台湾大好き漫画家が、台湾各地に残る「日本」を突撃取材!
こんにちは、大原扁理です。
台湾に移住したばかりのころ(2016年)、当時中山にあった台北ナビに行ってみました。台北ナビには、『ナビマガ:旅とりっぷ』というフリーペーパーが置いてあったり、インターネットコーナーやお水・お茶、テーブルが用意されていて、観光客でも自由に使えるスペースがあったんです。そして窓際には、台湾関連書籍がずらりと並べられていて、そこで知ったのがおがたちえさんでした。
おがたちえさんは台湾大好きの漫画家さん。これまで台湾関連のマンガを多数出版されているほか、台北ナビの「ナビファミリー」のキャラクターデザインも担当されています。
台湾の歴史に材を取った一般書はたくさんあるけど、そこまで読み通せる気がしない、でも知りたい気持ちはある……という方にも、マンガでなら読みやすいですよね。
最低限の必須情報を押さえつつ、イラスト・写真・地図も織り交ぜて、歴史だけでなく定番のグルメも、観光スポットも、そして台湾人との交流まで(←個人的にこれは絶対ハズせない!)、ざっくりとですが偏りなく紹介されているので、本はあまり読まないという人や、台湾にはじめて触れるという人にもピッタリの、台湾歴史・文化・そして人間ガイド本なんです。
台湾の歴史もマンガでさくっとわかる
都市別に歴史&文化を探訪する!
目次はこんな感じです
この本では、大きく分けて、台北・台南・台中・高雄の4都市を紹介しています。
さらに小テーマごとに、「歴史建築」「温泉」「裏道グルメ」「八田與一と烏山頭ダム」などなどに分けられ、好きなところから読んでももちろんOK!
写真もたくさん交えて紹介しています
個人的に超共感のひとコマ
台湾大好きおがたさん、実はこのマンガを書くまで台湾に日本統治時代があったことすら知らなくて、何度も台湾に来ては変身写真を撮りまくり、グルメを食べまくっていたそうで(笑)。
つまり、ふつうの日本人観光客と同じところからスタート。ということで、読む前の敷居が徹底的に低くしてあるのもよかった。
テーマを忘れて美食に走ってくれるおがたさんのおかげで台湾のおいしいもののイラストも楽しめます!
「台湾に残るなつかしい日本を探す旅」というテーマですが、放っておくとすぐ美食に走ろうとするおがたさんを、担当編集の花さんが首根っこつかまえて歴史&文化探訪へ引きずっていくというやりとりがツボでした(笑)。
かと思えば、台湾映画のマニアックな知識をとつぜん炸裂させ、担当編集がついていけないという事態も!
名脇役・担当編集の花さんとのやりとりも楽しいです
ガイドブックではカバーできないものが読める
随所にさしこまれる台湾トリビアも魅力
ところで私も台湾では旅行ガイドブックの取材のお手伝いをしていますが、日本人向けのガイドブックは客観的な「情報」を伝えることに主軸が置かれていて、主観的な意見や個人的体験を書く余地はあまりないんですね。
ビジネスライクな他の国ならそれでもいいんです。でも、台湾では仕事をはみ出して、感情を揺さぶられる親切や人情に必ず出会います。「これを書けないのがもったいない……」という瞬間がある。マンガだと、そこがしっかり書けるのがうらやましい!
とくに池上一郎博士文庫を訪れたときの、日本語世代の方々とのやりとりは、読んでいるこちらまで胸が熱くなります。
台湾人とのふれあいは熱量高めです!
台湾旅行は、行ってなぞるだけでは終わりません。ガイドブックからこぼれてしまう台湾人との交流が、他の国とは比較にならないほどたくさん起こります。
「おがたさんは、マンガの取材だから親切にしてもらえたんでしょ?」と思うかもしれませんが、いやいや台湾ではこれがわりとフツー(笑)。
今度台湾に行ったとき、どんな出会いがあるかな……。そんな期待を膨らませてくれる一冊です。
【今回紹介した本】
『なつかしい日本をさがし台湾』(ぶんか社) 1111円+税 2014年8月1日出版
(※こちらのシリーズ第2弾『台湾で日本を見っけ旅』も好評発売中です!)
・おがたちえさんのTwitter
https://twitter.com/ogachinpa
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2021-05-11