タピオカミルクティーといえばここ!台湾ドリンク文化の源流を作ったお店には優雅な時間が流れています
こんにちは、台北ナビです。
5月ともなると台北は真夏の陽気で、おなじみのドリンクスタンドにも行列ができています。台湾でドリンクといえばタピオカミルクティー!というわけで、今回はタピオカミルクティーの有名店「春水堂」へやってきました。
入ってすぐの客席もゆったり
今回ナビが訪れたのは、観光地としても定番の中正紀念堂に隣接する「國家音樂廳」の中にある店舗です。
観光したその足で立ち寄るのに便利なのはもちろん、リサイタルやコンサートが開かれる大きな劇場の建物内にあるので、席数も多くて広々とした空間なのでおすすめです!
2号門から入るとすぐお店があります
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真正面は1号門です
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ドリンクスタンドと違って、中華風の落ち着いた店内でゆっくりドリンクを楽しめるのが春水堂の魅力。
歴史ある中国茶文化を意識した古典的な雰囲気と、現代的なカフェの気軽さが融合した内装は、すごく居心地がいいんです。
ドリンクスタンドの源流を作ったお店です!
冰珍珠奶茶(小杯)85元
いまでは台湾の街を歩けばどこでも見つかるドリンクスタンドですが、冷たいドリンクにストローを差して気軽にお茶を楽しむスタイルを発案したのが、何をかくそうこの春水堂だといわれています。創業は1983年、オーナーの劉漢介さんが台中の四維街という土地に「陽羨茶行」というお店を出したのが始まり。当時のコンセプトは、中国でお茶が庶民にまで広まった宋時代の文化を現代へと受け継ぎながら、西洋のバー方式でドリンクを販売するという画期的なものでした。この時はじめて、シェイカーで混ぜ合わせたバブルティードリンクを発売したのだそうです。
しかも着想を得たのは、劉さんが日本旅行中のこと!カフェで店員さんがシェイカーを使ってアイスコーヒーを作っているのを見て、台湾産のおいしいお茶でも同じようなドリンクができないか、と思ったのがきっかけだったのだそうです。実験を繰り返し、蔗糖(サトウキビ)と氷を入れて紅茶をシェイクすると、甘さと香りに細かい泡が加わって、ベストな味わいが生まれると発見しました。このバブルティーが台湾の茶文化に大きなセンセーションを巻き起こし、現在では台湾を代表するものとなったドリンク文化を作ったというのです。(台湾ドリンク文化の起源は諸説あり、春水堂説はそのうちの一つです。)
タピオカミルクティーの発売で人気を不動のものに!
この出合いが台湾のドリンクを変えた!
台湾ドリンク文化のパイオニアとして知られ始めた春水堂は、やがてタピオカミルクティーを発売して一気に有名店となります。開発したのは商品部の林秀慧副總(副社長)。
台湾で昔から食べられていた「粉圓(タピオカ)」の食感、歯ごたえに注目し、ミルクティーの中に入れたことで、まったく新しいドリンクが誕生しました。黒いタピオカがお茶の中でくるくると動く様が、真珠が揺れ動く様子を思わせることから、「珍珠奶茶(パールミルクティー)」と名づけて常連さんたちにふるまったところ、大人気に。1987年に正式に発売をスタートすると、爆発的なヒット商品となります。その後台湾の国民的ドリンクとなったことは、みなさんご存知ですよね!
春水堂のタピオカミルクティーはここが違う!
タピオカは新鮮さが命です
元祖と言える春水堂のタピオカミルクティーですが、その後次々とドリンクスタンドがオープンし、コンビニでもタピオカ入りドリンクが気軽に飲めるようになった今でも支持され続けているのには訳があります!もちろん元祖としての知名度もありますが、やっぱり一番の理由はシンプルにおいしいから。というわけで、そのおいしさの秘密に迫ってみました。
春水堂のタピオカは今の平均に比べると少し小粒なのですが、これは伝統的な大きさと作り方を頑なに守っているから。もちろん添加物などは一切加えず、サツマイモ粉で作っているため、しっかり歯ごたえがありながらも嚙み砕きやすく、食べやすいのが特徴。新鮮さが命なので、低温で各店舗へ配送してから煮込みます。すべての過程で、まるで本物の真珠のように、大切に扱われているのです。ほんのりとした甘さの決め手となる蔗糖(サトウキビ)にもこだわりが。必ずキャラメル状にして加えることで、お茶の香りがより引き立って、豊かな飲み口になるそうです。
中でも一番大切にしているのが、すべてのドリンクのベースとなるお茶そのもの味。研究開発部のスタッフが茶葉をセレクトする際には、小さな急須でじっくり入れて味見をしています。しかも種類ごと、季節ごと、問屋ごとの茶質によって、冷たいドリンクにした時にお茶本来のおいしさが損なわれないように淹れ方を工夫しているそうです。
ホールスタッフは訓練を積んで、「調茶師認證」というライセンスを手に入れると、やっとお店で出すお茶を作れるようになります。「調茶師」はお茶の入れ方や知識を一通り知っているのは当然のこと、ライセンスを手に入れた後も定期的に味覚や嗅覚のテストを受けているんだとか。常にお茶の味を適切に調節し、春水堂の味を守ることが求められているんですね。これだけの努力があるから、創業から変わらぬおいしさをキープできているわけです。
実際に飲んで思うのは、やはり甘さの中にもお茶の味がしっかり出ていること。タピオカとのバランスがいいので、甘ったるいクドさは一切なく、さっぱりと最後までおいしく飲めます。
タピオカミルクティーだけじゃない!ほかのドリンクも美味です~♪
冰翡翠檸檬茶(小杯)90元
もう一品いただいた人気のドリンク・「
翡翠檸檬茶」は香り高いジャスミンティーを使用したドリンク。
新鮮な台湾産レモンを加えたことで、お茶のおいしさが引き立っています。さっぱりした酸味と甘さのバランスが非常にいい人気商品です。
春水堂は食事メニューも充実しているので、ゆっくり食事とお茶を楽しむコースもおすすめです。
今回ナビが注文したのは、セットメニュー、麺メニュー、サイドメニューの中でも特に人気の3点です。
蔥油醬燒雞腿蓋飯 270元
盛り付けも美しい〜〜
セットメニューの「蔥油醬燒雞腿套餐」は鶏のもも肉を柱侯醬というソースで焼き上げ、たっぷりのネギ油をのせたもの。柱侯醬というのは中国広東省にある仏山市の特産で、大豆、塩、砂糖、胡麻、そして醤油の一種である生抽で作ったもの。あまり日本人には馴染みのない調味料ですが、まったくといっていいほどクセがありません。
鶏肉は切らずにまるごとご飯にのっているんですが、箸で食べられるほど柔らかくてジューシー。ほどよく塩味の効いたネギ油が食欲をそそります。
功夫麵 85元
「
功夫麵」は豚ひき肉のそぼろとしいたけのソースを、麺と絡めながら食べる料理。よーくかき混ぜてから食べるのが台湾流。抜群においしいソースの味をしっかりと味わいましょう。
雙拼燒賣(珍珠丸/蝦仁)150元
2種類の大きめシュウマイがセットになった「
雙拼燒賣」は、麺にプラスしてもいいし、単品でお茶と一緒に食べてもおいしいメニューです。お米の形が残った珍珠丸はもち米のシュウマイで、中に豚ひき肉のジューシーな餡が入っています。歯ごたえのいい豚肉とエビのプリっとした食感が楽しめるエビシュウマイは、皮をきれいな花型に包んだところに大きなむきエビをのせた、見た目にも美しいお料理です。