東隆宮(屏東県)

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信心深い東港の人たちにとって、東隆宮は信仰の聖地ともいえる場所なのです

こんにちは、台北ナビです。
台湾南部の屏東県、大鵬湾というエリアに来たら必須の観光スポットは「東隆宮」です。東港の中正路にある東隆宮で、主に奉られているのは「溫王爺」。信心深い東港の人たちの心のよりどころとして、生活上欠かせない信仰の地がここ「東隆宮」なのです。

2018年は10月28日です

王船が置かれている建物。誰でも見学できます

王船が置かれている建物。誰でも見学できます

この東隆宮、3年に一度旧暦の9月に行われ8日間続く「東港迎王平安祭」では、爆竹が鳴り、信徒たちが熱心に祈る様子が見られます。厄除けと幸福を願い、清の時代から伝わるこの祭典は「迎王」といい、王をお迎えする儀式(またの名を「迎王祭」「王船祭」とも)。台湾中に知られ、この時期お祭りを観るために、国内外から多くの人たちが東港を訪れます。重要な儀式は造王船・請王・過火・境内巡回・遷船・送王で、一番の見どころは、最終日の「送王」。何百万元もかけて作られたという荘厳な王船に、火が投じられるところです(が、燃える火が災いを持ち去ってくれるため、地元民は火が放たれるやいなや、くるりと王船に背を向け、後ろを振り返らず早々にその場を立ち去るのだそうです)。
東港人は東隆宮を「王爺廟」と呼びます。「王爺廟」は温府千歲(溫王爺)を奉っています。溫王爺の名字は溫、名は鴻、字は德修。そして、東港人は温王爺を「王爺公」と呼び親しんでいます。「王爺公」は唐朝太宗の時代に功を成し、皇帝より進士と見なされ、倭寇を抑えたことで王爺とされました。太平の世でも天下巡行を行い、功を成した進士たち36人とともに海に身を投じて滅びたことで、「天に代わって守る」位が与えられました。
海難に遭わないよう出航する船の安全を守っていることから、漳州と泉州出身の人々からは、特に敬われています。康熙45年(1706年)には、東港の海から大量の木材が岸に打ち上げられましたが、木材には「東港溫記」の字がありました。信者たちは溫王爺の神意を感じ、それらの木材で「溫王爺廟」を建立。王爺を信じる者たちのところに王爺は福をもたらし、「東」港が興「隆」(栄える)となり未来の希望をもたらすとして、信者たちは「東隆宮」と命名しました。
東隆宮の建築様式で特筆すべきは、金箔が貼られた正門にある三川式牌楼。日中でも夜でも豪華絢爛に輝く姿は目を引きます。特に夜のライトアップは美しいのです。この牌楼は、台湾で最大の黄金の牌樓と言われ、王爺の権威を象徴しています。
夜

日中

日中

広場の左右にも門があり、銅像も置かれています 広場の左右にも門があり、銅像も置かれています 広場の左右にも門があり、銅像も置かれています

広場の左右にも門があり、銅像も置かれています

ある日の夜もお祭りで、台湾各地から信者さんが来ていました ある日の夜もお祭りで、台湾各地から信者さんが来ていました ある日の夜もお祭りで、台湾各地から信者さんが来ていました

ある日の夜もお祭りで、台湾各地から信者さんが来ていました

中へ入ってみましょう!

各所の見事な彫刻 各所の見事な彫刻 各所の見事な彫刻

各所の見事な彫刻

「溫府王爺千歲廟」には、ほかにも玉皇上帝、太上老君、觀音佛祖、南斗星君、北斗星君、水遷尊王、制字先師倉頡、至聖先師孔子、亞聖孟子、祝生娘娘、境主尊神、太歲星君、福德正神などの神様がいらっしゃいます。
温府千歲の刺繍の奥には王爺がいらっしゃいます。毎日たくさんの供物が置かれています

温府千歲の刺繍の奥には王爺がいらっしゃいます。毎日たくさんの供物が置かれています

2階へ上がると

2階へ上がると

至聖先師孔子

至聖先師孔子

亞聖孟子

亞聖孟子

昔のジャンク船の模型も柵の奥に展示されています、必見

昔のジャンク船の模型も柵の奥に展示されています、必見

内部には興味深いものがたくさんあり、神秘的な古銅鐘が残されているんです。この鐘は1927年に作られたのですが、第二次世界大戦中鉄不足になった日本政府により回収され熔化しようとしたのですが、どうしても熔けることができず、また東隆宮へ戻されたということです。
門神も黄金色

門神も黄金色

融けなかった古銅鐘

融けなかった古銅鐘

観音様もいらっしゃいます

観音様もいらっしゃいます

王爺の裏側には観音様の池がありました 王爺の裏側には観音様の池がありました

王爺の裏側には観音様の池がありました

東隆宮で特筆すべき「祭改」

いわゆる民間では「改運」(悪い運気をよくする)ということが行われます。
東隆宮ではそのことを「祭改」といい、「大改」と「小改」に分かれます。決まった時間に行くと、東隆宮の門の前で班頭の祭改を受けている人々を目にすることができます。「班頭」というのは世襲の職務であって、現在は経験を積んだ班頭が交代制で行っています。深い藍色の制服を着て、頭には傘を被っているのですぐ見つけることができます。
いわゆる「大改」というのは、信者が罪深きを認め、擲筊(半月型の『神杯(センペイ)』と言われるもの)を投げて、王爺に指示を仰ぎ、杖或いは鞭で打たれることで罪業を消し、運を変えるというものです。
男の信者は地面にうつぶせになり、大きな板か二の板で尻を打たれます。
大板で一回打つことは100回打たれたことになり、二の板で一回打たれると10回打たれたことになります。女性の信者で未婚の場合は紅の鞭、既婚の場合は黒い鞭で手のひらを打たれます。一回打たれることは10回打たれることになります。子供たちは鞭で手のひらを打たれ、一回は1回になります。
「小改」は王爺に健康であることを願うもので、班頭は希望者の姓名を念じた後、号令をもって旗を18回前後に振って終了とします。
向かって左の出口付近に見えますか?

向かって左の出口付近に見えますか?

祭改の道具がありました

祭改の道具がありました

男性と女性の「大改」「小改」の様子です 男性と女性の「大改」「小改」の様子です 男性と女性の「大改」「小改」の様子です

男性と女性の「大改」「小改」の様子です

東港は漁業の町

漁業で成り立っている東港は、造船技術が高いことでも知られていますが、この造船技術は日本が伝えたものです。興味がある方は、「漁業文化展示館」へも行ってみましょう~!
さて、「王船祭」の期間は、宮の祭り事以外に最終日に王船を燃やす儀式で祭典はクライマックスとなるのですが、「王船祭」が行われる1年ほど前には、祭りの最終日に燃やされる王船はもう完成して、広場の一角の建物に展示されています。この王船も一見古くから伝わってきたような見た目ですが、やはり日本の造船技術が取り入れられて、モーターを装着すれば、実際海に出て走らせることもできるそうです。
船の製作には約4か月を費やし、祭り開始1年前には展示されています。前方の〇の中にはその年の姓が入れられる予定

船の製作には約4か月を費やし、祭り開始1年前には展示されています。前方の〇の中にはその年の姓が入れられる予定

船の中の構成や祭りまでのスケジュールが書かれています 船の中の構成や祭りまでのスケジュールが書かれています 船の中の構成や祭りまでのスケジュールが書かれています

船の中の構成や祭りまでのスケジュールが書かれています

船内には各種家具、浴室や台所、トイレ等の設備ほか、羊や豚、鶏など家畜の小屋もあります 船内には各種家具、浴室や台所、トイレ等の設備ほか、羊や豚、鶏など家畜の小屋もあります 船内には各種家具、浴室や台所、トイレ等の設備ほか、羊や豚、鶏など家畜の小屋もあります

船内には各種家具、浴室や台所、トイレ等の設備ほか、羊や豚、鶏など家畜の小屋もあります

ノアの箱舟のようですね ノアの箱舟のようですね

ノアの箱舟のようですね

美しい絵が描かれています 美しい絵が描かれています

美しい絵が描かれています

「東隆宮」の周辺

地元民が集まる宮の周辺には、おいしいものが集まっていて、「龜苓膏(亀ゼリー)」で有名な「東隆堂」本店があります。また、「冰の家」は、東隆宮に向かって左のかき氷屋さんで、屏東の美味しいマンゴーアイスも食べられます。季節のフルーツを盛ったかき氷が美味しかったですね。以上、台北ナビでした。
亀ゼリーや

亀ゼリーや

仙草茶で有名な店

仙草茶で有名な店

かき氷屋さんもすぐ横

かき氷屋さんもすぐ横

おいしかったです

おいしかったです

記事登録日:2018-01-25

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2018-01-25

スポット更新日:2018-01-25

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