ロケ地で楽しむ「言えない秘密」

周杰倫(Jay Chou)監督・主演の映画「言えない秘密」は見ましたか?歴史あふれる映画ロケ地は一般見学可能です。

(c)2007 East Empire International Holding Limited (c)2007 East Empire International Holding Limited

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こんにちは、入谷晴美です。台湾のスーパースター、周杰倫(ジェイ・チョウ)が主演、監督、脚本、音楽と4役に挑戦した、公開中の映画「言えない秘密(不能説的秘密)」は、皆さんもう観ましたか?

すでに観た人はジェイのとてつもない才能に驚き、そしてもう1回みたい!と思われているのではないでしょうか。「ネタばれ絶対御法度」なので、内容はもちろんヒ・ミ・ツなのですが、舞台となった音楽学校はジェイが実際に通った「淡江高級中学」で撮影されています。MRT淡水線で「台北車站」駅から40分、十分日帰りができる終点の「淡水」駅にある由緒ある学校で、すでに韓国や香港などアジア各国からジェイファンが訪れているそうです。同校を中心にジェイと同作ゆかりの場所を訪ねてきました。

「言えない秘密」日本公式サイト:

◇淡江高級中学◇ 



映画のファーストシーン、八角形の塔を抱くレンガ色のレトロな建物が、ズームインしてきます。周杰倫(ジェイ・チョウ)演じる主人公、湘倫(シャンルン)が転校してきた高校の学舎なのですが、何だか台湾のイメージとはほど遠く、どこかヨーロッパ風。ここがジェイの出身校、淡水にある「淡江高級中学」です。MRT「淡水」駅から徒歩だと約20分。ガイドブックにも載っている有名な学校なので、天気が良ければこれからの季節、散策がてら歩いてもいい感じです。
創立は1914年、台湾初の神学校として誕生したのが始まり。同校のシンボル的な「八角塔」は1925年、中国の伝統的建築様式とヨーロッパのビザンチン様式を融合し、竣工されたそうです。台湾っぽくないのは当然ですね。

ここは台湾ラグビー発祥の地でもあり、「言えない秘密」でも湘倫の「悪友」としてラグビー部員が登場しています。今回はあるスポーツ新聞で「言えない秘密」のロケ地を紹介するため配給会社の人と一緒に取材に来ていたのですが、校内を案内して下さった広報担当主任の陳冠州(チェン・グァンジョウ)先生は、何とジェイが1年生のときに音楽を教えたという恩師でした。そのことは後に判明するのですが…。日本から伺うということは台湾在住の知り合いを通じて伝えていましたが、はっきりとした時間等は約束していませんでした。それが、正門を入ってしばらく行くと自転車に乗った先生がこちらにやってきて、「日本から来られた方ですか」声をかけて下さったのです。もう、びっくりです。

門の門番の男性が先生に「今、日本人が入っていった」と連絡をしてくれたようでした。
湘倫と桂綸鎂(グイ・ルンメイ)演じる小雨(シャオユー)が歩いた回廊風の廊下や、2人が座ったベンチ、グラウンド、ラグビー部の2人が試合に勝って得意げにサインをしていた木陰などなど。映画に登場した場所へ、次々と案内して下さいました。ちなみに制服だけは映画用のオリジナルデザインだそうです。

古い佇まいが味わい深い校内ですが、数年前に新しい講堂が建設されています。その入り口には寄付をした卒業生たちの名前が刻まれた木のプレートがはめ込まれていますが、もちろん「周杰倫(ジェイ・チョウ)」の名前もありますので、ぜひ探してみてください。


陳先生は同校で音楽と倫理を教える教師で、ジェイが1年生のとき教えたといいます。「とても真面目な良い生徒。ピアノの腕は当時からナンバーワンでした」と話して下さいました。
さらに、先生は「言えない秘密」に出演されているのです。卒業式典でシャンルンがオーケストラを従えてピアノを弾くシーン。指揮棒を振っておられるのが陳先生です。横顔がチラリと、でもはっきり映っています。出演依頼はジェイから直接あったそうです。素敵な子弟関係ですね。

先生はご自身のオフィス(日本の職員室のようなところ)にも案内して下さいました。そこでも撮影をしたというのですが、どのシーンがよくわかりませんでした。多分、シャンルンの父(黄秋生、アンソニー・ウォン)が若かりし時代の職員室での場面だと思うのですが。 私たちと陳先生の通訳を務めてくれたのは、日台ハーフで同校2年生のオモテ君という男子生徒。「卒業後は日本の大学へ進みたい」と言ってました。授業を8時間受けた後、自習を2時間。1日10時間勉強しているそうで、とても頭の良さそうな、礼儀正しい生徒さんでした。

日本の学校は関係者以外立ち入り禁止が基本ですが、淡江高級中学は歴史的意義が高く台湾国内からの見学者も多いことから土・日曜は一般に開放されているそうです。私たちが訪ねた平日も旅行者らしき人たちが歩いていました。陳先生によると、香港や韓国などからジェイのファンがよく来ているとのことです。映画の世界に浸るもよし、ジェイの学生時代に思いを馳せてみるもよし。もちろんマナーを守って気持ち良く滞在したいものです。日本人は特にけっこう見られています。



正門を出て左側に歩き、通りを1本降りると、湘倫と小雨が雨宿りした木の格子の塀があります。劇中では学校の塀のようになっていましたが、まったく別の建物の塀でした。でも、学校の雰囲気とよくマッチしています。

◇学校帰りに歩いた堤防◇ 




雨宿りの塀から少し降りたところに細い階段道があり、ひたすら下っていくと中正路という通りに出ます。ここからは淡水河が見え、湘倫と小雨が、学校帰りにデートした堤防もすぐ近く。「アイスクリームで乾杯」のシーンです。



河畔には環河道路(歩道)が整備され、カップルたちの散歩道として人気があります。夕陽観賞の絶好のスポットでもあり、夕暮れ時にはカップルだけでなく、カメラを持った人たちが多くたたずんでいました。

◇「ジェイセット」◇



映画には登場していませんが、中正路沿いにある古い食堂「百葉温州餛飩」はジェイが学生時代に通った店と聞き、行ってみました。ジェイがいつも食べていたというワンタンスープと鶏モモのグリルは「ジェイセット(周杰倫套餐)」(125元)と呼ばれています。台湾の食堂は「持ち込み」OK。近くのコンビニで買ったペットボトルのお茶と一緒に食べることができました。ツヤツヤとした鶏モモとあっさりワンタンスープは、小腹がすいたときにもってこいです。
百葉温州餛飩
■住所:台北県淡水鎮中正路177号   電話:02-2621-7286 
営業時間:月〜日 08:00-20:00
ホームページ(中国語、英語のみ)

◇「麟山鼻木桟道」◇ 

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湘倫と小雨が自転車の2人乗りで下校する場面は、同作の中でも印象的で美しいシーン。淡水に行くと決まったときからここは絶対はずしたくないなぁと思っていました。MRT淡水駅からバスで40~50分、「白沙灣」下車。バス停はわかりにくくドライバーに「白沙灣」で降りる旨を伝えておくと大声で教えてくれました。バス代は50元。

バスを降りて「白沙灣」の観光センターの看板がある前の道を漁港に向かって道なりにまっすぐ歩くこと(途中コンクリートの建物が正面に見えるのでここは左折)15~20分。麟山鼻自転車道が現れます。眼下にエメラルドグリーンの海が広がり、気持ちのいい海風が心地よく思わずうっとり。台湾北部は亜熱帯気候であることを再認識しました。 自転車道は映画のシーンそのまま。「言えない秘密」撮影地などと無粋な看板もなく「知る人ぞ知る」場所なのではないでしょうか。劇中、小雨に「そんなに早くこがないで。すぐ家に着いちゃうじゃない」と言われ「そうか」と湘倫がすぐにUターンする場面がありますが、そこは実際に行き止まりになっていることがわかり、「なるほどね」と笑ってしまいました。

順序としては先に時間のかかる「麟山鼻自転車道」へ行き、いったん淡水駅に戻ってから、淡江高級中学→雨宿りの塀→堤防→百葉温州餛飩と回るのが効率がいいと思います。

「百葉温州餛飩」のある通りからは商店街になっていて、おみやげを物色しつついろいろな店をのぞくのも楽しいです。そのまま歩いて行くと駅まで戻れてしまいます。 倫のお弁当に入っていた「味付け卵」は淡水の名物「阿婆鐡蛋」だそうで、ウズラの卵を醤油で煮しめたもの。おみやげ用に真空パックでたくさん売られていました。色が真っ黒で見た目がイマイチだったため、味見すらしなかったことが悔やまれます。行かれた方はぜひ、食べてみてください。

◇「ZABU」◇ 




湘倫と小雨がデートしていた古いレコード店は、台北市浦城街・師大夜市の近にある「ZABU」というカフェ居酒屋です。MRT台電大樓駅下車。3番出口から右にまっすぐ歩いて、パン屋の角を右折し、道なりにまっすぐ進み突き当りを右へ行くとあります。徒歩約10分。少しわかりにくかったのですが、道を尋ねた人は皆親切で助かりました。
近くに大学があるためかほとんどが学生客。ソファ席でまったりくつろぐ人、椅子席でガールズトークに夢中な女の子たちなど遅くまで賑わっていました。店内には「Arne」などの日本の雑誌が置かれ、映画「メゾン・ド・ヒミコ(台湾公開時のタイトルは「彩虹下的幸福」)」のポスターが貼ってあったりして「もしかして親日家?」と思いましたが、スタッフで日本語の話せる人はいませんでした。レトロな雰囲気を残しつつ、映画撮影用に内部をレコードショップに改装。撮了後元に戻したそうです。外観のガラス窓がかろうじて面影を残していました。

ZABU 居酒食堂
■住所:台北市大安區浦城街9-4號    電話:02-2369-6686 
営業時間:月〜木 12:00-23:00 、金・土 15:00-03:00 、日 15:00-23:00
最低消費:80元


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9月24日(日刊スポーツ上の掲載記事)

9月24日(日刊スポーツ上の掲載記事)



「言えない秘密」ロケ地&関連の場所は初めてでもMRTとバス、徒歩で行くことができます。時間に余裕がなければタクシーを使うのもいいでしょう。台北から十分日帰り可能。行き先を書いたメモを持っていると、言葉は通じなくても地元の人たちは親切に教えてくれました。こんな旅ならではの触れあいを楽しみながら、ロケ地めぐりをした後は、さらにもう一度「言えない秘密」を観たくなった入谷晴美でした。

協力:エイベックス・エンタテインメント株式会社

 
関連タグ:Jay映画ジェイ周杰倫監督言えない秘密

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-10-09

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