苗栗と北埔で客家文化に触れました~
こんにちは、台北ナビです。
「中衛」さんと巡る客家とお茶文化を感じる旅2日目は苗栗や北埔を巡ります。さて、どんな旅が待っているのでしょうか?
客家文化を学ぼう!苗栗客家文化園区
客家委員会が肝いりで作った客家文化を学べる「苗栗客家文化園区」は、広大な敷地に建てられた2階建ての建物です。十分な敷地があるため展示物ひとつひとつの規模も大きく、ゆったりと作られているのが特徴で、展示物量の割に館内を歩く量はちょっと多くなるのでご覚悟を!また常時展示のほかに不定期に展示物が変わるので、何度来ても新たな発見があるそうですよ。展示物は客家の生活の様子や文化、独特の習慣などを模型や写真、映像を使用して分かりやすく展示されています。
また、客家とひと口に言っても実は客家語の発音、つまり出身地によって「四県腔」「海陸腔」「大埔腔」「饒平腔」「詔安腔」に分けられるそうです。また、客家建築も住む地域によって少しずつ変化が見られるのも興味深かったです。そして、客家といえば苗栗に多いのかと思いましたが、一番多いのは新竹だということにもビックリ!まだまだ客家文化は知らないことばかり…。毎日定期的に中国語ガイドが行われています。希望される方はHPで時間をご確認ください。
苗栗客家文化園區
住所:苗栗県銅鑼郷九湖村銅科南路6号(銅鑼科学園区内)
電話:(03)798-5558
FAX :(03)798-5991
開放:9:00~17:00
休み:月曜日
費用:無料
かなり広い!
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客家文化について熱く語ってくれたガイドさん
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各地の特色ある客家建築についての展示
台湾のスーパーでよく見かける「茶油」工場に潜入!
台湾でよく使用されていた「大統油」が表示していた成分とは違うものを使用していたとして大問題になりました。これを受けて、ナビは「じゃぁ、どんな油を使えばいいんだ…」と頭を抱えていたところに、この「茶油」を生産する「金椿茶油工坊有限公司」さんにおじゃまし、こちらの茶油は大丈夫かチェックしてきました!というより…正直スーパーでよく見るけど、実際のところ「茶油」って何なの?というところからスタートした無知なナビ。どうぞお付き合いを~。
茶油は簡単に説明すると「茶の種子から作られる油」のことで、東洋のオリーブオイルなんて呼ばれているそうです。なんでも、コレステロール値を下げる効果、動脈硬化や心疾患を予防する効果、便秘を解消する効果などがあると言われるオレイン酸がオリーブオイルよりも多く含まれているそうで、さらに茶カテキンの抗酸化作用のため、酸化しにくく品質が劣化しにくいというすんごい油!しかも茶の樹自体がとても強いため農薬を撒く必要なし!健康を考えている方にオススメなんですって。
茶油が輝いています!
茶油の素晴らしさを熱弁!
では、早速工場内へ!まずは油の元となる茶の種子を見せていただきました。茶の種子は一見大きいのですが、油として使える粒の部分は小さいそうです。そのため、茶油用の茶樹を栽培するためには広大な敷地が必要。台湾国内では大量の茶樹を栽培する場所の確保は難しいそうで、こちらの工場で使用しているのは中国産だそうです。樹そのものが強いため、農薬や肥料問題はないので、中国産でも安心してくださいとは今回案内してくださった陳総経理。茶の種子は1年に1度だけ実をつけ、手作業で摘み取られます。その後輸入され、こちらの敷地内で1週間日光浴⇒殻を割る⇒焙煎機で乾燥⇒人の目と手で不必要なもの(渋皮など)を取り除く⇒機械にて殻を完全に取る⇒冷凍保存⇒低温物理法により油を絞るという工程を経て油ができます。また、油を絞る段階では、その日出荷する分だけを冷凍庫から出すため、注文が入ったらその日に発送ということはできないそうですが、いつも新鮮な茶油を出荷することを心掛けているそうですよ。
油を絞ります!
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絞られた油はポンプで2階へと吸い上げられ、保管されています
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ナビも早速茶油を使ったお料理を食べさせてもらいました。すると、油を使っているのにさっぱりでヘルシー♪お値段は台湾物価に比べれば高額ですが、安心と健康を買えると思えば出せない価格でもありません。インターネット購入も可能ですが、誠品書店や天和生物でも取り扱っているので、見かけたら試しに購入してみるのもいいかもしれません!
金椿茶油工坊有限公司
住所:苗栗県三湾郷永和村3鄰石馬店18-3号
電話:037-831195
FAX :037-831422
E-MAIL:teaoil@mail2000.com.tw
隆源餅行の蕃薯餅(サツマイモパイ)は絶品!
元宝の形をした縁起もいいお菓子は新作!
じわじわと人気観光地となってきている「北埔」。
ここで100年もの歴史があるお菓子屋さん「隆源餅行」が様変わりした!と聞いてやってきました。こちらでは客家の方々が結婚の時に送り合う「喜餅」屋さんとしても人気で、客家伝統お菓子を取り扱うお店として観光客の方がお土産目的で訪れることも多いようです。店舗は総店と南興分店の2店舗。昔からの店構えとラインナップの総店は変わらずですが、南興分店はリフォームして、「今と昔」を上手にドッキングさせた店舗になっています。また品揃えもお土産仕様に小分けされているものなどが増え、便利になりました。
一番人気の蕃薯餅(サツマイモパイ)は、あまり焼かれておらず柔らかいパイ生地に、優しい甘さのサツマイモ餡が包まれていて上品なお味!そしてひと口食べると止まらぬおいしさ♪ナビ、ハマりました!日持ちがしないので、旅の終盤に北埔に来て買って帰って欲しいと思います。また、北埔でお茶と言えば擂茶の他に膨風茶こと東方美人も有名。日本統治時代、過労のためうっかり発酵をし過ぎてしまった茶葉がなんとも言えない独特の風味を持ち、そのお茶を飲んだ総督が感動し、市場の20倍以上もの値段を付けてすべて買い取ったという話から「膨風茶(膨風は台湾語で嘘つきの意味)」と名付けられたそうです。嘘のようなホントの話。今では東方美人という美しい名前で呼ばれていますが、北埔では今でも「膨風茶」と呼んでいます。もちろんこちらでも賞を獲得しているお茶を購入することができます。
隆源餅行総店
住所新竹県北埔郷中正路16号
電話:(03)580-2337
隆源餅行南興分店
住所:新竹県北埔郷南興街96号-1
電話:(03)580-5501~2
営業:10:00~18:00
E-mail:chun866@gmail.com
小分けパッケージでお土産使いにも便利
三代目の張宗文さん
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老街の中にあるのでかなりのインパクト
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蕃薯餅(サツマイモパイ)も気になるけど、これも気になる~
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パイナップルケーキ
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擂茶を楽しむならここに決めた!
「北埔」に来て、客家文化を体験するにはやっぱり「擂茶(中国語ではレイチャと読みます)」よね~と思う方は多いはず。老街でもたくさん擂茶の看板を見かけるし、どこで体験すればいいか迷うという方は是非「璞鈺商行」へ。擂茶は客家人がお客様を迎える際に出すお茶として有名ですが、その昔戦乱の最中、客家人は友人などを迎える際の茶葉がないほど貧しかったそうで、家の中にあった穀物やはったい粉、そして少し茶葉を加えて、すべてを擂(す)ったものにお湯を足してお茶としてもてなしていたのが始まりなんだとか。(※三国時代に疫病が蔓延した時に飲んだお茶という起源もあります。)元々は貧しさをしのぐためのお茶でしたが、時代が変わり健康が叫ばれるようになると、茶葉と穀物という低カロリーで栄養価の高い擂茶は「毎日3倍飲むと98歳まで生きられる」とも言われるようになりました。
観光客の方にとっては、自分で擂ってお茶を作れるという楽しみもありますよね!そこでナビも挑戦してみましたよ~。「璞鈺商行」では、茶葉や穀物などを1種類ずつすり鉢に入れて擂っていきます。この時、必ず順番を守り、ひとつずつきちんと擂りきるのが大切で、最後にちゃんと擂れていない物はお湯を足した時に擂り残しが浮かび上がってきてしまいます。ただ擂るだけと甘く見ていましたが、お店の方がOKをくれるまで時間のかかること…。グループ内で分担をしたり客家餅をいただいたりして何とか擂りきりましたが、ピーナッツの擂り具合が甘かったそうです。でも味はGOOD♪自分で擂ったら格別でした!
璞鈺商行
住所:新竹県北埔郷廟前街8号
電話:03-5802250
Fax :03-5968488
E-mail:letea@ms87.url.com.tw
営業:9:00~18:00
店構え
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調合済みの擂茶。味が整っていてうまし!様々な味がありますよ!
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花布に入れられた擂茶も
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用途によってパッケージや大きさが選べるのもうれしいですね
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テーブルの上にセッティングされた具材とすり鉢
茶葉
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白ゴマ&黒ゴマ
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ピーナッツ
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など順番に擂っていきます! |
使いこまれた擂り棒で…
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協力しながら擂っていきましょう♪
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今回は客家人が多く住むと言われる「苗栗」「新竹」を訪れてみましたが、どこに行っても、まずはお茶でもてなしてくれました。これぞ客家の「奉茶」文化なのだと感じました。
客家の方々は器用ではないけれど、一生懸命に客家文化や自分のお店の良さを熱弁してくださいます。そんな愛すべき客家文化に触れるとついつい笑顔になってしまうのはナビだけではないはず!ちょっと疲れたなぁという時には客家文化に触れてみてください。きっと癒されるはずです。
以上、客家文化の良さに目覚め始めたナビがお届けしました。