親子の縁が切れたというほどの断崖、台湾東部の海上古道へ行ってきました!
こんにちは、台北ナビです。
台湾東部には、「断崖」と呼ばれる箇所がいくつかありますが、今回は2017年7月1日に観光名所として開放された、「断崖」に沿った海上古道をご紹介します。
こちらへは花蓮からバスなら花蓮客運1145番に乗って、東部海岸沿いの省道11号を南下していきます。約1時間半後、新豊隧道(新豊トンネル)を出てすぐの「新峯」停留所で下車。ここから徒歩で約20分歩くと到着します。東部海岸を走るバスに乗るときは、乗車時に下車したい停留所名をドライバーさんに伝えておきましょう!
その昔のストーリー
日本時代の1930年ごろ、政府は原住民を動員して労役にあたらせたのですが、この古道もその政策の一環にあたります。岩肌に沿って造られた細い小道は、後に「親不知子海上古道」(親知らず子知らずの海の上の古道)と呼ばれるようになります。それ以前の時代は、岩に沿って海面に板を置き、波の上下に合わせて板の上を歩いたそうで、今の位置に設定されたのは日本時代だそうです。ここへ来れば分かりますが、波が岩に打ち付ける際は、かなり激しくしぶきが上がり、海面に板を置いて…というのは命懸けだし、本当だったのか?と思ってしまうほどです。
さて、この「親不知子海上古道」という初期の名前の由来ですが、東部海岸沿いはアミ(阿美)族が多く住むところで、ここは彼らの通用道でもあったわけですが、以下のようなストーリーがあったそうです。
昔アミ族の夫婦が子供連れてこの古道を歩いているとき、妻が足を踏み外して断崖から落ちてしまいます。夫が助けようとしてすぐに海に飛び込みましたが、2人とも溺死してしまいました。橋には子供だけが残され、ここを通った人が子供を養子として育て、このような名が付いたということです。
1968年以前の東部海岸に省道11号がまだなかったころ、この地方はアミ族はじめ、クバラン(噶瑪蘭)族、サキザヤ(撒奇萊雅)族も住み、花蓮南部から新社部落を越え磯崎部落へ行くとき、ここは必ず通過しなければいけなかった道だったと言われています。
1970年代ごろに新崎隧道が開通してから、この古道は廃れていき、通る人はいなくなりました。数年前から豐濱鄉の人々は先人たちの苦労を想い、かつ新しい観光拠点を作ろうということで、2017年、この海上古道を完成させたのです。
車が便利ですが、バスでも行けます
「新峯」停留所から海岸沿いの旧道をしばらく歩いて行くと駐車場があり、新機隧道(新機トンネル)が見えてきます。新機隧道は、現在使用している新豊隧道が開通する以前の旧道トンネルで、海上古道はこの新機隧道に向かって右が入口となっています。
海上古道の入場券は、新機隧道の入口で販売しています。古道を歩いて、新機隧道を奥から戻ってくると、ちょうど一周した形になります。
海上古道とは?
断崖に貼り付いた桟道として整備された古道の最大重量は230人まで。開通時には16人が一組となって歩いたそうです。公園から古道の最後までは全長150m。断崖の高さは約50m。渡り切ったところで古道を振り返って見ると、その高さにびっくり。これを先に見てしまうと歩くのが怖くなるかもしれませんね。古道は途中から透明の強化ガラスになり、下の景色を踏みしめながら歩くことができます。
出口から古道を見ると…
海上古道があるところは、花蓮県の豐濱鄉というところなのですが、住民の方曰く、当初断崖に沿った部分はすべてガラスにする予定だったところ、県予算の関係で後半の20mだけになったんだとか。最初からだと確かに刺激的ですが、途中からガラスに変わったときにウワッと皆が声を上げ、それはそれで面白いんじゃないかと思いました。また、このような古道計画は今後もあるそうなので、期待したいところです。
入口から眺める太平洋の景色は最高で、まさに海の上を歩いているような気分になります。怖い人は左側のロープにつかまって歩いてくださいね。
歩いてきた道を振り返るとこんな感じ
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ガラス通路に変わる入口の岩に気をつけて
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皆やっぱり立ち止まって写真
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下も見てみます…
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東部海岸沿いの奇岩も圧巻です
長くはない古道なので、すぐに出口に到達しますが、ガラス古道の部分はスリル満点。渡り終わったら最後は逆方向から見てみましょう!この海上古道の怖さが再度実感できます。そして岩肌の下方には、東部海岸特有の侵蝕によってできた大きな洞穴を眺めることもできます。
岩を掘りこんで作った様子がよくわかります
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下を見ると、波しぶきが激しいのでした
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新機隧道は、花蓮県豊浜郷の磯崎と新社の間に位置します。
もう使われなくなったトンネル内はライトアップされ、アミ族、クバラン族、サキザヤ族や彼らの祭典紹介があります。民族工芸品や台湾玉、コーヒーやジュースなどの飲料、トビウオ卵入りの台湾ソーセージ、茶葉蛋などのおやつも販売しているので、古道を通った後に、ちょっと一息できますね。