嘉義と言えば、雞肉飯だけじゃない。東市場に行けば美食がいっぱい!
こんにちは、台北ナビです。
「寺廟ある所に食あり」。台湾各地で美味しいものを探したいとき、まず思い浮かぶのがこの言葉(と、ナビ自作ですが)。300年以上の歴史を持ち、嘉義市の市定古跡にもなっている「嘉義城隍廟」。歴史の長さからも察せられるとおり、周辺をとりまく東市場は、東西は呉鳳南路と共和路、南北は公明路と民族路にまで広がり、旧正月前の歳末売り出しともなれば、1500軒もの大小の売り場が出店し、嘉雲(嘉義と雲林)エリアで最大の買い出し市場となっています。
東市場その昔
東市場は、日本時代の1914年(大正3年)に完成し、営業を開始。嘉義市内では最も古く、ほぼ完全な形で残っている市場です。嘉義、と言えば、当時は阿里山から運ばれてくるヒノキの集散地でもあったことから、東市場の建造にも大量のヒノキ材が使用され、今まで数回の火災に遭ったにもかかわらず、天井の高いところに使用されたものは、当時のままの姿を留めています。
日本時代も後期になるとコンクリート製の現代建築も増えてきましたが、東市場は依然として建物だけでなく、販売習慣など多くの面で古風で伝統的なスタイルを大切にしてきました。品物も昔から今までずっと多種多様で、豊富なことに変わりありません。更に衛生的な管理の下、老若男女に愛される懐かしの市場と成っています。嘉義人であれば、後々どんなに遠くに住んでも、ここに戻れば様々な記憶がよみがえる印象深い場所なんだそうです。
1941年(昭和16年)12月17日、嘉義大地震が発生しました。戦時中でもあり、物資の不足はあったものの、嘉義に多いのはヒノキ。建て直しには、ヒノキと竹が使用されました。戦時中も小さな火災がありましたが、市場の出店者は屋台方式だったので、商売人自らが壁を作ったりして凌ぎました。
1963年になって、大火災が発生し、東市場の3分の1が焼け落ちます。被害に遭ったのは、忠孝路と光彩街の東市場入口あたりで、この部分は後にコンクリートで再建されます。1978年正月15日、再びの大火災で、今度は市場の半分が焼けてしまいました。猛火は呉鳳路付近まで及び、消防署ほか、警察、空軍からも計31台、660人が消火にあたりましたが、7店舗と111カ所の屋台が被災してしまいました。
市場の一日
東市場は毎日6時から14時までくらいですが、お昼ごろにはほとんどが店じまいに入ります。一般的に市場は旧暦で事が進むのですが、嘉義市政府に確認したところ、東市場は店によって休みの日が異なるそうです。一般的には家族経営なので、家庭の事情などで営業時間にズレが出たり、急に休みになったりすることも。台湾人は慣れていますが、観光客の方はこんなことでカッカしないように~。
さて、お店はどこも親切で、忙しいとありがちな、ぶっきらぼうな態度をとられるようなことはまずありません。嘉義の人たちは一般的に穏やかで、人当たりも柔らかい、と感じます。台南に行くと店主は一見無愛想、でも話し込むとOK。台北なら、忙しいと荒々しさに更に輪をかける感じがあるんですが。
東市場とその周辺には、海鮮、野菜、果物、生肉、肉製品、花果、乾物、服飾、日用雑貨、お詣り用品と何でもあり。が、美味しいと評判で有名な店は、市場内のある個所に集中しています。そのうちの幾つかを紹介しましょう。
王家祖傳本產牛雜湯
フードエリア番号で言うと13號。一番人が多いのですぐわかります。常連さんでなければ、グツグツに煮込まれる鍋の前に立ったりして、ナビみたいに写真を撮ったりしてるのは観光客。この湯気と煮込み音、もう見るからに美味しそうでしょ?
牛肉、牛肝、牛雑、牛筋、牛腰、牛肚、牛心などの材料を煮立った大鍋に入れ込み、湯がいた後に取り出します。肉は柔らかく、スープは絶品。王さん家族はすでに四代目が継いでいて、100年の歴史を継承しています。看板の牛雜湯は130元。
牛肉湯(牛肉スープ)と言えば、台南が有名ですが、嘉義のスープが台南と違うのは、生肉にアツアツのスープを注いで食べるのではなく、様々な部位が煮込まれている大きな鍋に生肉を入れ、ミディアムくらいになったらお碗に移し、そこにショウガの千切りを載せ、上からスープをかけます。なので、テーブルに運ばれてきた時、牛肉はすでに火が通っている状態。全然硬くはなく、醬油膏(台湾醤油)と辣椒醬(辛いソース)につけていただきます。
必ず聞かれるのは、ごはんは要る?一緒に食べる人が多いんです。スープは言えば足してくれます。ご飯と牛雑湯のセットメニュー。これが朝ごはんなら超豪華ですよね。
通の人は、牛雜湯はお昼に行って食べるべき、というらしいです。というのは、朝6時から煮込み続けた牛雜と牛肉のエキスが大鍋の底に溜まり、それがたまらないそうな。なので、朝一回、昼一回で食べ比べるのもいいとか?お昼になったら客が減る、というのは全くなく、朝より昼時が混むそうです。
王家祖傳本產牛雜湯の向かいに、蕭家春捲とその横に本産羊肉があります。
蕭家春捲は、1つ45元。60年以上で、こちらも東市場では有名な老舗です。老板の作るスピードの速さと言ったら、すごいです。そして、更に驚くのがこの春巻の大きさ!というのも中の具には麵、蛋酥、キャベツ、ニンジンほか具だくさんこの上なし!いい香りを出しているのは、豚皮の切り身です。
やはり朝6時からで、メニューは看板の米糕、排骨酥以外に排骨酥湯、龍骨髓湯、豬腦湯、筍干排骨湯、酸菜豬肚湯、苦瓜排骨の各種美味しいスープがあります。すべての料理は当日に作ったり揚げたりして、売り切って店じまい。米糕の糯米はQQとしていて、チマキのようでもあり。上にかかっている肉とシイタケの煮込んだ香りに酔います。排骨酥は、600g200元。量り売りなので、必要な量か買いたい金額を告げても大丈夫。肉の香りと歯ごたえをじっくりと味わうことができます。
1922年創業の楊桃冰。楊桃(スターフルーツ)以外に、杏仁冰や洛神花(ローゼル)茶や霊芝仙草茶などがあります。変わっているのは、楊桃や洛神花にサイダーを合わせた飲み物もあるということ。
鳥かごを作る店がありました。ミシンで作っているところが見られます。まさに鳥かごに使用したり、装飾品として購入する人もいるそうです。
嘉義市内の観光ポイントは、鉄道、歴史と美食。美食の中で雞肉飯はもちろんのこと、東市場には行かなければ!以上の5軒(本産羊肉含む)は、東市場の忠孝路106號から入っていくと、すぐ探し出すことができます。朝は6時から大体お昼には終了です。
以上、台北ナビでした。