宜蘭のイルカウォッチングの出発点である頭城というところに、農村体験ができるおもしろい体験農場がありました!
こんにちは、台北ナビです。最近農場での体験に大きな魅力を感じているナビです。今回は台北から一番早い在来線の「自強号」も停車する頭城というところにやってきました。目的の頭城農場は、ここから車で20分のところにあります。台北から車で来るなら1時間ほどで着くことができます。農場は入口に手作りの木の看板や椅子、人形などが飾られています。これらの木は、ものを作るためにわざわざ切り倒したものではなく、台風などの被害で折れたり落ちたりしたものを拾って作ったのだそうです。この落ち木の用途はDIYなどの製作以外に調理場(一部未だガスではなく、薪を使っているのです)にも使われているんです。
お札
ナビたちが着いた午前の時間は、小学生たちがいろんな遊びを楽しんでいました。まずは「祈福卡」、日本の神社にある、あのお札です。何が書かれているのかなと見てみると、志望校に入学できるようにとか、試験で何番以内に入るように、家族の皆の健康を祈ります、毎日が平和に過ぎていくようになど、願い事の内容は様々。転ばないようにというのもありました。挫折しないようにってことなのかな?
シンプルなお部屋
30万坪もある広い敷地に点在するお部屋を見せてもらいました。
明楼
レストランの上方にある部屋で、廊下の左側の部屋は、窓が大きくて明るく、素晴らしい眺めが待っています。お天気がよかったら、朝から気分上々になれること間違いなし。右側の部屋は、山向きなので木ばっかりなのですが、蝶や鳥が行きかっているのを真近に見ることができ、鳥が好きな人にはおすすめの部屋。鳥の巣探しも楽しむことができ、こちら側の部屋を指定してくる人も多いそうです。
★頭城農場には、「台灣藍鵲(que:かささぎ)Taiwan Blue Mgpie」」(日本名ヤマムスメ)といって、体は青、くちばしは赤、しっぼは白の縞模様という国鳥が100羽以上います、台湾中探しても、これだけの数が密集して住んでいるのはこの頭城農場だけ。ナビも撮影は間に合わなかったけど、きれいな青い鳥を見つけることができました。農場では台灣藍鵲を保護するために、彼らが大好きなパパイヤの木を100本以上植えてあるそうです。
新明楼
入口はボロいのですが、中は広くて、バスルームも清潔です。広々とした部屋はゆったり感を感じさせてくれ、いいですね。難点は、シャンプーがバスソープと同じ容器に入っていて、両用というのが、ちょっと日本人には慣れませんが。他の部屋は別々になっていますのでご安心を。
山海楼
一番高い所にあり、建物に向かって一番左の部屋からの眺めは最高です。大きな窓が2面にあり、ベランダも広い。お天気がいい日には山の切れ目から、海がくっきりと望めます。さらに亀山島も見えるんです。また、この建物にはロフト式の部屋もあり、広い!12人まで泊まれるので、主に修学旅行で利用されるそうです。
朝日楼
洋館風の新しい建物で、採光が抜群。3階建てで、エレベーターはありません。どの部屋もベランダがあり、アットホーム的なムード。ゆっくり休めそうですよ。
DIYとは?
どこの農場でも大体独自のDIYプログラムがあるのですが、子供向きから大人も楽しめるものからその内容は様々。ここでは5種類あります。
竹細工とTシャツ
ここの農場のメインは、まず竹細工、要らなくなった竹で竹笛や置物などいろんなものを作っています。次はTシャツ。白いTシャツの上に絵を描くのですが、なかなかの人気だそうです。野生の植物の葉汁を使うのがおもしろいですよ。
天灯
これは日本人も大好きなDIY。皆が願い事を天灯に書いて、空に飛ばすものです。ここでは、夜とは限らず昼も飛ばせるんです。昼はピンクの天灯、夜は白いのを。昼間はピンクが青い空に映え、夜は白い中に光る灯りがユラユラ登っていくのがきれいに見えるからなんですね。
焼き芋
この方式、ナビは初めてみました。落ち葉で焼くのではなく、乾いた燃料土を40分、竹に火をつけて熱し、燃えた竹を抜いた穴に芋を入れます。燃料土を壊して新聞紙をかぶせ、その上に普通の土をかぶせ、蒸すこと40分。土をゆっくりほじれば、おいしく焼きあがった芋が出てきます。中を開けると、透き通ったオレンジ!ホクホク!甘味も十分で、おいしかったです!
準備と野菜畑
日本でもこういう体験はあまりできないでしょう。長手袋にエプロン、帽子を被り、手ぬぐいを首にひっかけ、長靴を履いたら、農作業に出発です!男性も同じ格好をします、花柄じゃなくて無地を選べばいいかな。この格好は、農場のレストラン横で整えた後、坂を下りて渓流の脇の道を歩き、焼き芋の場所と野菜畑を抜けたところにある農家の前の水田作業のためにしていくものです。
途中の野菜畑で、ナビはコーンをもぎました。ここも体験場で、もいだコーンは農場でゆでてくれます。畑には紅オクラ(花がきれいです!)、とうがらし、日本にはない紅鳳菜がありました。この野菜はニンニクとゴマ油で炒めるとおいしいんです。ワラビもあったし、漢方の川七という野菜も。パッションフルーツはたわわに実った果実と花も!カゴも貸してもらえるので、後で食事も農場で済ます予定なら、採った野菜を農場で炒めてくださいと言えばそれもOKなんです。
蝶の観察
農家の前には、蝶が飛んでいました。このぶどう棚のようなところに伸びる植物は毒があるそうで、毒があるところを好むこの蝶も毒蝶なんです。さなぎはキラキラと光る金色で、幼虫は鮮やかな配色、羽はご覧の通り白と黒がくっきり。美しいものには毒がある…。
田植え
田んぼでは、田植えを教えてくれる先生がいます。中腰になって、3房くらい掴み、田んぼの中にぐっと植えつけます。泥の感触にちょっと感動。腰は疲れるけど、やり出したら止まらなくなるかもしれません。手に持った苗が全部植えられたときは、充実感が味わえます。隣には緑の整然とした田んぼがあったので、初めてでもこんなにきれいに植えることが出来るの?と聞いたら、それは、全部先生が後で直したものだそう。どおりで、体験者用の田んぼはクネクネしていました。
農作業の後はブランチ
田植えが終ったら、昔の台湾の農家を再現したうちをちょっと拝見。台所、お風呂、ご飯を食べるところ、ベッド・・・ベッドの下の囲炉裏は、昔新婚夫婦が火を灯した後ベッドの下に入れて、寒い冬を過ごしたものだそうです。
農家の横には脱穀機があって、試しに動かしてみました。昔はすべて手でやってたんですよね。わ~疲れる~。
昔の農家の人たちは、朝の4時、5時から作業を始めました。だから午前9時過ぎには、まずブランチ、その後お昼、おやつ、夕食と1日5食していました。体を動かしっぱなしですから、お腹は空きますよね。ナビたちは大した労働をしていないのに、食べるのは体験しまくり。緑豆と細い白い米苔目のカキ氷の具に甘味と氷をかけて食べると気分もさっぱりしました。この場所で必ず食べなきゃいけないのは、鼎辺坐。日本はない食べ物ですね。ここでは、昔ながらの調理場で作ってくれます。まず在来米と片栗粉を3対1で溶かします。ダシとしいたけ、葱が入ったスープが湧く中華なべのふちにこの溶かしたものをかけ、固まったら切りながら中央に落として、お玉でかき混ぜます。これを各自が碗に入れて食べるのですが、おいしい!農場のオーナーの卓藤さんは、もう80近くになりますが、毎朝ここまで歩いてきて、大好物の鼎辺坐を食べるのが日課だそうです。他の場所でも食べてみたけど、ここのが一番、これを食べなきゃねと、ニコニコ笑顔で話してくれました。この日は卓さんと台湾農業経営管理学会の名誉理事長である林梓聯さん、日本語世代のお二人が、ずっと日本語で案内してくれました。
食べ物がおすすめ
ナビたちは、先ほど「蔵酒酒荘」という農場内の酒造所+レストランへも行ってきました。卓さんの息子さんが経営する酒料理レストランで昼食を済ましおしゃべりをした後、再び頭城農場の広場に戻りました。帰り際にサルフサービスで、またしても切仔麺を食べました。自分で麺と野菜を網に入れて湯がき、その後そぼろ肉を掛けるというもの。スープにしてもスープなしでもいいですし、団子を足すともっと美味。ワンタンスープもありました。卓さんはワンタン麺にして団子も入れて食べていました。ここの農場の食べ物は、本当にどれもおいしいんです!隣にはアズキや仙草、芋圓などのスイーツもあり、これもセルフサービス。ハーブ茶も自分で作ってくださいというので材料が置かれています。レモングラス茶はいい香りがしました。
★夕食は野外バーベキューで、あちこちにバーベキュー用テーブルがります。
ショップ
農場まで来ると、お土産もほしくなります。ここでは野放しになっている鶏の卵も売っていて、日本へは持って帰れませんが、台湾の人たちはよく買っていくそうです。自家製冬瓜の漬物を米粕も加え、ちょうど瓶詰めにしているところを見ることができました。もう一つよく売れるのがかなり辛い「干し小魚」。ご飯につけてもいいし、台湾では、よく炒め物をする時にちょっと加えて、若干ピリ辛味にするそうです。
ここの農場では遊べるもの、おいしいものがいっぱいあって、あっという間に1日が過ぎてしまいました。またぜひ行ってみたいです!
台北ナビでした。