三地門へ行けば、パイワン族のアートを身近に感じ、その迫力に圧倒されます
こんにちは、台北ナビです。屏東県內埔郷水門村成功路に「古琉坊」はありました。ここの通りは、三地門原住民の伝統芸術の老街とも言えます。「古琉坊」の隣は石版のお店です。
「古琉坊」は、その中でも独特の風貌で、緑に覆われた外観は看板さえも少し隠してしまっています。開業からすでに20余年だそうで、女性オーナーは賴麗春さん。パイワン族の頭目に嫁いだ客家人の女性です。一見そっけない応対ですが、慣れてくると熱く、はっきりと物を言うサバサバした闊達自在な風で、ナビはとても好感を持ちました。
まず店先の地面には2か所の溝があるので、入場には足元をちゃんと見てくださいね。
入る前から掘り出し物やものすごいものがいっぱいありそうな予感がする店で…、実際そうであったのです!手前の方にはパイワン族の布や服、手工芸品、装飾品などがありますが、目に入ってくるものは物だけでなく、伝統と現代が入り混じったような、どこにもない個性的な空間です。原住民衣装はオーダーメイドができるのですが、それゆえに自分だけの独特なカラーを打ち出すことができます。「古琉坊」は国内外の若いアーティストのために、各所に彼らの作品も置いてあります。
想像力をかきたてる空間
2004年、頼さんとご主人は、春賓大旅社という小さな旅館だったこの古い建物を購入し、夢の実現に邁進し始めます。2005年、フランス人のアーティストのミシェルさん(奥様がパイワン族で雲門のダンサーの方)と原住民アーティストの撒古流さんの監督の下、徹底した大改造を行い、2006年初、洞窟の中に出現したような巨大なアート空間を作り上げたのです。
ミシェルさんはよく屏東でロングスティをしており、ナビたちが行ったこの日もお姉様たちと一緒にいらっしゃいました。日本語も話されるのでなぜ?と聞いてみると、お2人とも日本のディズニーシーの設計に携わっていたそうで、2年間日本に住んでいたとのこと。どおりで店内の壁を見ると、そんな感じの幻想的なエリアが各所にあります。その空間と撒古流さんの自然と一体化したパイワンアートがうまくコラボして、外界とは隔絶した奇想世界にはまりこんだような気分にもなります。
ここへ来たら、ディズニーシーを思わせるような橋も渡ってくださいね。洞窟から抜け出た先の花園庭園の周辺は、半屋外カフェになっています。コーヒーは絶品です。ここへ来たらぜひ一杯どうぞ。そして、さらに先の空間へ向かうと、2階へも上ることができます。そして、2階からはこの地が水門と呼ばれるゆえんの水車を見ることもできました。左に水車。右側は2つの支流に分かれている河を目の当たりにすることができます。
「古琉坊」は、茂林や三地門、霧台、瑪家を訪れた旅人が休息し、和む場所として最適の空間を提供してくれています。わざわざ行く価値ありの店でもあります。
以上、台北ナビ(細木仁美)でした。