人里離れたのどかな場所で、誰にも邪魔されない秘密の宿です
こんにちは、台北ナビです。
南投県竹山鎮という場所をご存知でしょうか。高鉄「台中」駅から路線バスで約2時間弱。日本統治時代前の清朝時代には現在の南投県南部と雲林県を合わせた地域にあたる旧雲林県の中心として発達し、日本統治時代には樟脳生産やサトウキビ栽培などで栄えた地方都市です。古い歴史を擁し、霊験あらたかな土地の神様を奉る竹山紫南宮などの観光スポットも点在します。
ただ、今回ご紹介するのは、その竹山の中心部からさらに自動車で30分近く山道を登った人里離れた場所にある「友竹居古厝民宿」です。かつてはほぼ自給自足の生活を送っていた人々が暮らしていた古民家を改築したもので、近くには数軒の民家がある以外本当に何もないのですが、だからこそ非日常の宿泊体験ができるナビイチ押しのスポットなんです。その魅力をじっくりとご紹介しちゃいますね。
オーナーが生まれ育った築70年の古民家を改造
オーナーの林さん夫妻
そもそもなぜこんな山奥に民宿があるのでしょうか。それはここがオーナーである林文山さんが生まれ育った思い入れのある場所だからです。
勉学や仕事のため、一時期は都会へ出たり、中国へ赴いたりしていましたが、生家がせっかく残っているのだからということで、近くで同じく古民家を民宿に改築した知り合いのすすめを受けてオープンを決意しました。
もともと林さんの家族はかつて防虫剤や防腐剤として大量に使われた樟脳生産に携わる仕事をしており、この山の中で自給自足の生活をしていました。
仲のいい人たちとお茶を飲みながら四方山話をするのは楽しいものです
標高は900メートル。建物の裏の斜面には自家農園があり、さまざまな農作物が栽培されていて、この民宿で提供される夕食や朝食に使われます。
少し見晴らしの良い高台に上れば、天気がいい日には名峰の合歓山が望めるそう。高台の東屋には薪で火を起こしてお茶が飲めるようになっていて、ほっと一息つける空間になっています。薪で沸かしたお湯はガスで沸かすよりもお茶の香りが豊かになるとは、お茶に詳しいナビ友の言葉です。
ここを訪れる人たちはみな、1泊だけでなく2~3泊していく人が多く、ここを拠点にどこかに遊びに行くのではなく、滞在中はずっと民宿の周りを散歩したり、お茶を飲んだり、語り合ったりしているんだとか。忙しい現代社会で、あえて何もしないということも必要なのかもしれません。
時間が経つのを忘れてしまいそう
そして民宿の横にあるのは湧き水を利用した天然の冷蔵庫!林さんによると水温は年間を通じて約18度。このなかに入れていたお酒は約3カ月くらいで味がまろやかになるそうですよ!
お部屋紹介
リビングで語らうのもいいですね
4部屋ある客室はいずれも2人部屋。一歩室内に足を踏み入れると、木のいい香りが漂います。室内は至ってシンプル。テレビはありません。もっとも、外に出れば雄大な大自然が待っているので、引きこもっているのはもったいない気がします。
アメニティはタオルとヘア&ボディウォッシュがありますが、歯ブラシやクシなどはないので、環境保護などの観点から持参することをお薦めします。
ただ、注目はどの部屋にも設置してある木風呂。標高が高いだけあり、朝晩には冷え込むこともあることから、お風呂で温まってもらいたいという嬉しい気配りです。しかも4部屋が同時にお湯を使っても温度や水量に影響は出ないというからとっても便利!ゆったりとバスタイムが楽しめそうです。
<四法光明>
ごくごくシンプルな2人部屋。昔の人たちがどういった暮らしをしていたのか、思いをめぐらせるのも楽しいかもしれません。
<二秋月涼>こちらもシンプルな2人部屋。夜にはひっそりとするため、誰にも邪魔されずにぐっすりと眠りにつけるはず。
台湾人の宿泊客だけでなく、香港やマレーシアなどからの旅行者も長期滞在していくことがあるんだとか。秋から冬にかけては頻繁に雲海が見られるほか、春にはたくさんのホタルが観賞できるそう。また、夏の気温は25~27度と比較的涼しく、避暑には最適です。そして夜は天気さえ良ければ一面の星空が鑑賞できちゃいます。そのままの自然が残っているからこそ、都会では味わえない体験ができるんですね。ぜひみなさんも何もない場所でのステイを楽しんでみてください。
以上、台北ナビでした。