フォルモサウーロン「東方美人茶」を求めて
こんにちは、台北ナビです。
今回は台湾が誇る「東方美人茶」の主要な産地、新竹県峨眉郷にある峨眉茶行に行ってきました。新竹県の北にある桃園や新竹県の南にある苗栗と合わせ、その土地の特色ある茶葉になります。では、その「東方美人茶」の魅力を探っていきましょう。
峨眉茶行について
現オーナー3兄弟のひとり、徐乾富さん
今から百年以上前の1897年、先代である徐錦隆さんが峨眉茶行の基になる台湾茶葉産業を開始しました。単に自宅の茶畑で茶葉を作るだけでなく、外にも目を向けて多くの顧客を獲得したので、輸出なども手を広げていきました。時を経て輸出のみでなく国内での販売も始め、茶葉のマーケットに変化の起きる中、1976年に徐燕謀さんが「振隆茶園」、「峨眉製茶所」を始め、その後1983年に「峨眉茶行」が正式に店名として登録されました。
現オーナーで4代目になり、徐明鋒、徐乾富、徐明鎧の3兄弟が経営しています。茶葉の品質を重要視し、商品の上では「良質、自然、健康、合理的」、接客の上では「迅速、専門的、共有、人情味」をモットーにしています。
東方美人茶故事館
東方美人茶故事館の入口右側に青心烏龍、青心大冇、台茶十二号(金宣)、四季春、台茶十八号(紅玉)の茶樹が植えてあり、茶葉の説明とそれぞれの葉の違いがわかるようになっています。
峨眉茶行では、「東方美人茶故事館」にてお茶の歴史や作り方を通して、多くの方に東方美人茶を知ってもらおうという活動も行っています。お茶好きな方、台湾茶に興味のある方にはもってこいですね。
「東方美人茶」には小緑葉蝉(ウンカ)と呼ばれるゴマ粒ほどの小さな昆虫の存在が欠かせません。茶葉がウンカに吸食されることにより、昆虫の唾液と茶葉酵素とが混合して特別な香りと甘さ(蜜香)が出来上がります。
みんなで飲み比べました
茶葉が3つ並び、茶杯を渡され飲み比べをしました。どれも香り高く、甘みがあるものや苦味があるものが出てきました。
さて、この中でいちばん高級なのはどれでしょう?とクイズを出され、それぞれに答えました。ナビは真ん中に出された白芯が、いちばん美味しいと思ったのですが、いちばん高級なのは青芯でした。こんなクイズを通してお茶に触れるのも楽しいです。当たらなかったことで、全然まだまだだなと思い、さらにお茶に興味が湧きました。当たった人はこんな可愛いステッカーのプレゼントがありましたよ。ナビも欲しかったな~。ちなみに、東方美人茶のカフェインは、コーヒーのカフェインの1%のみだそうですよ。
いろいろな別称があります
「東方美人茶」には、白毫烏龍茶、オリエンタルビューティー、香檳烏龍茶、五色茶、膨風茶、椪風茶など多くの別名があります。
いちばんよく耳にするのが、やはり英語名「オリエンタルビューティー」の東方美人ではないでしょうか。イギリス王室のビクトリア女王が好んで飲んでいたこと、水晶のグラスで飲む際に茶葉がゆらゆらと美しく踊る様に揺れたのでそれに感動し、この茶葉が東方のフォルモサから来たこともあり、「オリエンタル・ビューティー」と名付けられたと言われています。
香檳烏龍茶の香檳はシャンパンのこと。自然な甘み、熟れた果実のような芳醇な香りからフランスでこれはシャンパンのような烏龍茶だと言われ出したことから、香檳烏龍茶(シャンピンウーロン)と言われるようになりました。
膨風茶の由来は、むかし茶畑にウンカが蔓延し、茶葉が荒らされてしまいました。茶葉を無駄にするのはもったいなかったので製茶して売ったところ、茶葉の特殊な味わいが好まれ高値で売れてゆきました。その話を村人にしたところ、信じてはもらえず。嘘つき(膨風)から膨風茶とも呼ばれるようになりました。
5月中旬~6月の中旬にかけて摘む「東方美人茶」、水と温度がお茶を作るのに大変重要なポイントになります。良質なお茶を作り続け数々の賞も受賞している「峨眉茶行」、お茶やお茶に関するものの販売もしています。是非足を運んでみてください。
以上台北ナビでした。