パイワン族のとんぼ玉に魅せられ、台東コーヒーも味わえます
こんにちは、台北ナビです。
パイワン族の刺繍の達人と言われる陳媽媽(陳ママ)こと陳利友妹には4人の子供さんがいらっしゃり、ご長男はとんぼ玉のアーティストで、近所に工房を構えています。ご長男の息子さん(陳ママのお孫さん)も数年前にとんぼ玉制作に取り組み始め、工房&ショップ&カフェをやはり近所でオープンしていたので、ちょっと寄ってみました!
比亞的草屋・琉璃珠工坊
「比亞」は、陳ママのご長男である利幸陵さんのパイワン族名の音に漢字を当てはめたもの。1999年、利幸陵さんはパイワン族の原住民工作室「比亞的草屋」を開始しました。
ワスレグサ(金針花)が満開に咲くと、多くの行楽客が訪れる金針山がそびえる太麻里で、その建物の佇まいから、すでにあった「陳媽媽工作室」とともに、金針山へ向かう人たちの目に止まっていました。
とんぼ玉は、台湾では琉璃珠と呼ばれ、パイワン族の民芸品としても有名ですが、現在、利幸陵さんは「比亞的草屋」の後方にもう一つの工房を構え、そこで制作中。「比亞的草屋・琉璃珠工坊」にはカフェも併設され、現在息子の呂鈞さんと彼女の鄭楚玄さんの2人がきりもりしています。
9:00~19:00、木曜定休、とんぼ玉体験教室とカフェ
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アミ族の鄭楚玄さんとパイワン族の呂鈞さん、お似合いのすてきな2人です
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「陳媽媽工作室」でもそうでしたが、各所にパイワン族伝統の大小の彫刻が見受けられます。陳ママの2番目の息子さんは彫刻家で、ここに置いてある木製の棚や台などには個性的なものが目立ちます。もちろん陳ママの刺繍も飾ってありますよ。
呂鈞さん
2017年の今年28歳の呂鈞さん。中高校生の頃から、父親が製作している様子を常に身近に見てきました。体育大学でバスケを中心に取り組んだ後兵役を終え、本格的にとんぼ玉に取り組み始めたのが4,5年前のことだそう。父親から基礎的なことを学び、デザインは気の向くまま。その時にやってみたいと思ったものから取り掛かっているのだそうです。
とんぼ玉一個は数分で造れますが、火の強さで焼きすぎたり、割れたりもするし、火をあてる角度や色の重ね具合など、ほんの些細ないろんな要素で求めているものと違うものになってしまうことも多いので、自分の納得がいく作品を造るにはかなりの時間を要するとのことでした。
カフェの後ろが工房。中央に陳ママとの写真がかかっています
作業の様子はオープンだけど、このスペースは呂鈞さんの聖域でもあるので、
遠くから見るのはいいですが、声をかけるのは控えてくださいね。
パイワン族のとんぼ玉は、鉄やステンレスの芯棒にバーナーで溶かしたガラスを巻きつけ、形や文様を作る「巻き付け」というとんぼ玉制作で一番プピュラーな技法です。
ならしたりしながら
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かなり神経を使う細かい作業です
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色とりどりのとんぼ玉に魅せられて
中央には、とんぼ玉の展示と販売のコーナーがあります。
呂鈞さんに自分の作品で一番好きなのは?と聞いたら、真ん中の台の中央にある黒のネックレス、とのことでした。色は真っ黒ですが、パイワン族の守り神である百歩蛇や陶壺を彫ったような凹凸を備えていました。
パイワン族はの3つの宝は、青銅刀(番刀)、陶甕(陶壺)、琉璃珠(とんぼ玉・蜻蜓珠)だと言われています。貴族階級社会であることから、昔はそのとんぼ玉の模様などによって、どの部落に属し、どの階級の人なのかが一目でわかったそうです。現在の製作方法は、古来のものとは異なり、バーナーで色のついた工業用ガラスを溶かして作る現代的な方法ですが、高貴之珠(彩虹高貴珠)Mulimulitan-kaulayanや眼涙思念珠(太陽の涙)Lozegnagadawなどなど、その文様によって決まった意味を表わすものは昔も今も同じです。それらは恋愛や学業、財運や家内安全などの意味を含んでいるので、身に着けることによっての運気UPあり!購入したい時は、先にそのとんば玉の意味を聞いてみましょう。
とんぼ玉製作に興味がある方は、30分350元のクラスもあります(要予約)。
カフェにて
おすすめは台東コーヒー
入口近くは、カフェスペ-スになっています。
この日ナビたちは、南廻壢坵のアイスコーヒーと綿花糖土司(マシュマロトースト)を注文しました。台東県特産の鹿野特調コーヒーは、この日売り切れていたので、南廻…のコーヒー豆にしたのですが、こちらも台東のもの。台東産のコーヒー豆は収穫量も少ないので、それがここでいただけるとは希少です。
カフェの雰囲気も太麻里の空気に合ったのんびりとした、リラックスできる感が漂っています。きれいなとんぼ玉や原住民グッズを眺めながら、半屋外的なこの感じ、何物にも代えがたいものがありますよ。
太麻里
台湾で一番最初に日の出が見られることでも知られ、初日の出を拝みに来るスポットとしても有名な太麻里。台鉄「太麻里」駅を降りると、青い太平洋が遠くに望めます。その砂浜がまさに日の出のスポットなんです。海に向かうと、背にした山はワスレグサ(金針花)畑の金針山。パイワン族が多く住むこの地では、大自然も美しい。そして、彼らが古から守ってきたとんぼ玉(琉璃珠)の美しさは、ここに来るとなお一層感じることができます。
台鉄「太麻里」駅
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そして、駅の真ん前は日の出の海岸
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以上、台北ナビでした。