台湾版画アートが集うお店!店内には台湾らしさ溢れるポストカードなどがい~っぱい♪
※以下の内容は赤峰街に店舗があった時の様子です。2016年2月末に迪化街近くの「台北市大同區南京西路275號」に引っ越しました。最後に引越し先の地図がありますので、それを参考にして新しいお店へ遊びに行ってくださいね!
ミニサイズの版画に使う機械も展示されています。
DIYではこれを使用して、版画の世界を広めているそうです
こんにちは、台北ナビです。
台湾へ旅行に来たら、ポストカードにメッセージを書く方が多いですが、そのポストカードが台湾らしくて、かわいかったらもっと嬉しい!そんな方にオススメしたいお店を赤峰街で見つけてしまいました!
何でも版画アートに特化したお店だということですが、版画についてもあまりよくわかっていないナビ。色々学びながら、お気に入りのポストカードを見つけました~☆
今、ぶらり歩きが楽しいストリート「赤峰街」
赤峰街は中山駅と雙連駅のすぐ西側伸びるストリートで、今でも部品屋さんが軒をつらねる場所です。そんなストリートがここ数年、おしゃれに敏感な若者達のエリアとして生まれ変わりつつあるのですが、今回ご紹介したい「岩筆模」もここにあります。
実はナビ、何度も「岩筆模」の前を通っていたのですが、店内へ入る勇気はなかったんです。だって、青の窓枠や扉枠がポップでかわいらしいのですが、デカデカと書かれた「您為什麼而活?(あなたは何のために生きるの?)」の文字が、思想的で何を売っているのかもわからなかったから…。でも、勇気を出してお店に飛び込んでみると、台湾中の版画アートが集まるショップ兼ギャラリーだったというわけなのです。
気になる「您為什麼而活?」の文字は2014年に起きたひまわり学生運動をきっかけにお店に飾られるようになりました。
それは、この運動が下火になっても「何のために生きているのか」を多くの人が考えながら生きると、世の中もっとよくなる!という思いがあるからなんだとか。
版画は生活に取り入れやすいアート!
お店の前には説明もありました
店名の「岩筆模」。これは「岩筆」が台湾語の「鉛筆(えんぴつ)」の音と似ているからと岩筆の中国語の発音が英語の「MB(えんぴつ)」とも似ていることから誕生しました。しかも、こちらのオーナーであり先生とも言われる「林仁信」さんと「劉政育」さんの誕生日を足すと「1024」となり、ちょうど1MBの大きさになることで、「岩筆工作室」と名づけられたそうです。
でも、なぜ「えんぴつ」が彼らにとって店名にしてしまうほど魅力的な言葉なのか…。それは、ほとんどのアートはえんぴつを使ってデッサンをするからでしょ?と思ったあなた!まだまだです。版画家にとって、えんぴつはデッサンで使用するだけでなく、最後のサインをする道具でもあるのです。
つまり、えんぴつははじまりと終わりをつなぐもの。えんぴつのように版画を知るきっかけ作りとその版画を生活に取り込むような暮らしを提案したい!というのが理念にあるそうです。
ではその後ろについている「模(more)」とは何でしょう?これには2つの意味があり、漢字の「模」は「模型」から取り、英語の「more」には「もっと違った可能性がありますように」という思いを込めているのだとか。
店名の由来聞けば聞くほどとても良く考えられた言葉で、忘れられない店名です。
台湾のありとあらゆる版画アートが集う場所
2階の工房は想像以上に小さくてビックリ!
絵画と聞くと、お金がかかりそう、自分とは違う世界のもの…など、高額なために絵画に触れ合えない人が台湾には多いといいます。本当に絵画を楽しんでいるのはほんの一握りとも…。
世界に1枚しかない絵画を求めるのはお金がかかりますが、版画ならお値段はぐ~と下がり、門戸が広がるというわけなんです。
ナビのようなフツーの人でも楽しめる版画。こちらでは台湾の作家が手がけるものを厳選していて、商品点数も台湾一と言われています。
簡単にアートに触れ合える「ポストカード」
「ㄆ(ピンインのP)」のカードには…
「ㄆ是什麼?劈哩啪啦的(ㄆは何? パチパチのㄆだよ!)」
と書かれていて、動物が茶目っ気たっぷりに注音を教えてくれます!
台湾には数えられないほどのポストカードが販売されていますが、こちらは版画にこだわった品揃えです。
ナビが個人的に気に入ったのは注音を楽しく覚えられるポストカード。37枚で1セット1500元。バラ売りもしています。
平版で色をつけていて、カラフルでポップな色使いが特徴。それでいて紙は厚くて高級感もあります。
37種類すべて絵柄や言葉が異なるので、2セット購入して、かるた遊びをしながら注音を覚えるのも楽しそう!
セットの箱は注音表になっています
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1枚50元で購入可能!
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もうひとつの人気商品が「Greeting from Formosa台灣特有種生物明信片」。
こちらも平版で作られています。台湾固有種動物を描いたものです。
その中でも人気は台湾黒熊。やっぱり台湾固有種といえば台湾黒熊を思い浮かべてしまいますもんね!
白いバージョンは初代。バラ売りもされていますが、台湾黒熊は現在売り切れ。 セット売り1組6枚250元でのみ手に入りますよ~!
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黄色バージョンは第2弾で、初代には描かれなかった動物も多く描かれています
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ナビは「台灣獼猴」に釘付けになりました。
高雄の中山大学で中国語を学んでいた時、毎日のように見ていたお猿の種類です。持ち物を取られたり、寮のお部屋を荒らされたけど、やっぱり台湾の動物といえば彼を思い出してしまうナビ。
その頃お世話になったお友達にこのポストカードであいさつしたいなぁと思っています。
今回案内してくれた蘇鈺婷さんが手がけたポストカードがこちら。
先ほどの注音ポストカードならぬアルファベットポストカードです。伝統的な凸版印刷の技術を使い、一枚ずつ作り上げるので、レトロな雰囲気が漂っていて味がありますよね!
ナビのアルファベットが出たらすぐ買ってしまいそうです~。(80元/枚)
ボリュームある手漉き紙に印刷を施した「Handmade paper & Printmaking-手抄紙版印明信片(120元/枚)」にも注音がありますね~。
手漉きなので一枚として同じものがないのも魅力です。プリントしている部分は凹んでいて、白い部分は手漉き独特のさわり心地が楽しい!
以上の作品は岩筆模オリジナルの商品ですが、他にも版画技法を使ったポストカードが色々売られています。その中にはコラボ商品もありますよ。
左が売っている状態。右は色鉛筆で色付けしたものです。 自分らしく色を塗れるのも楽しいですよね。(100元)
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鳥好きさんにはこんなクリスマスカードどうでしょう? (左下150元、左上170元、右130元)
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ナビはちょうどクリスマスに訪れたので、クリスマスカードも豊富にありました |
この憎たらしくもかわいらしい表情!!
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見れば見るほど、感じ方がかわってきて不思議~(150元/枚)
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台湾の「蔵書票」が充実!
こちらの売りは何と言っても蔵書票の品揃えがいいことなのだそうですが、ナビは蔵書票と聞いてもイマイチ何のことかわかりませんでした。辞書を調べてみると…「書物の所蔵者を示すため、表紙裏などにはる紙片。エクスリブリス。」と書かれていました。今では美術品として収集する人もいるそうです。
選りすぐりの蔵書票
どうでしょう?濃さまで精巧ですよね!!(500元)
こちらには大小さまざまな蔵書票が売られており、実際手にとって見ることができます。
一見、ポストカードとあまりかわらないんじゃないかと思われる「蔵書票」ですが、ポストカードとはその精度がまったく違います。色、濃さなど…一寸の狂いもなく、一見したところでは同じものに見えるそう。
そこにナンバリングとえんぴつによる直筆のサインを入れて、自分のものだと判別するんですね。
初めて「蔵書票」を手に取り見ましたが、版画作家の気迫も感じられたように思います。版画には大きく分けて凸版、凹版、平版、孔版があるのですが、その違いもよくわかりました。比較的小さなサイズのものも充実した品揃えで、値段も300~800元とかなりお手ごろなのもいいですよね!
これは蘇鈺婷さんの作品。3つの型を組み合わせて作られたそうです。真ん中の型も見せてくださいました
カラフルなものや
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モノクロのものなど…色使いも様々です
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手帳やカレンダーもあります!
卓上カレンダーは年末から年始にかけて販売。2016年バージョンは注音ポストカードの作者Kate Huang(黃姿榕)さんとコラボしたもの。
(299元。今なら20%オフの239元!!)
台湾の方々が大切にしている24節気をヒントに描かれています。台湾の風習なども感じられるかわいいカレンダーを見ていると、日本にいても台湾をいつも感じられちゃいますよ~。
ちなみに、以前1度月めくりカレンダーを作ったことがあるのですが、売れ行きがあんまりだったため、それ以来作ってないそうです。日本だと月めくりカレンダーを飾る家も多いのに、残念です。
予定が書き込みやすいです!
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台湾のお休みだけでなく、振り替え出勤日まで書かれていますよ~
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手帳も人気でイチオシです。
布張りのノートの表紙はシルクスクリーン版画によるものです。(380元)どれも味がありますが、ナビは鳥ちゃんの手帳が気になりましたよ。
中は日付なしのタイプなので、いつからでも始められるのがいいなと思いました。「日星鑄字行」の鉛活字の0~9をセットにしたものも販売中。(580元)
活字入りも愛らしい♪
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1ページ目には版画工房の様子がプリントされています
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今回ナビを案内してくれた蘇鈺婷さん。
静かな語り口ですが、版画の魅力を伝えたい!
という思いが伝わって来ました♪
2010年MRT中山地下街の一角にお店を構えていましたが、2012年に赤峰街へ引っ越してきました。
実はこちらでの営業はなんと…2016年1月17日まで…。
新しい店舗は迪化街近くの南京西路上に構える予定だそうです。新しいお店には気軽にDIYを楽しめるスペースを作る予定で、より一層版画を身近に感じられるお店になるそうです。
改築中はお店で直接商品を見ることはできませんが、日本からでも購入可能なPinkoiでお買い物できます。
以上、版画のことに興味が湧いてきたナビがお届けしました。