MRTに乗って、台北市内から20分ほどで到着します
蘆洲MAP 提供:全球飛華數位行銷故份有限公司
こんにちは、台北ナビです。
今回、蘆洲で『神將護衛体験之旅』というツアーに参加してきました。ツアーで回った場所から、蘆洲というところを紹介したいと思います。
蘆洲は、台北市の隣に位置する新北市蘆洲区のことで、1845年、福建省泉州府同安県からやってきた人たちが住み始めたところです。中国大陸は同じ苗字の人(=親族や親せき)が集まって住むことが多く、ここへやってきた人たちの姓は李。現在も蘆洲人口の80%は李さんで、次に多いのは陳さんです。また、蘆洲という名は、植物の葦(アシ)が多く自生していたことから同じ発音ということもあり、この名が付きました。しかし北投にある關渡宮から多くの和尚さんが蘆洲にやってきて、お寺の設立のために積極的に寄付金を集め始めたことから和尚州と呼ばれたこともあったそうです。
そういう流れからか、街のあちこちにお寺や廟も多く、数々の神様が祀られています。祀っている神様の誕生日や決められた祭日になると「廟會」というお祭りが行われ、神様とその護衛が街をパレードします。護衛は「神將」(神将、中国語の発音はセンジャン)と呼ばれ、蘆洲は神將の発祥地ではありませんが、その数と精巧さは台湾一とも言われています。
今日は、中和蘆洲線の「三民高中」で下車し、出口1を出て右手の道を挟んだ向かい側に見える「蘆洲故事館」から歩きました。
★台北市内から来る場合、中和蘆洲線には、「三和國中」というよく似た名前の駅が2つ手前にあるので、間違って降りないように気をつけてください。
●蘆洲故事館
住所:新北市蘆洲区復興路56号 電話:(02)2288-6846 営業時間:10:00~20:00 月曜日休み
「蘆洲故事館」は、手前がカフェで、奥の方に蘆洲で幼少期を過ごした歌手、テレサ・テンの資料や蘆洲の今昔の資料展示を行うほか、地域イベントなどにも使われている施設です。今日はここで蘆洲の歴史についてお話を伺い、ツアーの説明を受けた後に出発しました!
●周烏猪切仔麵
住所:新北市蘆洲区得勝街106号 電話:(02)2282-3379 営業時間:8:00~23:00 定休日:毎月第2、4週目の水曜日
蘆洲には切仔麵(台湾ラーメン)で有名な店があり、お昼からのスタートだったので、まずはここで腹ごしらえをしました。入口は作るところで、美味しそうな食材が並んでいます。今回食べたのは、切仔麵と青菜と油豆腐(台湾式厚揚げ)、嘴邊肉(脂身の少ない豚肉)。このお店では旨み調味料は使用せず、豚骨と豚の三枚肉を使ってスープをとっています。味はあっさり、麺は台湾人好みのかなり柔らかい麺になっているので、ちょっと苦手な人もいるかもしれません。
●湧蓮寺
住所:新北市蘆洲区得勝街96号 電話:(02)2281-8642
蘆洲と言えば「湧蓮寺」、今回の取材でメインの寺に到着しました。
夜市や各種の店などが立ち並び、ほぼ24時間賑やかな通りの中に、湧蓮寺はあります。周囲のにぎやかさに負けないくらいの華麗な装飾が目を引きます。ここはいつでも誰でも気軽にお参りができるお寺でもあります。右側には韋駄天、左には關公のりっばな像があります。風水の考え方に基づいて、お寺は南向きに建てられ、東には龍、西には虎のモチーフを配置して、お参りの際は龍の口(東)から入り、虎の尾(西)から出るのが正しい順序。立派な彫刻が施されているので、ご注目ください。彫刻は門構えだけでなく、石柱や壁など内部の各所にもあり、福を賜るコウモリなども見られます。外に出て屋根の部分も見てみてください。
入ってみます
1871年に建立した「湧蓮寺」は3階建てで、祀っているのは、南海觀世音佛祖尊像や釋迦牟尼佛、藥師佛など。後殿には、延平郡王と觀世音菩薩、媽祖、土地公など。正殿の中央には観音様がいらっしゃいます。1981年に一度建て直しを行いました。100年程前に大陸から来た彫刻師が3対の「神将」の頭を持ち込んだことがお寺の発祥とのことで、その神将頭は蘆洲の廟に安置されているので、お参りに行くと見ることができます。
お参りをして、おみくじを引くこともできます。台湾のお寺には、老若男女問わず、いつでもいろんな人が神様に相談をしに来ます。お参りに訪れる方が後を絶たない蘆洲「湧蓮寺」は、まさに地元民の心のよりどころとなっているようで、特に若い人が多いのにも驚きました。
今回、体験ツアーと言っていたのが、この神将の着用体験のことでした。
こちらに並んでいる得勝将軍と成功将軍は、お寺がある通り、得勝路と成功路の名前からつけました。
ブロガー前原和裕さんが、着用してみました。かなり大きくて、重たそう。3人がかりで装着補助をして、装着完了!
こちらは体験用ということでアルミ製で約10㎏、極力軽く作られているので、軽々と動いていました。本来祭事に使われる神将は木製で、40Kgもあるそうです。そして、実際に祭事でかぶる人は体をきれいにし、数日前から肉を食べてはいけないそうです。
●懋德宮
観音様のいらっしゃる正殿の後方、後殿には、延平郡王鄭成功を祀っている懋德宮があります。鄭成功がオランダ軍を駆逐した様子を描いた見事な彫刻壁画もありました。また、ここには子宝祈願でも有名な許生娘娘と呼ばれる神様もいらっしゃり、ご利益があるそうです。「早生貴子」(早く子宝に恵まれますように)は、結婚の披露宴でもよく新郎新婦に向けられる言葉ですね。媽祖様や福德正神(土地公)もいらっしゃいます。
懋德宮には、一般の家庭ではスペースなどの関係から、祀ることができない神様たちを祀った「衆神殿」があります。一定の期間が来たら、或いは一定の数に達したら、まとめてお寺が供養してくれるそうです。
●龍鳳堂
住所:新北市蘆洲区中正路49号 電話:(02)2281-0601
新北市で開催される製菓コンテストで優勝した名店『龍鳳堂』に行きました。 こちらのお店では、普段使いのお茶菓子から、テレサ・テンの名前を冠した『麗君餅』、婚礼贈答用の伝統菓子まで、幅広い商品を取り揃えてあります。テレサ・テンの名前を冠した『麗君餅』は、シイタケと肉入りで、おいしいです!
そして、こちらがコンテストで全国1位に輝いた『烏豆沙蛋黄酥』(小豆餡と卵黄餡のパイ)。小豆あんの甘味と卵黄あんの組み合わせがいいですね。台湾風のパイ生地に包まれて光るお饅頭。台湾茶にもぴったりのお菓子です。
お店では、6種の占い籤のパッケージに包まれた好運籤餅(好運の占いビスケット)も販売中。台湾特有のきめ細かい食感で、思ったほど硬くなく、食べやすい。小麦粉の香りと甘みも実感できます。
●文武大眾爺廟
住所:新北市蘆洲区成功路156之1号
湧蓮寺のすぐ近くに、屋台などの陰に隠れてわかりにくいのですが、「文武大眾爺廟」がありました。台北市内でもよく見かける普通の廟ですが、鉄格子の中を覗くと、范将軍と謝将軍が。范将軍と謝将軍で有名なのは新竹の「城隍廟」ですね。悪人や心にやましいものを持つ人は、彼らに裁きを受けるので、范将軍と謝将軍がいらっしゃる廟には、怖気づいて来られないとのこと。この中には台湾全土でもあまり見られない、鍾馗神將という神将もいらっしゃいました。
●保和宮
住所:新北市蘆洲区忠孝路48巷 電話:(02)2285-2274
文武大眾爺廟から100mくらい離れたところにある「保和宮」。保生大帝、すなわち健康の神様を祀る宮です。1910年建立のこちらも装飾が美しい建物で、彫刻が立派。明治43年(1910年)と刻まれた石柱もあります。建物の中には、14名もの神將が並んでいます。この日は正門と一部が修理中でしたが、中に入ることはできました。「学問の神様」が集まるエリアがあり、ここは試験を受ける人たちがお参りするところ。学生さんたちは受験票を持ってきて、葱や大根など「合格」にあやかる供物をここに並べてお参りするのです。
夜市が気になる…
活気のある古い街並みを眺めつつ歩いているともう夕暮れで、廟の周りには夜市が立ち始めていました。台北市内とはどことなく趣も異なり、歴史ある廟が人々の生活の中に息づいている蘆洲。台北市内からMRTで20分以内で着くことができます。
以上、台北ナビでした。