台湾四大温泉の一つである四重渓、炭酸水素塩泉がお肌をツルツルにし、潤いを与えてくれます。
こんにちは、台北ナビです。
台湾では、四大温泉というと、北投、陽明山、関子嶺と四重渓のことを指します。北投と陽明山は台湾北部、台北からでも日帰りができる距離にあり、関子嶺と四重渓は、台湾の南部。関子嶺は台南県にある泥温泉のことで、四重渓は台湾最南端の屏東県にある炭酸泉(正確には炭酸水素塩泉、台湾では通称:炭酸泉なので、以下略して炭酸泉とします)温泉です。
四重渓温泉区へようこそ!
台湾は亜熱帯国、台湾の特に南部は1年中半袖で過ごそうと思えば過ごせるところ。なので、温泉というとどうしても冬が感じられ、交通の便もいい北部に行ってしまいがちですが、今回ナビは初めて「四重渓」に来て驚きました。こんなにいいお湯があったんだ~!と。全長31.9kmの四重渓を流れる川の支流は、台湾で一番汚染されていない川とも言われています。温泉村の海抜は150m~250m、牡丹郷の高いところは410mに達します。大自然も手付かずでそのまま、胸いっぱいに吸い込む空気のおいしいこと!北部と全然違うリゾートムードに、心からリフレッシュできました!
いざ、四重渓へ
台北に住んでいるナビには、屏東県と聞くと、遠~い!どうやって行けばいいのかというと、やはり高鉄(新幹線)で、まずは高雄の左営駅まで。ここから、屏東県の車城までバスの場合は、左營駅ロビーの3番或いは2番出口を出て1Fへ降ります。1番公車から、「墾丁快線」或いは、國道聯營客運「高鐵左營站-墾丁」線に乗って、「車城」下車。約1時間半。車城に着いたら宿泊先のホテルが送迎車で向えにきてくれます。四重渓温泉区までは片道約20分です。
(片道65元、電話:0800-723-723)
(停車駅が多いので、あまりおすすめしません)
★この「墾丁快線」のバスに乗れば、終点のリゾート地「墾丁」までは、2時間で着くことができます
四重渓温泉へ行く前に、台湾南部で一番大きな土地の神様「福安宮」へ寄りました。
「土地公」は日本で言えば「氏神様」。この地方に住む人たちを守ってくれる大切な神様です。驚いたのは、大勢の人がお参りにきていること。お布施もテーブルに山のように積まれています。これは、旧正月や神様のお祭りになると、すごい人で溢れかえるだろうなというのが想像できました。1階、2階とも金箔の天井は圧巻で、すべて信者の喜捨から成ったものだそうです。
住所:屏東県車城郷福安村福安路51号電話:(08)882-2345
石門古戦場(牡丹社事件)
事件のいきさつが書かれています
四重渓を山へ向かっていくと、牡丹郷に入ります。ここにある観光名所は、日本人には、少し考えさせられる場所かもしれません。石碑にはこう書かれています。1871年11月、琉球の漁民69人が台湾近海で遭難。台湾南部の海岸に漂着した漁民のうち、54人が原住民のパイワン(排湾)族に殺害され、12人が沖縄に逃げ帰りました。これが「牡丹社事件」です。
当時の明治政府は、清朝に厳重な抗議を申し入れましたが、清朝の対応は、「琉球はもともと清国の属国であり、この事件は清国の国内問題である。日本の干渉は受けない」これに対し、明治政府は、「すでに琉球国王尚泰を入朝させているので、琉球は日本の領土である」と、外交上の問題として処理するように強く申し入れました。
そして、明治政府はこの事件を台湾出兵の契機として利用し、1874年3月に西郷従道(西郷隆盛の弟)率いる「征台軍」を派兵。西郷軍は、牡丹社近くの石門で激戦。これが「征台の役」と呼ばれている戦いで、ここがその舞台となった「石門古戦場」です。日本は勝利をおさめ、パイワン族の死者30人に対して日本軍は12人。さらに日本は琉球での主権と清朝から賠償金50万両を得ました。ちょっと複雑な気持ちになりますね。
水上草原
沼地が広がる草原には、野薑花(ジンジャーリリー)の花がちらほら。夏には白い花が一面に咲き、風が吹くと甘い香りが村中に漂うそうです。
ここ牡丹郷はパイワン族の村ですが、草原は彼らの祖霊が宿る場所でもあります。パイワン族は家族の霊を戻しに来る時や霊と語る時には、この沼地の草原に入り、儀式を行うのです。
哭泣湖
ここも牡丹郷の観光名所で、入場料は50元。休日は10時~17時。平日は予約制と書いてあります。
電話:(08)883-0463。
それで、この日は日曜日、17:00前に着いたナビたちでしたが、あら、どうしたことでしょう~、なぜか閉まっています。どうやらお客さんが途切れたので、もう終わったらしい…。道案内の人が、もう一つの道があってそこから湖が見えるよ、と連れていってくれました。ここも静かな沼地で、前方にきれいな哭泣湖が見えました。別世界に紛れ込んだような気分になります。一人で来るのは怖いかも。
★泉質は炭酸泉
温泉プールも広い!
四重渓の温泉は、1895年に恒春に駐屯していた高橋さんという軍人が馬に乗って山に入ったときに発見されたと記録されています。1896年になって、温泉地として開拓され始め、「公共浴室」がまず設置されました。ここは現在も地元の人たちのお風呂代わりとなっていて、ナビたちがちょっと中に入った時には、おばあちゃんとお孫さんが入っていました。この近所の人は自宅にお風呂を持たないで、ここに入りに来るそうです。日本の「銭湯」と同じ用途なんですね!
炭酸泉の泉質は無色透明で無臭。関節炎、水虫、胃腸病、皮膚病、神経痛などの治療することができます。血圧を下げたり、心臓の負担を軽くするのにも効果があります。台湾で最も多い泉質は、この炭酸泉。皮膚に潤いをもたらし、角質を軟らかくするので、皮膚はしっとり、さらに美白効果もあるそうです!
水着を忘れたら、現地で購入も可
台湾の温泉には、水着着用の露天風呂(水療SPAや温泉プールも含む)と男湯と女湯に分かれた水着着用必要なしの露天風呂、湯屋という個人風呂などがあります、湯屋は通常は2人までで、ファミリー用の大きい湯屋もあります。
水着はご当地でもありますが、デザイン面ではファッショナブルからはほど遠いかもしれません。水着着用なしの露天風呂はシャワーキャップが必要です。
四重渓の温泉は、
昼間も夜も楽しめます(水着着用の露天温泉にて)
優生美地休憩農場 U.S.M.D hot spring homestay
ナビたちが泊まった民宿がここ。
四重渓の中では新しいスタイルの民宿で、各所スペースも広くて開放的で明るい!部屋はロフト式がほとんどで、上階が和室になっている部屋もあります。お風呂はすべてジャグジー、ゆったりと大きな浴槽で、蛇口からは炭酸泉が惜しみなく溢れ出てきます。ナビの部屋は浴室と部屋に天窓があり快適!朝も湯に浸かっちゃいました。なんという贅沢。
住所:屏東県車城郷温泉路57-26号
電話:(08)882-3553
★湯屋:平日700元~(1時間)、1500元~(2時間)
大山温泉農場
夕食はここで食べました。
南部の人たちの熱い歓迎に多少引きながら(乾杯攻撃がすごい)、お腹はいっぱい。ちょっと露天温泉を拝見させてもらうと、家族連れが多く、温水プールのよう。入場料が安い分、タオルやもろもろすべて自己携帯。湯屋はかなりの年代物で、入るには勇気が要りますね。
住所:屏東県車城郷温泉村大梅路60-1号
電話:(08)882-5725
★露天風呂:200元(大人)、150元(子供)、110cm以下は無料、水着着用あり
★湯屋:200元(大人)、150元(子供)、110cm以下は無料、水着着用なし
上記の営業時間は5:30~23:00で、民宿も併設しています
南台湾観光大飯店
南台湾観光大飯店3000坪の敷地に約500室を誇る南部でも有数の大きなホテル。
歴史もあるので、部屋の古さは否めませんが、自然の中で楽しむ広い露天風呂エリアと10種の温泉池はかなり楽しめます。
住所:屏東県車城郷温泉村温泉路玉泉巷37号
電話:(08)882-2301
★露天風呂:240元(大人、休日は280元)、160元(90cm~120cmの子供、休日は180元)
茴香戀戀 Fennel Resort
南国のリゾート気分を味わいたいなら、ここはおすすめ。
前庭には南国の花がいっぱい、どこもかしこも自然の植物ときれいな花、手入れも滞りなく行き届いています。水癒SPAエリアは明るくて、広い。大人も子供も一緒に遊ぶことができます。奥にはVilla風の宿泊エリア、中を見てみると泊まってみた~い。部屋の浴槽はもちろん温泉。一戸建て民宿も拝見。ここも花や木に囲まれたベランダ付き。何泊でもしたくなっちゃいます。
住所:屏東県車城郷温泉村大梅路1-16号
電話:(08)882-4900
★水療SPA:280元(140cm以上)、180元(90cm~140cm)水着着用あり
★露天風呂:180元 水着着用なし ★湯屋:600元(45分)、1000元(60分)
上から見るとエメラルドグリーンの温泉
清泉 せいせん
四重渓の温泉はここが始まりとされています。
1896年、公共温泉ができてから山口さんという人が山口旅社を建てました。これが現在の清泉山荘の前身です。1898年、松原さんが四重渓の荒地でコーヒー栽培や温泉浴場の経営を始め、この一帯は「温泉村」と呼ばれるようになりました。昭和5年、高松宮宣仁親王が新婚旅行でこの地を訪れ、ここの温泉に浸かります。使用された浴室は、今でも毎日きれいなお湯が張られ、一般の方はフロントにお願いして脱衣場から参観できるようになっています。
特別に戸を開けてもらい、入口から写真を撮りました
会館内は和風色が強く、過去の歴史を大切に守ってきているということが感じとれます。中庭も日本式、食堂もそうで、特に評判のスイーツ抹茶アイスは美味!現オーナーである王さんが、餡子は屏東産のだからね、と誇らしげに話してくれたのが印象的でした。甘すぎて頭が痛くなるような日本の餡子ではなく、かといって、紅豆湯の中の水っぽい台湾餡子でもなく、粒ももったり度も相当あるのに甘すぎない、もっと食べたいなあと思ってしまいました。露天風呂は、岩風呂みたいで、いいお湯です。湯屋も清潔で、気持ちがいいですね。中庭に面した部屋を見ましたが、日本人には国内のどこかの温泉旅館に宿泊しているような落ち着いた気分が味わえることでしょう。
住所:屏東県車城郷温泉村文化路5号
電話:(08)882-4120 大衆温泉:200元 子供150元
★露天風呂:220元(大人)、170元(3歳以上、120cm以下の子供)、3歳以下無料、営業時間:6:00~23:00
★湯屋:ナノテクノロジー湯屋800元~(60分)、日式湯屋600元~(60分)
牡丹風情 THE MUDAN
こちらの温泉の特徴は、ナノテクノロジー温泉。浴槽内の微細なバブルは、瞬間に高エネルギーの超音波を発生させ、人体の皮膚に衝撃を与えてマッサージの効果を出すというもの。温泉のいいエキスが皮膚の中に深く浸透していくので、美肌効果も絶大なのです。
「牡丹」も四重渓では、新しい温泉リゾートホテルなので、どの部屋も南国ムードでリラックスできること保証します!
住所:屏東県車城郷温泉村温泉路251-62号
電話:(08)882-3588
大衆温泉:500元 子供200元
★露天風呂:500元★湯屋:1200元~(1時間)
この湯屋は気持ちいいですよ
北緯二十二度温泉旅館
2010年にオープンした新感覚の温泉ホテル。
ハーレー好きのオーナーの好みがロビーから感じられ、男性が好みそうなシンプルでリラックスできそうな空間が広がっているホテルです。どの部屋も落ち着いたムードで、浴槽も大きい。アメニティはすべてエルメス。部屋にあるカップ麺やスナック類、お茶、コーヒーはもちろんのこと、冷蔵庫内の飲み物もすべてフリー。昔ながらの温泉街の中で、ホテルにはハイクオリティなものを求めている人にはぴったりの都会派感覚のホテルです。
住所: 屏東県車城郷温泉村文化路4-2号
電話:(08)882-2813
★湯屋:1000元(90分)
悠客馬術渡假村
準備万端で出発!
四重渓温泉へ向かう途中の右側に赤い「悠客馬場」の看板が見えます。ここでは、実物の馬を見たことないという人もすぐ乗ることができます。
ナビたちはこの日30分間コースを試しました。基本装備の脛当てとヘルメット帽をかぶったら、ハイ出発。前後にコーチが付いてくれて、川辺や山道を歩くのですが、途中からは軽快に小走りもできるようになり、乗馬の基本的コツを覚え、楽しくなってきたところで30分が終わります。30分はあっという間ですね…。牧場には、約40頭の馬がいて、大自然の中を歩くのが魅力。四重渓は「落山風」といって、冬場は風が強いのですが、雨はほとんど降りません。馬は牧草を食べているので、性格は温和、観光客向けにちゃんと訓練されています。小学校3年以上の子供さんならミニ馬もいるので、家族連れも楽しめます。2年生以下の子は親と一緒に乗ります。
皆初心者なんです
また乗りに行きた~い
大山羊肉爐餐廰
四重渓で一番おいしいレストランと言えば、ここ。
昆布やタマネギ、チキンスープ、漢方も入れて、4時間も煮詰められた羊肉は、臭みもなく、美味の一言。料理の種類も豊富で、南部のおいしい台湾料理も同時に満喫できます。
住所:屏東県車城郷温泉村温泉路113号
電話:(08)882-3489
感想
駆け足の四重渓温泉めぐりでしたが、南部のゆったりスピードと温かい人たちに迎えられて、ほんわか気分になることができました。温泉好きな人、台湾の温泉名所は網羅したいと企んでいる人、四大温泉のひとつと聞くと行かずにはいられない人、南部の空気に触れたい人などなど、四重渓温泉区はまだまだ素朴で、心がなごむこと間違いなしです。
以上、台北ナビでした。