香港から海を渡ってやってきた中華菓子のお店。台湾で愛され続けて30年余の変わらない味は台湾に留まることなく、日本人の心も揺さぶります!
こんにちは、台北ナビです。
鳳梨酥(パイナップルケーキ)や牛軋糖(ヌガー)は台湾土産の十八番となっていますが、それら中華菓子を求めてお店へ足を運ぶのは観光客だけではありません。昔から変わらぬ味を求めて通い続ける地元民の存在が何より「おいしいお店」であることを証明してくれます。
今回は30年ほど前に香港から台湾へと店舗展開を始めた中華菓子のお店「奇華餅家 (中山總店)」へやってきました。ナビがお店へ滞在している間、地元の人たちが親しみのある味を求めてポツリ、ポツリと来店していました。我々日本人がたまに食べたくなって和菓子屋さんへ足を運ぶように、台湾の人たちもふと思い立っては、昔ながらの中華菓子屋さんを訪れるのかなぁ~、なんてことを考えながら眺めていました。
左から香港からやってきたFloraさん、主任の朱さん、日本語OKの劉さんです。奇華愛あふれる優しい3人を見かけたらぜひ声をかけてみて下さい♪
お邪魔したのは中山北路二段にある本店です。MRT「民権西路」駅や「中山國小」駅からもほど近いのですが、お店の真ん前にはバス停「台泥大楼」があるのでバスを利用するというのも手です。本店の隣には「Kホテル」が、また近くには京劇を観覧できる「臺北戲棚(タイペイ・アイ)」もあるので、ついでに立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
店舗は本店以外に台湾全土のSOGOや三越といった大型デパートを含めた15店舗で展開されているので、手軽に入手できるところも魅力の一つです。本店には簡単な日本語を話せるスタッフがいるので安心。ちなみに、5000元以上お買い上げで、ホテルへの無料配送サービスを行なっているそうなので「お土産をたくさん買わなければならないけど、持ちきれない!」という方にはありがたいサービスですね。このサービスは全店舗で実施しているそうなので、お店の方に問い合わせてみて下さい。
まずは人気の鳳梨酥(パイナップルケーキ)
餡の多さをご覧あれ~!
台湾の中華菓子屋になくてはならない鳳梨酥。いろんなお店で扱われており、その種類は実に多種多様です。奇華の鳳梨酥の特徴を探るべく、試食してみました。見てお分かりの通り、皮より餡の比率が高いのがこのお店のパイナップルケーキの魅力です。
種類は<鳳梨金酥>鳳梨(パイナップル)、蛋黃鳳梨(黄身とパイナップル)、香芒(マンゴー)、蜜瓜(メロン)と<土鳳梨酥>の計5種類で、<鳳梨金酥>と<土鳳梨酥>は使用しているパイナップルの品種に違いがあります。
<鳳梨金酥>香芒(マンゴー)店内の鳳梨酥部門、人気No.1というマンゴー味。台湾のおいしいマンゴーを惜しみなく使用しているだけあって、ねっとりとした食感の餡から甘くておいしいマンゴーの風味がしっかり感じられました。パイナップルケーキ好きの上級者にぜひオススメです。
鳳梨(パイナップル)人気No.2は、やはりオーソドックスなパイナップル味。特に鳳梨酥が初めての方は是非押さえておきたい一品です。加工するのがもったいないくらい甘くてジューシーな台湾パイナップルの代表格である金鑽鳳梨を使用しているので、その味わいは間違いないです。上品な甘さと、サクッとした皮のシンプルな組み合わせをご堪能下さい。
蛋黃鳳梨(黄身とパイナップル)特に日本人は好き嫌いが分かれる卵の黄身入りパイナップルケーキですが、しょっぱい黄身と甘いパイナップル餡の組み合わせは台湾人にとっては無くてはならない一品なのです。ナビの台湾人の友人はみんな黄身入りパイナップルケーキが大好き!このお店の蛋黃鳳梨を目当てに何十年と通っている常連さんもいるのだそうですよ。ナビは正直なところ「黄身無し派」なのですが・・・こちらの蛋黃鳳梨はしょっぱさがあまり感じられず、違和感なく喉を通りました。「ここの蛋黃鳳梨ならアリだ」と少し感動を覚えました。ナビと同じように蛋黃鳳梨が苦手な方も、きっとここのならスッと受け入れられる気がします♪
蜜瓜(メロン)意外にも(?!)ナビが個人的に気に入ったのがこちらのメロン味。見た目はなんだかニセモノっぽい雰囲気(失礼!)だったのですが、スッキリとした甘さの台湾産メロンを使用しているので、嫌みのない自然な味わいはついついクセになりそうです。口に入れると香りがホワァ~ンと広がり、重みのある食感の餡にメロンの風味がしっかりと馴染んでいて、だけれど甘すぎず、おいしい~!マンゴーやパイナップルにあるような酸味が少ないので、お子様にも喜ばれそうです。
<土鳳梨酥>台南・關廟でとれるパイナップルを使用しているという、こちらの土鳳梨酥。土鳳梨酥の「土」には「昔ながらの」「その土地の」というような意味合いがあります。さきほど紹介した鳳梨金酥との違いは、使用しているパイナップルの品種と果肉の使用比率です。果肉の使用量が多い為、パイナップル独特の酸味や繊維がしっかりと感じられるのが土鳳梨酥の特徴です。
土鳳梨酥にしては、少し酸味が足りないような気がしましたが、酸味具合は好き好きだと思うので土鳳梨酥好きの方にはぜひ挑戦していただきたいです。
土鳳梨は好きだけど、きつい酸味が苦手という方にピッタリ!
※価格は原材料の高騰などで変更となる場合があります。
牛軋糖(ヌガー)。お店イチオシは南棗核桃糕(ナツメとクルミ)!
手前から、クランベリー、オリジナル、ナツメとクルミ、アーモンドです。
こちらのヌガーは手作りにこだわっています。ヌガーとは、ちょっと固めのソフトキャンディーのような食感で、噛むとほんのりと広がるミルクの風味が癒しを与えてくれるお菓子です。奇華では高級バターやクルミ、ナッツを使用しているとのこと。甘さは控えめでした。
種類は原味牛軋糖(オリジナル)、杏仁牛軋糖(アーモンド)、蔓越莓軋糖(クランベリー)、南棗核桃糕(ナツメとクルミ)の4種類あり、一番人気はアーモンドだそうですが、お店のオススメは南棗核桃糕!美容効果もあり、身体にいいとされるナツメがたっぷり練り込まれており、ナビもファンになりました。
※価格は原材料の高騰などで変更となる場合があります。
年に数回、新商品を販売するという奇華。最近店頭に並んだばかりだという蝶々のような形をしたサクサクのお菓子、蝴蝶酥(蝶々型のパイ)。大きさにバラツキがあるのは、一つ一つ手作りしている証です。手作業でないとこの食感は実現できないのだそうです。お土産には不向きかもしれないけれど、滞在中のおやつにオススメです。
ちなみに、台湾人ナビスタッフは香港土産の定番「蝴蝶酥」が大好き!お土産に持って帰ってみると…「これ、私の~!」と独占しちゃう始末でした。それくらいおいしいんですよ~♪
台湾で蛋捲は馴染みがありますが、今日のこの日まで鳳凰捲の存在には気が付かなかったナビです。美しく折り畳まれた鳳凰捲とは香港で人気の中華菓子だそうです。奇華の鳳凰捲は厳選された新鮮な卵と上質な小麦粉が使用されており、名前を聞いただけで興味がわくような4種類の味がありました。
綜合鳳凰捲禮盒
芝麻椰絲(ゴマとココナッツシード)・鐵觀音腰果(鉄観音とカシューナッツ)・擂茶(レイ茶)の3種類の詰め合わせセットです。鉄観音や擂茶は台湾ならではです。中でも鐵觀音腰果がナビは気に入りました。
肉鬆鳳凰捲禮盒(デンブ)
でました!パンやごはん、あらゆる場面で顔を出す肉鬆!スイーツにも登場です。恐る恐る(笑)食べてみると・・・「う、うまいっ!」。肉鬆とサクサクでほんのり甘い生地の絶妙なバランスがすばらしい一品。これはナビとカメラマンのイチオシです。残念ながら肉鬆は日本へ持ち帰れないため、滞在中にぜひ試してみて下さい!自宅へ持ち帰ったところ、家族にも大好評でしたよ♪
その他、香港系中華菓子も豊富でした。ゴマやピーナッツ、ナツメなど栄養価の高いものがねりこまれていたり、全体的に甘すぎず、健康志向なものが多いのが嬉しいです。
(左)アーモンドの香りが漂い、スルッと溶けていくような不思議な食感の杏仁餅と、(右)クルミに似ていることから名づけられたという核桃酥。中にクルミは入っていません。共に香港の伝統的なお菓子だそうです。
香港の人気お土産屋さんとして、日本の方にも有名な「奇華」。台湾に来てまで香港土産?と思いましたが、いえいえ実力は本物でした!しかも、台湾で売られているものは極力台湾産にこだわっているので、パイナップルケーキなどは断然台湾の方がおいしいそうですよ~♪
以上、台北ナビでした。