地元台湾人向けのバスツアーに潜入し、地元台湾の人達と一緒に高雄一日観光を体験しました!ライチ狩りも!
こんにちは、台北ナビです。
先日のとある台湾の新聞を読んでいたら、
「高雄一日農夫体験バスツアー参加募集」という記事が目に入りました。ナビは「地元台湾人のツアーって一体どんなのだろう?」という単純な好奇心から、申し込んでみることに。平日にもかかわらずキャンセル待ちでしたが運よく席が取れたので、参加して参りました。地元台湾人の観光客と行く高雄大樹ライチ狩りツアーは、ツアー参加者40名中ナビが唯一の外国人観光客、つまり地元人率98%という、台湾の雰囲気を味わうには打ってつけのシチュエーション。
果たして台湾人向けのバスツアーとは?地元の人達はどのように台湾を楽しんでいるの?日本人向けのツアーとの違いは?などなど、一味違った地元台湾人向けツアーの模様をお伝えします!
高雄市主催「農夫一日体験バスツアー」
ライチの出荷作業の様子。
最近台湾では農業や企業を観光地として一般の人達に開放することで、地域産業の活性化を図るといった施策が各地域で行われています。
ナビの住む高雄でも、高雄の農産物についてより多くの人に知ってもらおうと、高雄市農業局が「一日農夫体験バスツアー」を今年から実施し始めたそうです。
このツアーは高雄の主要農産物であるライチ、バナナ、パパイヤ、パイナップルといった台湾南部特産の果物農園を見学し、さらには自分でその果物を収穫もできるという、今流行りの体験型ツアーです。
集合場所は高雄左営駅
バスガイド添乗員さんも張り切ってます!
朝8時20分、高雄の玄関口である高雄左営駅前に集合。駅出口を出ると看板を持った人がいます。受付を済ませると団体ツアーでもらえる識別バッチを渡されました。
今日ナビが参加するのはライチの品種「玉荷包」の産地である高雄市大樹区を訪れ、ライチ狩り体験をするバスツアー。ナビはこの時期(取材時は5月末)にしかできないライチ狩りができるということ、また地元高雄市主催による、地元台湾人観光客のための農業体験ツアーとあって興味津々です。
到着するとすでにツアーの参加者が待っていました。
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ツアー参加者全員にツアーバッチがもらえます。
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バスの中
台湾語で話す元気なガイドさん。
出発後、まずガイドさんが自己紹介。
「みなさん、この中で台湾語が分からない人いますか~?いないよね?じゃあ僕は中国語より台湾語のほうが慣れてるんで、台湾語でしゃべりますね~」
と前置きしてから、その後は全て台湾語での解説に。台湾南部の人は方言である台湾語を話す人が多いのですが、こういうところから台湾南部の雰囲気が味わえますね。しかしガイドさんは台湾語なので、中国語しか分からないナビには、何を言っているのかよく分かりません。しかも今日のツアーのスケジュールとか、今からにどこへ向かうとか、そういったアナウンスもしていないようです。なんだかちょっと不安になる、というかミステリーツアーな感じ。でも他の台湾人のお客さんはお構いなしという様子。こんな所が日本人的感覚とは違います。
バスの中の様子。
さてナビが唯一の外国人ということで、ガイドさんから他のお客さんに向けて紹介されました。
ガイドさん:「さて本日、日本の方がいます!はい、手挙げて~!」
恐る恐る手を挙げるナビ。
と、皆の視線がざざーーっ!とナビに集中。
うわっ!そんな一斉に注目されるとなんだか照れるわ・・・。
ライチの村大樹区統領里村おこし
大きなライチの木。
バスに乗り30分ほどたった所で、辺鄙なところに停車しました。トイレ休憩?と一瞬思いながらも、トイレすら見当たりません。
しかし、向こうに大きなライチの木が見えます。さてはここでさっそくライチ狩りか?と思ったのですが、そうではなく、どうやらここ高雄市大樹区統領里がライチ産業で地域活性化を図るため村おこし計画を行っていて、その成果を見学するためにここに立ち寄ったようです。
高雄市大樹区統領社区発展協会理事長の王美香さんが案内してくれました。
ここで地域の村おこし協会の理事長さんやら、高雄市が呼んだ取材記者やら、わらわらといろんな人が登場してきました。ツアー日程に書いていない予定外の展開を目の前に、このノリはさすが台湾だ!と妙に感心してしまうナビなのでした。
壁には「農村再生執行成果」の文字が。
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ガイドのおばさん、暑すぎて芋の葉を日傘代わりにしています。この無邪気さが、たまりません。
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バスに乗り込み次はどちらへ行くのかと思っていると、今度はお寺に着きました。大きなお寺です。
ライチ狩りにはいつ行くだろうか・・・という一抹の不安を抱きながらもツアーの人達と共に階段を上ります。ここは台湾天壇、別名「文化院玄華山天壇」という大きな廟です。
階段をのぼり、廟につきました。とっても素晴らしい眺めです。風が心地いい~。
ここでもこの廟の管理者?であろう人が出てきてお寺の解説をしていました。
見学が終わった後、みんなで記念撮影です。最近ではパソコンの「いいね!」ボタンが流行っているためでしょうか、台湾では親指を立てるのがお決まりのポーズです。中国語では「讚!(ザン)」と言います。
1・2・3!「讚!(ザン!)」みなさん暑さにも負けずのりのりです。
文化院玄華山天壇
住所:高雄縣大樹鄉鐘鈴村88號之6
電話:(07)656-2501
お次は高雄市大樹区の観光地、佛光山仏陀記念館にやってまいりました。ここでは1時間ほどの自由行動時間があり、お昼の12時に集合とのこと。どうやらこのツアー、メインのライチ狩りは午後にやるようだということがこの時点で分かってきました。
なるほど、台湾のツアーはメインイベントを後に持ってくるんですね…。
ライチ狩りをいち早くやりたかったナビにとっては、このようなツアースケジュールはなんともモドカシイ…、と思いながらも気持ちを切り替えて、仏陀記念館を見学しました。
ここは2011年にできたところなんですが、敷地も広く、大仏の荘厳さもさることながら館内の設備、展示品もすばらしく、大変見ごたえがありました。
仏様に囲まれて・・・
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パワーをもらえる気がします。
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100ヘクタールという広大な敷地に立つ仏教建築物は必見。
佛光山仏陀記念館
住所:高雄市大樹區統嶺里1號
電話:(07)656-3033
公民館で高雄名産昼ごはん
お昼も過ぎてみんな待ちに待った昼ごはんの時間。
今日は大樹区統領社区の公民館で、大樹の農産物を使った料理をいただきました。写真のようにトレイに入ったおかずから自分の好きなおかずを好きなだけ取れるセルフサービス形式は「自助式」と呼ばれ、台湾の一般庶民レストランではよく見られます。
今日はこの地区の農産物を使ったレシピというだけあって、普段あまり見ない、変わったおかずが盛りだくさん。まず一番のアイデアレシピはこの地区で採れたライチを使った料理。
なんと魚団子の中にライチが入っているんです!同じくここで収穫されたパイナップルも野菜炒めに投入されています。また変わった食材として使われていたのが、芋の葉の茎の部分を炒めた料理。あの大きな芋の葉の下に伸びる太くて硬そうな茎が食べれるなんて意外や意外。
(左)芋の茎パイナップル炒め (右)たけのこのパイナップル炒め
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(左)野菜スープ (右)サツマイモの葉のパイナップル炒め
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右がライチ魚団子です。
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中にはライチが丸ごと1個!不思議なお味。
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特産品の販売もありました。
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公民館の広場ではライチの出荷作業が行われています。
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高雄市農業局のツアー担当者何肇偉さん。
昼ごはんを食べたあとの休み時間は、ライチの出荷作業を見学する人、買い物をする人、部屋中を駆け回る子供たち、机に突っ伏して昼寝をする人などなど…みな思い思いに行動しています。なんだかこの統一感の無い、騒々しさが、また台湾らしい…などと感慨にふけっていると、この主催者の担当者としてツアーに同乗した高雄市農業局の何さんがナビに話しかけて来ました。
無邪気な台湾の子供たち。
何さん:あんた、このツアーをどこで知ったの?
ナビ:新聞で見ました。××時報にツアーの紹介が載ってました。
何さん:あんた、中国語の新聞が読めるのか?
ナビ:はあ、大体。
何さん:へえ!漢字が読めるのか?
ナビ:あ、はい、読めます。日本語の中にも漢字がありますから。
よくある経験なのですが、ナビが「漢字が読める」というと、台湾の人からよく驚かれます。そしてナビは、驚かれるということに驚いてしまうのです。日本語の中に漢字があること、もしかして知らないのかな?と思いながら、楽しいおしゃべりのひと時はあっという間に過ぎていくのでした。
パイナップルのDIY教室
休み時間が終了し、午後はさあいよいよライチ狩りだあ!期待満々、やる気満々のナビ。
とそこへなにやらパイナップルが運び込まれ、係りの方がビンやら包丁やら準備を始めました。
え?ま、まさか?
何とこれからパイナップルを使った調味料作りのDIY教室が始まるそうです。
な、なぬぃぃい~~!!ライチ狩りはまだまだお預けか・・・
と若干失望するも、気持ちを入れ替え皆さんと一緒にDIYを楽しみます。
今日は台湾の家庭料理ではおなじみの調味料、そして先ほどの昼ごはんでも使われていた「陰鳳梨」を作ります。
「陰鳳梨」とはパイナップルを豆鼓と一緒に漬けたもので、台湾料理ではよくスープや炒め物の風味付けとしてよく使われている調味料です。
パイナップルの頭は下に向けて・・・
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そうそう、その調子!
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これをさらにぶつ切りにします。
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材料は左から豆鼓、パイナップル、ビン。
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パイナップルを切って準備ができたら、豆鼓、パイナップルを交互に詰めていきます。
じゃーん!できました!
こうやって見ると、パイナップルと豆鼓が狭いビンの中でひしめき合うその色といい、形状といい、決しておいしそうとはお世辞にも言えません。しかし3ヶ月間常温発酵させた後には、おいしく熟されていること間違いなし。3ヵ月後が楽しみです。
ここでも、また 「大樹のパイナップル、いいねっ!讚!(ザン)」
さあ、DIYが終わると、さあ、ついに本日のメインイベント!ライチ狩りへと向かいます!
ついに世界一のライチ「玉荷包」狩りへ!
ここ高雄市大樹区は世界一のライチの品種と呼ばれる「玉荷包」の産地で、台湾の「玉荷包」の約8割がここ高雄大樹で生産されているそうです。
「玉荷包」は別名グリーンライチ、ドラゴンライチとも呼ばれ、最近では日本へも輸出されています。
世界三大美女の楊貴妃が好んで食していたというこの玉荷包は肉厚で種が細く、果汁が多いのが特徴。
また糖度が高いので、殻が全体に真っ赤になるまで成熟させる必要はなく、やや緑を帯びた状態で殻の3分の1ほどが赤くなれは食べごろです。
また玉荷包の生産時期は、通常5月15日から6月中旬までの約3週間。
「黒葉」や「糯米」などの他品種よりも収穫期が早いという点もこの「玉荷包」の特徴だそうです。
ゴミではありません。ライチです。
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贈答用は箱入りです。
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おいしい~。その場で食べたら無料、持ち帰りは有料です。
この一日農夫体験ツアーは今年初めての試みということで、高雄市がプロモーションビデオを作成するんだそう。で、ナビは唯一の外国人ということで取材を受けました。
たくさん玉荷包を食べて大満足のみんな。最後に記念撮影。
「高雄のライチ、最高!讚!(ザン)」
高雄のライチ、最高!日本の皆さんも是非高雄へ遊びに来てください~!
再見~!(さよなら~)
ライチ狩りも無事終了。たくさんのライチをお土産に帰路に着きます。高雄左営駅に到着したのはちょうど17時半。
地元台湾人と行くバスツアーは、とにかく見学箇所が盛りだくさんで、内容が大変濃い!しかも台湾の人達はみんな元気!というのがとても印象的でした。またツアーのメインスポットを最後に行くというスケジュールの立て方が、日本人向けのツアーと違う所で、これもなかなか新鮮でした。また普段自分では行かないようなところ、会えないような人にもたくさん出会えたし、また農家の人達が日々どれだけ苦労して農作物を育てているのか、ということも分かりました。
高雄一日農夫体験バスツアーは今後も実施するそうなので、ナビはまたぜひ参加したいなと思いました。ナビ的には…バナナ狩りをやってみたいです。高雄市農業局の方には是非バナナ狩りを企画してほしい、と切に思う今日この頃。
高雄の隠れた魅力新発見の旅は、まさに今始まったばかりなのです。
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-07-02