愛しい孫の笑顔から生まれた「泉利」の各種台湾おこし・米香は伝統の中に新しさがあるヘルシー志向のお菓子です
こんにちは、台北ナビです。
本日はちょっとした旅気分。バスに揺られて台北郊外の基隆にやってきました。と、言っても高速利用の中距離バス、しかも道路も空いていたため驚きの30分で到着。これじゃあ通勤圏内ですね~。混雑していても50分ほど、台鉄の列車利用でも50分ほどでアクセスできるようです。これだったら限られた時間の台湾旅行でも気軽に遊びに行けますね!
さてそんな基隆、数々の見どころがありますが、今日ご紹介するのはお土産に最適なお菓子のお店「泉利米香」です。
中正公園をめざそう!
ほとんどのみなさんが台北から列車やバスでやってくるかと思いますが、その終点は基隆駅。「泉利米香」は駅からは少し距離があります。けれど、観光に欠かせない海鮮屋台が充実の廟口夜市や基隆市内が一望できる中正公園からほど近い場所にあります。それらの観光名所とセットでぜひ訪れてみましょう。駅からは徒歩15分ほどで到着です。
ところで「米香」って何?
お店をめざしたはいいけれど、「米香」とは何?そんな疑問があるかもしれません。米香とはお米を破裂させた昔ながらのお菓子。日本ではポン菓子とかバクダンとか呼ばれているアレです。でもパラパラとした粒状ではなく、ひと塊になっているからおこしの方が近いかも。ピーナッツやゴマが入っているおこしのように、米香もまたピーナッツ・ゴマ・カボチャの種・干しブドウ・海苔・小魚…などさまざまな食材が入っています。
さてこちらの「泉利米香」は、元々はパン屋さん。といっても単に食パンや菓子パンを売るだけではなく中華菓子も扱っていたそうで、その1つが米香。もともと結納時に配ったり、満1歳のお誕生日の選び取り(※)で使用されるお菓子で、オーダーを受けて作る特別なものだったそうです。ある日、当時まだ小さかったオーナーのお孫さんにオヤツとして与えたところ、とても喜んで食べたのだとか。それをうれしく思うと同時に天然のものだけを使った昔ながらの米香は、小さな子供にも安心して与えられるものとしてそのよさを再認識。それからというものさまざまな食材を使った米香作りに没頭しはじめたのだとか。そしてお爺ちゃんが孫のために作る米香は、子供からご近所さん、そして台湾全土にファンを増やしていったそうです。
※日本でも赤ちゃんにお餅を背負わせる「一升餅」と合わせて「選び取り」を行なう地域がありますが、同様にさまざまな品物を並べて赤ちゃんが取り上げる物で将来を占う行事です。台湾では占った後に赤い色の亀型のお菓子を踏んで長寿を願ったり、米香を食べて対人運や良縁を願ったりするそうです(吃米香の韻が台湾語の「人に好かれる」というところから)。
自然のものだけで作った素朴なおいしさ
オーナーと共に店を切り盛りする簡兄弟
米香作りのモットーはヘルシーさ。使うオイルはキャノーラ油、人工香料や着色料、防腐剤は一切加えず、素材が持つ素朴な味を活かした製品作りを徹底してきました。これは昨今の健康ブームによる市場の需要を狙ったものではありません。お孫さんのオヤツ、という出発点から始まった「泉利米香」の米香は今でも当初と同じ思いが胸にあります。「1歳のお祝いでも使われるものです。赤ちゃんが食べても安心できるものを提供していきたいと考えています」とはオーナーの息子さんの1人で店のPRを担当している兄の簡志源氏。だから、小さな子供から大人、そしてお年寄りまで幅広い年代に愛される健康的なお菓子なのです。
試してみよう!3つの食べ方
米香は「おこし」と言いましたが、実際のところおこしより①軽くて、②サクサク、③ベタつかないのが特徴です。日本のおこしは硬くて苦手…という人はぜひ米香をお試しください。そしておこしもそうですが、封を開けてしまうと早く食べきってしまわないと湿気ってしまうのだとか。おこしよりも硬さがないためそれは如実に現れるとか。そんなことからこちらではちょっと変わった食べ方を編みだしたそうです。それが…
①冷凍して食べよう!そう、凍らせて食べること。作り方はいたって簡単。しばらく冷凍庫に袋ごと置いておくだけ。凍ったらそのまま食べましょう。この方法はオーナーが暑い夏の日にひらめいたそう。志源氏は「暑がる孫に冷たいものを食べさせようとしたのでは…」なんて言いますが、どうして冷凍庫へ入れたのか、そしてそれをそのまま食べたのか、まさにひらめきだったそう。ともかく食べてみたら、そのまま食べるよりもサクサクした食感が味わえたそうです。
②ミルクと食べよう!こちらはお婆ちゃんが食べていたとか。大き目のカップに牛乳を入れ、そこにひと口大に砕いた米香を入れていただきます。少しずつ米香を加えるのがポイントで、入れたら10秒後に食べ始めましょう。この10秒がポイント。周りは少し柔らかいけど中はカリッとした2つの食感が味わえます。もともとはお水に入れていたそうですが牛乳なら栄養価もバッチリ。洋風のコーンフレークのようでもあり、オヤツだと思っていた米香が朝食に早変わりです。柔らかいのが好きな人は浸す時間を長めにすればOK!
③そのまま食べよう!そして、もちろんそのまま食べてもOK!伝統的な結納用の米香は大きなものですが、こちらは携帯に便利な小袋入りの食べきりサイズ。軽いので外出時に持ち歩くお子様のオヤツとしても最適です。
23+αの商品ラインナップ
さて、さまざまな米香の研究を始めたオーナー。伝統的な味だけに捕らわれず次々に新しい味を生み出していきました。今ではその数23種。これはいつでも食べられる定番商品で、これに季節ならではの数種も加わります。ナビが気になったのは、ジャスミン茶、紅麹、金桔(キンカン)、香芋(タロイモ)、阿里山わさびなど台湾的なテイスト。またここは港町ということで海鮮や海藻も。洋風テイストではチーズ、ココア、コーヒーなんてものもありました。実に多彩で、甘いものやしょっぱいもの、ベジタリアンもOKなものまでいろいろ。今回は季節の品としてはドライいちごの入ったものがありました。お米は濁水溪産のもの。粒が大きくて風味がよく、また一年中供給が安定していることから特に好んで使っているのだとか。各具材も台湾で手に入らないものを除いてはできるだけ台湾産を厳選しているそうです。
ナビとしては気になるところが「マンゴー味はあるのか?」ということ。これは目下研究中で近いうちにお目にかかれそう。他テイストも絶えず研究中。今後の展開にも注目ですよ。
デザインパッケージ
お爺ちゃんと孫シリーズ
贈答用としても広く使われている「泉利米香」の米香、パッケージにもこだわっています。店の象徴でもあるお爺ちゃんとお孫さんの様子をモチーフにした6入のカラフルな手提げ箱は志源氏のデザイン。お好みテイストを6つ選んでパックすることができるそうですよ。また、あらかじめセットになっているものでは花布柄の箱入りも。こちらもかわいい~♪さらに、結婚式用では著名デザイナーの彭喜埶氏デザインのダブルハピネスセットが美しい!風習で食べ継がれてきた各種めでたい食品が詰め合わせになっています。
その他の中華菓子もあります!
パン屋時代からのファンも多く、沙淇瑪などの中華菓子もほんの少しだけ今でも置かれていました。その中に見つけたのがパイナップルケーキ。土パイン100%だとか。米香といっしょにお土産にいかがですか?
以上、台北ナビでした。