地元台湾人からも観光客からも絶大な支持の大人気パン屋さん
取材は敦南店で行いましたが、2022年3月15日で営業を終了しています。現在は「復北店」での営業となります。
一禾堂 麵包本舖(復北門市)
台北市松山區復興北路323號
(02)2545-0096
こんにちは、台北ナビです。
今日は通称東区のお洒落な若者の街にあるパン屋さん「一禾堂」をご紹介します。ナビは何度も足を運んでいるパン屋さんですが、行くたびに、台湾のリッチな方たちが高級車をお店の前に横付けして買いに来るのをよく見かけていました。今回取材をしてみて、やはりそれだけの価値のあるパン屋さんだと実感。このおいしさの魅力をお伝えします。
焼きたてを食べてもらうため、日に何度も焼いています
「一禾堂」は、この敦南店が本店で全3店舗あります。ここはベジタリアン向けではありますが、卵や乳製品などは使用したもの(蛋奶素)を販売。無糖、無油のコーナーがあったり、豆乳を使用しているなど、きちんと表記されているのも嬉しいです。ちなみに復興北路にある復北店は卵や乳製品などを一切使用していないヴィーガンの方向けのパン屋さんです。
10:30のオープンに向け朝は6:30から焼き始め、パンの種類によって焼く回数は異なりますが、最低でも1日6回、いちばん人気の海鹽奶油捲(塩パン)ともなると20~30回焼き上げます。これは来店するお客さんにいつでも焼きたてを食べてもらいたいという思いからです。そういえばいつも海鹽奶油捲(塩パン)は温かいものしか買ったことがなかったかも!嬉しい思いですよね。開店の時間帯はパンをどんどん準備、夕方17:00近くになるとほぼ売れてしまい、パンが少ない状態です。
ズバリ狙い目は、いちばんパンの種類が充実していて数量も多い13:00~15:00ですよ!
敦南店の店長ソフィーさんは、にこやかで礼儀礼節を大切にしているのだなと伝わってきました。簡単な日本語も話せます
ナビはお店の雰囲気や品質の高さから、日本企業が進出したのかと思っていましたが、オーナーは台湾人の方。リーダー格となっているパン職人さんは20年以上もの経験がある方だということ、日本でパンの修行歴もあります。
酵母などの素材も一から作っているので、この店舗だけでも16人ものパン職人さんがいます。ちなみに3店舗のうちでこの本店がパンの種類がいちばん豊富ですよ~。
お土産には「パイナップルケーキ」でしょ!
* 鳳梨酥(パイナップルケーキ) 1個50元
クッキーのようにサクサクした外側には大豆粉が使用され、具がたっぷり詰まったパイナップルケーキです。パイナップルは甘みのある「金讚鳳梨」と酸っぱさのある在来種の「土鳳梨」の2種類を絶妙なバランスで混ぜ合わせて使っています。甘みと酸味がミックスされてちょうどいい味ですよ。箱入りは、10個で520元。台湾の方が外国のお友達にお土産として購入するだけでなく、日本、香港、韓国などの観光客もお土産に買っていく人が多いのだとか。パッケージもオリジナルで、パイナップルの皮をイメージしたイラストになっています。賞味期限は10日間。マカデミアナッツ入りのパイナップルケーキも開発中なんだそうです!早くできないかなぁ……、楽しみ~♪
* 鳳梨芒果司康 35元
台湾を代表するパイナップルとマンゴー入りのスコーン。食べ飽きないようにとの考慮から、通常よりあえて小さいサイズにしています。パイナップルとマンゴーの果肉が交互に味わえます。包装紙に包まれていればお土産にもいいかも……なぁんて思います。パッケージ作らないかなぁ……。
新商品のサイクルは季節ごとの1年に4回。春夏はマンゴーやパイナップル、秋冬は苺や栗やチョコレートを使用したものなどが登場します。小麦粉は基本、日本産とフランス産のもの、バターはフランス産のものを使っています。地元台湾人の方たちには、朝食用にドライフルーツの入ったパンがとても人気だそうですが、ナビが気になるのは台湾らしいパン!台湾らしさを感じられるオススメを中心に何点かピックアップしてもらいました。
* 三星蔥麵包 45元
宜蘭名産の三星ネギを使用。香ばしいネギと豆乳が練りこまれた生地のバランスが良い、惣菜パンです。
* 豆乳芋頭 40元
台湾中部で採れた芋頭を皮からむいて調理し、中の餡にしています。こしあんのようにとても滑らかで、ひとくち食べると芋頭の香りが口いっぱいに広がります。芋頭が苦手な方でもこれを食べたら、芋頭が好きになるかもしれませんよ!
* 貝果系列(ベーグル) チーズ45元 / プレーン35元 / ブルーベリー 40元
ベーグルの味は、プレーン、チーズ、ブルーベリーの3種類。お店でも販売しているオリジナルの豆乳入りです。モチモチの食感がたまりません。アメリカンベーグルはもっと大きなサイズですが、日本サイズは小さく作っているお店が多いので、こちらもそれに習い小さめの食べやすいサイズにしています。(ナビはもうちょっと大きくてもいいと思うんだけど……)チーズ味は上部だけでなく中にも入っています。ブルーベリー味もた~っぷりの粒々が入っています。ちなみにこちらのベーグル、店内に置いてある石臼で挽かれた台湾産の小麦粉も使用されています。
* 濃豆乳菠蘿 35元
北海道十勝の大豆を使用したほんのり甘みのあるパンです。これもお店オリジナルの豆乳を使用しています。台湾人は菠蘿(メロンパン)が大好きで、人気ナンバー2!ですが、口の中の水分を取られすぎるので、ナビはちょっと苦手なんです。でも、ここのはしっとりとしているので、食べやすくて好きなんですよね~。表の模様は、表面にバターを塗ると、焼きあがり時に割れているのだとか。
* 花生酥菠蘿 45元
台湾新竹の高品質ピーナッツを使っています。ピーナッツの味に飽きてしまわないよう、ピーナッツクリームはあえて多すぎず少なすぎずちょうどいい量です。生地もほんのり甘みがあります。表面のカリカリな食感がクセになる1品です。
* 維也納 65元
台湾らしさはないのですが、カメラマンが大好きということでご紹介!「維也納」はウィーンの意味で、「パン・ヴィエノワ」のことです。フランスパンのミニヴァージョンのような形から硬そうなパン生地に見えますが、思いの外硬くはないです。100%フランス産の小麦を使用し、中のクリームはお店オリジナルの豆乳を使用した上品な甘さ。クリームの中に細かく砕いたナッツが入っていて、食感も楽しいです。ビーガンのパンですよ~。
* 海鹽奶油捲 40元
一禾堂で一番人気の塩パン。上にかかっている塩は、スペイン産の「灰塩」。この塩は、しょっぱいだけでなく甘みも含んでいます。生地の中には日本の赤穂産の塩を使い、もっちり、そしてしっとり、外側は香ばしい。いろいろなパン屋さんの塩パンを食べてきたナビですが、ここのは上位に入る大好きな塩パンです。塩パンって作るのが簡単なんだと思ってましたが、実は難しいのだとか。こちらのパン職人さんが形や食感がお店の求めるパーフェクトなものが出来るようになるまでには、最低でも3ヶ月はかかるそうです。
豆乳も販売しています
こちらで販売している豆乳は、無糖、微糖、焙茶(ほうじ茶)、玄米の4種類。量はそれぞれに1000ml(120元~)と260ml(40元~)の2種類があります。焙茶は若い人に人気があり、健康に気を遣っている人には無糖や玄米がお好みのようです。
すべてに北海道十勝の大豆が使用され、濃厚でとてもまろやかな口当たりです。上にも書いたように、豆乳入りのパンはすべてこのオリジナル豆乳を使用しています。
イートインスペースはないものの、店内には無料でいただける奉茶が用意してあり、店先にベンチもあるので、観光客の方でも旅の途中にサッと購入して食べている人も多くいますよ。是非台湾の美味しいパン「一禾堂」、お試しください!
以上、台北ナビでした。