台北屈指の伝統市場「南門市場」がデパートのように美しく生まれ変わってご帰還!庶民に愛される伝統市場としての貫禄はそのまんまで、台湾土産探しにとっても便利です
こんにちは、台北ナビです。
MRTの新路線「萬大線」開通工事に加え、ビルの老朽化のために2019年10月から建て替え工事が行われていた「南門市場」。工事期間中は、中正紀念堂の真裏を仮住まいの「南門中継市場」として営業していましたが、2023年11月に新たな姿で、MRT「中正紀念堂」駅前に帰ってきました!
台北屈指の伝統市場のひとつである「南門市場」の生まれ変わった姿を、一緒にのぞいてみましょう!
駅直結でアクセスが更に便利に!
MRT「中正紀念堂」駅の隣という立地のよさも「南門市場」の魅力のひとつですが、現在工事中の連絡通路が完成すれば、今後は駅構内から直接市場へアクセスできるようになります!なんと便利なのでしょう。
また、現在絶賛工事中のMRT萬大線が開通すれば、3路線が乗り入れて更に利用者が増えそうな予感の「中正紀念堂」駅。ますますにぎやかになりそうですね。
伝統市場らしからぬモダンな佇まいは、もはやデパート!
洗練されたデザインで存在感を放つ「南門市場」
古くから庶民の台所として親しまれてきた「南門市場」は、前身の「千歳町市場」が始まった1909年から数えると、110年以上もの長い歴史があります。そんな伝統市場が、市場とは思えないほど美しい姿となってカムバックしました。
新築された行政中心ビル(区役所)は12階建てで、地下1階から2階部分が「南門市場」となっています。地下1階は生鮮食品・総菜売り場、1階に乾物・総菜・食品、2階に服飾・宝飾売り場とフードコートという配置になっています。
全面ガラス張りで、高いデザイン性を感じるこちらのビルは、なんとあの「九典聯合建築師事務所」による設計だということを知り、深く納得したナビ!「九典聯合建築師事務所」といえば、台湾におけるエコ建築の先駆け、「台北市立図書館北投分館」を手掛けたデザイン事務所です。「台北市立図書館北投分館」は2012年に米国のウェブサイト、「Flavorwire.com」により「世界で最も美しい図書館25」に選出されている、台湾が世界に誇る建築のひとつでもありますよね。
比較的閉鎖的なイメージがあった旧市場の場内と比べると、カーテンウォールの採用により、外からも市場の賑わいが感じられ、また場内からも街並みを楽しむことができて、より開放的な市場になったように感じました。
伝統市場といえば衛生面での不安がつきものですが、さすが「九典聯合建築師事務所」さん。今回の改築では、新鮮な外気を導入するなどして、空気の質の改善に努めたそうです♪
また、主要客層である年配客が利用しやすいようバリアフリー設計にし、床には滑り止め効果のある素材を使用しているのだそうです。内装は暖かみのある暖色を多めにしたり、視覚障害の方が識別しやすいような配色を使用するなど、衛生面・安全面ともにさまざまな工夫が施されています。
高齢者が見上げてわかりやすいように、お店の看板は傾斜のあるデザインに!
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支払いはクレジットカードやApple Payなどの電子マネーにも対応して、より便利に買い物ができるようになりました
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1階:乾物・総菜・食品売り場
約250店舗が入居する市場は、見どころ満載で目移り必須です。まずは1階、乾物・総菜・食品売り場をぶらぶらしてみました。端午節間近の、ちまきのシーズンに訪れたこともあってか、平日の午後だというのに、なかなかの混雑ぶりでした。きれいな場内は冷房もきいているし、ゆっくりお買い物できる環境へと整備されたことも影響しているのかな?
市場入口(1号門)を入ると目に飛び込んでくる「上海合興糕糰店」
現在三代目が受け継ぐ、創業70年以上の老舗。迪化街「合興壹玖肆柒」と新富町文化市場内「合興八十八亭 」の本店で、伝統的な中華菓子やマントウを扱っているほか、ちまきも人気です。ちなみにここの鬆糕は、蔣介石の妻、宋美玲も愛した味なのだそう。
店主が好印象の「大連食品行」は、伝統的な外省人の臘味や金華ハム火腿をメインに扱うお店です。しかし、残念ながら日本へは持ち込めない……(涙)。でも大丈夫!カラスミや花生酥など、お土産にもよろこばれる品がそろっています♪茶梅大好きナビがゲットした茶梅は、しっかり食感で、台湾茶によく合う味付けでしたよ。
イカツイお肉や魚の燻製がぶら下がっております
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麻辣のザーサイの漬物はビールのあてになりそう~
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「人気だけどどこで買えばいいの?」と思っていた花生酥。2種類取りそろえがあり、試食もさせてくれます
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ナビが購入した茶梅がこちら
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金華ハムで知られる「萬有全」
高雄にある萬有全は別ものだ!とお父さん
中国から台湾へ渡ってくる前から数えると170年!南門市場では70年以上の歴史を持つ金華ハムの老舗です。五つ星ホテルやミシュラン掲載など有名店にも卸しているという「萬有全」の金華ハム、次回はぜひ挑戦してみようと思います。
日本へは持ち込めない金華ハムですが、薄いマントウの皮に、金華ハムの蜂蜜漬けと揚げた湯葉を挟んでいただく「富貴雙方」のセットを購入すれば、台湾滞在中に気軽に食べられそうです!
「酸白菜」を発見!これがあれば、自宅で酸菜白肉鍋が食べられる~
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こちらが「富貴雙方」。これ、絶対においしいやつだ!
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彩り豊かで、目を引く果物屋さんは台湾を感じますね
製麺屋さん
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お肉がおいしそう!持ち帰って、ホテルでかぶりついちゃう!?
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地下1階:生鮮食品・総菜売り場
精肉店や八百屋が並ぶ地下1階へとやってきました。室内市場の地下といえば、「ほんとに衛生面大丈夫か!?」と不安になることが多々ありますが、最新「南門市場」では安心して見て回れます~!生鮮食品独特の臭いも、ほとんど気になりませんでした。
鍋の具材として人気の「蛋餃」が売りの「南門魚丸店」
豚肉オンリーのシンプルちまき「湖州鮮肉粽」がおすすめ
ちまきの老舗「南園食品店」は、特に端午節になると行列ができるほどの人気ぶり。北部と南部など様々なちまきを作っているお店ですが、おすすめは「湖州鮮肉粽」です。出来立てのちまきを買って、2階の休憩スペースでほおばるのもよし◎
店舗は地下1階と、1階にあり、ちまきだけでなく酒釀、湯圓や年糕も扱っていました。
今度は酒釀を買ってみよう~♪
2階:服飾・宝飾売り場とフードコート
2階の大きな窓ガラスの前には、休憩スペースが設置されています。外を眺めながら、ゆっくり過ごせそう!
明るいエスカレーターで2階へと足を運んだナビ。まず目に飛び込んできたのが、開放的な休憩スペースでした。市場の中を歩き回って疲れたら、ベンチに腰掛け、窓の外に映る街並みを眺めながら小休憩しましょう。
休憩スペースを抜けると3本の通路が並行して並び、各通路両脇に服飾・宝飾店がずらりと軒を連ねます。服飾、宝飾ともに年齢層は高めの設定のようでした。
席数も多く、明るいフードコートは、エスカレーター後方にあります。台湾料理だけでなく、ベトナムのフォーやインドカレーなど多国籍なラインアップなので、台湾料理に食べ飽きた頃に、このフードコートで異国料理にトライしてみるのもよいかも!
デパートのように美しく生まれ変わった「南門市場」ですが、庶民に愛される伝統市場としての貫禄はそのまんま!相も変わらず食に貪欲な、台湾人の食文化を垣間見ることができます。
クーラーの効いた快適な場内でおみやげ探しに没頭するもよし、外の景色を楽しみながらフードコートでお腹を満たすもよし。ぜひ、新「南門市場」をのぞいてみて下さい。
以上、台北ナビでした。
※肉製品や果物類など、一切持ち込みが禁じられているものや検疫検査が必要なものがありますので日本への持ち込みの際はご注意ください。詳しくは動物検疫所・植物検疫所のウェブサイトで最新情報をご確認ください。