民宿を取り巻く風景にうっとり、金門の小吃も満喫、どこをとっても異国のような気がしました!
ナビたち一行5人が泊まったこの民宿「珠山将軍第」、かつては薛将軍の住居で全室4部屋、キッチンも自由に使用できます。ロフト式の2人部屋2つと1人部屋に分かれて宿泊。ロフト式は家族で6人くらいまでは泊まれる広さです。昔の間取りをそのまま使い、伝統的なものは保留して修復。こちらの管理人さんはフランスでアートを学んだとかで、淡い黄色の花柄のダイニングテーブルや水色と赤のソファが中国式インテリアにうまく調和しています。中庭がなんとも素敵。部屋のドアや狭い階段はそのまま。ナビが気に入ったのは浴室のタイルに埋め込まれていた中華風の花。赤と緑、きりりとした金門の色彩を表しています。
珠山将軍第 金門珠山20号 電話:(082)372-866
朝方、珠山を散歩しました
昨日は夜遅く民宿に入ったので、周りの風景が全く見えなかったのですが、朝正門を出てみてびっくり。前方に大きな池があり、その向こうは統一性のある中国式の家屋が立ち並び、眼前に山水画の世界がぱっと広がったようです。ヨーロッパの町並みはどこをとっても絵になるようなところが多いですが、台湾は古いものに新しいものが変に混じったりして、「完璧に古くて美しいもの」に出会えることがなかったのですが、ここ金門には残されていました。そして、人の声がしたかと思うと、三角の農民帽をかぶったおじさんが、家屋から出てきた人に「おう、おはよう!」なんていいながら、リヤカーのような手漕ぎ車に藁みたいなのを乗せて押していく様子がナビの視界の左から右に抜けていき、一瞬タイムスリップしたかのような錯覚に陥りました。旧式の自転車を漕いでる人もいましたが、この情景を破壊するであろうバイクに乗ってる人なんていません。一体ここは台湾なの?
1991年以前は、台湾人もビザを取って金門へ行きました。もちろん中国から金門へ来ることもできなかったので、金門は閉鎖的な島でした。ナビの感想ですが、現在30代以上の金門人同士は結束力が固く、台湾人にはフレンドリー。しかし、外国人にはまだ警戒心を抱いているような感じがしました。台湾人は人懐っこくて、ナビもすぐ仲良くなれますが、金門人は台湾人とはちょっと違う、大陸に近い人だという印象を受けました。
慢漫民宿 金門珠山75号 電話:(082)372-866(珠山将軍第と同じ)
「薛」という名字を持つ人たちの村なので、「薛」氏のお寺があります。裕福だったことを表すように、お寺の彫刻は非常に精巧で、きれいに彫られています。凹凸を見ると、年月だけでなく、費用も相当かかったことが見てとれます。
金門小吃のうまさ
昨日は小吃にありつけなかったので、今朝は民宿の広東粥を少しいただいた後、金門県で一番にぎやかな市場があるという金城鎮へやってきました、昨日のお祭りもこの近くでした。ナビたちは模範街という台北県の三峡を思わせる老街を歩きました。ここは大正時代に立てられた街並みが残され、大正壁と言われる壁を見ることができます。ネギ餅が有名なお店がありますが、なんと午前中なのに、すでに予約注文でいっぱい、残念ながらありつけませんでした。少し先には「毛沢東」グッズのレストランがあり、ここは午後開店。
兵隊さんがいました
模範街を抜けて右に曲がったところに、金門一おいしい油條の店がありました。おばちゃんたちが忙しく働いています。ここは午前中に来ないと午後はもうありません。ナビ一行の記者の人が、ここの油條でこの先にある広東粥の店で食べたら最高、と話してくれたので、皆油條を手に先を急ぎました。
和記油條店 金門金城菜市場路46号 電話:0911-671-579、(082)320-609
衛兵署前にある広東粥の店「聯成広東粥」、金門に来て海鮮を食べないわけには行きません。ナビたちは海鮮広東粥と牡蠣の麺線を頼みました。う、うまい!先ほどの油條をちぎり、浸して食べると、これぞ美味の境地!
聯成広東粥 金門県金城鎮莒光路26巷16号 電話:(082)328-994
市場内にある「邱良功母節孝坊」。台湾で現存している牌の中で最も華麗で荘厳だと言われています。左側に色が着いた獅子が一頭いますが、邱良功の母の化身と言われていて、住民からは守護神として崇められています。
市場内に廟がありました
|
|
ここも油條売ってます
|
|
麺の店
|
酒屋さん
|
|
ここも老舗のお粥やさん
|
|
仏壇用品の店
|
街歩きだけで、半日は楽しめそうです |
港へ
おいしいものを食べて、幸せな気分になったナビたちは、小金門へ向かうため港へ向かいました。船は7:00~21:00の間、30分間隔で1便出航。約15分~20分で着くことができます。船はバイクも乗れ、コーリャン酒など荷物でいっぱい。
ここは「小三通」専用
アモイ行きの「小三通」の港内を覗いてみました、こちらの方は荷物がもっとすごい。やはり30分に1便出ています、本当に中国がすぐそこなんだと実感しました。
広い!
|
|
便数は30分に1便
|
|
中国から着いた人たち
|
中国へ渡ってみませんか?日本人はノービザなのですぐ乗れます |
「小金門」の島めぐり
港の船を降りた所に、行きも帰りも同じ兵士3人がずっと立っていました。何の任務?と同行の人に聞いたら、ずる休みを取って逃げている兵士がいないかどうか監視しているとのこと。厳しいですね。もし捕まったら、どんな罰があるんだろうと考えてしまいました。さて、島巡りは自転車で一周もできるし(約20キロほどらしい)、2時間で4ヶ所回ってくれる運転手さんもいます。4時間かけると、小金門島のほぼ主要な観光地は全て回れるそうです。ところで、運転手さんはほとんどおばちゃん、島には就業の機会もあまりないので、タクシーの運ちゃんをしているそうです。途中ナビたちの運転手さんが変わり、あれ?と思ったら、先のおばちゃんは家の用事(拝拝だそう…)で帰ったから、後は私が引き継いだのって。なんだかアットホームですね。
猫公石濱海休憩区
ここの石は鉄分を持つため、海水に打たれ茶色に変色しています。ここの海岸からはアモイがもっと近くに見えました。約5Kで対岸だそうです。遠泳のコースにもなりますよね。その昔はバスケットボールを体にくくりつけ、中国大陸へ亡命?した台湾の著名人がいたそうです。当時は大変なニュースになったそうで、その間数年、金門では球技が禁止されたそうです。今は?将来遠泳レースとかしないのかな…?。
ほら、アモイはすぐそこです
タロ芋掘りに行きました
小金門の名産は芋頭(タロ芋)です、9月はタロ芋一番おいしい時期で、お祭りもあります。有機農業を行っている方の芋畑にお邪魔しました。こんなに大きなタロ芋が採れるんですね。
小金門の美食はここにあり
台湾産なのに金門でしか買えない缶詰
タロ芋を見た後は、タロ芋料理を満喫。最初はカボチャ、貝柱、干しハマグリ、タロ芋、シイタケが入ったご飯。
そして、タロ芋団子や揚げたもの、煮た物が出てきました。ナビがおいしいと思ったのは、牡蠣料理、今の牡蠣は小さいといっても、とてもおいしかったです。もちろん牡蠣スープもそうだし、最後に食べた芋アイスクリームは最高でした。金門には、台湾本土にない食材もあります。たとえばこの豚肉の缶詰。肉が少ない金門で、軍人さん用に作られたものですが、金門の家庭では麺や野菜を炒めたり、ちょっとした料理によく使うそうです。生産地は台湾雲林県なのですが、台湾本土では売られてなくて、金門への輸出用のみ。大きい缶は180元。
黄厝三層楼 小金門黄厝23-1号 電話:(082)362-415
勇士堡
お腹が満腹になった後は、かつての要塞に入ります。ナビはこういう細い迷路は苦手なので、昔の兵士さんの辛さを思うと大変だっただろうなあと、戦争はあってほしくないと切に思います。
鐵漢堡
歩いていると、ベトナムのベトコントンネルを思い出しました。ガイドさんが前を歩いているのでついて行けばいいですが、もし1人で来たら・・・と考えただけでゾッとします。グルグル中を回って、外に出られないかも。
金門名物のお菓子と言ったらこれ!
左側にお店が見えます
小金門へ来たら、必ずと言ってもいいほど、お土産で買うのがここの竹葉貢糖でしょう。1960年創業の貢糖の有名店「金瑞成貢糖廠」はほとんどが手づくり。ここでは、お酒も売っているし、ビーフジャーキーなども買えます。
金瑞成貢糖廠 小金門西路35-1号 電話:(082)363-389
台風が近づいているというので、ナビたちは港へ急ぎます。帰りの飛行機は1時間早めました。2010年現在、金門への飛行機は、立榮航空、復興航空、華信航空の3社。3月から5月の春は霧、夏から秋は台風などで、よく欠航することもあります。1泊2日の予定が3泊になって、慌てて現地で衣類を買い足したという話も聞きました。金門空港は無線が繋がるレストランもあり、おみやげやさんも充実しています。飛行機は2時間以上遅れましたが、やっと台北へ戻れる!機内でおしゃべりしていたら、あっという間に松山空港に着きました。
★金門(大金門)は、車をチャーターしたら、1600元/1日(5人以下)、2000元/1日(9人以下)で運転手さんがガイドも兼ねて回ってくれます。お問い合わせは、0911-627-632.他にも大新小客車(082)324-128、バイクレンタルなら、金馬租車(082)324-518など数社あります。