まもなく開催!2010年11月6日~2011年4月25日の期間中、4つのエリア、計14のパビリオンで楽しめます
こんにちは、台北ナビです。台湾を挙げての一大イベント「2010台北国際花博覧会」の開催が迫ってきています。台北市はアジアで7番目にこの国際的なイベントを主催する都市となり、開催を目指して花のあふれる都市を構築するため早くから準備が進められてきました。9月上旬、開催まで2ヵ月を切った会場を見学してきました!
花博の歴史
花博は「国際園芸家協会(AIPH)」が認定する国際イベントです。この協会は、国際的なレベルで花のマーケティングと園芸技術の継承発展を図ることを目的に組織された機関です。現在、25ヵ国の代表、33組織の加盟機構が参与しており、「台湾区花の発展協会」が加盟したのは今から7年前、2003年のことです。
1960年にオランダのロッテルダムで初開催され、そのほかこれまでアジアで開催された花博は…1990年大阪、1999年中国・昆明、2000年淡路、2004年浜名湖、2006年中国・瀋陽、2006年タイ・チェンマイの6都市で開催されてきました。今回、台北市はアジアで7番目に認定を受けた都市ということになります。
「2010台北国際花博覧会」テーマ
今回のテーマは…「彩花、流水、ニュービジョン」で、「自然と文明の調和と共存」を主軸にしているとのこと。また、このテーマから派生した3大理念を掲げています。
理念1:園芸、ハイテク、環境保護を柱としたデザイン理念と技術の神髄
理念2:3R(Reduce=減量、Reuse=再利用、Recycle=リサイクル)による省エネとCO2削減、および3G(Green Building=グリーン建築、Green Transportation=グリーン輸送、Green Energy=グリーンエネルギー)による環境保護の実現
理念3:文化とアートを融合させたグリーンライフを表現
今回の台北花博は世界で初の試みとなる公園と水辺での開催、また水辺にゲートを設けたという点が特徴的です。台北市は亜熱帯に属する盆地であるため、植物の成長に適している都市です。そのため、日頃からさまざまな花に関するイベントが開催されてきましたが、台北市内には緑が少なくなっていることもあり、今回は周辺住民の緑化へのニーズにも応えるべく、各会場とパビリオンにも“都市の再整備”というコンセプトを盛り込み準備が進められてきたのです。
ここにも5色
今回の花博にはかわいいマスコットキャラクターがいます。このマスコットは花の精霊をイメージしています。緑・黄・赤・青・紫の5色のコスチュームをまとい、5種類の花を体現しているのです。
黄色の“シャオクイ”はヒマワリで「喜び」を届け、緑の“バイアー”はユリで「感謝」、紫の“シャオユー”は「満足」、赤の“ランアー”は「愛」、青の“シャオチュー”は「祝福」…という具合にそれぞれニックネームと届ける任務があります。それに比べ、ちょっと異色の茶色い“ヤービー”は「希望」を届ける種(タネ)のキャラクター。このヤービー(芽比)という名前は一般投票を経て命名されました。
これらのマスコットキャラクターのグッズはもちろん期間中、ショップなどで販売されます。きっと人気が出るでしょうね!
会場見学
さて、花博の会場は「円山公園エリア」、「美術公園エリア」、「新生公園エリア」、「大佳河浜公園エリア」の4つのエリアからなっています。会場総面積は91.8ヘクタールにおよび、うち植樹面積が70.9ヘクタールを占め、一度に3,300種類の花が楽しめます。
では、今回はメイン会場となる「円山公園エリア」を中心に見ていきましょう!
「圓山」駅を出るとすぐに花博の会場が見えます。チケット売り場も駅寄りです。以前駅前にあった中山足球場(中山サッカー場)が花博のメインパビリオンと化し、その外観の色鮮やかなデザインが目を惹きます。少し進むと自動改札機のようなものがズラリ。普通の駅などより断然多く34台も並んでいるそうです。ここから会場に入ります。
ここが中山サッカー場を使ったパビリオン「花博ドーム:競艶館」。上を見上げても下の地面も花びらをデザインした模様になっています。夜はライトアップされ、また違った魅力があるそう。観客席の部分は、その段差を利用して列ごとに異なった7色の花を敷き詰め、まるで虹のような仕上がりになります。向かって右側には室内型の会場が。覗かせていただきましたが、ものすごく広い空間です!3つのエリアに分けられ、16の展覧ブースが設置されます。ここでは、国内外の花に関するさまざまな交流が深められるようコンテストや展覧が予定されています。季節ごとに展示内容も変わり、クリスマスにはその雰囲気にピッタリな展示が予定されているそうですよ。日本の生け花の家元、池坊の説明会も開かれるとか。また、台湾の蘭は有名ということで、1000種類近くの蘭の展示も行われます。
ショップエリア
花博ドームのお隣にあるのがショップエリア。フードコートがメインで、ざっと見たところ約30ものお店が入りそう。台湾フードから日本の定食やさん、スイーツ店までジャンルも幅広く、食の心配は要りませんね。ここにマスコットグッズを扱うショップなども入る予定です。サービスセンターも併設され、杖や車いすの貸し出しも可能だとか。音声ガイドのレンタルサービスもあります。それ以外にも予約制で日本語による2時間ガイドも利用可能です。
次に、独特な外観が目立っている「トレンド館」。“エコ・再生”をテーマにしたパビリオンです。台湾では一年間に約24億ものペットボトルが回収されるそうなのですが、そのペットボトルを再利用し特別に作ったプラスチックボトル152万本が外壁となっているんです!ボトルの形状を利用し、ハチの巣のように組み合わされています。別名“クリスタルのお城”という名も持つとか…ボトルというとその耐性が心配になりますが、押してもビクともしないほど固い…震度9の地震にも耐えられるというから驚きです。ボトル内には、エコで省エネのLEDが組み込まれ、日中屋上に設置されたソーラーパネルでエネルギーを貯蓄、夜になると光を放ちます。また、基礎構造には竹を用いています。建設の際、風の向きも計算し方角を決めたので、必要以上に暑くならず冷房も必要なしだとか。館内ではファッションショーやアメリカのペットボトルで作った船の展示、蜷川実花さんのフォトギャラリーなども行われる予定です。
この何倍も大きいものが使われています
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こうして見るとよくわかりますね
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花博ホール:チョウ館
1200席の大きさを有する半開放式のホール。ここでは主に、花博の開幕・閉幕式を含む大規模な文化イベントが開催されます。また、ディアボロ・ダンスシアターなどのプロの劇団を招きロングランの公演も行われます。内容は、台湾人有名絵本作家のジミーの作品を元にしている、ということで期待されています。
アロマ館
変わった形をしているのは「アロマ館」。六輪のアサガオの花びらが重なり合うようなイメージの外観デザインになっています。ここでは、花博の特色あるグッズの販売やDIY(手作り)教室の開講があるほか、2階にはフードコートも。