台北最強のパワースポット「龍山寺」!ご利益で有名な寺で“拝拝”
こんにちは、台北ナビです。
今回は、台湾に来たからにはぜひ訪れたい観光名所のひとつ、「龍山寺」をご紹介します。
ここは創建約270年の台北で最も歴史のあるお寺で、凝った装飾が施された建築物は一見の価値あり!そしてなにより、願い事をすればご利益があるとして、地元の人からも厚い信頼を受けています。拜拜の日(旧暦の1日と15日)やお正月は参拝者で境内が埋め尽くされ、身動きもとれないほどの盛況ぶりです。
さあ、あなたも願い事を胸に秘めて、“台北最強”のパワースポット龍山寺に行ってみましょう~!
龍山寺は、MRT「龍山寺」の出口1を出てすぐのところにあります。 この辺りは萬華地区と呼ばれる台北市でもかなり古い街で、仏具街や薬草街、骨董街、伝統市場などが連なります。駅や寺の周辺は、おしゃべりをしたり、将棋をしたり、さらに賭け事をしたりするお年寄りの方が溢れ、下町の風情がかなり濃厚。「雰囲気がちょっと怖い…」と敬遠されがちですが、“台湾らしい台湾”を見られる絶好の場所かもしれません。
龍山寺のすぐ横には「青草茶」のお店がたくさんあります。
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暑い日には青草茶で体のほてりを沈めてみては?
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漢民族の移民によって創建された龍山寺
龍山寺正面の外門
龍山寺は清時代の乾隆3年(1738年)、大陸福建省泉州から渡ってきた漢民族の移民たちによって創建され、福建普江安海龍山寺の分霊を迎え入れました。
その背景には、漢民族が台湾北部へ移民してきた当時、あまりにその土地の環境が悪く、「三在六亡一回頭」(移民してきた10人のうち3人が残り、6人が死亡、そして1人は帰国)の状態だったことがあるようです。龍山寺には、移民たちの「神様に保護していただけるように」という切実な想いが込められているのです。
見所いっぱいの「中国宮殿式廟宇建築」は必見!
前門
前門の左手が出口
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右手が入口
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間違えないように注意しましょう! |
正面の門を入ったら、まず右手にある入り口へ向かいましょう。このお寺は入り口と出口が決まっていて、右手の入り口「龍門」から境内に入って参拝。その後、左手の出口「虎門」から帰る、という流れが決まっています。間違わないように、地元の人の流れに付いていきましょう!
境内の総面積約は1800坪で、御本尊を祀った本殿を中心にして、周囲に前殿、東側の鐘楼、後殿、西側の鼓楼が配置されています。それらは渡り廊下で繋がっていて、上から見ると「回」の字の形をした構造になっているのが特徴です。
建物はこれまで災害や戦争の影響を受けて、何度も改修工事が行われています。なかでも、1919年の大改修工事の際に取り入れた『中国宮殿式廟宇建築』は必見!随所に目を見張るような細工が施されています。
建築物必見ポイント①銅雕龍柱(本殿の前方)
本殿前方の左右に配された一対の「銅雕龍柱」。
1920年代の作品で、台湾では石製の柱が一般的ですが、台湾唯一の銅製の龍柱だそうです。立体感溢れる龍が見事に表現されています。
建築物必見ポイント②中殿藻井・三川藻井(本殿の天井)
残念ながらこの写真では映しきれていませんが、ぜひ本殿の天井に注目してみてください!
本殿の天井を見上げて見てください。中殿藻井は、龍が螺旋を描いて天に昇っていく様が精緻に表現してあり、まさに圧巻!仏教の「人生輪廻」を意味しているそうです。そして八角形の三川藻井は細工が幾層にも重なり合って広がり、美しく広がる蜘蛛の巣のようです。
とても芸術性の高~い建築物で、このほかにも見所いっぱいです。国家古蹟にも指定されていますので、建物にも注目してみてくださいね。
こちら龍寺山の御本尊は、本殿の正面にいらっしゃる聖観世音菩薩(観音様)。第二次世界大戦終戦間近の民国34年(1945年)、アメリカ軍の空襲によって石柱までも全壊するという惨事に見舞われましたが、この木造の観音様だけはその被害を逃れ、無傷でいらっしゃいました。そのため、地元の人は観音様の膝元は安全だと信じ、空襲がある度に観音様のそばに駆けつけて避難したそうです。
激しい空襲のなかでも避難者に負傷者はなく、そのご利益から地元の人に今でも厚く信仰されています。本殿には観音様のほかに、文殊菩薩、普賢菩薩、十八羅漢、韋馱護法、文殊菩薩が祀られています。
道教の神様が祀られる後殿
本殿に祀られているのはすべで仏教の神様で、一方の後殿には主に道教の神様が祀られています。こちらは学問や商売、子宝、恋愛などそれぞれの分野によって分かれています。
祀られている神様は、
文昌帝君、大魁星君、紫陽夫子、馬爺、天上聖母、太陽星君、太陰星君、註生娘娘、池頭夫人、十二婆者、水仙尊王、城隍爺、龍爺、福德正神、關聖帝君、三官大帝、華陀仙師、地藏王菩薩、月老神君
ものすごい数の神様です。
このなかから、地元の人から特に厚い信仰を寄せられている神様をピックアップしてご紹介します。
「准考證影本放置處」
「文昌帝君」は学業と試験の神様です。台湾の受験シーズンの5~6月になると、たくさんの受験生やその保護者が詰めかけます。
合格祈願は神様に名前と住所、生年月日を告げて、「○○に受かりますように!」と願い事をし、神様の前にある「准考證影本放置處」に受験票のコピーを投函します。とても具体的で、神様にも願いが届きそうですね。
学問の神様へのお供え物
そして、お供え物にもそれぞれ意味があるのがまた興味深いところ。たとえば、学問の神様へのお供えものは決まって「ネギ、大根、包子」。
これらの中国語の発音は、「賢い」や「(合格を)保証」の中国語の発音に似ていて、縁起をかついでいるようです。
「註生娘娘」は子宝と安産、そして子どもの成長を守る神様です。特に子宝のご利益が有名で、神様の前には出産後のお礼参りで送られた蘭の花がずらりと並んでいます。
じつはナビもこの神様に拜拜してすぐに妊娠しました~。しかも2回!ご利益は証明済みですので、「子を授かりたい!」という方はぜひお試しください♪
こちらのお供えものには、妊婦さんが産後、滋養のために食べる「麻油雞」も登場するとか!場所が違えばお供え物もいろいろ。ちょっと台湾の文化や習慣が垣間見られて、面白いです。
恋愛の神様「月老神君」
女子最大の関心ごとといったら、やっぱり恋愛でしょうか?!
こちらの「月老神君」は、良縁を司る神様です。ナビが取材で訪れた日も、この神様の前は女子たちで大変賑わっておりました!ここで“正しく”願い事をすると、神様から
「運命の赤い糸」をいただけます。お財布に入れて身につけておくと御利益があるそうで、運命の人に出会えたり、意中の彼と結ばれたりするかも!?
※恋愛の神様の詳しい参拝方法は「龍山寺龍山寺で拝拝(中国語で拜拜と書き、バイバイと読みます)!参拝方法とおみくじの引き方」をご覧下さい。
売店ではお守りをはじめ、数珠や絵はがきを販売
寺の出口付近には、お守りや数珠、絵はがきなどの売店があります。健康や仕事のお守りからペットのお守りまで、多岐にわたって豊富に用意されています。
地元の人からの厚~い信仰
こちらのお寺、台北在住のナビも機会があるごとにお参りさせていただいています。その度に思うことですが、境内にはいつも熱心にお経を唱える地元の人がたくさんいらっしゃり、厚く信仰されているのだなと実感します。
36度を越える真夏日もじっくりと腰を据え、何時間もお経を読み続ける方々に脱帽するとともに、このお寺のすごさも感じずにはいられません。
訪れるたびに元気をもらえる、台北最強のパワースポット「龍山寺」。 みなさんも願い事を胸にぜひ訪れてみてくださいね。
以上、台北ナビでした。