味が効いてるのが好きです。コレと油豆腐と野菜、煮込んだタケノコなど、おかずが2品あれば個人的には満足。
M: 大好物で食べすぎて、舌が肥えてしまった。道端で売っている魯肉飯は科学調味料がいっぱい入っていて、匂いを嗅ぐだけで食べる気がうせる。うまいものを食べたいならやっぱり老舗で食べるしかないのだ。魯肉飯は妥協して食べぬべし!
Z: 「主食」ともいえる小吃。笹の葉に味付けたもち米を入れて蒸した豚肉やシイタケなどの具入りで、「甜辣醤」という甘辛ソースで食べるのが一般的です。笹の葉ではなく鉄の筒に入れた「筒仔米糕」は類似メニューで、基本的に作り方が同じ。屋台夜市では「筒仔米糕」のほうが見つけやすいかも。
A: 「具には何が入っているか…」とサプライズがあるところが楽しみ。「王記府城」(本店:八徳路二段374号)が台北では有名ですよね。
H: 買って食べることは少ないです。端午節になると、必ず誰かのお母さんが作ったりしたのをもらったりして。今まで食べたのは、干した牡蠣が入ってたのがおいしかったですね。たけのこや貝柱が入ったのも…また食べたいです。
M: NAVIの口コミで「バーチャンと叫んでいる屋台があったけど、あれは何か」とあったのを見た時はさすがに笑った。ただ、私の中では「バーツァン(肉粽)は、ばぁちゃんがつくってる」っていうイメージがあり、華人にとっては、おふくろの味・家庭の味。あながち「バーチャン」の放送も鋭く意図をついている!?
Z: 高温の油に通すと半透明になるデンプン質のコロモで肉入りの具を包んだ小吃。たっぷりの油に通すので敬遠する日本人も多いかも。
H: 昔は嫌いでしたけど、今は拒絶しません。おいしいところを知ってしまったので。やはり本場の彰化へ行かないと。外側がカラッと揚げられた、中身はシイタケや卵、アワビ入りなんてのもオツなもんです。
A: これ、ソースがイケると見違えるように味が変わります。が、台北には名店は少ないようですね。私は中部・竹山の廟前にあった店のが自己ベスト。
M: 下港来(台南から来たの意味)の私は、蒸した南部肉圓を食べてきました。南部はソースも醤油ベースで、にんにくをすりおろして一緒に食べるんです。ぴりっと口に香るニンニクと、ほっくりと香る肉がベストマッチ。一番好きなのは、台南武廟前の幻の肉圓。早いときには二時過ぎには売り切れになってしまう。
Z: 蒸した肉マンの鉄板バージョン、といったところでしょうか。鉄板にビッシリとしきつめて、少量の油で炒めながら、水を加えてフタをしてしばらく蒸すと、下はカリカリ、上はホクホクという感じの仕上がりになります。
H: 小腹が空いて、そこに水煎包があったら、ついつい買ってしまいます。肉入りも野菜入りも、どっちも好きです。士林夜市の映画館近くのは、やっぱり台北で一番おいしいともいますよ。
A: 師大路夜市の「許家」が私のイチオシ。小ぶりなのですが、シャキッとしたキャベツがたっぷり入っていて、肉汁もとってもジューシー。番号カードをもらって順番を待つ、というのも、屋台としては変わってます!
M: 一つ買えば、立派な朝ごはんになるし、野菜入りの水煎包を買えば、野菜不足も補える、とってもリーズナブル&ヘルシーな朝ごはんです(ちょっとオイリーだけど)。
Z: 麺線はソーメンですが、これをカツオだしベースの汁でグツグツに煮込んだものに、カキやモツをトッピングにしたもの。「カツオだし」が味覚にマッチするのか、日本人にもファンの多い小吃ですね。
H: 大腸入りでもカキ入りでもどっちも好愛吃!です。両方が入ってる店もあるんですね。天母の中山北路7段のコーナーのところは、具がどっさり。台北駅のYMCA前の「蔡」の看板を出したお店のもおいしい。ニンニクが効きすぎているのがたまりません。
A: 西門町のホコ天にある「阿宗麺線」は列のできる名店だけど、同レベルの味のお店はあると思うんだけど…。夜市付近の古そうな屋台なら、だいたいおいしいですよ。
M: 南部には大腸麺線が無い。台北に引っ越してきて、初めてこの臭いに度肝をぬきました。臭いもの好きなNAVIにとって、大腸麺線は今では、ご愛用のお昼ごはん。昼にNAVIプラザに来れば、事務所が臭くてたまらないかも!?
Z: 「滷」は醤油煮込みのこと。多い店では50種類以上の食材を並べてあり、お客が自分の好みでピックアップしたものを、網に入れて煮汁につけて5分くらいごった煮したものですね。煮汁は漢方やハーブなどを配合してあって、ちょっと匂いがキツイかも。
H: よくチョイスしてしまう具がいくつかありますね。厚めの豆干、厚揚げみたいなの、こんぶ、鶏のおしり、豚のモツ、、、。最後に入れてくれる高菜もいいですね。煮込みを待ってる時間ジリジリするのが、気が短い人間には困りものです。
A: 意外においしいのが、即席麺。チープな味なんだけど、煮汁がよく浸みていてツルツルっといけてしまいます。野菜などをたっぷり混ぜれば、立派に一食分。
M: 昔、滷味のお店で、誕生会をしました。滷味ってビールによく合うし、皆が食べたい物を何でも煮込んでくれるので文句が出ない。あの屋台のようなリラックス感とビールの開放感が相まって、店のビールはすべて空に。これぞ究極台湾風パーティーだとおもいました。
黒輪(おでん) (ヘイルン=北京語、オレン=台湾語)
Z: 別名「関東煮」からも分かるように、日本から伝わった食べ物。「黒輪」というのはまったくのアテ字で、台湾語読みすると「おれん」となり、屋台料理の代表選手でもあります。
H: もち米を豚の血で固めたものが一番好きです、これって日本になくて残念。ダイコンも選びますね、あとはテンプラ系。「おれん」で何がいいって、ソースですかねえ。日本と違うっていうのが、またいいですねえ。
M: 滷味は味付けが濃いのですが、黒輪は和食らしくあっさりとした味付け。巾着餅が売っていないのが、さみしいところです。だれか、売り始めないのかな…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Z: さて、いかがだったでしょうか。ほかにも「鹹酥鶏」「米粉」「広東粥」「鍋貼」など候補はあるのですが、紹介しきれないのが無念です。また、別の機会に!台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-10-06