静かで、心が落ち着くお寺です
こんにちは、台北ナビです。
龍山寺と聞けば、台北の龍山寺を思い出しますが、実は台湾には5つの龍山寺があります。古い順から行くと府城(台南・1715年)、鳳山(高雄・1719年)、萬華(台北・1738年)、鹿港(彰化・1786年)、淡水(新北市・1858年)。
鹿港龍山寺は4番目で、現在の建物は、1786年(乾隆51年)に建立しましたが、その基礎は実は一番古く、1653年(明鄭永曆七年、明末清初)に遡ります。当時は、「暗街仔」という所に位置していたそうで、その跡は、「唵嘛呢叭彌吽」という碑によって残されています。
現在の鹿港龍山寺は、当時「台湾の紫禁城」の異名を取ったほど、台湾に残る清朝の建築物では最高の建物だと言われています。北宋の宮殿を模したという建築様式は、優美で独特な格式あるお寺として知られ、現在は「一級古跡」にも認定されています。
山門から入ってみましょう
山門にかかった「龍山寺」の表札
鹿港龍山寺の敷地面積は、1600坪余り。
三進二院七開間と言われる建築様式は、山門、前庭、五門殿(八卦藻井、戯台を含む)、中庭、正殿(拜殿を含む)、後庭、後殿と続きます。
今回案内してくださった林老師曰く、建立時このあたりは何もなくて見晴らしもよかったそうなのですが、建築規則もなかった時代なので、やがて隣に高い住宅が建ち始め、全体的な景観としては少し残念と話してくれました。確かに龍山寺の建物のどこを撮っても、背景に住宅が入ってきますね。が、これも台湾の景色なのかもしれません。
山門
手前にある五門殿
五門殿には、縁起かつぎの絵や彫刻などがあふれています。
五門殿
八卦藻井と戯台
天井の中央の絵
五門殿の中央にある戲台の上方には、八卦藻井と呼ばれる天井があり、台湾のこのような天井の中では、保存状態が一番良い最古の作品だとされています。
「八卦藻井」の「八卦」の意味は、邪気を鎮め、平安であることの意味があります。
圧倒されました
この戲台に立ってあ~~と叫ぶと、あら不思議、マイクなんかなくとも音響のよさにびっくりします。ここではよく演奏会も開かれるそうですが、さぞかし声や音が通ることだと察せられます。
戲台には木のベンチもあり、近所のお年寄りの方々が集まっておしゃべりしていました。のどかな光景ですね。
中庭には、樹齢200余年のガジュマルの木が2本、対のように植わっていました。
黃杰將軍による額
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扉の絵も古いです
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のどかで
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時間が止まったみたい
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真ん中にある正殿(拝殿)
正殿(拝殿)
正殿には、「観世音菩薩」が祀られていて、旧暦2月19日は観音媽の誕生日で盛大な祭りもあります。
文物としては額や石牌、古鐘が有名です。毎年端午節にドラゴンボートが開催される前には、ここへ来て、龍の頭にお参りをするそうで、その龍頭は正殿の中に置かれていました。
額がいくつかあります
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淵には龍が彫られています
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こちらは鐘、日本時代のものです
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端午節にあがめられる龍頭
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正殿の素晴らしさは、内部から見上げてみるとよくわかります
ここでお参りをしたい人は、入って左側で線香などを購入できます。おみくじを引くための芋型の木などもありますね。
台北の龍山寺はご利益が高いことで有名ですが、こちらもかなり!らしく、ナビと一緒に行った数人は、さっそくお参りを始めました。
正殿の屋根は、確かに新しい色ですね
鹿港龍山寺は、1999年の921大地震で、正殿の屋根が折れるという損害を受け、2001年に入ってから国家文化遺産にすべく、民間企業が修復費用を提供しています(現在も修復は続いています)。
後殿の後方へもどうぞ
後殿
正殿を過ぎると、後殿。庭には井戸がいくつかありますが、参拝者がお金を投げ込むので、鉄柵で閉じてしまったそうです。
それと、後殿に向かって左側がお手洗いの方向なのですが、ちょっとステキなので、ここにも立ち寄ってみてください。お手洗いの前方には、なんときれいな庭があり、池には鯉が泳いでいました。
以上、台北ナビでした。