古坑の華岡コーヒーで体しゃっきり、凍頂烏龍茶の清々しい甘味で口の中がさっぱり、日月潭紅茶で優雅な気分、コーヒー、茶、TEA三昧の1日!
こんにちは。台北ナビです。
ここ数年、台湾中部ではコーヒー、烏龍茶、紅茶の栽培が盛んで、その上、どれもが台湾を代表する嗜好性飲料として、台湾人の生活にも深く根付いているという情報をキャッチ。それを1日ツアーで全部楽しめる日帰りツアーがあるということで、今回参加しました。
朝はコーヒーからということなので、いつもは2,3杯いただく朝のコーヒーを一杯で我慢し、台湾高鐡で台中へ。8時半に駅構内で、今日の日本語ガイドの蕭さんと合流。コーヒーの飲める場所へいざ…と思ったら、「コーヒーの店は10時開店なので、今から行くと早すぎなので、同じ雲林県にある醤油工場かタオル工場へ案内します。どちらがいいですか?」と聞かれ。この日、一緒に参加した2名の女性と相談の結果、醤油醸造工場へ行くことに。
国道1号線(中山高速)を南下し、40分ほどで西螺にある醤油醸造工場に到着。
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朝のコーヒーを楽しみに、いざ出発っ、と思ったら、最初に味わったのは醤油!
西螺の市街地案内、歴史の古い町だそうで、宮廟と醤油醸造工場、伝統的小吃の店がたくさん
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「丸荘醤油」の本店兼見学工場
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西螺の市街地にあるお店。
ゴシック風というか、りっぱな構えの外観です。新しく建てられた建物なのに、100年前に台湾で流行した豪商の商店の作りを彷彿とさせるゴシック+中華風なデザイン。
店の左右では色やデザインがちょっと違うようですが、外観の写真を撮りながら店内へ。
馬英九総統が2006年にこの工場に視察に来た際の取材記事。左にあるマークは、台湾醸造組合認定の「本醸造」のマーク。厳しい規格をクリアした本醸造の醤油だけに貼られるマーク。科学的な添加物で促成醸造した醤油と区別するためで、醤油を買う際に本醸造が欲しい場合はここをチェック。
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馬英九総統が2006年に仕込んだ甕。馬総統は台湾各地の伝統的産業の視察にも積極的なんですね。ちなみに非売品です。
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店の入り口は商品の展示と販売場所で、見学は奥になります。まず8分の歴史と醸造過程を紹介した映像を見ます。中国語のみですが、字幕がでるので、その漢字を見ながら、なんとなく歴史が理解できます。映像を見た後は、お店の人が見学用工場のほうで、台湾での醤油の歴史、醸造に使う道具、外にある天日干しの甕を紹介してくれます。全体的に、醤油の香ばしいような香りが漂っていますが、甕のふたを開けた途端、もっと強い醤油の甘いような香ばしいような香りに思わず声がでます。
昔ながらの道具の展示と紹介
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展示用の発酵途中の黒豆、お菓子みたいですね
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香ばしいような甘いような香りが漂う屋外の天日干し場
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甕の真ん中にある生醤油にあたる部分の醤油を竹串に浸したものをなめさせてもらいます、かなりしょっぱかったです
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手洗い場の蛇口は、醤油の甕をデザインしたもので、なかなか面白いデザインでした
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マイ醤油作り体験もできます、1階200元、所用時間40分。家に持ち帰った後もしばらくねかせないと完成しません
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味見をしながら醤油選び
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台湾独特の「醤油膏」は、調味料ととろみを加えたもので、水餃子や茹でた野菜に合います。ナビも家では愛用の調味料、ミニプラスチックボトルなので、お土産にもいいですね
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台湾を代表するコーヒーを求めて、「古坑華山珈琲園区」へ!
台湾を代表するおいしいコーヒー栽培地の古坑郷は、阿里山の北西にある山間部で、台湾最大級の遊園地「剣湖山遊園地」がある場所としても有名。もともと稲作には向かない土地だったので、果樹、養蜂業、コーヒー、茶の栽培が盛んな場所です。
この日は、天気がよく、西螺から東西バイパスを東に向かい、約20分で古坑郷へ。ここに到着すると、両脇に街路樹が生い茂る「緑のトンネル」が観光客を迎えます。ここから華岡珈琲園区のある山間部へとのどかな農村風景を見ながらドライブです。華岡エリアは標高600~1200mの山間部で、この日、コーヒーをいただく「山海観」は、そのエリアでも一番標高の高い場所にあるので、山道をどんどん上がっていきます。途中で気圧の変化で耳が少し痛みを覚えるころ到着しました。
出来上がり。
酸味が少なく、香り高く、ほどよい苦味の華山コーヒー。たっぷり空気を入れてフォーミングされたミルクとエスプレッソが交互に口の中に入ってきて、一口飲むたびに、贅沢な香りと味を楽しめます。華山は北回帰線(北緯23度)に近く、標高1000m以上で、陽当たりも降水量も豊かなので、アラビカ種のコーヒー栽培に適した土地柄です。日本時代から、すでにこの土地ではコーヒーの栽培が盛んに行われ、戦後、台湾でここだけが唯一コーヒー栽培の場所として残り、発展してきたそうです。
一人1杯ずつカプチーノデザインの体験をします
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チョコレートシロップを使って円を描いて、少しずつ花びらのような形にしていきます
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んんっ、意外と難しい(汗;)
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できあがり(*^。^*)
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次に1杯は、まず丸を描いて…
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十字型に線を入れて
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幾何学的デザインになりました(^^)
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自分でデザインしたカプチーノをいただくなんて、自宅ではなかなかできないので、貴重な体験ですね。
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張オーナーが不在の時は、デザインカプチーノの体験ができないこともありますので、ご了承ください。その際には、カプチーノ、カフェラテ、普通のコーヒーを選んで飲んでいただきます。 |
コーヒー豆が中に入ったチョコ。ほろ苦さとチョコの甘さが絶妙。
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台湾名物、茶梅のコーヒー版です。コーヒーと梅は意外に合うので驚き。
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お店の前にあるコーヒーの木、本当のコーヒー園は、山のもっと上
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開花時期(3~4月)が終わり、今は実が青い時期、8月ごろこら収穫期がはじまり、毎年10月には、コーヒー祭りが開催されます
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※この日のツアーでは、「天野青草薬園」で昼食でしたが、コースの回り方や、その日の混み具合によって、お店や内容が変更になることもあります。
「凍頂烏龍茶」の里、竹山で烏龍茶の飲み比べ
南投県の竹山は、孟宗竹と烏龍茶の茶葉加工で有名な場所です。竹山の東の山間部、鹿谷郷には凍頂山(標高740m)があり、150年以上の歴史ある「凍頂烏龍茶」が栽培されています。標高は高山烏龍茶と言われる1000mを超えていない場所ですが、その山の地形と土壌が、「凍頂烏龍茶」と呼ばれる独自の茶葉の生育に適しているのです。
花粉症に効果があると、一時日本でも有名になりましたね。高山烏龍茶のようなさわやかさといつまでも口の中に残り広がる茶葉の甘味が特徴です。
お店のスタッフが阿里山烏龍茶を煎れてくれました
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清々しい香りがのど元を通ったと思ったら、口に中にはお茶の甘味がいつまでも残ります、一同思わず「おいしい~」と感動
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阿里山烏龍茶(各75g)2缶で1600元、ちょっと高い気がしたので、お値段交渉、買一送一にしてくれました(実質50%OFF)が、今回の予算に合わなかったので、ここでの茶葉購入は見送り、ショッピングツアーではないので、購入しなくても問題ありません
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このあたりは標高は低いものの、ところどころで烏龍茶の茶樹を見ることができます
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いよいよラストの午後のティータイム、「日月潭紅茶」
台湾中部最大の観光地、日月潭のある魚池郷は、もともとお茶の木が自生していて、栽培に適しているということで、100年前、日本時代にインドのダージリンからお茶の木を移植。ヨーロッパ向けに輸出するために紅茶改良試験場を作り、この土地ならではの紅茶を栽培。気候は土壌が、茶葉栽培に適していたため、良質な紅茶が産出されるようになりました。当時は皇室に献上していた紅茶だそうです。
戦後、紅茶改良に従事していた日本人研究者が帰国した後、中国人に好まれる烏龍茶の栽培に転向する茶農家が増え、紅茶の生産は衰退。30年ほど前から、日月潭紅茶の素晴らしさをもう一度と、地元の茶農家が栽培を復活、改良を重ねて、台湾18号(アッサム種)、を代表とする日月潭(魚池)紅茶が復活。魚池郷の郷長(村長)だった廖さんは、村長の任期を終えた後、子供のころからの家業だった紅茶栽培を再開。市場の嗜好動向、茶葉の生育方法など研究を重ね、2012年、台21号線沿いに「廖郷長紅茶故事館」をオープン。紅茶について語り出すと、話が止まらない廖元郷長、魚池紅茶の故事をここで見て味わうことができます。
次々と味を変えて試飲させてくれます
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日本人に人気のカモミール入り紅茶
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「台湾紅茶の父」として日本人の新井耕吉郎氏は、この近くにある茶改良場跡地に紅茶栽培の守護神として祀られているそうです。こうして台湾の各地で見ることのできる日本統治時代の先人の足跡。心からその土地を慈しみ、その土地の人々とともに、新しい時代を切り開いていった功績は、100年たってもその土地に根付き、発展し続けているのだなと感じる資料がたくさん展示されていました。
現在の台湾人が研究熱心で、誠実に物づくりに取り組む姿は、そういう時代を経て、当時の日本人のものづくり精神が根付いたからだともいえます。多くの人が、自分の先祖のように、誇らしげに当時の日本人技術者のことを語ってくれたり、資料を後世に残してくれるのです。私たち日本人にとっても忘れてはならない精神を思い出させてくれるのが台湾を観光する際の特徴でもあるでしょう。
2階部分から1階の紅茶製茶器具をみたところ
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館内は、自然光がたくさん入って明るく広く快適です
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埔里のインター近くには、この付近の山で採れたバナナやサツマイモ、サトウキビ、トウモロコシ、タケノコなどを道沿いで売っています
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ここでしか味わえない「リンゴバナナ」を購入、これで90元
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日曜日の夕方ということもあって、埔里のインターの付近は大渋滞。台中市内へ戻るのに、普通よりも1時間ほど余計に時間がかかったため、6時にホテルに到着。朝は天気がよかったのですが、南投は午後から大雨。雨に煙る集集線の駅や日月潭を見ながら、台湾中部の醤油、コーヒー、烏龍茶、紅茶、おまけに薬草も堪能できた充実の1日でした。
以上、台北ナビでした。