食べて‐豆花&エビ捲き、買って‐蜜煎&エビ煎、歩いて‐老街、そして感じて‐安平のノスタルジック!
こんにちは、台北ナビです。高雄から電車で約1時間。台湾で最も歴史のある街といわれる台南には、価値ある古跡が点在し、また老舗台湾料理が街中にひしめき合っています。台湾人に言わせれば「台南の飯はウマイ!行くと必ず太る」んだそう?!
そんな、古都台南の人にオススメスポットを聞くと必ず「安平老街」という答えが返ってきます。台南人の誰もが認める、台南で最もノスタルジックな街、それが安平です。台南の鉄道駅からタクシーで20分ほどで到着。街自体もそう大きくはなく、日帰りで十分満喫できるのが旅行者にとって嬉しいところ。高雄からの小旅行としてプランニングするのがベストです。今回は安平散策のゴールデンスポットを、食べる、散策(逛),買うの3つに分けて紹介します。
『食』―豆花とエビ捲きを食べなくちゃ安平は始まらない
実際、台南と安平には数え切れないほどの有名なお店がひしめき合っていて、しかもそのお店のほとんどが一皿50元以内で食べられる小吃店。しかし、単価がそんなに安くても朝から晩まで人が溢れかえるお店が台南には実に多くあるんです。
その有名店の代表格が「安平同記豆花」そして「周氏蝦捲」。何十年も続き、老舗と認められているお店にはやはり人が集まるもの。その人気の理由を探りに二店舗にお邪魔しました。
■ 「安平同記豆花」――――――――――――――――――
ちょっと遠いところにあって、交通の便がよいとはいえないこのお店。それにも関わらず、平日でも多くの人がココに向かって車を走らせます。平日の夕方、そして週末になるとお店の前の道路は車が通れないほど。目の前にはバイクの専用駐車場まで作ってある40年続く老舗人気店です
よく台南人は「『安平豆花』より美味しい豆花を見つけた!」とこのお店を引き合いに出して比べます。そのように、このお店はもう普遍的な老舗店として台南人の脳裏に焼きついています。NAVIの南部レポーターとして、今まで何人もの人を連れてきましたが、このお店は最も危険です!誰もがここの豆花の虜になって日本に帰っていきます。一度に3碗食べた人もいたほどです。
一律25元で四つの味が選べます。
ミックスもできますよ。
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レモン さっぱり夏の到来を感じます
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タピオカ 白い豆花の島に眠る黒真珠、
その甘さと歯ごたえは忘れ難し。
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小豆 小豆のコクと豆花の
サッパリ感が見事に競演。
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プレーン 豆花と黒蜜の典型的ハーモニー。
豆花の滑らかさが最も引き立つシンプル且つ存在感のある一品。
他の一般の豆花と違うところは、量が多すぎず、最後まで美味しさを残したまま食べ切れるこの量の調整具合です。食べ過ぎることもなく、豆腐臭さを感じる前にさらっと食べきってしまい、食後感がスッキリなんです。よく女の子にありがちな「美味しいけどもう食べられない」って事がなく、口に甘い余韻を残して食べ終えることができます。
そして、そしてこの滑らかさと黒蜜の絡みが繊細です。もしかしたら黒蜜が甘いと感じるかもしれないですが、NAVIとしてはこの程度の濃い甘さがこの量のサッパリしたなめらか豆花にベストマッチだと思いますね。
お店のカウンターで注文すると、その場で涼しげなガラス器の中に盛られていきます。
今まで数え切れないほどの取材や芸能人が訪れ、現在、台南市内の「新天地三越」の地下にも出店しています。また高雄までデリバリーも行っており、台南だけでなく、嘉義や高雄県の人にとっても、身近な豆花になりつつあります。
ただ、場所が遠くバスでは行きにくいので、タクシーでの移動をおすすめします!またこの界隈でタクシーを見つけるのはかなり困難です。タクシーのおじさんに15分ぐらい待っていてもらいましょう。15分もあれば十分満足に食べ終えることができます。タクシー代を払ってでも行く価値大有りです!
■住所:安平区安北路433号 電話:(06)391-5385
営業時間:9:00-23:00 行き方:駅前からタクシーで20分、約240元
■ 「周氏蝦捲」――――――――――――――――――
安平ではエビがよく採れるため、エビを中心にした料理が多くあります。その中でも特に有名なのがこの「エビ捲き(蝦捲)」。片栗粉の衣でさくっと揚げてあるのですが、日本のエビフライよりももっと固めで、でもから揚げほど重苦しくない、ちょうど中間に位置する台南人の軽食です。
この周氏も40年続く老舗店で、他にも台南にはたくさんの蝦捲店がありますが、やはり40年の歴史は保守的な台南人にとって最も安心してお客様を招待できるお店のようです。そして、南部レポーターの私としても同じ気持ちです。このお店は殿堂に値します。何と一日最低1500本も売れるというから驚き。週末になると4000本はくだらないとか!
現在2店舗でその味を守り続けています。安平の近くで最も便利な「老店」は観光地としては便利な場所にあり、向かいから直接「延平老街」にアクセスできるので、とても便利。ただ席数が少なく、週末になると確実に席がありません。
その点「総店」は少し離れたところにありますが、席数が多いので、帰り道に休憩がてら寄り道するには最適です。プランにあわせて老店か総店か決めてくださいね!
ひと皿45円で2本(カット後4本)
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他にも麺とスープを注文すれば立派にランチのできあがり!
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ちょっと箸で持ち上げにくいので、気になさらない方は、手で食べちゃったほうが楽かも(笑い)ソースにワサビ(緑色)があります。ペースト状なのにけっこうツーンとして、これが意外にもよく合うのです。
店長の周さんは二代目。今は必至にデザートの開発をしているところです。どうやらこのお店の料理は全て、この周さんかそのお父さんが考えているんだそう。他のシェフを雇うのではなく、自分の舌で確認するのが周家流。いつまでもそのスタンスを崩さずに、味を守り続けてほしいところです。そんな周家流にならって、貴方も自分の口で味を確かめてみては!?そして忘れずに、NAVI掲示板にご報告ください★
営業時間:(二店舗共に)平日7:00-19:30 休日7:00-20:00
日本語:不可 HP:http://www.chous.com.tw/index2.html
■老店
住所:台南市安平区安平路125号
電話:(06)229-2618
行き方:安平路と平生路を越えるとすぐ左側。駅前からタクシーで200元(約15分)
■総店
住所:台南市安平区安平路408号-1 電話:(06)2801304
行き方:安平路沿いにあり、向かいには高級マンションがそびえ、望月橋が架かっています。駅前からタクシーで200元(約15分)
台南駅前から二番バスに乗れば20分で到着する安平延平老街。「漁民村」という停留所をで降りると、目の前にセブンイレブンがあり、その交差点を左に曲がると、安平のもっとも有名な古跡「安平古堡」が右手にそびえています。
安平古堡とは、オランダが台南を首都として台湾を治めていた時の軍事要塞です。鄭成功が安平古堡をオランダ人から奪い取り、台湾統治の拠点地として使うようになります。しかしその後、政治の拠点は市内に移り、要塞としての意味は薄れ、日本統治時代まで荒廃し続けることになります。
現在の姿は、日本統治時代に税関の宿舎として修復されたものです。ただレンガの城壁など一部は当時のものがまだ残っています。例えばレンガなど、色の濃いものはオランダ時代にジャワ島から、色の白いものは鄭成功が増築のために中国の福建省から持ってきたものです。場内には5つの砲台があり、在りし日の軍事基地が思い起こされます。
■住所:台南市安平区国勝路82号 営業時間:08:30~17:30 (月曜、祝日の翌日は休み)
交通:台南客運バス33、15路番に乗り、安平古堡駅で下車 入場券:大人50元、子供25元
『買』―延平老街でブラブラのんきにお買い物
「安平古堡」の古堡街をはさんで隣にあるのが安平の有名なストリート「延平老街」です。ここにはいろいろなお土産屋さんが点在しているので、ここでブラブラしがてら、おやつを食べたり、お土産を買うのをお勧めします。ではお土産には何がお勧めか!
■ 「安平蜜餞」――――――――――――――――――
ズバリ、台湾式漢方ドライフルーツ!よく台湾でお茶を飲む時に出される、甘い梅の砂糖漬けなどが安平では非常に有名です。
オススメのマンゴー蜜餞!これは漢方薬に漬けてあるみたいで、食欲を増進させる効果があるんだとか。
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「安平古堡」から「延平老街」に入り、50mぐらい先の右手にあるお店です。けっこう大きめのお店ですよ!
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■ 「安平蝦餅」――――――――――――――――――
見ての通り、エビ煎餅です。日本でもよく見かけるこのエビ煎餅。こっちで売っているエビ煎餅はとにかく一袋の内容量が多く、しかもサクサクしているので、壊れないように気をつけて!まとめ買いすると赤い大きな袋に入れてくれ、それがなんとも台湾らしい風情があります★安平ではあるとあらゆるところで売っていますが、市内では見つけにくいんです。忘れずにお買い上げください!
「延平老街」ではその他にも風情のあるものがたくさん売っています。
これはお供え物として使われる甘い食べ物です。お饅頭かと思いきや、中は空洞で、底に甘いカラメルが着いています。
駄菓子屋さんが多いのも特徴。日本の駄菓子屋さんよりはるかに駄菓子の種類が多い!子供から大人まで誰もが楽しめる駄菓子や。逆にこういうところで自分のお土産を買うのも楽しいのでは!?
『逛』―台湾の伝統家屋がまだ生きる
「延平老街」の北側には、今でも一般の人々が住んでいる細い道が網目のように広がっています。
NAVI個人的にはこの裏の住宅街が非常に風情あって好きな場所です。いつもここに来ると2時間も3時間もつぶしてしまうお散歩コース。単なる住宅街なのに、どうしてそんなに時間がつぶせるかというと、それは、この地域の住宅が他の場所の一般住宅と比べて一風変わっているからです。もちろん新しく立て直した家も多いのですが、まだ赤いレンガ造りの家々も多く残っているのです。では、安平地区から見られる台湾の伝統家屋のチェックポイントとは!?
(1)劍獅
沖縄に少し似ているのですが、安平では昔門の上や、壁の上などに剣を加えた獅子を飾る習慣があります。いわずと知れた魔除の意味があるのに付け加えて、当時は番地代わりとしても使われていたみたいです。家紋のようなものです。昔の人は字も読めないので、「どこどこの○○の剣獅の家」と使われていたようです。今は昔から残っている剣獅は少なくなってしまいましたが、今は観光用品として復興し、お土産屋さんで見ることができます。
(2)L字型の家
通常、中国人の伝統的な家は「四合院」という建築様式です。壁ではなく家を四角形に並べて、中央に庭があるという感じです。もしくは「三合院」で建物をコの字型に並べるという感じです。でも安平地区は、四角形の形でもコの字も無く、L字型なんです。だから、つまり壁が存在するんですね。屋根も非常に低くて、NAVI(157cm)でもちょっと頭をさげないと門がくぐれません。
(3)サンゴの壁
壁の材料としてサンゴが使われていました。昔はこの一体は海だったので納得です。
『逛』―もうちょっと足を運べば・・・「徳記洋行」と「安平樹屋」
古堡街を北に向かい、安北路(セブンイレブンがあります)との交差点を越えると左側に白い建物があります。この建物が「徳記洋行」です。
前身はイギリス人が安平に開設した貿易会社で、2階建ての白い建物は洋風の建築様式を色濃く残しています。現在は、安平地区の人々の生活を非常に精巧な蝋人形を使って展示しています。
そして同じ敷地内にあるのが、「安平樹屋」。この建物は以前塩の倉庫として使われていたのですが、廃墟になってからというもの、木がこの家を覆いかぶさるほどに成長し、まるで家なのか木の幹なのか分からなくなってしまっているほどです。
ちょっと不気味な雰囲気がありますが、中には特設の階段が作られており、このガジュマルが家を侵食している様子を360度にわたって眺めることができます。非常に涼しく、夕方に来るとちょっと不気味かもしれませんが、逆に昼間には絶好の休憩スポットになります。日本では見れない植生をバッチリ見ることのできる特別なスポットです。
『徳記洋行と安平樹屋』
■住所:台南市古堡街108号 電話:(06)3913-901
入場料:大人50元、小人25元
オープン時間:8:30~17:30
また、この安平樹屋の裏には、淡水の養殖池がひろがっています。堤防を上って見下ろすマングローブの景色は言葉が出ないほどです。特に疲れて歩き回った夕方、ここに来て、この風景を見ると疲れも全て溶け出してしまうかのようです。
安平は非常にゆったりまったりとした時間が流れ、西洋の建物と昔ながらの建物が不思議と溶けあう小さな港町です。庶民の伸びやかな雰囲気と、オランダ時代のノスタルジィを、歩きながら肌にしみ込ませましょう。
バスでのアクセス
駅前(台南飯店の左横)のロータリーで2番バスを探しましょう。
「漁民村」という駅で降りれば、進行方向にセブンイレブンがあり、その交差点を左に曲がれば、「安平古堡」右に曲がれば「徳記洋行」と「安平樹屋」です。「安平古堡にいきたい」と事前に運転手さんに伝えたほうがより安全です。
帰りの停留所はちょっとはなれたところにあります。古堡街を南にくだり、安平街との交差点を左に曲がると10m先の左手に緑色の看板があります。また、斜め向かいに「陳家蛤捲」という有名なカキ巻きのお店があります。30分に1本ランダムに来ます。 以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-07-11