阿里山で初めて高山茶栽培を始めた茶農家の古民家に泊まる貴重体験ができちゃいます!
こんにちは、台北ナビです。
台湾南部・嘉義県にある阿里山といえば、標高の高い場所で栽培された香り高い高山茶を思い浮かべる人も多いかと思います。実際、嘉義の市街地から阿里山方面へと車を走らせると、山を登るに連れていたるところに茶畑が広がっているのを目にすることでしょう。
ただ、阿里山でお茶の栽培が盛んになったのは戦後になってからだということはあまり知られていないかもしれません。今回紹介する民宿「大山自在民宿」は、1970年代に初めて阿里山周辺で高山茶の栽培を始めた茶農家の建物を再利用した民宿なんです。
お部屋の隣は現役の製茶工場。茶畑へは歩いて2分。特別な体験ができる「大山自在民宿」の魅力を皆さんにご紹介します!
お茶の発展の歴史が分かる民宿
ここから阿里山茶の歴史が始まりました
そもそも嘉義は日本統治時代に、阿里山の豊かな森林資源によって栄えた歴史があります。ヒノキやベノキに代表される品質の高い木材は台湾だけでなく、当時の内地であった日本にも運ばれ、重宝がられました。そのため、大山自在民宿のある場所も元々は森林が広がり、林業で栄えていたんだそう。
ただ、時代の変化により木材の需要が低くなると、阿里山で暮らす人々は産業転換を迫られます。大山自在民宿のオーナー林広立さんの父親である林允發さんも例外ではありませんでした。そこで目をつけたのは、その数年前から栽培が開始され、高品質の茶葉を作り出していた南投県凍頂地区のお茶でした。それまで台湾のお茶は平地で栽培されることが多く、山間部での栽培は少なかったのですが、凍頂での栽培の成果が良かったため、阿里山でも栽培できるのではと考えたのです。
凍頂で苗木を分けてもらい4年間育てた結果は想像以上のおいしさでした。標高が高い場所ゆえに朝晩と日中の気温差が大きく、お茶の風味の向上に繋がったのです。その後の発展は現在の様子を見て分かるとおり。ここで栽培された茶葉は品評会で高い評価を獲得していて、名実ともに阿里山茶の代表として君臨しています。
なんといっても素晴らしい環境のよさ
大山自在民宿があるのは嘉義市内から車で1時間強。古い町並みが残る嘉義の太平老街からは車で11分。周辺には民家が点在し、人里離れた場所というわけではないのですが、嘉義と雲林の県境を流れる清水渓に向かった谷に面しているため、目の前は開けた土地になっていて、視界はとても良好。天気の良い日には南投と花蓮の県境にある合歓山も望めるそうです。
民宿の近くには竹林があり、一歩足を踏み入れると別世界に迷い込んだような落ち着きがあります。そして、その竹林を抜けると見えてくるのが茶畑です。ここから阿里山産の高山茶の歴史が始まったと思うと妙な感動すら覚えてしまいます。
そして民宿の醍醐味は製茶工場が見学できること。ナビが訪問した時はお茶のシーズンではなかったので、残念ながら製茶作業は見られませんでしたが、製茶に使われる道具や機材が見られました。
客室は築60年の三合院を改築した建物にありますが、しっかりとリフォームされていて、とても清潔です。それでも間取りは以前の状態を残していて、台湾の田舎暮らしを彷彿とさせます。
昔の家らしくトイレと浴室は共同ですが、きちんと清掃されていて清潔です。シャンプーとボディソープはありますが、タオルや歯ブラシなどは予め用意しておきましょう。
<2人房>
2人部屋です。奥の部屋に布団を敷けば3人で泊まれます
<6人房>グループ旅行に適したロフトつきの6人部屋です。ロフトに上がる階段は急ですが、秘密基地のようなワクワク感があります。
いかがでしたか?のどかだけれど、阿里山のお茶の歴史が詰まった素敵な民宿。都会の喧騒から離れてリフレッシュできるだけでなく、阿里山や高山茶への認識を深められる場所です。皆さんもぜひ訪れてくださいね。
以上、台北ナビがお伝えしました。